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最終投稿:2024年04月25日 (木) 22時58分

[465] 蒼穹の絆 16 (リリカルなのはStS×オリキャラ)
月咲シン - 2008年01月31日 (木) 08時46分

 
 海鳴市・郊外。

 北方、住宅地より外れの地、瀟洒な洋館が一軒建っていた。

 表札は『月村』。過去に他国からこの地へと流れ着いた、“ある種”の人外の血を宿す――所謂、吸血鬼の末裔である。

 吸血鬼――夜間眠っている人の血を吸うとされる魔物であり、流水やニンニク、十字架が苦手(弱点)といった幻想種の一端。

 だがその中で、この洋館に住む吸血鬼にはその伝承が当たらず、十字架のネックレスを身に付け、平気で海水浴に出かけ、
ガーリックのスナック菓子も食せるといった規格外れ吸血鬼であった。

 そんな、さも伝承に喧嘩を売っているとしかいえない振る舞いをする者の名は月村・忍。この屋敷の主であり、吸血鬼において
は直系にあたる人物である。


「じゃあ、すずか。行ってくるわねー」

「うん、恭也さんによろしくね。ノエルも、姉さんをお願い」

「はい、お任せを」


 正門。出送りの挨拶を済ませ、省エネと称して改造した車に乗り、屋敷を去る二人。

 遮音性と断熱性に優れた忍特性の私用車(メルセデス・ベンツ)は、さながら鉄の猛獣を思わせるスピードで風を裂きながら疾
走して行った。

 その様子に、すずかは苦笑。相変わらずのアクロバチックな運転ねと、忍の峠を責める際の無邪気な表情を思い浮かべる。

 以前に休みで家族温泉に出向いた時に、忍の運転に同乗したすずかは顔を青ざめ、ファリンなど顔を強張らせて半泣きだった
ほどだ。

 後に、海鳴新聞で『黒豹』の二つ名を持つライダーとして姉が載っていた時は、ちょっとした頭痛を覚えたものである。


「では、ティータイムにしますね」

「うん、お願い」


 車庫から現れたファリンが、頃合を見計らって紅茶の用意に移る。

 彼女は車庫へと荷物を運び込んだ時に、独自に二人と別れを告げていたようだが……どうも表情が僅かに沈んでいることから、
またミスでもしてしまったのだろうか?

 ドジっ子属性は相変わらず今でも健在であり、大分治まったのかと思っていたのだが、時折こうしてミスを仕出かしては表情を
落とすファリンであった。

 そして、そのつどすずかも――


「ファリン、紅茶は二人分用意してくれるかな。今日は一緒に飲もう?」

「え? ですが……」

「姉さんもいないから、一人で飲むのは寂しいでしょ? 同伴、お願いできるかな?」

「あ…は、はい!」


 ――こうして、何かしら慰めていた。
 
 沈んだ表情が反転し、笑顔へと輝くファリン。その様子に、すずかも微笑みを浮かべる。

 部屋で一人で飲むことも少ないくないすずかや忍にとって、それほど人恋しいタチではないが、それでも一人より二人、二人より
三人である。

 ファリンがキッチンへと駆け込むのを見て、すずかは今し方見送った二人へと再び視線を戻す。後姿はもうない。流石は動力性能
に優れた車体か。

 ふと、そんな事を考えていたためか、知人などに車の名前がよく当てはまるな、と近い将来考えるようになるのだが、それはそれ、
これはこれ。

 今日から友人の兄に当たる人物と外国へと向かう姉とメイドの無事を祈り、すずかは足元のネコを抱え上げ、庭先のテラスへと
移動し……


 La.La..LaLa..La.La.La.La..LaLaa〜♪ LaLaLa..La.La〜♪


 その一報の連絡、一つの事件が、後に……己の人生を左右する結果と、なった。





 蒼穹の絆 16.Clash.2





 外界からは黒い半球体として映る、封鎖領域。

 その結界の内部を、高速で飛び交う二つの影が存在する。

 小柄な影と、標準サイズの影。それは常人には目視することすら困難な、二色の流星。

 絶えず動き回り交錯する影は、隔絶された世界の夜空を切り裂き――衝突する。


(うーん、しつこいおチビちゃんですこと)


 蒼と緑の魔力光が鬩ぎあうその中で、前方に位置する影は、4クアットロ。

 そして、僅かな鬱陶しさを感じながらも飛行する彼女の後方に、背後からリィンフォースUが追随する。

 飛行戦。地に足を浮かせた攻防に、遠距離からの空域戦闘が繰り広げられていた。

 戦闘開始から数分。変わらず拮抗する両者に飛行速度の差異はなく、共に均衡が崩れることなく対峙する。

 不即不離の距離が続き、決定打もなく小競り合うのは互いに補佐的役割の人員であるからか、魔力弾の牽制が戦闘を長引か
せていた。

 ただ……リィンはともかく、クアットロは本気で“正面から戦う気”などないので、心意は計り知れない。


(しかしまあ、こういう時は小柄な体格が得ねえ。的が小さいぶん、標的が上手く定まらないこと)


