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ダレモイナイ コウシンスルナラ イマノウチ(ペ∀゚)ヘ
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[182]短編『Reticent Boy(前編)』≫オリジナル: 武蔵小金井 2002年11月24日 (日) 14時12分 Mail

 
 
 冒険に出たいなんて、思ってなかった。

 僕の家はパン屋だった。父も母も働き者で、朝は日が昇る前から両手を粉だらけにして石臼を回し、夜は月が出るまでずっとかまどの前にいた。僕は五人兄弟の末っ子で、花売りのメリーのお父さんよりも歳上な兄が僕の面倒を見てくれた。仕事は別に嫌いじゃなかった。だけど僕は火加減を見るのもめん棒を回すのも苦手で、結局できたのは母がいない時の店番ぐらいだった。でも僕はお客さんの注文を覚えることも得意じゃなかったから、兄が器量のいい奥さんと結婚してからは店番もさせてもらえなくなった。
 でも、店番をしている頃は割と楽しかった。何よりも、時々だけど友達が遊びに来てくれるのが嬉しかった。僕の一番の友達は森番の息子のジャックで、彼は滅多に家に戻らない父をいい事に、街中で好き放題に遊んでいた。弓やナイフが好きで、よく悪い大人と混じって遊んでいるジャックを好む友達は少なかったけど、僕は彼が好きだった。
「おい、ジム。」彼は機会がある度に僕の名を呼んで、いつもこう言った。「いいか、俺はいつか必ずこの町を出るからな。都に行くんだ。怪物退治をして名をあげて、王様の軍隊に入って、絶対偉くなってやる。」
 もちろん僕も信じちゃいなかった。でもジャックは弓を使うのもうまかったし、何より腕っぷしが強かった。僕は彼と一緒に喧嘩をしたことも、彼自身と殴り合いをした事もあったけど、どんな戦いでもジャックは絶対に降参しなかった。
「お前は考えすぎなんだよ。」喧嘩の後、ジャックは僕に言った。「相手のこと考えて、喧嘩なんてできるかよ。相手を殴ったらどうなるかなんて、殴ってから考えればいいんだ。それよりお前はせっかくそんな図体をしてるんだから、体力を生かしてみろよ。」
 相手がどうなるか考えても、殴ってからじゃ意味がないと思ったけど、僕はジャックに言い返せるほどの勇気はなかった。ただ、彼のあざの多い腕で胸を叩かれて、うんと頷いただけだった。
 それからまもなく僕は店番から外されて、とうとう水車小屋で粉ひき車を回す係になった。でもこの仕事は滑車をただ回し続ければいいだけだったから、今までの仕事の中で一番楽だった。だけど、水車小屋は町からずいぶん離れていたから、僕は一日中退屈していた。

