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最終投稿:2024年04月20日 (土) 06時15分

[158] 君と歩む物語 第九話 (リリカルなのは×ユーノ憑依) 
三日月 - 2007年11月16日 (金) 10時37分







それは私の全てを否定する言葉。


「もうダメね、時間が無いわ…たった9個のロスト・ロギアではアルハザードに辿り着けるか分からないけど
……でも、もういいわ、終わりにする」


睨むようにこちらを見るプレシア母さん。


「この子を亡くしてからの暗鬱な時間も…この子の代わりの身代わりの人形を娘扱いするのも…」


その言葉に息を呑む自分。


「聞いていて?貴方のことよフェイト、せっかくアリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ…
役立たずでちっとも使えない私のお人形」


私が…身代わりのお人形?


「だけどダメね、ちっともうまくいかなかった…所詮作り物の命は所詮作り物、失ったモノの代わりには
ならなかった……」


私は作られた存在、アリシアという少女のマガイモノ。


「いい事を教えてあげるわ、私は貴方を作りだしてからずっと貴方のことが……大嫌いだったのよ!」


そして私の全ては壊れた。























私が次に気づいた時には医療室のベットの上だった。あれから数分も経ってないのか艦内のここにも

警報のアラームが聞こえてくる。

視線をわずかに動かせば、私の側にはあの子とアルフ、そしてユーノと呼ばれている少年がいた。

ああ、私は母さんの言葉で倒れてしまったのだろう、一人ぼっちになってしまったから。だからここにいる。

彼らがここにいるのも多分私を運ぶためだ。

しばらくあの子は私の側にいたが、何か決意をするとアルフに私の側にいるように頼み込んで部屋を

飛び出していった。

きっと、母さんを止めにいったんだ。なぜかそう思った。

アルフは心配そうに私を見る。ユーノは……ただ無表情で私を見つめていた。

だけどその瞳が悲しみに染まり、今にも泣きそうだった。


「なあ、フェイト」

「……………」


ユーノが語りかけてくる、壊れたただの人形に。

そう私は人形なのだ、だから母さんに捨てられた。アリシアになれなかった私は要らない人形だと。

そんな私にそれでもユーノは話しかけてくる。


「お前はそのままでいいのか?そのまま人形として朽ちていくのか?」

「……………」


そう、人形だからいつか朽ち果てる、必要じゃあないと断じられた私は朽ちることしか許されないから。

だから彼の言葉に頷いていいと思った。


「だったら別にいいんだ、お前さんが決めたことだ、そのまま人形として朽ちていけばいいさ」

「!?ユーノ!!」


アルフの怒声とともにユーノがアルフに殴り飛ばされる。アルフはああ見えてもかなりの怪力だ。

受ければただでは済まない。なのにユーノは障壁一つ張らずにその拳を受け入れた。

医療室の壁に叩きつけられるユーノ、でもふらふらとそれでも私のもとに歩み寄ってくる。

その瞳には何かを伝えようと必死だった。その目が私を捉えて離さなかった。


「でもな……気づいてないから教えてやるよ、お前の物語はまだ始まってすらいないんだぜ?」


私の……物語?(何かが響く)


「物語、言い換えれば人生だ。自分で選び自分で決める。お前にはそれが出来るはずなんだ」


自分で選んで自分で決める………(その言葉が何故か……)


「お前はアリシアではない、どんなに足掻いてもアリシアにはなれない、例え記憶を持っていたとしてもだ」


アリシアにはなれない。(私に……)


「当たり前だ、アリシアはただこの世で一人の人間だ、アリシアにはアリシアだけしかなれない」


アリシアだけがアリシアになれる?(………こんなにも)


「フェイトはアリシアのコピーだ、でもフェイトはアリシアにはなれない、なれないけどフェイトはフェイトになれる」


私は私になれる?(私に響く)


「でも、今のフェイトは人形になろうとしている…いや人形だ。本当にそのままでいいのか?」


私は…私は…何になりたいのかな?(こんなにも彼の言葉が胸に響く)


「……私は……」

「!?フェイト!?」


私は私になってもいいの?アリシアとして望まれた私がアリシアではないフェイトという私になっても本当にいいの?

私の物語は……まだ始まってすらいなかったのかな。


「……ああ、やっぱり訂正するわ」


え?


「お前さんは人形なんかじゃないな、だって人形は涙を流すことなんてないのだから」


私は……泣いてるの?


