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アキレスと亀を観た時、自分の様で言葉が出ませんでした。 自分はお笑いでは飯が食えないな、でも私にはお笑いしかないんだけどな参ったなと思いましたが、じゃあ人を笑わすのに資格ってあるのだろうかと考えた時、それは男だろうが女だろうが子供だろうが年寄りだろうが唖だろうが盲だろうが体半分もげていようが全く関係なく、神様は自分の中にいるじゃないですが、ああなんだ、最初からここにあったのかと、考えあぐねいた割にはベタに帰結したなと、実際地位や名誉が欲しいわけじゃないしお金もそんなに必要じゃないし美味いものも食いたいと思わないしなと、意識を変え、いざ周りを見渡すと、素人でも自分の話をちゃんと自分で落とそうとし、まるで冗談を言うことが善き事かの様な雰囲気になることが少なくなく、それが近年のことなのか昔からのことなのか見当が付かず、自分にとってお笑いは宗教みたいなものだと思っていましたが、お笑い自体が既に宗教みたいなものなのかな、だから測定不可能にも関らず誰が一番面白いとか競ったりするのかなと自分はいろんな芸人さんのいろんな所を折衷していたつもりでいたので、ふとそんなことを思いましたが、こんなこと考えるのは不毛だと、それよりも笑いを乞うのが先決だと、いざ身近な人を笑わそうと思っても単なる世間話の延長で皆何気に面白いことを言うので、私は完全に出遅れているな、まともにやっても太刀打ち出来そうにないなと、気づいたらわざとなのか本気なのか自分でも境が曖昧になる天然と呼ばれる冗談を言うことが多く、そうなると受けない時の辛さからは免れますが、その分人からまともに相手にされないという事になるのですが皆無ではなかったので、才能無いんだから仕方ないじゃないかと開き直っていましたが、その内、カツラを被っている人に惚れ、その人のことは挨拶程度しか交わしたことが無く、あとは浅草に住んでいる事ぐらいしか知らなかったので、ストックホルムシンドロームよろしくこれ私面白いから惚れてるんじゃないのか、だとしたら自分の冗談に人様さえも利用しようとするなんて、私はなんて最低な人間なんだと思うと同時に本気でふざけるという事は、自尊心どころか自分さえも売っ払ってしまわないといけないのだろうかと、正直惚れてたからそんなことはどうでもよかったのですが、滑稽なことには変わりはなかったので、参ったなと思いましたが仲良くなるにつれその人が携帯や財布を持ち歩かず現金を裸でポケットにしまい込み、只のフリーターの兄ちゃんのくせに借金してでも毎晩のようにキャバクラやソープへ通い、本当にお金が無くなると隣に住んでる年金暮らしのホモのじいさんに体を売って何とかするような人で、芸人さんみたいな事をする人だなと、家に遊びに行った時も四畳半に卓袱台と一升瓶と煎餅布団とテレビぐらいしかなく付けたら丁度落語をやっていて、キャッキャッと笑うので、小さん好きなんだねというと、君知ってるのと言うので、落語全く詳しくないけど顔ぐらいは知っているよと返答すると、一冊のノートを見せられ凡庸に面白い小説が書かれていたので、作家にでもなりたいのだろうかと思っていたら、俺、笑いを芸術にしたいんだよというので、こいつキテるわと思う前に、言わんとしてることは分かるけど、お笑いの最上級はお笑いなんだよ、お笑いなんて馬鹿でも分かるから難しいんじゃないか、笑いなんて笑ったらそれでしまいじゃないかと言い返すと、君全然分かってないと言うので、いや分かってないのはあんたの方だよと、素人同士でお笑いを語るなんてダサくて情けなくて心が擦り切れそうだとその人は面白いことも言うのですが語ることも多く、俺は他人の冗談で笑ったことが無いとか、マティスが一番好きとの事で一緒に岡本太郎美術館に行けば、俺とは逆だなとか、私が嘘つき酷いよと号泣すれば、声を震わせながら俺は面白くない嘘はつかないというので、じゃあお前のヅラは芸術かよと腸煮えくり返る思いでしたがそんなこと言えるわけもなく、好きな気持ちも上手くコントロール出来ずすぐ振られてしまい、何が笑いが芸術だよ、只の変態じゃないかとか、地震が起きれば浅草だけ崩壊してしまえと、世の中にこんなに悲しいことってあるのだろうかとヘロヘロな状態で丁度公開中のDollsを観に行ったのですが、ああなんだ、私このまま壊れてしまってもそれならそれで仕方ないんだな、恋ってそういうものなのかなと多少楽になり、人からもその内いい人見つかるよと言われ、それが単なる慰めではなくどうやら皆そうやって恋人