 そんなある日、ジャックが突然水車小屋を訪れた。彼は木の格子がある窓から顔を覗かせて、汗だくになって芯棒を押している僕を見て大笑いした。でも僕は、彼が来てくれて嬉しかった。ジャックは最近の噂話を色々と教えてくれて、僕は滑車を回しながら興味津々でそれを聞いた。
「それでな、ジム。」話が一段落すると、ジャックは真面目な顔で言った。「俺、これから町を出るんだ。お前も一緒に来ないか?」冗談かと思ったけど、彼の顔は大真面目だった。
 僕は首を振った。「無理だよ。だって仕事があるし。」
「こんな仕事、誰がやったって同じだろ。」ジャックは胸を張って、勇ましく向こうの山を指差した。「なあ、俺と一緒に行こうぜ。あっちの西の山の向こうに、港があるのは知ってるだろ。そこから船に乗れば、三日もしないで都につくんだぜ。王様のいる都、見たくないのか?」
「そりゃ、見たいけど……」町の子供たちの中で都を見たことがあるのは、金持ちの息子のジョーダンぐらいだった。「でもさ、無理だよ。第一、船に乗るお金もないし。」都までの船賃がいくらかかるのか、僕には想像もできなかった。「それにさ、ジャック……お父さんはどうするの?」
 ジャックの家は代々森番で、東の山に森番小屋があった。彼のお父さんは一年のほとんどをそこで過ごして、冬にしか町へ戻ってこない。一人っ子のジャックもいずれ森番になるんだと僕は思っていて、だから彼にそう聞いてみた。
「親父は死んだよ。」ジャックはあっさり僕に言った。「怪物に殺されちまった。狂ったドルイド僧が山にやって来て、それをやっつけに行って死んじまったんだ。」
 僕は信じられなかった。狂ったドルイド僧なんて、町にいる物乞いのバリマーのホラ話にしか出てこない。バリマーはこの町は呪われている、いつか狂ったドルイド僧たちがやってきて、この町を滅ぼすぞと言い続けている気の変な老人だった。
「本当なの?」だから、僕は半信半疑で彼に聞いた。
 ジャックは何も言わないで、持って来た大きな袋の中身をそこにぶちまけた。川辺に火打ち石や干し肉、食料の瓶詰めと一緒に、短剣や巻尺やランプやテントの部品やらが散らばった。みんな大人の使う本格的な道具で、前からジャックが欲しがっていたものだった。
「親父の小屋から全部持って来た。武器もいっぱいある。港に行く前に、これで怪物退治をして金を稼ぐんだ。それから、その金で船に乗る。どうだ、いい考えだろ?」
 ジャックは重そうな剣を構えて、僕に突きつけた。「だから、一緒に来いよジム。お前になら、この剣をやるよ。お前がこれで怪物をおびき出して、俺が矢で射殺すんだ。な、いい考えだろ?」
 剣の刃が太陽に照らされて光った。本物の剣を見たのは初めてだった。その迫力に僕はぐらつきそうになって、それで必死に考えた。剣のこと、家のこと、ジャックのこと。それから、都のこと。
 でも、結局どうすればいいかはわからなかった。ジャックは答えない僕にいらついて、剣を放り投げて弓を構えた。「でもさ、ジャック……」弓がしなって、放たれる。遠く離れた川の向こうの木に矢が突き刺さった。僕はびっくりした。
「俺は、絶対偉くなりたいんだ。金貨も欲しいし、都を見物したい。弓の腕を磨けば、王様の弓術隊に入れるんだ。お前だって、そんな体をしてるんだ。剣を練習すれば、きっと剣士になれるぜ。いや、騎士にだってなれるかもしれないぞ。王様の騎士だ。どうだ、凄いだろ?」
 ジャックはにやにやして僕を見たけど、僕にとって彼の言った事はあまりに突飛すぎた。「騎士なんて、無理に決まってるよ……」どんなのが騎士なのか、それすら僕にはわからない。鎧を着てないのが剣士で、着てるのが騎士だっけ。そう考えながら、僕は首を振った。「やっぱり、行けないよ。それにジャック、怪物退治なんて危ないよ。いくら弓がうまくったって……」
 ジャックが次の矢をこっちに向けて、僕は声を出せなくなった。「ジム、俺は……」ヒュン。矢が飛んで来て、僕は反射的に目を閉じていた。恐い。
 目を開けると、ジャックが放り出した道具をかき集めていた。「ジャック?」彼は僕を無視していた。いらついて、怒っているんだと僕は思い、謝ろうと思って口を開きかけた。「あのさ、僕は……」でも、ジャックに睨まれてそれ以上言えなかった。ジャックは荷物の袋をかつぎあげると、さっさと僕の前から去っていった。腹立ちまぎれに、川辺の石を蹴り飛ばしながら。
 ジャックが森の小路に消えるまで、僕はその場を動けなかった。ジャックに謝りたかったけど、でも、どう言えばいいのかわからなかった。
 だけどそこで、僕は足下に剣が落ちていることに気が付いた。ジャックのお父さんの剣だ。
「ジャック!」僕は剣を持ち上げて叫んだ。でも、もう遠すぎる。僕は森に向かって走り出した。「ジャック、剣を忘れてるよ!ジャック!」僕は走った。でも、次の別れ道でジャックがどっちに行ったのかわからなくなってしまった。適当に片方の道を選んだけど、その先にジャックはいなかった。しかたなく駆け戻って、もう一方の道も調べた。でも、彼の姿は見つからなかった。畑の人や牛をひいている人にも聞いたけど、誰も彼を見ていなかった。
 水車小屋に戻ってみると、粉を取りに来た兄が僕を見つけて怒っていた。思いきりぶたれたけど、僕はジャックのことは言わなかった。どうしてか、そうした方がいいと思ったからだった。剣も小屋の裏にある壊れた壁の隙間に隠した。誰かに見つかったら取り上げられると思ったし、この剣はどうしたんだと問いつめられるのも恐かった。
 結局、僕がジャックを見たのはその日が最後だった。その後もずっと、僕は一人で粉ひき車を回し続けた。僕の町の川は、海が近いせいか冬になっても凍らないので、僕の仕事には休みがなかった。でも他にやることもなかったから、僕は仕事を続けた。退屈だけが残ったけど、それにもいつか慣れてしまった。

