投稿日:2012年02月29日 (水) 13時36分
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現在、世界にある放射性廃棄物の量は25万トンにもなるという。放射性廃棄物を無害にする技術は今はない。安定保管の状態で無害になるまで最低10万年はかかるという厄介な代物だ。この人類の負の遺産の処分方法として、フィンランドでは「オンカロ」と呼ばれる地下貯蔵施設の建設が進められている。この「オンカロ」プロジェクトを取り上げ、“文明の火”のとてつもない代償の存在を、現在と未来の人類に冷静に問うた冷厳で深刻なドキュメンタリーだ。作品の冒頭で、「放射性廃棄物をロケットで運び、太陽に投げ込んでしまえばいい」という意見が出る。これは理論上最良の方法だろう。だが、すぐさま現実の困難性が指摘される。「オンカロ」プロジェクは10万年後の人類と現代の人類はいわば原始人と現代人類の関係に相当していて意思疎通できるかなど哲学的な問題にもなり、大いなる疑問も涌く。世界的に、このようなプロジェクトが出来るかも疑問だし、結局人類が手に入れた“文明の火”は手放せなくなってしまうような気がするが、それによって自然界の摂理よりはるかに速く人類は滅亡しそうだ。2★ |
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