 背後を一瞥し、呆れ交じりの溜息を一つ。

 耐魔力の外套を纏っている自身に―リィン程の魔力なら―ダメージは早々食らわないが、同時に、此方の攻撃も相手には届か
ない。

 相性の問題だ。一対一など、互いに正面からやりあうタイプではないのだから。喩え命中したとしても、防御を取られるだけだろ
う。

 それにそもそも、そんなことに拘って勝率を求める戦い方は……クアットロの本意では、なかった。


 元々、戦闘員として後方支援に回るクアットロは、自身の姿を晒した時点で失態となる。


 クアットロは非戦闘員。強力な攻撃魔法は保有せず、知略によって戦術を練るタイプである。

 情報操作や作戦指揮が役割の彼女にとって、単純な戦闘は専門外。誰にでも適材適所があるように、役割にあった行動を取る
べきだと思っている。

 例えば、数分前のあの状況(開始前)では、“確実な勝率”を求めるならばトーレの後衛に徹し、援護に勤めることこそがベストと
言えよう。

 前衛に徹するトーレに心配事はない。彼女の戦闘力はナンバーズ随一。喩え二体一でも、自身に危害が及ぶことなく安心してサ
ポートに回れる。

 なら自分はその間に、結界の解析を進めるのもよし。補佐に徹し、相対する相手に反撃に移るのもよしと、有利な立場を維持し続
けられる。

 それは今でも、リィンを無視してトーレと合流し、加勢すればすぐにすむことであった。


 しかし、それでは――“面白く”、ない。


 自身の趣向とは違う戦いは好まない。トーレはただ戦闘を“単純な武力によって”終わらせてしまうだろう。ただ、“斃し”て。

 そんなことに、はたしてなんの面白みや楽しみがある? バトルマニアでもないクアットロにとって、ただ退屈なだけだ。

 どうせ、基地に戻った所でやることなどない。“本任務”が無事終了した以上、事後処理としての情報整理などがあるぐらいか。
そんなものはbPに任せたいものだった。


 本任務――それは、輸送物の強奪と、それによって起こる管理局の陽動(目くらまし)。そしてその間に局に潜伏する2との、
直接的な定期連絡である。


 現状、それに成功した以上、残るはこの残党処理(証拠隠滅)ぐらいのもの。ならせめて、殺(や)り方ぐらい自由にさせて欲しか
った。

 生きている限り、何かしらストレスは溜まる。肌にも悪いし、ストレスは発散させるべきだろう? 効率的にも。

 せっかくその為の娯楽が、用意されているのだから。


(でも、勘に障るわね…このコジャリは)


 だが、その為に自身が計画していた策案が一つ、今、頓挫していた。

 試す意味合いもあるとはいえ、その思うように上手くいかない不快感が、徐々にクアットロの苛立ちを募らせる。

 尾行の途中で気付かれたこともあるが、今はそれとは別に実行している、この策案によって。


 策案――それは、“地の利”を利用した撹乱作戦である。


 通常、こういった市街戦、それも空戦では、土地の地理や建物の位置を把握していた方が有利とされる。

 それは幾ら魔法文明の高度な技術に頼ろうとも同じことで、広野などの地上に何の遮蔽物がない状態でなく、当てはまる。

 飛行速度・射撃率の低下、指示伝達の停滞、隊列(チームワーク)の乱れ、物陰による死角からの奇襲、回避不能による障害
物との衝突事故など。

 飛行戦における空域経路(地形)の知識は、重要性が極めて高く有効的であり、戦術の要ともいえる戦法であった。

 しかし――


「最終警告です! 今すぐに武装を解除して、投降しなさい!」 


 ――それがなぜか、彼女(リィンU)には通用しなかった。

 そのことが、クアットロの不満を孕ませる。空間把握能力に特化しているのか、三日間かけて調査した策が破られていた。

 事前にリィンの情報は管理局のデータベースにハッキングして把握しているので、戦力的にはどうとないと高をくくっていた分尚
更である。

 策は二重三重に張り巡らされているとは言え、やはり微かでも計画から外れると、不快感は込み上げっていくものだ。


 ――地形の有利さは、リィンも一般的な航海術として備え持っていた。


 それは、買い物時の実地調査と、二日酔いで寝込んでいたあの日。衛星面からこの土地の情報を、『蒼天の書』にインストール
していたからである。

 自身のインターフェイスに接続させ、常時『蒼天の書』からの自動ナビゲーション。飛行経緯にどのような障害物が聳えているか、
規模も加えて脳裏に展開されていた。

 結果、限られた視野の中でも見事自滅を回避し、リンクする『蒼天の書』のデータを元に、飛行速度を落とすことなくクアットロに
付随している。

 空域戦闘では有利な、敵の背後を捕って。


(はぁ、いまだに投降を促すなんて、なんてバカなのかしらぁ? 攻撃も非殺傷設定ですし……ホント、管理局員って規則に忠実
な愚かな犬ねえ)


