仕事でニガテなことのひとつに、「現場に居合わせた他社さんとどう接するか」ということがある。
特に、新聞記者は気にならないが(向こうはカメラを向けないペン取材でいいというアドバンテージは気になるけど)、問題はカメラ。他局の存在である。
もちろん、囲みとか一緒にやっちゃえばそれは楽なんだけど、全社が同じ映像を持っていてもあれだし、わざわざやってきたからには独自の映像を撮りたい。そういったことから、自分から他社クルーに話しかけることはまずない。変な競争意識が邪魔をしているから。
それはそうと、先日行ったある現場では、スーツを着込んで、メモ帳とペンを片手に、「どこをどう見ても新聞記者」という20代前半の若者が、現場や我々他社の前を行ったり来たり、ウロウロしていた。春から採用された新入社員かもしれないと思った。どうせ潜むならもっとバレないように隠れていて欲しいし、そうでなければ接触してこなくてもいいから堂々と社を代表して現場の前に待機していて欲しかった。
我々は待機する過程で結局それぞれと話をし、相手の素性を聞いた。そして取材対象者が応じてくれたときの対応を話して決めていた。
最終的に取材対象者にめぐり合え、囲みになったとき、その若者はいなかった。彼は一体何をしに来たのだろうか…。「何もありませんでした」という報告を上司に帰ってしたのだろうか。尻込みする気持ちもワカランでもないけど、現場をウロウロしてる姿は最高にカッコ悪かった。そのことだけは間違いなかった。人のフリ見て我がフリ直せ…。
もう彼に何処かの現場で会うことは、たぶん無いんじゃないかと思う。