 そんなある日のことだった。僕はお昼までの仕事を一段落させて、町に戻る途中だった。粉を入れた袋をいっぱいに乗せた台車を引きながら、僕は変な臭いがしてくることに気が付いた。なんだか香ばしくて、だけどとても嫌な感じの匂いだった。風向きは東で、西には町があった。僕は少しだけ急ぎ足になって、道なりに小さな丘を上がった。そこは割と高い場所で、町を見下ろせるぐらいに眺めがよかった。
 そこで僕は、町が燃えているのに気付いた。火事だ。そう思ったけど、でもそれ以上は考えられなかった。なぜって、どの家が燃えているとか、燃えていないとか、そういう光景じゃなかったのだ。見渡す限り、町の全部が燃えていた。垣根にある番小屋も、町の真ん中に偉そうに立っている議会の建物も、教会も、学校も、寄り合いのホールも、それに、僕の家のある大通りも。
 僕は走り出した。どうしてかはわからないけど、丘を駆け降り全力で走った。無我夢中だった。車を放り出して、僕は必死に走った。こんなに走ったのははじめてだった。それでも町は遠かった。でも僕は走った。
 町はもうもうと煙に包まれていた。すごい炎だった。火の粉が僕の周りにも散って、まだ町に入っていないのにものすごく熱かった。僕がその光景にたじろいでいると、そばにあった番小屋が崩れ落ちた。材木の壊れるめきめきという音がして、また火の粉がたくさん散った。僕は肌が焼けるような熱さを感じながら、それでも動かなかった。どうしてか、動けなかった。まだ、誰か生きてるかもしれない、誰か助かるかもしれない、どこかに誰かいるかもしれない。燃え盛る炎の中で、僕はそう思いながら、それでもまったく動けなかった。
 そして、怪物が現れた。炎の中から。
 そいつは赤と黒のかたまりだった。人の倍ぐらい大きくて、巨人がぼろぼろの外套を着ているみたいに見えた。そいつは炎の中に現れて、僕の方へとゆっくりと歩いて来た。ものすごい熱さの中で、どうしてか平気みたいにこっちに歩いてくる。僕はあとずさった。何か叫んだかもしれないけど、覚えていない。そいつは一歩一歩ゆっくりと、炎の中を歩いて来て……僕を見つけたように、その顔が上がった。
 そう、そいつには顔があった。くぼんだ頬とこけた顎に、目だけが青白く光っている。それがこっちに向くと、僕は心底ぞっとした。熱いはずだったのに、寒くてたまらなくなった。真冬に湖に落とされた時みたいな、ううん、それ以上の冷たさだった。僕はがたがたと震えて、そいつが近付いてくるのを見ていた。目はそらせなかった。指一本、動かなかった。そして最後に、そいつが片手を僕に持ち上げた。ぐずぐずの肉がこびりついた、骸骨みたいな手だった。僕は大声で叫んだと思う。悲鳴、それが最後だった。