 呆れ顔で幾度となく放たれる威嚇射撃に、クアットロは辟易する。

 どのような相手であれ先ず殺生を禁じ、逮捕という名の拘束を優先することにその愚昧さに。

 自分には理解できても納得のいかない方針であると、俯瞰して。

 故に――


「…ねえ? 一つ良いことを教えてあげましょうか?」

「?」


 ――もっと分かりやすく、己の置かれた状況を思い知らせることにした。

 未だに希望にしがみ付く、輝きを持った瞳に苛立ちを感じて。

 光の当たる世界に生きる、無垢な妖精に。


「今、貴方のお友達が相手をしている人……ランク付けをすると、Sランク相当の実力者よ?」

「――っ!?」


 肩を震わせ、僅かな飛行速度の低下に陥るリィンに、クアットロは笑みを深める。

 ああ、これだと、こういった絶望に打ちひしがれる者の姿を見るのが、クアットロにとって至福の一時であった。

 動揺するリィンに一転し、愉快げにクアットロは嘲笑を漏らし、そして、止めの一言と言い放つ。

 容赦なく人の心を掻き乱す、見えない杭となって。


「それに比べて、貴方のお友達はどうなのかしら? たしか少し前まで、平穏に過ごしていたはずの幸せな青年よねぇ?」

「っ…!」


 リィンの顔が、悲愴に歪む。

 放たれる言葉が無情にも、深く胸を抉って。


「それを、誰かさんのせいでこんな不幸な境遇に陥って…あぁ、なんて可哀想な子かしら。
きっと今頃、血を見るほどに痛い目にあわされていることでしょうねえ。恨んで、憎んでいるはずよねえ。なんでこんな事に、って。
本当、同情するわ…。ただの民間人がそんな辛い思いをするなんて。前なら周囲のお友達と楽しく笑い合って、日々を満喫して
いたはずなのに。

ねえ、そう思わない? 元・凶・さん?」

「――!」


 動揺が制止の引き金を外し、新たな魔力弾を射出させる。

 聞かなければ良かった言葉。しかし耳にし、改めて浮かび上がる自己嫌悪。

 それを無理やり押さえ込むような悲痛な攻撃に、影でクアットロはほくそ笑む。それはさも、愉快げに。

 数は三。何の属性も付加されていない無詠唱の簡易魔法だが、威嚇射撃ではなかった。


 ――交渉の余地がないことは理解しているが、それでも正当防衛を基準とした法の規則がある以上、極力説得することは義務
付けられていた。

 戦闘を開始した現状その枠組みから外れるとはいえ、状況によって相手の心変わりもある。局員の生命を優先されているとは
いえ、何事も穏便にすませたいもの。

 それに、叶えば良し。だが、変わらない事実もある。今回のことや、正義や信念を持って犯行に乗じるテロリズムなどは典型的
な例だ。

 次元は混沌と化している。そのことを踏まえ、秩序を乱さないためにも理を貫き通す意思が必要となっていた――。


 隔絶された世界の中で、彩を持って蒼く煌く三つの流星。

 放たれた魔力弾は空気を切り裂ながら、直線距離にクアットロへと殺到し――


「ふん」


 急旋回。

 進路上に目標を失った事により、対象を失った魔力弾は前方のビルへと衝突し、爆発する。

 爆風。それに伴い崩壊するビルのオフィルの一角から器物が散乱し、飛び火など破片が外部へと飛び散る。

 その中を、穿つ一陣の風。煙幕を切り裂くようにリィンは小柄なフィールドバリアを展開させ、煙幕を突き抜けてきた。

 表情に浮かぶものは焦燥。心理上引き金が甘くなっていることは自覚しているが、無力化された反動で魔力の消耗感に苛まれ
る。

 都市爆撃は空戦法規案に違反しているので、結界内部、及び不可抗力とは言えリィンの始末書も募っていた。


「はっずれ〜。しかし、図星だからって人に当たるなんて最低ねえ。ガキはこれだから嫌いよ。
それに、いいのかしら? 法と秩序を守る管理局員ともあろう者が公共の施設を次から次へとポンポンと破壊して? まるで爆弾
魔みたいねぇ、クスクス」

「っ、貴、方が…投降してくだされば、すぐに止めますですよ!」


 嘲笑的な笑いを向けられ、リィンが反言するものの――戦況は変わらない。

 いや、時が長引けば長引くだけリィンの不利となる。相馬のこともあるが、リィン自身の蓄積する魔力が限られているからだ。

 現在、貯蔵される魔力量は常時に比べて半分以下。短時間の戦闘にそう影響はないが、長期戦となると部が悪い。

 この三日間の休息で一通りの魔法は扱えるほどに回復はしたものの、やはりリンカーコアそのものへの損傷は大きかった。

 早々完治するほど修復も行えず、こうして飛行魔法を用いている間も車がガソリンを消費しているのと同じで、魔力は消耗して
いる。

 故に、持久戦は自殺行為。それに負担の残るこの身の上に相馬の心配をせねばならないとなると、焦るなと言うほうが無理だ
った。


(もうこれ以上……時間は、掛けられません!)


