投稿日:2012年08月07日 (火) 22時30分
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同時多発テロで最愛の父を亡くした少年オスカー(もともと病と言ってもいいほどの繊細な心を持っている)の物語。10年たった今だからこそ、これをテーマにした作品が受け入れられるのだろう。政治的な背景なしに、あの悲劇を取り上げたのは初めてかもしれない。父の死を受け入れられず、遺品の中に鍵を見つけたオスカーが、鍵穴を探す旅に出る。生前の父親と一緒に楽しんだ「調査探検」のゲームを手段として、繊細すぎる彼の性格を反映した独特な世界を構築。彼が悲しみや、恐怖を克服していく過程をうまく描いている。オスカーを支える家族、母、お祖母ちゃん、そしてお祖母ちゃんの家にいた 間借り人と称する口のきけない謎めいたお祖父ちゃん、鍵を巡って出会った多くの人達。全ての人がオスカーの心の痛みを分かち合い、オスカーが納得するまで鍵の謎を追い、立ち直るのを見守っていた。謎の鍵はオスカーの心の扉を開く鍵だった。ストーリーの紡ぎ方が秀逸の映画。アカデミー賞候補作品。4★ トム・ハンクス サンドラ・ブロック トーマス・ホーン マックス・フォン・シドー |
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