がいたり伴侶を得たりしている様でしたが、初っ端からかなりハードルが上がってしまったというか、自分の事は棚に上げ求める理想が高すぎるというか、結局私は男は欲しいわお笑いは欲しいわどんだけ強欲なんだと甚だ呆れ、次つったって今更自分の様なお笑い好きや芸人の卵の兄ちゃんなんていけすかないに決まっているしそれこそ本当に芸人さんじゃないと満足出来ないんじゃないのだろうかという思いが過ぎりましたが、それこそ非現実的な話なので、一瞬でも芸人さんに対してそんなこと考えるなんて失礼過ぎにも程があるとすぐ打ち消し、次なんてあるわけないと高を括っていたのですが、その内、バイト先にサッカー好きの大学生が居たので、君にとってサッカーって何なのと訊いたらお笑いって何なのと逆に聞き返され、咄嗟にロマンだよと口走ってしまい、なんて恥ずかしいことを言ってしまったんだとそんな言葉が出てくる自分にも驚きましたが、俺もそうだよと同調され嬉しく思い、彼は自分の世間では珍しくない、面白いことは優れていることだと思わんばかりに松本色の濃い冗談が仲間内で日常会話化している人で、話している内、自分ではこう今イチ平面的なんだよなと思いつつも以前よりも前傾姿勢で冗談を言うようになり、面白い人と一緒に居ると面白いことって言えるようになるものなんだな、ある程度迄なら努力でどうにかなるものなのかなと、彼と話すことは楽しい訓練のつもりでいたのですが、彼は人気者タイプでかなりの男前なのですが、女の好みが変で、眼鏡をかけた一重瞼のどっからどうみてもブスとしか思えない様な自分と酷似したタイプの女性を美人と感じる人で、もう冗談も大概にしてくれと、そんな風にみないでくれよと、何だよ、私のお笑いに対する気持ちを分かってくれたんじゃなかったのかよと、笑いたいんだか怒りたいんだかフガフガした気持ちでいたのですが、彼は数ヵ月後に海外留学することが決まっているにも関わらず、相手にそのことを言わずに浅草に住んでる彼女を作っては夜な夜な通い出し、私の方が絶対浅草好きなのに、もう浅草なんてお願いされても二度と行ってやるものかと思っていました。 その内、自転車に乗ってでの事ですが、うっかり轢き逃げされたり、男の人に道を尋ねられ方向が同じだったので親切心で一緒に目的地まで案内したらそのまま処女喪失するような事態になっても、多少切ない部分はあっても、やっぱ体張った方が受けたときの返りが全然違うわと、私の相手にしている人数なんてたかがしれてますが、爆笑ってほんとに爆発してるみたいなんだなと感激したりもしましたが、そんなの最初だけで、受けるのは一瞬なのに後遺症が半端じゃないなと、足が痛くて、この感じ前にもあったなと、上京する前に損傷した箇所と同じところだったので痛さも倍増してきて、いつもの様に何か冗談を言っても、このパターン前にもあったなよなと大体才能無いのに笑わそうとしてる時点で間違っているじゃないか、もうとっくに許容範囲を超えているよ、このままだとボケ老人になる前に騒音おばさんになってしまいそうだと危惧していたのですが、友達からは真心フブラザーズの明日はどっちだみたいだねと言われ、全く違うよそれを言うならずっと穴を掘り続けているだよと、一体こいつは私のどこをみてそんなこと言っているんだと、自分としてはどう考えてもポールオースターの小説を地で行っている様にしか思えず、読み物としては面白いけど、そういう人になるのとは又別問題なんだけどなと顔で笑って心で泣いていたのですが、その時、高校の情報処理の授業でその考えに甚く感激した二進法が既にライプニッツが考察してた事を知り、いろいろと面白いことを考える人だなと、自分がそれまで経験した事や感じたこと遡っては、ああなるほど世の中うまいこと出来ているなと自分の都合のいい様に解釈したり、ネットで偶然昔好きだった人の実家の自営の通販サイトを見つけ、相変わらず微妙な髪型しているなと、食品の販売なので面白いことは一つもありませんでしたが、どことなくぽい感じがし、昔の恋人に自分の結婚式の招待状でも送りつけるかの様な気持ちで手紙を出したり、人事を尽くして天命を待つじゃないですが、天命も何も自らが能動的に行ったことですが、それを、やっぱり頑張ったら報われるんだな、けど報われ過ぎにも程があると挙措を失っていましたが、それでもこんなことがあるなんて、これから先どんなに辛いことや悲しいことがあっても私は一生幸せ者だよなと、自分のことばかり考えていました。
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