 次に目が覚めた時、全てが変わっていた。目の前に青空が広がっていて、傾きかけた太陽が見えた。僕は冷や汗をかきながら、心底ほっとした。全部が全部、夢だったんだ。お昼御飯を食べて、昼寝した時に見た夢なんだ。そう思って、そのことが本当に嬉しかった。だったらさぼっているのがばれる前に、仕事に戻らなきゃ。僕は、急いで起き上がろうとした。
 途端に激痛が走った。加治屋のグリムの家でふざけて、とんかちを足に落とした時みたいに目の前がぴかぴかまたたいて、僕はのたうちまわった。あまりの痛さに声も出なかった。どこが痛いのかもわからない。ただ、痛くて痛くて仕方なかった。
「気が付いたの?」痛みの中で、誰かの声がした。「セレディック!ベルラストラ!彼が気が付いたわ!」
 ようやく痛みがおさまってきた僕の視界に、誰かがいた。僕の顔を覗き込んでいるんだ。何だかはっきりしない輪郭の……そう、女の人だった。見慣れない人で、もっと見慣れない格好だった。飾り物をしておしろいを塗っているから、お祭りの日に踊る人みたいだ。長い髪が結い上げられて、髪どめでふんわりとまとめてあった。
「大丈夫?意識ははっきりしている?何があったか思い出せる?」おしろいの女の人は、僕にそんなことを聞いた。僕は小さく頷いた。怒られる気はしなかったけど、礼儀正しくしないと後で兄や父に大目玉を受ける、ぼうっとそう思った。
 彼女はほっとしたような顔になった。笑うと耳元の飾りがちりんと鳴って、とてもいい音がした。「そう、よかった。あなた、瀕死の状態だったのよ。けれど、神様がお救いになって下さったの。お慈悲に感謝しなさい。」
 僕はまた頷いた。教会に行くのは好きじゃなかったけど、逃げ出す連中ほど嫌いじゃなかった。でも、彼女の言っていることはよくわからなかった。僕が、どうしたっていうんだろう。
「おい、そいつ生きてるのか?」また別の声がした。姿は見えない。僕は顔をめぐらせようとして……そして、また激痛が僕を襲った。「すげえな、あの状態から生き返ったのか。お前、来年は法院試験に合格して、僧侶になれるんじゃないか?」
「お黙り、セド。」また、別の誰かの声がした。目の前のおしろいの人じゃない、別の女の人の声。「とにかく今は、そいつから何が起こったかを聞くのが先よ。それから……」
「何が起こったかなんて、今さら聞いても意味ないぜ。それよりも奴の居場所だ。」近い距離にいるんだろうけど、姿の見えない男女の会話だった。
「そんなことわかってる!黙ってないと、今すぐにあんたの舌を引き抜いてだんまりのまじないをかけるわよ!」かみなりみたいな、金きり声だった。仕立て屋のロイのお母さんみたいだ。「ジェレナ、その子が奴らについて何か知らないか聞くのよ。今は一刻を争うわ。」
「おおこわ。これだから魔法使いは……」遠ざかっていく男の人の声が聞こえた。そして、目の前に、またさっきのおしろいの女の人。
「ごめんなさい。あのね、聞きたい事があるの。あなた、この町を襲った怪物を見た?」彼女の言っている事が、僕には理解できなかった。首を振ると、彼女が残念そうな顔をする。僕は悪い気持ちになった。何か言って謝ろうとして……
「どうしたの?」僕は、何かが変な事に気が付いた。顔の感覚が……顎が、変だ。「あなた……駄目よ、まだ動いては。」物凄く奇妙だった。自分が自分でないみたいに。僕は痛さを堪えて手を持ち上げて、そして自分の顔に触れた。よかった、あった。ざらざらしているけど、鼻もあるし耳も口もある。だったらどうして、声が出せないんだろう。
 僕は喋ろうとした。でも、声が出てこない。言いたい事は浮かんで、それが喉元まで出かかっている。だけど、そこまでだった。そこから先が、まったく動かない。まるで、声を出すにはどうすればいいかがわからないみたいだった。気味が悪くて、腕が痛いけど僕は何度も喉をさすった。深呼吸もした。肺の中から息を全部出して、吸い込んだ。せき込む事ができた。でも、声は出なかった。
「お、落ちついて!セレディック、来て!手伝って!」気が付くと、僕の体を誰かが押し止めていた。半身を起こした僕は、あたりかまわず暴れるような格好になっていた。そんなつもりじゃないのに、僕の体は声を出せない現実に抗おうとして荒ぶっていた。
「この野郎、おとなしくしろ!」男の人の怒鳴り声がして、僕は頭にがつんと一撃を受けた。父や兄からも受けた事のない、ものすごい一撃だった。火花が散って、視線が泳いだ。そこで、視界の中に何かが見えた。焼き払われた町。どうしてか、頭がくらくらする中で、それがはっきり見えた。全部が全部、何もかも黒くなった町。
 その途端、僕は全部を思い出した。嫌な臭い、見下ろした光景、そして、煙と炎に包まれた町と、その中から現れた、あいつ。
 僕は叫んだ。考えるよりも先に声が出た。痛くても、体が動いた。どうしてか、何も考えなくても体が動く。でも、それで何をしているのかはわからなかった。おしろいの女の人が僕を止めようとして、次に見知らぬ男の人が僕を殴り、組み伏せた。それでも僕は動き続けた。どうしてか、涙まで出た。
 
