代休。そしてきょうも目が覚めたら時計は…(略）

　政治以外にニュースがないこともあって（福田さんガンバレ）、「くいだおれ」が閉店するニュースを各社やっている。
　なぜこれだけの知名度がありながら閉店しなければならなかったのか、各社分かりやすく伝えているが、やっぱり一般の感覚からすると「どうにならんかったのかな〜」と思ったりする。これは置き換えると、「あれだけ沢山のサポーターのいる地元の人気クラブだったのに、選手の高額な年俸とグッズ売り上げの伸び悩みで、廃部」ということに通じる怖い問題である。

　遥か前に大阪の池田市に取材に行ったとき、取材は夕方で終わってしまったので先輩Ｄに、「大阪初めてなんで、夜、道頓堀とか大阪市街行って来ていいっスか？」って言って、道頓堀、梅田、ミナミなど回ったことがあった。そんときは橋が既にフェンスで覆われていたときで、相当ガッカリした記憶がある。「くいだおれ太郎」も見た気がする。実は自分も、「くいだおれ」とは商店街の名称だと思っていた。「たくさん大阪らしい飲食店が集まってるから、ハジゴしてね」って意味だと思っていた。
　閉店の理由に「若い人の食生活の変化」を挙げていた。
　Ｂ級グルメが好きな自分だが、初めて行った土地にマックや松屋ばっかりだとげんなりするのも事実。特に食文化に特徴のない柏だからこそＢ級グルメが活きるわけで、銚子や宇都宮まで来て、結局マックに入った苦い思い出というのは結構ショックが大きかった。チェーン店は居易さ、安心感を与えてくれるというのもあるんだが。
　
　非常に残念なニュースで、きょうはその残念な会見が開かれたのだが、その席での「くいだおれ」の女将さんのコメントには笑わせてもらった。

　（マイクを渡されて）
　「私も何を囁いたらええんやろと思ってたんですが…」

　うまい！「女将＝会見で社長の隣で囁く」というイメージを利用した秀逸なボケ。最初何を言ってるのか意味が分からず、ボケに対する反応は光速を誇る（特技：人のボケの意味を誰よりも先に理解して笑うこと）自分としたことが反応が少し遅れたが、ようやく理解して爆笑した。社長の必死の説明のあとに、さらっとこういうボケができるというのは素晴らしいと思った。「日常会話が漫才」の大阪らしい。潰れるべきは「くいだおれ」じゃなくて「吉兆」なんじゃないかと改めて思った。
　２００２年、日韓ワールドカップに合わせて「日本代表仕様」になったくいだおれ太郎。そういう細かい遊びが、凄く嬉しかったりする。
　大阪の時代の鏡が、またひとつ消える。