白く儚い息を
手袋の両手に吐きながら凍えた手の平
暖める
あなたはそんな私を見て「こっちにおいで」と皮のコートのポケットに私の手を入れた
あなたの体温がポケットの隙間から、ふわふわと私の手を包む
ずっと このまま 時を止めて
ずっと このまま 暖めて
小さな綿雪の中歩いていると 何もなくても 幸せだと思う
シンシンと積もる雪だけが二人を包み
新しい世界に変えていく
何もかもが止まってしまっても あなたがいれば
ただ それだけで幸せなんだと 気づいてしまう
小さく縮んだ心と共に手の温もりが胸に染みて
私の頬を染めていく
二人で生きているんだと強く 強く そう 思う