全ては砂のごとくサラサラと。
耳を澄ませば聞こえてくる。
耳を傾けなければ流れ行く。
掴んではすくい上げて。指の隙間から流れ行く。それは永遠に血が流れ行くのと同じように。
海底から巻上がり蓄積され、回り続ける限り流れ行く。
留まる意味を持たず。
心の隙間は埋まらない。風が吹く夜 雲の隙間から自由に輝く星を羨ましく…
愛する意味を怖がる。
たやすく崩れ行く砂の城に誰かを閉じ込める権限などなく。
揺るぎない信念と確かなものへの不安をガラスの入れ物の中から覗き込む。
太陽に温めてもらい、雪の下に静かに眠る事をただ祈るばかり。
全ては砂のごとく。
行き着く先は神をも知らぬ。
あえて口にせぬ。朽ち果てかけた心の隙間をそれでも埋めよう。
流れ行く先は明るく灯されるなら捕まえて抱きしめて。
呑み込んで噛み砕き。
やがて灰になるならば。
それでも風がとうり抜ける隙間を埋め続けよう。
それが砂というものなら。byトシエ