少し気取ったスーツに身を包み
短いスカートで足を組む
貴方待つホテルのロビー
貴方といる時間がたくさん欲しいから
待ち合わせの時間より早く化粧をした
貴方がわかりやすいように濃い口紅をつけた
ネイルサロンには行かなかったの
貴方の背中に爪を立てるかも
しれないでしょ
あと五分
鏡をもう一度眺め
化粧の崩れをなおす
あと三分
口紅をもっと濃く引き
深呼吸
貴方が見えたわ
回転扉の向こう私はさりげない不利をして
足を組み返す
「待たせたね、ごめんね」
貴方が貴方がここにいる
「待つのは慣れてるから」
「まず軽くいっぱい飲もうか」
待ちわびていた貴方の腕に私の腕を絡ませる
意地悪して ぬくもり偲ばせる
貴方に話したいことたくさんあるわ
でも今日はあなたから
話して欲しいの
貴方をもっと知りたい
誰も知らない貴方を
私に教えて
やがてさりげなくキーをフロントから
部屋の鍵を閉めたら
夢見てた二人の世界
シャンパンをあけも一度乾杯
一口飲んだら あとはお預けよ
待ちきれずハイヒールに床に落とし 絹のドレスを無造作に捨て
貴方は床にネクタイを捨て
「シャワーより先に君が欲しい」
そう言って唇を私の体中に
恥ずかしさも何もかも忘れ
任せる貴方が
貴方が・・・この待ちわびた夜
そして深く暗い闇に二人
息を絡ませ
金の泉を満たす