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最終投稿:2024年11月25日 (月) 02時24分

[173] 君と歩む物語 番外・T (リリカルなのは×ユーノ憑依) 
三日月 - 2007年11月18日 (日) 15時47分





それは町に大木が溢れ、その事件を解決した翌朝の出来事だった。

時刻は午前5時、小学生にとって起きるには少し早い時間だ。

その例に則って高町なのはも幸せな時間を貪っている。その寝顔は愛らしく、天使のようだと比喩

されてもいいだろう。

ん?女の子の寝顔をジロジロ見るものじゃないって?…そりゃあ失敬。

とにかく、そんな風に幸せそうに眠っている少女の顔にふと小さな影が過ぎる。

そこには少女の顔を覗き込むように見ているフェレットがいた。

フェレットは最初は話しかけるよう少女に向かって何かを言っていたが、少女が起きないことに諦めたのか

少女の頭を揺すり始める。

しかし、それでも少女は起きない。

フェレットはついに諦めたのか、ベットから飛び降り、部屋の中央に移動する。

いやフェレットは諦めてなどいなかった、部屋の中心に魔方陣が展開され、幾つかの術式が構築されて

いく。

周囲に防音結界が張られ、同時に衝撃吸収の結界も展開される。

そして、それは放たれた。

その時、フェレットの顔が邪悪に歪んでいた事は気のせいにしておこう。



















その日、今日も高町家は静かで穏やかな朝を迎える。

その家の次女・なのは以外は…………


「うにゃあ!?」


空中に逆さに吊るされているなのは、右足には魔力の鎖が絡みつき。

その鎖は天井付近に展開された魔方陣から伸びている。

突然の引力、突然の寒気に眠っていたなのはは強制的に目を覚ました。

その顔は未だに混乱を抱えている。辺りを呆然と見回しているがそれでも状況を掴めていない。

そんな少女にフェレットはやれやれだぜ、とばかりに首を横に振りながら溜め息を吐いた。








ここ、なのはがいるのは海鳴町・桜台・登山道である。

服装は動きやすいように学園指定とやらのジャージを着てもらっている。

ただ、いまだになのはは眠そうだ。目が線になっている。

何故こんな早朝にこんな場所にいるかというと…ぶっちゃけ特訓だ。

昨日の時点でなのははフェレット……ユーノに手伝いではなく自分の意思でジュエル・シードを

集めると言った。

それは、自身からやると決めた事だ、なら手伝いとしてでは無く、パートナーとして頑張ってもらうために

鍛える事にしたのだ。

今まではただの手伝いだから、訓練やらはしなかったが、自分の意思で集めると言うなら話は別。

生半可な状態で関わればそれこそ命の危険に関わる。

手伝いの時は危険と判断したらなのはには逃げてもらい、自分がどうにかするつもりだった。

だが本人がやる気を出した以上、しっかりと肉体的にも精神的にも強くなってもらう。

でなければ、命を落としかねないから。

初めて魔法を使ってから、それ程の時間が経ってないのに、なのはは才能だけで高度な魔法を操る。

しかし、それはろくっすぽに鍛えてないなのはの幼い身体にはかなりの負担だ。

あんだけの膨大な魔力を小さく未成熟の器で扱うにはあまりにも重い。

分かり安く言うなら、未完成の車にニトロを積んで走るようなモノだ。そのまま走り続ければいつかは

車体が耐えられずに自壊していく。

ユーノはなのはをそんな目に会わせたくは無い。だから厳しくする事にした。


「さて、なのは。明朝に何故起こされ、ここにいるか理解してるかな?」

「ふぇ?」


寝ぼけ眼にユーノの質問に反応するなのは、しかしその思考はまだ浅い眠りにあった。

ユーノはそんななのはを見て、小さく溜め息をつく。


「ショック<スタン>(ぼそ)」

「うにゃあ!?!?!?」


ユーノが放った微弱の電流魔法になのはの思考は目を覚まし、意識はクリーンに起動する。

何気に鬼である。


「さて、目を覚ましたかな?」

「あ〜、うん起きたよ」


少し顔を引きつらせるなのは、それを無視するように話を進めるユーノ。

こうして高町なのはの第一回目の特訓が開始された。
















リミット・T<曲技!柔軟体操>



「さて、まず魔法を使うに大して必要なものがある」

「必要なもの?」

「それは体力だ」


