[150] 君と歩む物語 第八話 (リリカルなのは×ユーノ憑依) |
- 三日月 - 2007年11月15日 (木) 10時10分
海上では二人の魔法少女がぶつかりあう最中、俺はというと突然に現れた魔導機戒兵と戦っていました。
なんか俺が狙いっぽい。そんなに俺が邪魔なのか?と思いながらなのはとフェイトの決闘の邪魔をさせない
ように瞬殺、そんな俺を化物をみるかのように呆れた目を向けるアルフ。
その視線を無視して俺は二人の戦いに視線を向ける。
俺の後ろにはズタボロに打ち砕かれた魔道機兵が討ち捨てられている。
え、どう倒したかって?チェーン系とリング系のバインドで縛り上げたあと、こう…グシャと潰しましたが?
戦いは既に終わりに入っていた。瞬殺とはいえ少々時間が掛かり過ぎたようだ。
なのはにフェイトのライトニング・バインドが決まる。
その光景にアルフがフェイトが本気だとなのはと俺に伝えてきた。
確かに今フェイトが展開し始めてるあれを喰らえば、ただでは済まない。
そしてその目のには覚悟を決めた瞳はどこか悲しみを秘めていた。
助けるかと俺がそう考えた時、なのはの念話が届く。
これは二人だけの決闘なのだと全力全開の一騎打ち、だから手をださないでと。
その声には強い意志を感じさせる。
だから俺は見守る事に決めた。俺がなのはを信じてるならここは黙って見ているべきだと。
そして、なのはにフェイトの魔法が放たれた。
「フォトン・ランサー、ファランクス・シフト……打ち砕け、ファイア!」
無数の雷光弾が放たれ、なのはに命中する。魔法の粉塵ですぐになのはの姿が見えなくなるが
フェイトは砲撃の手を緩めない。その表情は悲しげで辛そうだ。根は優しい娘だ、戦いに向かないほどに。
俺は静かに溜め息を付き、両者を心配する。俺とて心優しい二人が傷つくとこなど見たくは無い。
だがこの戦いは必要なモノなのだ。だから止めないのだ。
粉塵が晴れ、防御に間に合ったなのはにフェイトは止めの一撃を放つ。
それと同時になのはのディバイン・バスターが放たれる。
フェイトの一撃はなのはの一撃に飲み込まれ消える。そしてその迫り来る一撃をフェイトはシールドを
張り耐えた。
その間になのは次の魔法を展開する。
「受けてみて、ディバイン・バスターのバリエーションを」
なのはの魔力が急激に高まっていく。その姿を見ながら俺は決闘の終わりを感じ取った。
(そろそろ決まるな、なのはには才能がある、感覚で魔法を組むようなヤツだし)
なのはの目の前に魔方陣が展開され桃色の魔力が徐々に収束していく。
フェイトにバインドが決まる、なかなか強力なヤツだ。フェイトが抜け出そうと足掻くが……もう遅い。
なのはの魔法が完成した。
「これが私の全力全開、スターライト……ブレイカーー!!」
極大の魔力の砲撃がフェイトに直撃する。
はっきり言って並みの防御魔法では容易く防御ごと落とされるだろう。
ってかやりすぎじゃねえのこれ(汗)
今頃アースラではクロノが「なんて馬鹿魔力」とかエイミィが「フェイトちゃん生きてるかな」と言ってる
頃だろう。
スターライト・ブレイカーの直撃を受けたフェイトが海へ落ちていく。
後はここでなのはが助ければラストへ一直線だ。
だがここで思ってもいない事態が起きた。なんと高出力魔法の反動か、なのはも海へ落ちていく。
「おい!マジかよ!?」
俺は海へ慌てて飛び込み二人を助け出した。
海上へ魔法で飛び上がる俺、両肩にはなのはとフェイトを抱きかかえている。
もちろんレイジング・ハートとバルディッシュも忘れてない。
「おい、二人とも大丈夫か?」
「あ、うん…ありがとうユーノくん」
「大丈夫…です」
二人の返事に俺はふうと一息つく。
「私の…勝ち、だよね」
「そう、みたいだね」
バルディッシュからフェイトが今まで集めてきた9個のジュエル・シードが出てくる。
その行動はなんとも男らしいぜ!バルディッシュ!!
と両肩にかかる二人の少女の重みに俺は気恥ずかしくなった。
ええい、そこヘタレ言うな!!
「とりあえず、二人とも飛べるな?」
「うん」
「はい」
俺はそれを確認すると二人を肩から離し回収したデバイスを渡す。
あとは二人の会話を黙って聞いている、そしてなのはが満面の笑みでフェイトに友達に
なろうと手を伸ばしたとこで、話の腰を折るようにクロノから念話が届く。
やれやれ少しは気を利かせてやれよクロノ執務官殿よ。
クロノの指示が念話で届いてる途中、俺は巨大な魔力の高まりを感じた。
(この感じは、あの時と同じか!)