 リィンが一つの決断を下し、足元に剣十字の魔方陣が展開される。

 青白く魔力光が輝き、『蒼天の書』に魔力を装填。澄んだ詠唱を開始する。

 長引けば不利なことなど、百も承知。自分達だけの戦闘ならともかく、相馬のこともある。

 このまま均衡を続けて隙を窺うよりも、多少貴重な魔力を消費してでも勝負にでるべきだと判断する。

 救援を求めて逃避するのではなく、終わらせるために、護るために、敵を“斃し”て。


「刃以て、凍て付かせろ。貫け――」


 リィンの詠唱に、クアットロが僅かに愁眉を潜める。

 今までの攻撃とは違うことを肌で感じたのか、飛行速度が早まった。

 逃れるためか、回避のためか、詠唱に魔力を裂く分、ここで僅かな距離が開く。

 しかし、その分の追撃の手も強かった。


「《極寒の短剣(フリジッドダガー)》!!」


 発射。

 ビルの隙間(空間)となる場所で、凍結効果の付加された二十もの氷刃が射出される。

 防御はともかく、回避は不可能。

 今度は建物に接触して無力化にされぬよう、視覚による遠隔操作を可能に。術式の込められた氷刃が、上下左右からクアットロ
へと肉薄する。

 《ブラッディダガー》と違い精度はやや下がるが、現在のリィンが追跡にこの魔法を扱うのには適した魔法と言えよう。

 外套が耐魔力の効力を宿していることを看破し、露出した肌の四肢に―急所を外して―狙いを定める。

 対象ロック、ホーミング効果継続。仕留め――


「――えっ?」


 眼前に起こった光景に、ついリィンは声を漏らした。

 驚愕に色を染め、現状起こった出来事に理解の伝達が停止する。

 《フリジッドダガー》は完全なタイミングでありながら、対象へと接触の直前――目標(相手)の姿が、視界から消え失せた。

 突然に、なんの予兆もなく。高速移動や転送魔法を用いずに、姿を晦ませて。

 氷刃は目標を貫くことなく、空を切った。


(ど、どこに……!?)


 困惑する意思。素早く周囲を見回す。

 空中で一時停止し、魔方陣を展開させて防御に備え、感知魔法を発動。

 幻影? 転移? 同化? 加速魔法? ――思考が高速で回転するが、答えは出ず。

 幾つもの推測が脳裏を過ぎり、消去法で確率の低いものから消しては煩悶を表に出さず、繰り返す。

 だが、見失った目標は見つからない。魔力反応も、ない。


(一度上空まで離脱を……いえ、それは危険です。相手が此方を捕捉していれば、それだけで絶好の的に――)


 葛藤は深まる。まるで心理戦のように。

 周囲を哨戒し、警戒心を高めてクアットロの姿を探索し、無意味に旋回する。

 ジッとなど、していられるものか。相手の情報がない以上、どのような事態においても対処できる体勢でいなければならない。

 その間にも不安は募り、流れる汗が動悸を高める。まるで自身に起こる危険を、知らせるかのように。

 可憐な妖精が魔の手へと陥る未来が、足音を忍ばせて背後から滲み寄ってくる。

 奈落の底へと沈む身は、刻々と、確実に……深まっていった。



―→ Side Quattro



「ふふ、探してる探してる。お馬鹿さんねえ……滑稽だわ」


 遠見市、上空。

 この都市のもっとも高度を誇るビルの屋上にて、クアットロは眼下で宙を彷徨うリィンを見て嘲笑していた。

 俯瞰した眼差しで場を睥睨し、どうしようかと次の策略を練っては口元を吊り上げる。

 無論、その間にも感知魔法に掛からぬようステルスは万全に稼動し、通信の妨害魔法も実行中。

 密かにこの結果を破る解析化も進め、その過程で結界の破壊は無理と判断し、弱体化が行えそうな所を探査していた。

 最早全てにおいて、時間の問題である、と。


「さぁて、そろそろ次のプロットに移させてもらおうかしらね」


 新たなモニターが展開され、この都市の情報が映し出される。

 それは、建物の耐久精度や飛行可能な空域経路など、細かなグラフとして表示されていた。

 罠(トラップ)の設置は、すでに完了。連鎖的に続く魔の手が、数秒後にはリィンを襲うだろう。

 だがここで最後に確認の意を求め、現状を振り返って冷静に分析を始める。愚に返りはしない。

 解析結果の羅列に目を通す。腐っても作戦指令としても立場は、適していた。


(これはまあ、ずいぶんと念入りに組み立てたこと。元はプログラムなのだから当然かもしれないけど、複雑ったらありゃしないわ
ね。チッ、面倒なことを……)


