会議室でアンダーアンカーの面々が話し合っている。その議題は「ゼロワンを凍結するか否か」。私はまだ正式にここへと名を連ねていないからあそこに参加することはできなかった。
「ゼロワン、平気だよ」
ゼロワンは私の横で俯いたままずっと黙りこくっていた。優しい彼のことだから、きっと自分を責めているのだろう。それに、バディが死んでしまったのはこれで二人目だ。
『敷島夕弦、教えてくれ』
突然、ゼロワンは顔を上げた。
『どうして人は人を殺せる?』
苦しそうな、搾り出されたような声。私はその答えを返せずにいた。どうして? そんなこと考えてもみなかった。できるから? 違う。
「そう作られたから」
無責任な私は確かにそう言った。あの時私はどんな顔をしてた? あの後ゼロワンはどんな顔をしてた? 景色に影がさして思い出せない。
ただ一つ思うのは、その後彼が自分のきょうだいを殺せたのは、「そう作られたから」なのだろうか。
自責の言葉は虚ろに消える