[500] 夢幻月譚 プロローグ |
- はるば〜ど - 2008年03月02日 (日) 15時10分
温かくも優しい、そして幾つもの物語が紡がれる町、海鳴町。 その町に一人の少年が訪れる。少年はその町で運命の物語に巻き込まれる。 それはとても優しくて悲しい、それでも強い絆で結ばれた勇気の物語。
海が見える高台の公園にて一人の少年が大きくため息を吐いた。
「俺、どうしてこんなとこにいるんだろう?」
年の頃は14歳、名は遠野礫(トオノ・レキ)、バリバリ現役の中学生だ。 本当なら学校に通学してるはずの中学生。そんな彼がなぜ海鳴町にいるのかはそれは全て両親が 原因だ。それはつい先日のことだった。
「あのね、急なんだけどね、引越しする」
「はい?今なんとおっしゃいましたか母さん?」
突然の母親の宣言、その横では頭を押さえるようにため息を吐く父さん。 どうやら父さんは知ってるようだ。
「だから引越し」
「いきなり引越しって言われても…今一状況が掴めないんだけど」
「だ・か・ら、引越しするの、正確にはレキだけ」
「何ですと!?」
何故に俺だけ?なんか事情でもあるのだろうか、父はかの遠野財閥の長男および七夜の生き残り。 母は神秘の世界では知らない者はいないとさえ言われる真祖の姫君。そんな両親の間に生まれた 混血の魔人こと俺。そんな家系に問題がないはずもない。ならせめてその事情を説明して欲しい。
「えっ、理由?シキと二人っきりなりたいからに決まってるじゃん」
……ガッデム、理由にすらなんねえよ母さん。文句が言いたい、非常に泣きたい。 だが俺は理解していた、母に逆らえば俺は死ぬ。なんせ相手は真祖の姫君アルクェイド・ブリュンスタッド だ。未熟な俺が逆立ちしたって勝てる相手ではない。なら父になら勝てるのかって聞かれれば無理と返そ う、父はああ見えても『殺人貴』やら『死神の騎士』なんて異名を持つ実力者だ。その練磨された技術は 俺ごときでは未だに届かぬ神技だ。いくら両親の長所を受け継いだハイブリッドな俺でもまだまだ未熟、 俺の長所の基とも言える両親に勝てるはずもなく。俺は諦めのため息を吐いた。 そんな自身たっぷりに答える母さんの後ろで父さんが済まなさそうな顔で手を合わせていた。
そんなわけで俺はいまここ海鳴町にいる。この町の遠野財閥が経由するマンションを借りる予定だ。 引越しの事を何処で聞いたのか俺の叔母にあたる人物、遠野秋葉氏による紹介によって俺の引越し場所 は確保できた。おそらく父が遠まわしで自分の妹に伝えたのだろう。 ちなみに叔母さんと呼ぶと怒る……否、恐ろしい目に会うので秋葉姉さんと呼んでいる。 引越しの作業は業者がやってくれてるので、俺はその間、町の散策をしている。 あっ、そうそう学校の方は秋葉姉さんがイロイロとバックで援護してくれてたので滞りなく決まった。 まったくもって感謝尽きない。お金の方は父が銀行に振り込んでくれるので問題はなし、秋葉姉さんも 困ったら電話しなさい力になるわと言ってくれてる。母さんは……まあいいや問題なし。
「さて、そろそろ業者の作業も終わってる頃かな?」
俺は大きく背を伸ばし、マンションへ戻っていく。途中お隣への御挨拶用のお菓子の詰め物買う事にして。
「え〜と、お隣さんは……いるな」
俺は異常なまでの聴力を発揮し人がいるかだけを確認、もちろん盗み聞きはしない。聴力とてコントロールく らいは出来る。
「あ〜、ハ…ハラオウンでいいんだよな、ってことは外人さんか?」
そう考えながら俺は家ベルを押す。しばらくすると扉が開いた。そこには緑髪の綺麗な女性が立っている。
「あら、どちらさまで?」
「えっと、隣に引越して来た遠野って言います、これ引越しの挨拶です」
俺はそう言うと手に持った菓子詰めを渡す。
「あらあら、これはどうも、リンディ・ハラオウンといいます、あと三人ほど家族がいるんだけど今は出かけて いていないの」
ニッコリと笑顔で受け取ってくれるお隣のハラオウンさん。
「あっ、おかまいなく、それでは俺はこれで」
何というか変わった雰囲気を纏った人だなと思いながら、小さくお辞儀して俺は他の人のとこへ挨拶しに行 くのであった。 途中あの人物に少し違和感を覚えたが気にせず他の部屋の挨拶回りに行く。
その後、一通りの挨拶を終えた俺は自室で明日から通うことになる学校関係の制服や教科書の確認後、 必要になる日用雑貨や食材を求め買い物にでた。 ついでに町の探索にも繰り出す。
近所に存在するスーパーマーケットに俺は来ていた。 本屋やらコンビニの場所を把握しつつ本日の目的の場所に来たわけだ。
「よし、必要なもんは大体は揃ったな、後は食材を買い揃えるだけか」
なんせ引越しを言い渡されたのは昨日の朝だ、用意らしい用意など出来るはずもなく、こうして買いに来た のだ。前の学校じゃあ今頃すごい事になってんだろうな〜、いきなりの転校だ、しかも挨拶無しの。 まったく迷惑極まりない。 店内は広く、また商品の品揃えも豊富だ。野菜コーナーの野菜の鮮度も悪くない。
「おっ、大根が安いな」
と所帯じみてる俺、よく友達にも主夫みたいだなと言われる。 両親とも別に家事が出来ないわけではないのだが、まあ趣味みたいなもんだ。