そう自分が乗っていた護送艇が落とされた時と海上の六つのジュエル・シードの封印の時と一緒だ。
俺は咄嗟になのはを突き飛ばし、フェイトを抱き寄せ頭上に向けて魔法を展開する。
「其は鋼よりなお硬き守りの盾『シールド・イージス』!!」
強力な雷撃が突然辺りに展開され俺の展開した防御魔法に衝突する。
(ぐお、重っつ、クソー!これでもラウンド・シールドの数倍の強度なんだぞ)
防御に関しては俺もそれなりの自信があった、その気になればAsのザフィーラにも引けは取らない。
だが防御を抜けてダメージがいくらか通っていく。その間に9個のジュエル・シードが物質転送されていった。
あちらはエイミィに任せておけば大丈夫だろう。
こちらは防ぐだけで精一杯だ。弱ってるところに更なるダメージでフェイトは気絶、バルディッシュも
フェイトにいくはずのの大きなダメージを肩代わりしヒビだらけになって待機モードに変わった。
俺はと言うと致命的なダメージは受けなかったが、防御魔法を展開していた左腕に大きな火傷を
負ったくらいだ、ちくしょうせっかく治したばかりなのにまた同じとこに火傷をした。
俺たちがアースラに戻る頃には既にプレシアの居場所は特定され、武装局員が送られていた。
フェイトも目を覚まし、おとなしく着いて来ている。両手には拘束具は着けてない、俺が止めた。
フェイトの手に拘束具を付けようとした武装局員を殺す気で睨んでしまったのは大人気なかった。
リンディのもとへと連れて行くと、そこには大きな画面に玉座の間が映っていた。
リンディの指示になのはがフェイトを自分の部屋に連れて行こうとしたとこで事態が急変した。
プレシアを武装局員達が囲み、他の局員も敵がいないか隣の部屋を確かめる。
そして彼女は見てしまった、フェイトは見てしまったのだ、画面に映るは玉座の間の隣の部屋。
その奥にガラスのケースに浮かぶ自分に似た幼い少女の姿を。
アリシア・テスタロッサ……フェイトの元になった少女、幼くして命を落としたプレシアの愛娘。
一瞬でそのガラスケースの前に転移したプレシアの魔法攻撃に局員が吹き飛ばされていく。
力の差は圧倒的だった。踏み込んできた武装局員は全滅、プレシアの本拠地中に召喚される
魔導機兵にリンディは倒れた局員の回収を命じた。
あのまま放置しておけば間違いなく魔道機兵の餌食になっていただろう。
そしてプレシアによって明かされる真実、泣きながらフェイトを抱きとめるなのは、響くは狂気に
満ちた嘲笑、祈るように事の真実を言うエイミィ、静かな怒りを秘めクロノは飛び出し。リンディはただ黙って
プレシアを睨む、そしてまるで人形のように虚ろになるフェイト、その姿を俺は黙って目を瞑るように逸らした。
怒りが無いと言えば嘘になる、だけど俺もあのプレシアと同罪だ。
何もかも知っていたクセに何も話さなかったし話せなかった。
未来を語ることは<禁忌>だ、特に確定された未来は。だからこそ俺は黙って耐えるだけ。
自分に許されているのは、見守り、時には小さな手助けをすることだけだ。
それと同時に俺は知っている。彼女が……彼女達が強いことを俺は誰よりも知っているのだ。
だから俺は信じて待つだけ。
彼女が……フェイトが再び立ち上がるのを。
あとがき
どうも、三日月っす。
なんか心が既にSTSに飛び、書きたがっているのか、すでに三期の構想が無駄に立ち上がってます。
Asは?と言われれば無論書きますが、ああ、やっぱヴァイスさんとユーノの会話が書きたい。
いや、この際、男性ズを集めて会談させてみたいっすねwww
きっと酒を飲み始めて、最後にはグテグテに終わりそうだww
もちろん、女性ズも書いてみたいっす。多分好きな人などの恋愛話に花が咲きそうだ。
くっ、やっぱ後々のことを考えてユグドラシルにもカートリッジ・システムを搭載するべきか?
いやいやここはユーノ自身を強化するべきかな?などと無駄な思考が延々と頭に走り、番外の
執筆が思うように進まない(爆笑)
ではまたお会いしましょう。
おまけ
Fate風 ステータス表
真名・クロノ・ハラオウン
属性 秩序・中庸
筋力A 敏捷B
魔力A+ 宝具C+
耐久B+ 対魔力A
幸運D
技能 真眼(C)、カリスマ(B)、挑発(C)、戦闘技術(B+)、凡庸(A+)
魔法(AA)
宝具 ストレージ・デバイス<S2U>(ランク・C+)
元々はクロノの父が練習用のデバイスとしてクロノの誕生日に製作したモノ。
それをクロノが独自にカスタマイズして実戦に耐えられるデバイスに作り変えた。
堅実なクロノがカスタマイズしただけに、なかなかバランスの取れたデバイスだ。
攻守に偏りがなく、クロノ自身のこまめの整備もあってか常に万全な状態で起動させられる。
ただ元々が練習用のため、スペックの容量が低いのが欠点。
よし、次はプレシアでww
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