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最終投稿:2024年11月25日 (月) 02時33分

[147] 君と歩む物語 第七話 (リリカルなのは×ユーノ憑依) 
三日月 - 2007年11月14日 (水) 21時48分














おっす、俺ユーノ……現在巡航8番艦アースラの医療室で手当てをしてもらったとこだ。

左腕の火傷は治癒魔法を早くにやっていたため大事にならなかった。

流石プレシア・テスタロッサ、腐っても偉大な大魔導師と呼ばれた人物だ。

俺のバリア・ジャケット<守りの賢衣>と常時展開していた魔力障壁を易々と貫通させやがった。

一応<B〜A>クラスの魔法はレジストするはずなんだが、ランクだけで言うなら間違いなくプレシアは

オーバーSだ。正直今の俺がまともに戦っても勝てる相手じゃない。

……もちろんプレシアが病に伏せてなければ。

全盛期ならともかく病で弱った身体では高レベルの魔法は乱発出来ない。

いや、まあ全盛期だったら勝ち目なんて良くて三十パーセントくらいかな?

おそらく戦うことはないが用心するに越したことは無い。


「さて、しばしの休憩か」


そういって俺はミーティング・ルームを目指して歩き始める。

途中の通路で俺を待っていたのか、なのはが通路の壁に寄りかかって俯いている。

おそらくフェイトの事を考えているのだろう。

俺に気づいたのかなのは無理な笑顔を作り、俺に走りよる。


「ユーノくん!大丈夫?」

「…ああ、大した怪我じゃない」


俺はそう言うと包帯を巻かれた左腕を見せる。この程度の傷なら二日くらいで完治する。

魔法で新陳代謝を高めてるしな。

だが、そんなことより気になる事がある、それは……なのはの笑顔だ。


「それより」

「え?」


俺は無防備のなのはの頬を両手で摘まみ軽く引っ張る。

おお、面白いように伸びるな。その感覚を楽しむように戻したり伸ばしたりする。

おっと、いかんいかん目的がすり替わってしまってる。


「うにぁあ!?ユ、ユーノくん!?」

「別に無理して微笑むな」


俺の言葉に戸惑うようなそれでも無理に微笑んでるような顔に変わっていくなのは。

その顔に俺は摘んでいた頬から手を放す。


「…別に無理なんて」

「嘘だな」

「……………………」


そう嘘だ、こいつとは短い付き合いだが、俺すら見抜けるくらいこいつは単純で……素直で真っ直ぐな少女。

だから、今のこいつの笑顔が気に入らない。

こいつは能天気で元気いっぱいな笑顔が一番似合うから。

って、何考えてるんだか俺は、と、とにかくだ無理な笑顔なんぞ見せられても俺は気分が悪くなるだけだ。


「とりあえず、無理するな、辛いんだった俺が相談に乗るしリンディさんやクロノ、エイミィさんもいる」


俺はそう言ってなのはの頭を乱暴にそして痛くならないように優しく撫でた。

キョトンとした顔で俺を見ていたなのはは何が嬉しいのか、元気いっぱいの笑顔を浮かべて俺に撫でられる。


「うん!ありがとうユーノくん」

「………」


何かこれはこれで癪に障るな、そう思った俺はなのはの頭から手をどかし、額にデコピンをかます。


「うにゃ!?い、痛いよ〜、なんでデコピンするの?」

「うん、気にすんな、ようは気分だ」

「あう〜〜」


おでこを痛そうに押さえるなのは、その顔に先程の暗い翳りはもう無い。

その顔を確認すると俺は止まっていた歩みを再び進める。

後ろからなのはも慌てて追いかけてくる気配も感じた。だか歩みは緩めない。

何故かそうすると恥ずかしい気がしたからだ。

きっと俺自身にもこの感覚が分かっていないんだ。なら今は気づかずにそのまま忘れておこう。

この行動を照れ隠しだと思わないように……













話は簡単に済んだ。

事件の終わりが見えてきたのでとりあえずなのはと俺は一時帰宅を勧められ高町家に帰宅することに

した。その間にフェイト達の件はリンディ達が調査しとくそうだ。

エイミィは優秀だ、そう時を置かずにフェイトの真実に辿り着く。そうF・プロジェクトに。

俺もある程度の年齢に達した時に興味本位に調べ、そして後悔した。

これは興味本位に調べていいものでは無かった。命への冒涜、この技術は命の意義を軽くし過ぎる。

何故なら生み出された者には辛く残酷な現実にすぎないのだから。

そしてその事実にこいつらは悲しむだろう、こいつらは優しいから。

湿った話は俺のガラでは無いが、それでもその悲劇は後々のSTSに持ち出される。

だから少しでも強くなって欲しいと思う、フェイトもなのはも。




さて、リンディを連れて海鳴商店街により、そこで高町家へのお土産を買う。

そして真っ直ぐに家に向かう。

その間のなのはは実に嬉しそうで、急ぐように小走りをしてはこちらを振り向き、早く早くと催促してくる。

その子供らしさに俺は苦笑するように辺りを見回す、人の姿が無いことを確認しフェレットに変身、そして

なのはの肩に飛び乗りなのはの歩に身を委ねた。




