……Gリーグ……それは最強のギャルゲーを決める日本最強のサッカーリーグである……
ちゃ〜ちゃらっちゃちゃちゃ〜ちゃらっちゃっちゃちゃ〜ちゃっちゃっちゃら〜♪(BGMと思いネェ!)
ここ、あるサッカークラブ、「シスタープリンセス」にもご多分に漏れずリーグへの参加の打診があったのである。
その案内状を前に、オーナー兼監督のしょうじ・Fは腕組みをしていた。
「兄上様……じゃなくてオーナー。」
「なんだね秘書の鞠絵君。」
秘書である鞠絵が、何故だかメイド服を着てそこに立っていた。
「なんでわたくしが選手ではなくて秘書なんでしょうか?」
「……さすがに病気で療養所に入っている妹を選手として登録するわけにもいかないだろ?……G’sの第1期の誌上企画で、千影と鞠絵が組んでテニスってのはすごく不自然だったし……」
「それは確かにそうですけど。」
本人が望む望まずに関わらず、鞠絵はおいしいポジションを手に入れていた。
「ということで早速システム及び戦術を決めようじゃないか。」
「ではオーナー、どういたしましょうか?」
「システムは3−5−2、戦術はポストプレイ、中盤はトップ下に1名、両ウィングに2名、ダブルボランチにしようと思ってるんだけど。」
鞠絵が頷いた。
「配置は日本代表と同じですね、じゃあDFはフラット3ということですか?」
「いや、2人のDFの後ろにリベロを置く。」
「いいんですか?」
鞠絵のその言葉に、しょうじは鼻息荒く答えた。
「ラインディフェンスは邪道なり!がっぷり四つのガチンコ勝負こそ王者のディフェンス!」
「でもリベロ向きの選手はなかなかいませんよ?」
鞠絵の言うことももっともであった。
スカウトが選手を連れてきたとき、「守備よりも攻撃意識の方が強い」というコメントを聞いて雇ってみたらリベロではなくてサイドバックだった……というのはこの世界では良くある話だったからである。
「……ふっふっふっ……リベロには春歌を使う。」
「春歌さん……ですか?」
「うむ!いつも春歌が言ってるだろう、『兄君様をお守りします。』って。」
「はぁ……」
「しかも春歌は長刀を使える、攻撃力も高いじゃないか。まさにリベロ向き!」
微妙に勘違いしてるようない気がしながらも、鞠絵は頷いた。
「……ちなみにキーパーは僕ね。」
「兄上……じゃなかったオーナーがされるんですか!?わたくしを除いても一応11人いますけど……」
「花穂はチアガールをやってもらわなければならないだろう。」
……確かに正論といえば正論であった。
「では残りの2名のDFは?」
「白雪と衛で。料理のうまい良妻賢母な白雪はまさに家庭の守りの要!衛は名前が『まもる』だから!」
あたりの気温が一瞬にして数度下がったのは言うまでもない。
「それではMFです。ボランチは誰と誰にしますか?」
攻撃と守備の繋ぎ役を務めるボランチ(守備的ミッドフィルダー)は、しょうじ的には極めて重要なポジションだった。
「四葉と鈴凛にやってもらおう。四つ葉のチェキ能力と鈴凛の頭脳で、中盤の底はバッチリだ。」
「わかりました。では両ウィングは?」
「亞里亞と雛子で。」
鞠絵はその言葉に耳を疑った。
「小さな子供に両サイドを任せるんですか?いくら何でも……」
「鞠絵。」
ショウジが鞠絵の肩に手を置いた。
「考えて見ろ。ボールとそう大差ないサイズの女の子が、サイドをちょこちょこと駆け上がる姿を……可愛らしいじゃないか。」
この人は勝つ気がない……鞠絵はそう思った。
「……じゃ、トップ下は誰ですか?」
「可憐に担当してもらおう。年長妹組の中でも人望が厚く、連携もいい。トップ下には申し分ないだろ?多少フィジカル面が弱いのはこの際目をつぶろう。」
統率力にも多少問題はあるが、台所事情ゆえ贅沢は言えなかった。
「では2トップは千影さんと咲耶さんということですね?」
「まあ二人とも背が高いからね。ポスト役には背が高い方が有利だし、あの二人ならフィジカル面も心配ないし。それに……」
「それに?」
鞠絵が尋ねた。
「千影だったら魔法で『消えるシュート』とか出しそうじゃない?爆裂消球みたいにさ。」
「オーナー、大昔のサンデーのサッカー漫画のネタを振っても誰もわかりませんよ……」
「いいの!とにかくみんなを呼んで早速練習開始しよう!とりあえず『筋力強化』、『瞬発力強化』、『持久力強化』を中心に『ポジション別』と『ミニゲーム』をメニューに入れて練習だ!」
こうしてサッカークラブ『シスタープリンセス』は船出したのである。
〜〜〜〜〜〜〜次回予告〜〜〜〜〜〜〜
こうして始まったGリーグ。しかしシスプリFCの前に巨大な敵が立ちふさがった!
「なに!?最初の相手はあの『センチFC』か!」
「オーナー!相手は全員高校生、フィジカルでは太刀打ちできません。」
「いや!我々には彼らにない『兄妹の絆』がある!連携では負けはせんよ!」
Gリーグディビジョン1ファーストステージ第1節、シスプリFC対センチFC。
ピッチに旋風は吹き荒れるのか?
乞うご期待!
「兄上様……続くんですか!?」