 解析結果のモニターを眺め、愚痴と共に嘆息が零れる。

 結界を発動させたのはあの子(リィン)に間違いはないが、どうも斃したら終わり、ではすまされそうになかった。

 ここに閉じ込めて管理局の救援者に後を託すような考えを持っている可能性もある以上、不詳の事態に備えて第一に離脱でき
る方法を詮索せねばならない。

 その為にもまずは確実に結界の柱となるあの子を斃さなければならない訳だが、その辺りは問題ない。“自分なりの”戦闘方法
が整った以上、それも容易なことだ。

 モニターを閉じる。トーレとの距離も離し、口を挟まれる心配もなくなった現状、通信回線を一時遮断して―緊急回線は残して―
娯楽を楽しむことにする。

 これから始まる惨状の開幕に、ついクアットロの口元が愉悦に歪んでいた。

 ――が、その時


「あら?」


 閃光。

 天を突くほどの魔力光が、もう一つの戦地にて立ち上がった。

 魔力光は、月光。

 トーレのエネルギー(魔法)光は紫なので、彼女の仕業ではないと分かるが―そもそも広域魔法をトーレは会得していない―
相対していた男性の魔法色は銀色だったはず、と眉を潜める。

 数秒疑問を抱くクアットロだが、次いで三日前にガジェットを破壊した無力化の融合騎がそのような魔力光だったことを思い出す。

 黙考。視線をトーレの地へと移したまま、今しがた閉じたばかりの回線を繋ぎ直そうか僅かに逡巡し……


「……ふん」 


 軽く鼻白を鳴らし、肩を竦めて思考を放棄する。

 信頼、という形かどうかは曖昧なものだが、トーレ限って敗北はないだろうと確信している。

 そもそも、トーレはメンテナンス不足でリミッターを掛けられた制限状態。ちょっとぐらいの苦戦なら、予測の範疇であった。

 だがその不備も、この街に来る前に言っていた“あの条件”を外せばなんてことない相手。新参者の成りたての魔導師に、負け
る要素などありはしない。

 なにより、自分のことは自分でなんとかしろ、という冷めた思考も持っていた。


(さて、こちらもそろそろ本番といきましょうか)


 遠方に聞こえる戦闘音を流し、獲物に目を向ける。

 リィンも先ほどの魔力光に懸念を抱いたのか、焦燥を滲ませていた。

 相馬達がどのような状況なのか、後ろ髪を引かれる思いなのだろう。責任を感じている分、尚のことに。

 ――これから起こる自分の身を、疎かにするほどに。


「せいぜい、楽しませるように踊ってねえ?」


 嗜虐に満ちた笑みを浮かべ、口元を吊り上げらせて眼下を見下ろす。

 獲物として用意された小さな玩具に、どのような反応をしてくれるか想定し、愉悦に震えて。

 実のこと、リィンはクアットロを追い詰めていると錯覚し……上手くこの地(罠)へと、おびき寄せられていた。

 ……狂気に満ちた惨劇のショーが、始まる。



―→ Side Reinforce zwei



 刻々と時間だけが過ぎる緊張化の中で、リィンは焦燥感に駆り立てられていた。

 クアットロの行方が掴めない原因もあるが、それよりも脳裏を占める心配事は相馬とシアのことである。

 あくまで彼らは民間協力者。いくら相馬に才気ある戦闘力とシアの優れた援護があるとはいえ、今はまだ実践段階には早すぎ
る。

 喩え、力の多寡を別としても、戦闘に関して圧倒的に経験と技術が不足している状態では、危惧を抱くだけであった。


(そーまさん…シアさん……)


 相馬とシアが相対している相手は、自分よりもずっと格上の相手。

 Sランク。確かに立ち会ってじかに感じたあの威圧感は、自分の傍にいる人たちと同じ空気を纏っていた。

 強ければそれだけ、相手の実力も分かるというもの。本当は自分が彼女(トーレ)の相手をしたかったが、自然と流れ的にこの
ような対戦相手に決まっていた。

 故に、こうなったからには早めに彼女(クアットロ)をなんとかして、早々に相馬と合流し、二対一に持ち込む必要があった。

 それが、だというのに……この、有様である。


「くっ……」


 不安と焦慮を抱きながら、後手へと回る一方。

 前線管制の知識(スキル)も持つ彼女にとって、指揮官たる心得も主に見習って予測する分――現在の状況下において導かれ
る最悪の想定が、脳裏から拭えない。

 冷静に事態を考慮しようにも、迫る選択肢はどれも残酷なほどに光(未来)を閉ざす暗闇(絶望)のものばかり。

 今のリィンはなまじ能力があるぶん、悪循環に陥っている説があった。


 “指揮官たるもの、戦場の状況に応じた戦い方を心がけ、臨機応変に対応し、損得利害の両面を常に心に入れ、敵の来襲に対
する準備を怠らせず”


