テレビがクイズ番組ばかりになる。
理由は簡単。世の中が「有益」なものを求めるから。「どうせテレビを見るなら自分も考えたい、参加したい、知識とか何かを得たい」そう考えるからだろう。「おバカを笑いたい」というのは少数であって、それで大多数がチャンネルを合わせるのではないと思う。それで言うなら、大昔の「たけしの平成教育委員会」や「ご長寿早押しクイズ」のほうが今の番組よりよっぽど「クイズボケ」としては優秀だった。
こうして「有益」ばかりを求められるのもつらいもんで、個人的にはテレビの半分は「無益」なバカバカしいものであって当然だと思っているので、ちょっと嫌な傾向だと思っている。有益さを求めては真の笑いは生まれないし、その有益を求めるあまり、制作者の中にウソをついてでも「有益」を造り上げてしまう者も出てくる。
日本人が無益なもの、バカバカしいものを失ってしまっては、日本独自の誇れる文化は廃れていってしまう。
それこそ「おバカ文化」はクイズ番組からではなく、無益なお笑い番組から「計算されて」生まれてくるものなんじゃないだろうか。
そうした持論は別として、日々の仕事では有益な情報を分かりやすく提供しようと四苦八苦しているのである。