投稿日：2012年06月26日 (火) 12時45分

制作はオーストリア。サスペンスなれど、コメディタッチ。ホロコーストものだけど、暗く悲惨な話にはなり過ぎず、対照的な主人公二人が織りなすかけ引きは、そこそこ面白い。ミケランジェロのデッサンの真贋を巡って、二転三転劇が始まる。観客には早々に本物のデッサンの所在は分かってしまい、サスペンスとして観るならばがっかりするが、監督の意図はそこにはないだろう。欲望をむき出しにしてはいるものの、最後まで彼ら二人は憎み合っていないという雰囲気がこの映画の余韻を生み、物語の大きさを感じる。ハリウッドには無い作りだ。４★ モーリッツ・ブライブトロイ　ゲオルク・フリードリヒ　ウーズラ・シュトラウス　ウーヴェ・ボーム