久々に我が家に帰ったなのは、母の顔を確認すると同時に抱きつく。俺はその抱擁の邪魔にならないように

飛び降り、リンディと一緒にその温かい光景を見守った。

まあ、まだ9歳の子供だ、数週間とはいえ親が恋しくなるのも当然か。

ん?お前は?俺はいいの肉体は11歳だが中身が大人だし。ちなみに俺は突然現れた美由紀に

抱きしめられて振り回されている。

ああ、目が回る、腹に腕が締め付けてくる。

そして数分後、美由紀の気が晴れるまで撫で回され可愛がられた俺はボロボロというか煤けた感じで

フローリングの上に撃沈するのであった。

………ううぇ、酔ったぜ。

その後、リンディの素晴らしいまでの話術(真っ赤な大嘘?)を聞きながら俺はなのはの膝の上で

弱った身体を休めた。

後は事が動くまで、日常をを過ごしていればいい。















そして数日後、俺となのははアリサの家にやって来た、なのはから聞いた話だとアリサが学校帰りに

赤い額に宝石の付いた犬を見つけてきたそうだ。

言わなくても分かるだろうだろう、おそらくはアルフだ。プレシアに殴りかかって命からがらに逃げ延びた

のだろう。

アリサの家にてすずかも交えて久々に遊ぼうとの事で、それに便乗して俺は様子を見ることにした。

アリサの家に着くと同時にアルフの様子を確認、見た感じ簡単な治癒魔法で回復してるようだ。

しばらくしてアリサが部屋に入る事に決め、俺はなのはの腕から飛び降りる。

なのは達はアリサの部屋へ戻っていき俺はアルフのもとに残る。無論なのはも念話で会話に参加して

いる。

俺はアルフに治癒魔法をかけながらアースラから中継された画面を横目にアルフの事の真相と事情を聞い

た。

話の内容はまあ、俗に言う「家庭内暴力」か「児童虐待」のどちらか、聞いていて気分がいいものではない。









その後の展開は早かった。

明朝早くになのはと俺は目を覚まし家を出る。なのはは気づいてはいないが共也と美由紀がなのはの

背中を見送っていた。

途中、抜け出してきたのかアルフと合流した。傷の方は俺が昨日の時点で完治させた。

海鳴臨海公園に着いた俺達はフェイトが現れるの待ち、そして現れたフェイトとなのはの戦いを見守る

ために俺とアルフは離れた場所に移動した。

そして海鳴臨海公園にてなのはとフェイトの全てのジュエル・シードをかけた最後の決闘が開始される。










日は完全に出てはいない、海上には二人の魔法少女、お互いに譲れぬ思いを抱きながら今二人の

戦いの幕が切って落とされた。

流れる桃色の燐光と雷光のように煌めく金色の閃光、ぶつかりあう思い、せめぎあう心、そして……

伝えたいと願うひたむきな少女の思いが孤独な少女へ届く。
















あとがき

どうもどうも三日月ですww

早く書き上げましたので投稿しますww

ううむ、やっぱり長く書くのは難しいっす、文才の無い自分が恨めしい(苦笑)

でも、頑張って書き上げますんで、これからもよろしくです。

あと、おしょうさん、ありがとうございますww

今後ともこんなミスが無いように気をつけます。

あと読者の皆様にもありがとうです。

皆様には三日月は感謝の念が絶えません。

これからもぜひ読みに来てください。

ではまたお会いしましょう。








おまけ

Fata風 ステータス表



真名・フェイト・テスタロッサ

属性 秩序・善

筋力B      敏捷AA

魔力AAA    宝具A

耐久C+   対魔力A+

幸運E

技能 俊足(A)、連携(B)、不運(E)、魔法(AAA+)

    
宝具 閃光の戦斧<バルディッシュ>(ランク・A)

リニスと呼ばれる使い魔が製作したデバイス。

接近戦から遠距離戦に合わせて幅広い能力を持つ、性能も良く、特に接近戦に関しては

高い攻撃力を持つ。フェイトの機動力とバルディッシュの攻撃能力をあわせればかなりの強力な

コンビネーションが可能。搭載されたAIも高性能だ。

ただし防御性に優れていないのが欠点である。






次は……クロノかな?





[148] 感想
エビフライ - 2007年11月14日 (水) 22時06分

>幸運E
何かすごい納得w


[149] 感想返事
三日月 - 2007年11月15日 (木) 08時07分

感想ありがとう、エビフライさん。
私自身フェイトは一番好きなキャラでして。
でもどこか不幸な色合いが消えないのはもはや
彼女の持ち味でしょう。それでも幸せな顔が似合う
少女でもありその差が気に入っています。
なのはと違った純粋さがあって私は好きです。
と失礼しますww
また来てくださいねwwww

[155] 感想
M - 2007年11月15日 (木) 20時26分

いつも読ませていただいております
やっぱりこのSSのユーノはいい味だしてますね
俺式魔法が個人的ツボww
続き期待してます。

それと訂正
「きょうや」の「きょう」は「恭」のはずです



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