 冷静さを保つため指揮官の心得を反芻し、主に倣う戦術論を唱え、再度悔やむ。

 幸い、結界を発動することに成功し、被害の増加と管理局への救援信号は発信できた。後は管制塔や中央センターが迅速な対
応を執ってくれることを祈るばかり。

 それによって早急に救援が―それも高位魔導師であればあるほどに―到着すれば勝機は高まるのだが、それまで戦況を維持
できるかが最大の問題点であった。

 時間を稼ぎ、可能ならば対象の拘束。止むを得なければ殺害に踏み入るしかないのだが、“殺す”ことに抵抗を感じるリィンに、
そのような行為に移れない。

 自身の主とその家族、数々の友人たちの顔を思い浮かべ、リィンは逸る気持ちを落ち着かせて冷静さを取り戻そうと、必死に対
処法を巡られていた。


(感知魔法に掛からないところをみると、ここ数日の妨害魔法はきっと彼女の仕業ですね…。
念話も行えなくなってますし、こうもセンサーを遮断するとなると、彼女自身の技術なのか装備する武装の効力なのかいまいち
判別ができませんです。
これは…私の動きは相手に見透かされていると、考えて良さそう…ですね……)


 表情が曇る。現に、クアットロは上空からリィンを眺め、標的を睥睨していた。

 考えたくはないが、今の自分は被食者であり、危険な立場である。相手の行動待ちといった不利な状況。

 自分がもし、彼女(クアットロ)の立場としてさまざまな策略を実行するとすれば、今は絶好の好機だろう。

 性格面において真逆ともいえる対極さなのでどのような策略を投じるかは正直不明だが、ここにきて一つ別に、分かることもあっ
た。


 彼女(クアットロ)は、自分を仕留めるまでは見逃さないということ。


 考え始めた当初は、相馬達の下へと加勢に向かったのではないかと懸念していたが……それは杞憂にすぎないだろう。

 直接的に肌で感じたあの寒気を誘う気配。対峙する彼女の人柄をこの短時間で認識した上で判断できることだが、あの手の性
質は性格破綻者の一端だ。

 会話や振る舞いなど、人を甚振っては喜ぶような謀略を趣旨とする性格が歪曲した歓楽者。自身が戦わずして勝つことを心がけ
る、そんな**(確認後掲載)計家。

 過去も現在も事件の現場において、もっとも遭遇したくないタチの悪い相手である。

 故に――


「――っ!?」


 なにを仕出かすか、判らない。

 始まりは突然に、なんの予兆もなく……こんな風に。


「くっ――!」


 魔力感知と同時、爆音。頭上から無数の瓦礫が落下する。

 前方と後方を挟んだ二極。そのビルの中央部分から爆発は起こり、上面が瓦解して滞空上のリィンへと前崩れに崩壊する。

 前後を抑えられたことにより自然と左右のどちらかへと回避行動を取らねばならない状態だが、右の進路上には別のビルが聳
えているため、回避経路は左に。

 理障壁を展開し、地上へと滑るように低空飛行をとって離脱する。


(やっぱり、策を用いるタイプです……! なら、本人はどこか別の場所で、私を視認できる場所に――)


 この状況を視界に収まる位置、または映像を収められる範囲。

 こういった犯人の手口は己の成果をじかに拝見するタイプが多く、現場に訪れていることがある。

 まるで自身の描いた芸術品を眺めるように。離れた位置で、直接的な干渉なく嘲るのだ。

 相容れない相手である。心拍数が高まるのを必死に押さえ、また別に誘爆する進路上の危険物に目を向ける。

 そして、一つ、二つと連続して回避し……その連鎖的に続く脅威に、リィンは自身の置かれた状況を一層深く理解した。


――まさか、“ここ”は……!?


 次々と自分が飛行する“進路上に”爆発が起こってゆくさまに、異変を感じる。

 自分は、警戒心を高めていた。それなのに、身近なビルから二方同時に爆発が起こった。

 それはつまり、気付かれずに時限式の爆弾(火薬は魔力製)を設置することなどは不可能なので、事前に用意していたことだ。

 こうなることを、予測して。


(誘導、されていたですか……!?)