「後はお前次第だフェイト」


そう言って医療室を去るユーノ、きっとあの子の手伝いに行ったんだ。

彼がここに残ったのは私に気づかせるためだ。私は人形ではなく…アリシアでもなく…フェイトであることを。

去り際の彼の目は…ユーノの目は優しく温かい目をしていた。そう夢で見た母さんのように。

しばらくして、ユーノが立ち去った方を見ていたアルフが私の方に向かって言った。


「フェイト、アタシあの子達が心配だからアタシもちょっと手伝ってくるね。すぐ帰ってくるよ
そしたらゆっくりでいいからアタシの大好きなフェイトに戻ってね、これからフェイトの時間は全部フェイトが
自由に使ってもいいんだ…それじゃあ行ってきますアタシの大好きなご主人さま」


ああ、私は一人じゃなかったんだ。私の側にはアルフがいたんだ。

アルフが部屋を出て行ってしばらくしてから私はベットから起き上がった。身体に痛みは無い。

この艦に連行される途中にユーノが治療してくれた。

側にはヒビだらけのバルディッシュが待機モードで置かれている。


私が欲しかったモノは何てことは無い、ただ母さんに微笑んで欲しかっただけ。

でも私には最後まで微笑んでくれはしなかった。ただ認めて欲しくて、ただ抱きしめてもらいたくて、ただ

ただ愛してもらいたかったんだ。どれだけひどいことをされても嫌われようとも微笑んで欲しかった。

いまでも…捨てられた今でもどこかで母さんに縋りついている。

アルフ……あのこにも迷惑をかけて悲しませた。ずっと側に居てくれたのに私のわがままで何度も悲しませた。

何度もぶつかりあったあの白い少女、私に何度も語りかけた強い子、何度も何度も諦めずにまっすぐに

向き合ってくれた。何度もぶつかりあって、何度も戦って…何度も私の名を呼んでくれた。


側にあったバルディッシュに手を伸ばし、胸に抱く。

涙が溢れた、私の…私達の全てはまだ始まっていない。


「そうなのかな?バルディッシュ、私、まだ始まってすらいなかったのかな?」


私の相棒、私とともにあり続けた心持つデバイスに私は呟くように語りかけた。


『Get set』


ボロボロになりながら起動するバルディッシュ。

その姿に私は涙をこぼし続け、そしてバルディッシュを抱きしめた。


「そうだよね、バルディッシュもずっと私の側にいてくれたんだよね…お前もこのまま終わるなんて嫌だよね」

『Yes、sir』


そして私は立ち上がることを決めた。

私の…私達の全てを始めるために。

私が私であるために。

いままでの自分を終わらせて始めよう…私の物語を。




























リカバディーに成功し、彼等の元に向かう途中、ふとユーノの顔が思い浮かんだ。

それと同時に胸が熱くなった。この気持ちは一体なんなのだろうか?

胸がドキドキして、顔が熱い。なのに嫌な感覚では無い、むしろ心地よい。この感覚が何なのかを

知りたくなった、だけど今はそんな暇は無い。今の私にはやることがある。

だから今は急いで行こう、この気持ちは後で考えればいいのだから。

















あとがき

ってな訳で今回はフェイト視点で書いてみました。

ラストにはフェイトがユーノにほのかな恋心に目覚めてしまった。

まあ、本人はその気持ちが恋だと気づいていないようですが。

多少アニメよりの流れで書いたのですが、あれ?医療室になのは達って行かない?

あれ?実は途中の通路で会ったクロノと一緒に時の庭園に行っちゃった?

な感じでアニメより書いたつもりがイロイロな矛盾を孕んだ展開になりました。

どうも別のアニメの内容がごっちゃに混ざってるようだ(笑)

そろそろ無印編も終わりに近いですね、頑張って書きますんで。

出来ればこれからもこの三日月に付き合ってやってください。





おまけ

Fate風 ステータス表

真名・プレシア・テスタロッサ

属性 混沌・悪

筋力C−    敏捷C

魔力SSS   宝具??

耐久F    対魔力SSS

幸運E−

技能 魔法(SSS)、狂気(C)、憎悪(AA+)
    
    執念(A)

宝具 アンノウン(謎)









プレシア強っつ!?

次は…アルフかな?








[159] うわぁー
親衛隊長ゼンザイ - 2007年11月16日 (金) 16時54分

あいかわらず、恐ろしい更新ペースですねw

しかも、面白いときたもんだ!

ユーノくん最強主人公は、無印ではどんな最後で終わってくれるのか・・・非常に楽しみですw

[162] はじめまして
D, - 2007年11月17日 (土) 13時53分

 はじめましてD,っていいます。
 9話まで一気に読みました!!面白かったです!!
 中身別人とは言え、ユーノがへレットではなくなるとココまでカッコ良くなるんですねぇ…
 でもチェーン系を攻撃として利用するユーノ…なぜか『ネビラチェーン』てな台詞が頭をよぎりました…又はメルブラのアルクのアノ技とかも…
 そしてフェイトフラグを立てるユーノ!なのはVSフェイトの対決なのか共有なのかが楽しみです!
 続き楽しみにしています!

[165] 感想返事
三日月 - 2007年11月17日 (土) 17時34分

感想ありがとうww
どうも三日月です。
Dさんゼンザイさん。


チェーン系を使うユーノの背後に浮かぶは某城ww

いいっすねえww何気に強そうな感じがかもし出されている。

とそろそろ無印編もラストパート、As編の始まりも近いですね

でもその前に番外をなんとか書き上げたいなと思う三日月。

これからもぜひ読みに来てくださいww

では失礼します。




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