どこまでも喜劇であれ(新城@皇国)
「こんな時代に、もはや期待することはないのです」 「諦めがいいんだな」 くつくつとさも愉快そうに笑うと、新城は「僕も同感だが」と言って軍帽のつばをちょいと上げた。視界に月寒の姿が映る。 「さあ、行こうじゃないか」 新城は彼女にその手を差し出した。 「君となら最高の終焉を迎えられるさ」 終焉、ですか。月寒は小さく反芻ながらその手をとり、問い返した。 「もし『駄目』だったらどうしましょうか」 「そうだな、その時は……」 その時は、どうする。 「僕が君を殺して終幕としよう」
* 没ネタ。
No.4 真間 2009年02月17日 (火) 03時34分
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