投稿日：2012年07月26日 (木) 10時34分

先ず驚くのが「プラダの悪魔」とか、ニューヨークに住む女の子の恋愛物なんかと同じ国の同じ時代の話ということだ。ミズリー州の山間部の村で、音信不通の麻薬ディーラーの父と、情緒不安定の母と幼い弟妹の面倒をひとりで見ているリー（ジェニファー・ロレンス）。寒村の貧困ぶりが強烈で、景色も寒いけれど現実も寒すぎて、心まで凍てつくような話。しかしこの１７歳の主人公の逞しさには圧倒される。寒村なるが故の目に見えない掟に縛られた村人の閉鎖性と陰湿さは猟奇的だ。映画の評判は圧倒的に良かったが、これは褒めすぎではないのか。３★ ジェニファー・ローレンス　▽ジョン・ホークス　ケヴィン・ブレズナーン　ギャレット・ディラハント

投稿日：2012年07月21日 (土) 13時36分

これはミュージカルじゃない、映画じゃない。と言う人もいたが、本格ミュージカルに飽きているおいらにはこの今風ミュージカル仕立ての作品は気に入っている。レネー・ゼルウィガーはアカデミー賞では主演ノミネートで終わったが、ゴールデングローブは獲った。キャサリン・ゼタ＝ジョーンズが良かっただけに食われていた感はある。この作品が嫌いだという人の気持ちも解るような気もするが、良い出来と思う。アカデミー賞作品。４★ レネー・ゼルウィガー　キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ　リチャード・ギア　クイーン・ラティファ　ジョン・C・ライリー

投稿日：2012年07月18日 (水) 15時40分

vol.1では解らないことがvol.2で納得するというので仕方なく観る。vol.1とは全く違うと言っていい物語が展開するが、タランティーノのお遊び劇画と思えばいい。vol.1のどうしては解決した。終わりの方で娘を「子連れ狼」を見ながら寝かしつけ、そのあとビルとの決着をつけ、娘とビルの邸宅から出て行く。この渡世から娘を守ると言うんだが、これでは「子連れ狼」になってしまう恐れがある。ま、いいか。おまけで、タランティーノ監督もいるライブで、この作品に音楽を提供したCHINGONが「マラゲーニヤ・サレロッサ」をたっぷりと聞かせてくれるのがあった。その強烈さになぜかさん生時代の川柳川柳や、漫才の杉ひろし・まりを思い出してしまった。２★ ユマ・サーマン　デヴィッド・キャラダイン　ダリル・ハンナ　マイケル・マドセン　バーバラ・ヘイニー・ジャーディン

投稿日：2012年07月15日 (日) 10時14分

第８回パリオリンピック大会を目指す、さまざまなライバルを軸にランニングスポーツにかける若者を描いている。絡んでくるのが人種差別(ユダヤ人問題）、アマチュアリズム、宗教問題。古き良き「グレートブリテン」の雰囲気と権威主義なども絡んで、当時のイギリスを知るには面白く、興味をそそられるが、エンターテイメントとしては普通。アカデミー賞作品。３★

投稿日：2012年07月13日 (金) 14時50分

家出少年と出会ったダメ男が誘拐を思いつくが、少年は巨大暴力団の組長の息子だった。誘拐犯とヤクザと警察の逃亡劇を描く。かったるいところと、ちょっとした見せ場がごちゃ混ぜになった作品で、眠くはならないそこそこの出来。2.5★ 高橋克典、林遼威、船越英一郎、YOU、哀川翔、菅田俊、木下ほうか

投稿日：2012年07月11日 (水) 08時58分

静沈着な大泥棒リプリー（M・フリーマン）は、腕利きのガブリエル（A・バンデラス）を相棒にスカウトして、ロマノフ家のイースター・エッグの盗みを決行する。騙したつもりが騙されて、これでもかこれでもかという二転三転の騙し合いで、どんでん返しを狙いすぎると、逆にスッキリしなくなる。そしてラストは哀れなガブリエルを救済するためか、ラブ・ストーリーになり、チープな恋愛映画として終わる。３★ モーガン・フリーマン　アントニオ・バンデラス　ラダ・ミッチェル　ロバート・フォスター　ラデ・シェルベッジア

投稿日：2012年07月08日 (日) 17時06分

それほど緊迫感はないものの、飽きそうで飽きない展開。映画によくあることだけど、ＦＢＩの能力が低く描かれすぎている気がする。実話を基にしてるってことじゃなかったら、面白くなかったかも。米国史上最大のスパイに興味があれば楽しめるかも。ハンセンがアメリカを売った悪人と言われているのに、映像ではほとんど好印象のイメージで、釈然としない。実際のスパイというのはそういうものらしいのだけれど。３★ クリス・クーパー　ライアン・フィリップ　ローラ・リニー　デニス・ヘイスバート　カロリン・ダヴァーナス　ゲイリー・コール

投稿日：2012年07月05日 (木) 09時52分

インディジョーンズの乗りで描くノンストップ冒険活劇。全3部作で、２作はピーター・ジャクソンが監督を予定しているらしい。実写ともアニメとも違う独特の雰囲気の映像は、高いクオリティで感心させられるが、アニメーション映画として観ると、ゴチャつきすぎで、実写映画として観ると重さがない、結果としてアニメーションのダイナミズムも無く、実写のスリルも無い映画。スピルバーグのこれでもか、これでもかの追っかけ展開が好きな人はよいだろうが、いささか辟易する。３★

投稿日：2012年07月02日 (月) 22時03分

メジャーリーグの貧乏球団を後に「マネーボール理論」と呼ばれるデーター重視の戦略で、常勝チームに変えた実在のGEビリー・ビーンの話らしい。過去の データを集めて選手起用を決断するビリーのチームを強くすることへの才能はあるのかもしれないが、野球に対する情熱はあまり感じられない。大リーグの裏側についても巷間言われているし、特に珍しい事も無く、普通のビジネス映画を見せられている感覚だった。２★ ブラッド・ピット　ジョナ・ヒル　フィリップ・シーモア・ホフマン　ロビン・ライト　ケリス・ドーシー　クリス・プラット

投稿日：2012年07月01日 (日) 15時45分

全編ワンカットで撮る、つまり映画内時間と上映時間を完全に一致させるというヒチコックの実験的狙いは、反映画的か。ほぼワンカットでの撮影がいかに大変なことかというのが解る。舞台とは違う趣があり、強いて言うならば舞台と映画の中間的な作品。３★ ジェームズ・スチュワート　ジョン・ドール　ファーリー・グレンジャー　セドリック・ハードウィック