 


[183]短編『Reticent Boy(後編)』≫オリジナル: 武蔵小金井 2002年11月24日 (日) 14時13分 Mail

 
 
 次に気が付いた時、僕は大きな天幕の中に寝かされていた。辺りには色々な道具や武器や食料が置いてあって、町に時々来るお城の兵隊の駐屯地のようだった。起き上がった僕は、自分の体にたくさんの包帯が巻いてあることに気が付いた。すぐ近くに水を入れたかめがあって、無性に喉が乾いていた僕はそれを飲んだ。いくら飲んでも足りなかった。
 お腹もとてもすいていた。近くにおいしそうな干し肉が並べられていて、それを食べてもいいかどうか僕は考えあぐねていた。お金は持っていなかったし、それでも空腹がたまらなくて僕が手をのばしかけると、天幕の入り口から誰かが入って来た。僕は慌てて手を引っ込めた。
 入って来たのは見知らぬ男の人たちだった。みんな武装していて、兵士のように見える。僕に気が付くと彼らは驚いて、そして外に声をかけた。しばらくして、どこかで見た事のある女の人がやってきた。
 女の人がそばに来て腰掛けると、僕は彼女が前に起きた時に見たおしろいの女の人だと気が付いた。彼女は僕が見たこともない服を来ていた。蝶の羽根みたいに薄くて、透けてしまいそうな布を何枚も重ねたような服。それに、たくさんのきらきら光る輪や宝石。そしてやっぱりおしろいの化粧をしていた。
「落ち着いたみたいね。よかった……」彼女はそう言うと、僕があれから四日間も寝ていたことを教えてくれた。僕はずっと生死の境をさまよっていたらしい。それが助かったのは神様の御慈悲ですから、感謝しなければならないと彼女は言った。僕はそれに頷いた。
「それで、あなたは口がきける?何か喋る事ができる?」次に彼女はそう聞いて来て、そして僕は、それができないことに気が付いた。どうしてか、何も話すことができない。
「そう、やっぱり。」彼女はあまり驚かずに言った。「あなたは彼ら……ううん、あの怪物にまじないをかけられたの。口がきけなくなったのはそのせい。でも嘆かないで。命は奪われなかったのだから。それに、まじないを解く方法もあるかもしれないわ。だから、気を確かに持ってね。」
 僕は頷いた。でも、怪物はなんなのかわからなかった。それに、僕がどうしてここにこうしているのかも。でもそこでお腹がぐうぐう鳴って、僕は恥ずかしくなった。おしろいの彼女が笑って、僕に何か食べたいかを聞いた。僕は頷いて、干し肉を指差した。
 彼女はおかしそうに笑った。「そんなまずいもの食べなくても、もっといいものを作るわ。」でも僕はたまらなくなって、干し肉をほおばっていた。力一杯に噛んで、喉に送り込む。とてもおいしい。僕はどんどん食べていった。
 そこにあった干し肉を全部食べ終えると、僕はようやく息を吐いた。「なら体はもう大丈夫ね。立てる?だったらちょっと、歩いてみましょうか。」彼女は男の人の一人に声をかけて、水を汲んでこさせた。それを飲むと、ようやく僕の空腹はおさまった。
「じゃあ、行きましょう。」立ち上がった彼女に続いて、僕も立ち上がる。でも足下がぐらついて、思わず彼女にしがみついてしまった。「あらあら、大丈夫?」彼女の体はとても柔らかかった。どうしてか、僕は焦った。謝ろうと思って、声が出ないから何度も頭を下げた。彼女が笑った。

