投稿日:2011年10月11日 (火) 12時10分
|
アモス・ギタイの作品は混沌としていて曖昧で時には退屈である、といわれている。この作品もその例に漏れず、雲をつかむような感覚に襲われる。「フリー・ゾーン」というのは、ヨルダンのイラク国境近くの自由交易ゾーンのことであるらしい。ヨルダン人、イラク人、イスラエル人、その他中東諸国人、皆が政治的宗教的信条はおかまいなしに、金儲けにいそしんでいる。ところがこの映画は、直接フリー・ゾーンを描かず、主人公を三人の女性にしているのだが、この意図がぜんぜん解らない。冒頭、ナタリー・ポートマンが泣いている横顔が10分も映し出される。バックには「安く買った子羊」の唄(父が安く買った子羊、その子羊を猫が喰い殺す。その猫を犬が喰い殺す。その犬を棍棒が殴り殺す。その棍棒を火が燃やす。その火を水が消す。その水を牛が飲む。その牛を肉屋が殺す。その肉屋を堕天使が殺す。そしてこの話は繰り返す。)が唄われる。この場面だけで、この作品は終っているのではないか。アモス・ギタイはイスラエル人で、この映画では人種、宗教のことは言ってないが、イスラエルの入植を批難する記事に対し、反論記事を書いたり、アメリカを愛しているが気持ちはエルサレムにある。と言っているナタリー・ポートマンを使っていたりするので、何か裏の方ではイスラエルの目があるように感じるのは。間違いか。1★ ナタリー・ポートマン、ヒアム・アッバス、ハンナ・ラズロ、カルメン・マウラ、マクラム・クーリー |
|