 己の迂闊さを呪う。地形を把握しているために、注意力が散漫していたことを。

 無我夢中だったとはいえ、こうも上手く進路上に爆発物が用いられるということは、そういうこと。

 背後、始めに崩れたビルが轟音を上げ、その残骸と衝撃(空気振動)が身を泳がすが、振り返る余地はない。

 必死に飛行回避に専念するだけの不甲斐ない自分に、進路上のビル街が次々とドミノ式に崩れていくのを歯痒い思いで振り切
る。

 相手は破壊することに躊躇がない。もしこの結果がこの状態で解かれれば大惨事となる。それだけは絶対に、食い止めなけれ
ばならない。

 だが、このままではマズイ。後手に回っていれば、いずれどこかで詰め(チェック)られる――。


「――!」


 進路上空から続く建物の崩壊に、上昇は赦されない。

 落下物には一塊の残骸があれば、細かく飛散する残骸もあるため、回避は全てが地上へと衝突する前に行わなければならな
かった。

 間を縫って飛行など不可能。いくら物理防御が取れようとも、あのような重量物の下敷きになれば防げる自信はなかった。なに
より心理面で挑戦する意思になれない。

 遮蔽物のない上空に離脱を試みたいが、そうすればその時にまたなにか罠が張られているのではないかと別の懸念も募る。

 虚をつく、と意味合いで言えばそれはなにより有効的であり、体勢を立て直す時間を与えない合理的な戦術であった。

 皮肉にも自身で実際に味わうことで、嫌でも学んで。


(です、が……!)