 僕たちは外に出た。そこは町からかなり離れた場所にある湖で、僕たちが出て来たのと同じような天幕があと三つ建てられていた。そして、大勢の兵士たちがいた。馬も犬も。こんなに大勢の兵士を見たのは生まれて初めてだった。
「こっちよ。少し散歩しましょう。」彼女が先に立って、僕たちは湖を回っていった。彼女は黙って周りを眺めていて、僕も口がきけなかったから同じように周りを眺めていた。湖も道も草花もそのままで、空は明るかった。
 そこで不意に、彼女が足を止めた。僕に振り向いて、前方を指差す。「あれを見て。」僕もそっちを見て、そこに何かがあることに気が付いた。ううん、正しくは何かがあった跡だった。
 それが家が焼けた跡だとわかった頃、彼女がぽつりと言った。「ここにいた家族のこと、知っている?」そう尋ねられて、僕は曖昧に頷いた。ここには、魚取りが上手な親子が住んでいた。僕はあまり面識はなかったけど、ジャックはここが好きで、よく湖に来て泳いでいた。冬、凍っている時にスケートをしたこともある。
「そう。でも、もうここの人たちは死んでしまったわ。あの家が焼けているの、わかる?」僕はそれを見て、そして頷いた。奇妙に、家だけが焼けている。どうしてか、周りの木や森は無事だった。
「ドルイド僧の炎よ。人の作り出したものだけを焼いて、他は残すの。でも彼らはその力を滅多なことでは使用しない。それにそもそも、今はもうこの地方にドルイドは生き残っていないわ。汎神論者である彼らは、異端者であると同時に異教徒であると見なされて、大昔にこの地を追われたの。」そこで彼女はいまいましげに、燃えて炭になった材木の山を睨んだ。「だからこれは、普通のドルイド僧侶たちのせいではないの。狂ってしまったドルイドのせいよ。古の盟約を破った私たちの祖先に対する恨みにとりつかれた、彼らの末代の復讐なの。」僕には意味がわからなかったけど、初めて見る彼女の鋭い視線に思わず頷いた。「そのために、この五年で七つの村と、二つの町が焼かれたわ。ううん……今はもう、三つの町が。」彼女は悲しそうな顔で僕を見た。僕も、あの惨状を思い出して頷いた。不思議と、悲しいとか悔しいとかは感じなかった。「私たちはね、奴らを追っているの。一日でも早く、一人残らず狂ったドルイド僧を始末すること。それが、私たちが受けた勅命。同時に、翼ある御使いより私自身が与えられた啓示でもあるわ。私の探求は、それを遂げることなの。」
 彼女の言っていることのほとんどが僕にはわからなかったけど、とても深刻そうなその顔が気になって、僕はまた頷いていた。「うふふ、ありがとう。あなたもどうか、失ったもののために自分を叱咤し、嘆かないで。生き残ったのはあなたの運命で、それにさからってはいけないわ。これからどうするのかはあなたの自由だけれど、どうか強く、前向きに生きてほしいの。あなたの命を救われた神様も、きっとそれを望んでいらっしゃるのだから。」彼女は胸元から十字架を取り出すと、ひざまずいて祈りを捧げた。僕も思わず彼女の真似をした。祈りの言葉は言えなかったけど、同じ事を心の中で繰り返した。
 それが終わると、彼女は立ち上がって僕に笑いかけた。「私たちはこれから、この半島のさらに奥地へと進むわ。ドルイド僧たちはそっちへ逃げたの。だから、あなたは西の港町に行って、そこから王都への船に乗るといいわ。私が紹介状を書いてあげるから、都のどこかで働き口を見つけられると思う。新しい暮らしは大変だろうけど、きっと頑張れば報われるわ。」彼女は優しくそう言って、僕を見上げて頷いた。
 僕は考えた。答えはすぐに出た。でも言葉にできなかったから、彼女に大きく首を振る。「えっ?なら、どうしたいのかしら。あっ、もしかするとあなた、これから行くあてがあるのね?どこかに親戚がいるの?」僕はまた、首を振った。「それなら……」