「ふむ、シャケが30%引きか…今夜は焼き魚にするか」
某流離いの正義の味方仕込みの観察眼にて食材の質を見極める。 いつのまにか買い物に熱中してた俺は大量の荷物を抱えるはめとなりマンションへ帰還するのであった。
買い物から帰った俺は買ってきたものを整理、そのあとは夕食を作った。本日の出来は良い感じだ。そして 夕食をすませ、学校支度もやっとき、あとは風呂にでも入って就寝するだけになって俺は夜の散歩に 出かけた、これは日課みたいなもの。一応吸血鬼の混血なのだから朝昼より夜の方が調子が良いのだ。 それに海が近いのだ海の見える夜の散歩も乙なもののはず だが、この日課が俺にとっての引越し初日の失敗だった。このまま家にいれば面倒事に巻き込まれずに 済んだものを、その事実をその時の俺が知るよしも無く俺は夜の散歩へ出かけるのであった。
あとがき
こんちわ〜<はるば〜ど>と申します。 ってな訳でクロス(?)小説TYPEMOON×リリカルなのはです。 と言ってもTYPEMOONの方は設定とオリジナルになっているが基本的にはあまりキャラは登場しません ね(笑)ゲストとしてたまに出演させるかもしれませんが。 ここの月咲シンさまと三日月さまの作品に触発されて投稿しましたww 時間軸はA‘sのなのはが蒐集されて、本部をこちら海鳴町に移動し、その後デバイスの修理を終えた辺り。 そんな日の夜に散歩に出た日にゃあ巻き込まれ確定だし(笑)それではまた次回で。
現時点設定
名前 遠野 礫(トオノ・レキ) セカンドネーム レキ・ブリュンスタッド
詳細
遠野志貴(トオノ・シキ)とアルクェイドの間に生まれた混血の魔人。父親譲りの七夜の血と魔眼。 母親譲りの真祖の力を持っている。ただし本人が未熟なため、それら全部を完全に使いこなせてない。 容姿はどちらかと言うと父似、黒髪の童顔(笑)、瞳はアルクェイド譲りの真紅の瞳。 真祖としての力を使用すると髪が金色に染まり瞳も金色になる。ちなみに直死の魔眼を使用すれば 瞳は蒼に染まる。魔眼は一応制御は出来るらしい。ただし切り替えのみであるが。現在は14歳。 追伸・父親譲りのファニーフェイスに、勝るも劣らない女難も持ち合わせている(爆笑)
性格
父親譲りの穏やかな気性、父に似てのんびり屋。そのクセ本人無自覚の八方美人の優柔不断および 鈍感スキル持つ。吸血衝動は七夜の退魔衝動によって相殺されてるのか血を求めることはない。 某物理教師風に言わせてもらえれば『歩く恋愛原子核』である(笑)
Fate+なのは風ステータス
筋力・通常時<C>、覚醒時<AA+>
耐久力・通常時<B>、覚醒時<A+>
敏捷・通常時<A>、覚醒時<S+>
魔力・通常時<AAA>、覚醒時<EX>(ただし制限あり)
抗魔・通常時<B>、覚醒時<AA>
幸運・<F>(もはや呪いの領域、本人がどれだけ安穏を望んでも、騒動が向こうからやってくる)
時空管理局総合評価・魔導師ランク <陸戦SS−>
愛用の武器
黒鍵(教会御用達の投剣、主な仕入先は某カレー好きな代行者から、レキオリジナルブレンドのカレー粉 を交換で……) 神威(遠野の分家筋の刀崎のもとに赴き、頼み込んで鍛えてもらった短刀、現当主に気に入られその骨と レキの血をもって鍛えられた短刀、その強度は凄まじく頑強、刃こぼれやヒビ、たとえ折れたとしても 自己修復する…もはや魔剣の類である) 魔幻鎖(レキの鎖で本人の魔力で生成される代物、死徒すら容易に束縛出来るところから、強度は相当な もの。一本の鎖では砕かれるけど、数百本の鎖なら砕けません)
スキル
家事能力(某双子メイドと流離いの正義の味方から教わった技術。超一流には程遠いが、それでも 皆伝はもらった。あとは日々精進あるのみ) 七夜の体術(父親と母親の夫婦喧嘩を幼い時に何度か見た時に取得した、あとはレンに見せてもらった夢 の七夜志貴との戦いにて補完、それでも志貴からすれば未熟とのこと) 魔術(基本的なモノは取得済み、属性が<五大元素>と<死>、現在修行中)
鉄甲作用(某代行者から教わった埋葬機関の秘伝の投剣技術、ちなみにこれは魔術ではなく体術なのだ)
空想具現化(真祖の血がなせる異能、詳細はTYPEーMOON作品、月姫を参考、ただし本人が制御出来 てないので使えるのはごく短時間のみ……せいぜい数十分くらいかな?某錬鉄の魔術師な みに短い) 直死の魔眼(物の死を視る眼、某人物は存在するなら神さえ殺してみせると豪語した異能、詳しくは TYPEーMOON作品、月姫もしくは空の境界を参照)
2016 6/19はるば〜ど ども一応生きてます。何か知り合いからお前の作品パクられてねって言われましたww 確認したところハーメルンで確かにパクられていたわ。一応細々と続きを書いてるんだけど。 仕事が忙しくて8年放置してた私が悪かったのだろうか。 とりあえずしばらく様子を見て削除されないようだったらハーメルン運営に要請します。 仕事をいつか辞めたらまとめて別のとこに完結まで出す予定。ここだともう投稿できないみたいだし。 それではいつかお会いしましょう。
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