ピシリと固まるなのは、そうなのはは大が付くほど運動オンチだ。

そんななのはの身体が鍛えられているはずもない。

本人もどこか運動を避けてる節に思い当たるのだろう、その額に汗が浮かんでいる。


「まずは運動を始める前の柔軟をする」

「うん」








「お、重いよ〜〜!?!?」

「失敬な、たかだが三十キロの重圧を背中に加えているだけだ」


座って足を開き、その間に身体を沈み込ませるアレだ。本来は誰かがその背を押してあげるのだが。

その誰かが現在フェレットであるユーノしかいないため、仕方なく魔法でなのはの背中に乗りながら体重を

増加させているのだ。


「あ、あう〜〜!?背骨が〜腰が〜!!」

「ったく、なのはは身体が固すぎだ、もう少しは柔軟性を付けろ」


そう言うと、その背中から降りるユーノ。

すでになのはは息絶え絶えだ。






















リミット・U<地獄マラソン>





「今日は休みだからな特訓に時間が割けるな」


そのユーノの言葉になのはのツインテールが萎れていく。

なんて感情豊かなツインテールだ。


「さて、柔軟は終えた、次は……スタミナ、マラソンだ」

「えう」


マラソン・コースは桜台登山道の麓から頂上までの五回往復、制限時間は一時間、タイムアウトの

場合、二往復ずつ追加。

まったくもって鬼である。





「おらおら、どうした?まだたったのニ往復だぞ、残り時間が後三十分だ」

「えにゅう〜〜」


険しい登山道、そこを駆ける少女なのは、しかしロクに運動してない少女にその行軍は厳しく、体力は

徐々に尽きていく。

そしてついに登山道の中腹にて倒れこむようにその足を止める。


「立て!立つんだ!!」

「もう、もう無理だよ!!」

「泣き言など聞かん!」

「私には無理なんだよ、私なんて……」


俯くように地面に視線を向けるなのは、そんな姿にユーノはなのはの肩に飛び乗り、そして………


「この根性なしが!!!!」


その柔らかい尻尾でなのはの頬を打つ。当然柔らかいので怪我は無い。


「あ、ユーノくん?」

「俺はお前なら出来ると信じているから、厳しくしてるんだ!!」

「…………」

「それなのにお前はこの程度の事で根を上げるのか?あの時、もう二度とこんな事にならないようにする
って言った言葉は嘘なのか?答えろなのは!!」

「!?」


ユーノの言葉にハッと顔を上げるなのは、その顔は大切な何かを思い出した者の顔だ。


「ごめんねユーノくん、私、もう弱音は言わない、あの言葉を嘘にしたくないから」

「ああ、それでいい、お前ならやり遂げられるさ」

「うん!!私がんばるよ!!」


そう言って立ち上がるなのは、その背には燃え上がる炎が吹き上がっていた。

まったくどこぞのスポ根マンガである。

そして、いざ走り出さんとするなのはの背にユーノは告げた。


「あ、とりあえず制限時間過ぎたからニ往復追加な」


その言葉になのはの背に吹き上がっていた炎が見事に鎮火するのであった。






















リミット・V<A・SA・ME・SI>







「お〜し、身体をほぐして朝飯にするぞ」


ユーノの言葉にその場にヘタレこむなのは、その姿には既に哀愁すら醸し出されていた。

その横で着々と魔法でレジャーシートを用意し、弁当の支度をするユーノ。







「うわあ、凄くおいしい!?」


玉子焼きを頬張り、よく噛んでから飲み込んだなのはの第一声がそれだった。

なのはの目の前には彩り豊かに盛り付けられたお弁当が広がっている。


「当たり前だ、俺が作ったんだから当然だろう?」

「え?ユーノくんが?」

「ん?俺以外に誰がいるんだよ」


そうわざわざ、昨日の時点で買い物をして夜中にこっそりと作ったのだ。

材料も弁当箱もその他のモノも全部自腹で用意したのだ。

金は?前にこの世界に来た時にいろいろとコネクトを作り、そこから引き出しただけだ。

何気に用意のいい男、それがユーノである。


「ふぅえ〜〜」


今明かされる事実、ユーノは実は料理が上手、しかもパティシエの母を持つなのはの舌を満足させる

程の実力だ。

まあ、なのはからすればフェレットに負ける自分に密かに傷心を受けていた。

後々、ユーノが人間という事実に更にプライド傷が付くのはお約束である。

だって同年代に近い男の子に家事で負けるって、女の子の沽券に関わる気がしませんか?