 この状況の突破口が、ないわけではない。

 即ち、遮蔽物のない地。そこに離脱することができれば、このような状況は打破できるだろう。

 罠には限りがある。無限でなく有限。いくらここが都市の中心部とはいえ、その全てに設置することなど不可能だ。

 故に、避難場所といった公園や学園などのグラウンドのような何もない空間は移動することができれば、此方にも勝機が生まれ
る。

 攻撃の空白の時ができ、崩壊したビルによって粉塵した煙幕に紛れ、此方も姿を晦ますことができるだろう。

 監視カメラなどの気配がない以上、相手は目視できる範囲。これだけ派手な演出だ。この光景を一覧できる高度な場所など大
よその予測はつく。

 いける。ここにきて、微かな勝機。此方にも反撃のチャンスが回って――


「――え?」


 それは、小さな影。

 集中していなければ見逃しそうな、そんな視界の中で。

 有りはしない光景に、リィンは瞠目する。


「ゆ――」


 今にも崩壊寸前である、一つの建物。

 その一室に目が釘付けになり、思考が空白に染まる。

 危険地帯であるこの場所で、敵の術中の中で――リィンは二つの人影を、見た。

 竹刀袋を担う栗色髪の少年と、買い物袋を下げる水色髪の少女の二人。

 それは、そこに“いた”のは――


「――ゆーきさん!? アンさんっ!?」


 絶叫に近い声で、叫んだ人物が視界の端に映っていた。

 理解できない。いや、戸惑いが脳を理解することに拒んでいるといえよう。

 忘れない姿。数分前まで、共に時間を過ごしていた相馬の友人達を。

 結界外に避難させたはずの二人が、この渦中で……寄り添うように隔絶された世界の中で、立ち竦んでいた。


 どうして、とか考える暇もなかった。


 なぜならば、まさに息を呑む間もなく――二人の頭上で、また新たに爆発が起こったからだ。

 閃光と轟音を上げて、彼らの下に、崩壊するように。


「逃げ――!」


 られる、はずがない。ただの人間である二人に、唐突なビルの崩壊から。

 一階オフィス中央部。そのもっとも危険性の高い位置に、二人は“ただ”佇んでいる。

 逃げる素振りも、此方に気付いた風もなく、後に死を迎えるだけの状態で。

 そんな二人に――リィンが、見捨てられるはずがなかった。


「バレル(出力)展開! アクセルブーストッ(飛行加速)!!」


 貯蔵する魔力に余念なく、全力で『蒼天の書』に魔力を装填させる。

 一時の躊躇もなく建物の中へと侵入。身の危険を顧みず、二人へと手を差し伸ばす。

 距離はある。だが、間に合わない場所じゃない。間に合わさせはしない。

 相馬は、シアを、自分を、そして彼らを護るために死ぬ物狂いで戦っているのだ。その彼らを、失わさせるわけにはいかない。

 防御魔法を展開される余地はない。二人を掴み次第、そのまま減速することなく対面の窓から突っ切る――。


 届く、はずだ。


 いや、届かせる。届いてみせる。

 二人を絶対に死なせはしない。悲しみを無くすための、自分は騎士だ。

 護るため、救うため、支えになるため、そのために自分は存在意義を見出すのだから。

 伸ばした手が、届き――


「……え?」


 ――切羽詰った状態は、人の精神面を簡単に揺さぶる。

 どんなに冷静に勤めようとも、視覚に捉えた光景は人の心を左右して。

 対処を見出す判断時間とはとても重要なもので、即席では叶わない答えを導き出すことがある。

 咄嗟の行動は反射神経などの体面で必要であるが、頭脳面では知識よりも経験が光明を掴むものだ。

 そう、まさに……この時のように。


「ぁ――」


 伸ばした腕は――なにも掴むものなく、すり抜ける。

 まるで蜃気楼のように霞み、二人を模った姿は実体を持たずして空像のように存在していた。

 余りのことに夢を見ているかのように呆然となる。実感を持てず、思考を放棄して。

 そして、それはほんのコンマ数秒の出来事が命取りとなった。

 白なった時間が魔力の供給を緩め、リィンの理解が追いつく間もなく――終焉(詰め)が、殺到する。


 対峙するクアットロは、極めて優秀な策略家である。


 適材適所。そう彼女がいっていた言葉は、実に的を得ていると言えよう。

 容赦なく残酷で、平気に人の心を踏み滲む狡猾家である分、彼女は相手の心理を深く読み取る。

 不気味なぐらいに正確に、効果を持ち、感性でもって謀略を巡らせて。

 これ以上ないほどに、成果を見出していた。


「――」


 頭上より迫る死の影が、リィンの姿を覆い隠す。

 その手に掴めるものはなく、そのために失った防御魔法は展開できずに。

 完全に無防備のままで、車が急に止まれないのと同じで――確定された死が、目前にあった。


 轟
 音


 希望を踏み潰すような光景が、クアットロの眼下で繰り広げられる……。

 瓦解する建物に、崩壊は収まらず。全ての重力が一気に下へと、落下する。

 あのタイミングで、回避は不可能。

 つまるところ設置型の罠とは、狩と同じで……餌を置き、獲物自らを追い込むことにあった。

 そう、自分から、だ。


「ふふ、あぁ、アリはアリらしく餌に集って踏み潰されるのがよくお似合いねぇ。ふふふ、あはは、あはははは」


 ――幻影。

 それは、クアットロの扱うIS能力(インヒューレントスキル)。自在に幻影を生み出し、己の姿を消すことも可能な先天固有技
能。

 途中で姿を消したのも、祐樹と杏の二人の姿を生み出したのも――この、クアットロの能力であった。

 奥の手は最後までとっておくのが、策略の思惑であると。


「あははははっ、あーはっはははははははははっ」


 都市中央のもっとも高度を誇る、地上を睥睨できる場所で――死の旋律を聞きながら、魔女の哄笑が夜空の下で響いていた。





〈後書き〉


 16話、「激突2」終了ー。

 うおう、思いっきり壁にぶち当たりました。構想は浮かんでも上手く執筆できない……。

 本当は別ルートに、ツヴァイ(U)がピンチになればアイン(T)が二重人格のように出現するというシナリオも考えていましたが、
オリジナル増やすのもどうかと思い、断念。

 ちなみにそのルートだとアインは長時間戦闘できませんが、一種の最強キャラとして活躍を……ってそれだとナンバーズに勝っち
ゃうがな、と(´・ω・`)

 さて、次回でいよいよ戦いも終わりに。今回はとらは設定が若干組み込まれ、長文になりましたが、予測されていたあの人たちの参
上です。やはりあの人が…。 
 
 それではまた、次回の後書きで会いましょう〜ノシ

[466] 誤字?
RPG3 - 2008年01月31日 (木) 17時14分

ISは、
インスピレーション・スキル
ではなく
インヒューレント・スキル
ですよ

[467] 感想返事
月咲シン - 2008年01月31日 (木) 17時28分

RPG3様、ご指摘ありがとうございます。

修正完了。お恥ずかしいことです(赤)

ですがすぐにこうやって修正が行えることと、誤字の指定をしていただけるのはとても嬉しいです。

またなにかあれば、一声お願いします。(ペコリ

[470] 読みました!
galdia - 2008年02月02日 (土) 02時10分

00から一気に読ませていただきました。
展開が遅い〜〜! と、やきもきさせられますが、それも面白いが故。
がんばってください。

それと、訂正を一つ。
アルテミスが、『カリムからの献上品』と書かれていますが、正しくは『寄贈品』ですね。
『献上品』は、立場が下の者から上の者へ品を送る場合に用います。貢物とかですね。
カリムは、どちらかといえば六課の上でしょうし、管理局とも対等の立場にいるでしょうから、たぶん『寄贈品』が一番ふさわしいかと思います。

[471] 感想返事
月咲シン - 2008年02月02日 (土) 15時02分

galdia様、ご感想と共にご指摘ありがとうございます。

修正完了。最初の方ですね? 確かに寄贈品のほうが正しいと思います。感謝感謝。

そして、面白いといっていただいて嬉しです。展開が遅いのは仕様ということで。ごめんなさいです。

この後、リリなのの主要キャラとは対面しますが、その後4月まではまた修行編が入ります。相馬が魔術師としての知識や力量が余りにもなさすぎますので。

本編はその後ですかね。魔導師試験もありますし。

それではまた、新たなご感想お待ちしております。(ペコリ




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