投稿日:2013年02月05日 (火) 12時22分
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まず、女主人公の無愛想な顔に引き込まれる。恩赦を受けた服役囚のレイラは、12年ぶりにシャバに出て、ヤコブという盲目の牧師の家に住み込むことになる。彼女の仕事は、牧師宛に届く手紙を読みあげ、返事を代筆する事。牧師は1通1通に心を込めて返事をするのだが、心を閉ざしたレイラには偽善としか見えない。しかし、実は手紙が届くことによって生きる力を得ているのは、ヤコブの方だと彼自身も分かってくる。信者たちが手紙を書いて、カンパして、彼を支えているのだ。しかし中には本当に神の救いを求めているものもある。そんな中、絶望しているのはレイラだけではなく、ヤコブもまた盲目と老いと闘いながら、孤独を抱えて生きているというわけだ。一種の宗教映画でありながら、神の恩寵を賞賛する甘っちょろい描写は皆無な作品。登場人物は少なく、O・ヘンリーの作品のようなフィンランド映画。3★ カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン、エスコ・ロイネ |
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