ただ今は、花より団子と言うように目の前の料理挑むなのは。

なんせプロ級にうまいのだ、プライドうんぬんで残すにはあまりにも勿体無い。

故に悔しい気持ちはこの場では黙殺されるのであった。























リミット・W<冥獄座禅・集中の巻>



「魔法をより強くイメージし、術式を展開するには集中力がいる」

「集中力?」

「そう集中力、それを身に着けるために今から座禅を組んでもらう」










森の中で見つけた大岩の上に座禅を組みながら瞑想するなのは。

その姿を見ながらユーノは戦慄を感じていた。

指示通りに外界と意識を切り離し、自身の中に埋没し、更にそこで外界の流れを強く感じるように

自身の中に流れる魔力の流れを外界と同調するようにと教えた。

普通、それだけの事をやるには何年もの時間をかけないと、その境地には辿り着けない。

ユーノですら、その知識を知ってから始めて四、五年の歳月を要して何とか感じるに至ったのだ。

それなのに目の前の少女は一瞬でその境地に至った。

恐ろしいまでもの才能だ。魔法、精神的な意味合いではなのはは誰にも追随を許さぬほどの才能を

持ち合わせていた。

それが……悔しくて、意地悪をしてみた。

なのはの元に近づくユーノ、そしてそのフサフサのシッポでなのはの鼻先に近づけサワサワと振るった。


「!?クシュン!!」

「この程度で集中を乱すなど、集中が甘い証拠だぞ」

「えう〜〜」


まったくもって素直ではない、ひねくれものである。




















リミット・X<今日の締め>





空に赤みがかかり、遠くからカラスの鳴き声が聞こえるころ、ユーノは今日の第一回目の特訓の

終了を告げた。

その言葉に煤け始めていたなのはに色が少し戻った。

丸一日、運動運動運動尽くしだったのだ。煤けてもしょうがない事だろう。


「とは言っても継続は力なりとも言うからな、マラソンと座禅は毎朝やるぞ」


その言葉に真っ白になるなのは、止めを堂々と刺したユーノはなのはに帰宅するぞと言って

高町家を目指して歩いていった。

しばらく真っ白になっていたなのはは、意識を取り戻すと慌ててその背を追いかけるのであった。

こうしてその日の特訓は終わりを迎えたのであった。















しかし、なのはの修行はまだまだはじまったばかりなのであった。















あとがき

どうも三日月ですwww

やったーー!!番外が完成したぞ〜〜!!

ってな訳で、番外でした。

次の番外はユーノの過去話、修行時代(トラウマ)の話ですww

本編にユーノがところどころで呟くように自白している部分の事実が今明らかに!?

ではでは次回の話でお会いしましょうww









[175] うわ〜w
イリス - 2007年11月18日 (日) 19時39分

どもイリスです

今回は外伝1ですか・・・・

>その時、フェレットの顔が邪悪に歪んでいた事は気のせいにしておこう。

黒!!ユーノ黒いですよ?あ、オリ憑依のですが・・・
それについにユーノのなのはを鍛えていた発言の内容公開ですか
確かにこれを続けていけば何のはも黒くなりますよねw

では次回サクを楽しみに待ってます。

[176] ユーノ教官!!!
D, - 2007年11月18日 (日) 19時51分

 魔導士養成ギプスは無しですか…まぁやったらやったで大変なことに…
 あとココで一つ、前屈をする際背中を押してもらうのは逆効果らしいですよ…
 なんでも押されると反発しようと無意識に動き、腰などを痛めてしまうらしいです…
 でも鬼教官ユーノの影響を受けたなのはがスバル達に同じようにコーチして、原作よりスパルタになってたら怖いですねぇ…
 あと心のケアを怠ったなのはに『コノバカ弟子がぁぁぁぁ』とか言って突っ込みを入れて欲しいようなほしくないようなぁ…
 続き楽しみにしています!

[183] 感想返事
三日月 - 2007年11月19日 (月) 13時20分



やほ〜い!、感想ありがとう三日月です。

Dさん、イリスさん楽しんでもらえて何よりですww

うむ、コンノ馬鹿弟子が〜〜って、熱血系っすねww

好きっすよそういうノリ。

なるほど背を押してはいけないのか…知らなかった。

大変勉強になりました。ありがとう〜〜♪

では今日も三日月は頑張って執筆しています。

次話でお会いしましょうww





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