久々に吐くまで飲みながら、「お笑い」について語った。
時代がいま求めているのは、ひな壇芸人でも一発芸芸人でもなく、ダウンタウン級のオールラウンダーな大物(ただしゃべれる、仕切れるだけじゃなくて「作品」を作れる人)・・・なはずだった。
だがしかし、視聴率の大半は、10〜30代の女性に抑えられている。視聴者が求めているものは、「面白いもの」ではなく、「珍しいもの」になっている。さらに、「おバカ」や「ドラマ」の名を借りた、美男・美女の集合。それが視聴率の安全牌になってしまっている。この「絶対にすべらない番組づくり」が鉄則になってしまって、制作者に安心感を与えてしまう結果になっている。本当にどえらいモンを生みの苦しみでひねり出す必要がなくなった。
「ヤバイ。これ評判ほど面白くねえ…」という危機感を持つ制作者…きっと中にいるとそういう発想になりにくいだろう。外から知らせてあげないと気付けないかもしれない。
いま、数年前まで無名だった人たちが、ちょっとずつブレイクしていっている。でもそれも申し訳ないけど、需要が供給より多すぎて、人材難で力不足の人たちにもチャンスが回ってきただけのこと。「ウン。キミ面白くないけど珍しいから、目新しいからちょっと出てみて」といったところだ。マンネリを焦る制作者にタイミングよく担ぎ出されたにすぎない。こんな買い手市場では、満を持して「大物(モンスター)」が出てくるはずもない。大物を物色する余裕すらなく、ただひたすら目新しいものを吸い上げてはいないだろうか。芸人の側からすると、「長くやったもん勝ち、見た目を【珍】にしたもの勝ち」になっている。
こういったことの、何が問題か。売れたい人が売れたらいいじゃないかと思うかもしれない。実害は、テレビがつまらなくなることだ。
このままテレビから、「お笑い番組」はなくなってしまうのだろうか。