 僕は控えめに、彼女を指差した。「えっ……」どうしてか、彼女の頬が少し赤くなる。「あなた、わからないのかしら。私たちはこれから、とても危険な場所に行くのよ。兵士たちを見たでしょう?私たちと彼らで、ドルイドたちを探す旅をしなければならないのよ。ゴブリンやトロルや、山や森の怪物がたくさんいるだろうし、食料や水だって満足にない時もあるわ。疫病にも気をつけないといけない。私が修女だからといって、それほどだいそれた奇跡を起こせるわけではないのよ。神は常に厳しいの。」
 僕はまた首を振って、彼女は少し怒ったように僕を見た。「まさか、復讐のつもりなの?それならなおのこと、私は許さないわ。確かに多くの生命を奪っていく彼らの所行は許しがたいけど、個人的な復讐はそれとは別のものよ。」そこで、ちょっとだけ目が優しくなる。「あなたが大切な人々をたくさん失ったことはわかるわ。あなた自身も、声を失っている。でもその怒りに身を任せて進むことは許されないわ。神様があなたの命を救われたのは、あなたの前向きな未来を御試しになっているからよ。それを無視して、復讐心だけにとりつかれたら……」彼女が何の話をしているのか、僕にはよくわからなかった。だから彼女に近付いて、その前で首を振った。
 彼女は目をぱちぱちとまたたかせた。僕を見上げて、そして考えている。「あなた……まさか、私が……いえ、神様の御業で命を救われたことに感謝して、恩返しをしようと考えているの?」
 ちょっと考えて、僕は頷いた。「どうして……いえ、さっき私が、神に感謝しなさいって言ったから?」また、頷く。
「そう……」彼女は何だか深刻な顔になって、そして額にかけた小さな鎖に触れた。何か、僕が悪いのかなと不安になる。その後、彼女は僕の回りを三度回った。何度となく、ため息をつきながら。
 彼女が顔を上げたのは、僕が謝ろうと決心したのと同時だった。「わかったわ。そこまで決意がかたいなら仕方ありません……あなたを今から、私の修徒として認めます。共に神様の元に使えて、その役目をまっとうするために精進することを誓いますか?」彼女は両手をさしのべて、おごそかにそう言った。僕はたじろぎそうになって、慌てて頷いた。「なら、膝を付きなさいな。そして……そう、目を閉じて。駄目、顔は下げたまま。はい、それでいいわ。いいと言うまで、口をきいては駄目よ。」口はもとよりきけなかった。だから僕は彼女に言われるまま、僕は片膝をついて彼女に右手を差し出した。彼女は柔らかな両手でそれを包んで、それから何か、雫のようなもので僕の指先を濡らした。聞き取れないぐらいの言葉も聞こえた。彼女が何をやっているかとても見たかったけど、顔を上げるなと言われたので決して上げなかった。
「はい、終わりです。それでは修徒……うーん、とにかくあなた、起きなさいな。」僕は起き上がった。彼女は難しい顔で、ちょっぴり笑った。「あなた、名がないわね。付けてあげたいけど、私にはまだその資格がないの。だから、うーん……あなた、字は書ける?あなたの名前、なんていうのかしら?」
 僕は読み書きはできなかった。兄と違って、学校へは行かせてもらえなかったからだ。でも、ジムという名前を伝えようと思って、身振りをしてみた。
 でも声は出なかったから、伝わらなかったみたいだった。「うーん、駄目ね……わかったわ。ならとりあえず、沈黙の子、ということにしましょう。それでいい?」僕は頷いた。別にどう呼ばれてもよかったけど、沈黙の子、というのは何だかかっこいい気がしたのだ。坊主、とか小僧、とかよりずっといい。
「それでは沈黙の子、私と共に行きましょう。辛くて厳しい日々が続くでしょうが、神様は必ず見守り、私たちに光を投げかけて下さります。それを信じて、探求の道を進みましょう。」おごそかに彼女は言って、僕は元気よく頷いた。彼女はまた、口を結んで小さく笑った。
 天幕のある駐屯地に戻ると、集まって来た兵士たちに彼女が僕のことを説明した。誰もが驚き、何か言っていたけど、彼女はそんな男たちを黙らてしまうほど偉いようだった。神様に使えているのだから当り前かもしれない。僕は彼女に言われて前に出て、自己紹介を受けた。沈黙の子、という僕の名前にみんなが笑った。彼女は少し憤慨したようだったけど、当の僕が気にしていない様子だったから気分もおさまったようだった。

 翌朝、まだ早いうちから天幕を片付けて僕らは出発した。湖から丘を昇り、そして遥かな南の山々を目指す。その途中で小川を横切り、そこで僕は水車小屋があることに気が付いた。
 僕は思いついて、馬に乗っているおしろいの彼女に近付いた。僕が水車小屋を指差すと、彼女が首を傾げたから、僕は勝手に歩いていって小屋に入った。小屋の中を調べていた兵士たちが僕に気が付いて、ここには何もないぞと言った。僕は頷いた。そして、裏手にまわって、壁が壊れた隙間に手を突っ込んだ。硬い感触があって、僕はそれを取り出した。
 剣は無事だった。これに触るのは随分久しぶりで、ほんとのことを言うと、ついさっきまですっかり忘れていた。でもそれを手に取って握ると、やっぱりジャックのことを思い出した。
 ジャックは今頃、どうしているだろう。想像もできなかったけど、もしかしたら本当に王様に仕えて偉くなっているかもしれない。やっぱりこの剣のことを謝りたかったけど、でも今の僕にはそんなことをしている暇はなかった。
 剣を持って僕が戻ると、彼女と周囲の兵隊たちが驚いた顔をした。「それ、どうしたの?」僕は困って、そして頷いてみた。みんなが変な顔をするから、それをぶんぶんと振り回してみせる。何だか記憶と違って、剣はずいぶん軽かった。でも、振り回していると鞘の結び目が外れて、鞘だけがぴゅんと飛んでいった。遠くに落ちた鞘に、みんなが笑い出す。僕は慌ててそれを拾いに行った。それでもう、僕の剣に対するみんなの興味はなくなったようだった。僕は剣を持って、皆の後に続いた。 
 夕方、小さな山を越えたところで、僕の町が見渡せる場所があった。
 遠くの町は、奇麗に灰になっていた。何もかも、ここから見るだけで町の全部が焼かれ、瓦礫になっていることがわかった。馬に乗った彼女が僕に近付いて来て、今からでも遅くないですよと僕に言った。僕は首を振った。実感はわかなかったけど、それが正しいのだと理解していたからだ。僕の町はなくなった。僕の知っている人もいなくなった。僕が助かったのは彼女と神様が助けてくれたおかげで、僕はそれに感謝しなければならない。だから、彼女たちと共に旅をして、恩返しをする。
 つじつまは合っていた。納得もできた。理解もしていた。でもどうしてか、町を見ていると涙が出て来た。何が悲しいのか、それとも悔しいのかわからなかった。たくさんありすぎてわからないのかもしれない。僕は涙をぐいぐいふいて、最後に一度だけ町を振り返った。黒く焼けただれた町の真ん中で、ぼろをまとった物乞いのバリマーがふらふらと歩いているのが見えた。僕は視線を戻し、剣をぎゅっと握って歩くことだけ集中した。行く手に、険しい緑の山々が連なっていた。

 これが、僕の冒険の始まりだった。
 
 


[184]神々の黄昏なあとがき: 武蔵小金井 2002年11月24日 (日) 14時41分 Mail

 ……あれ?

 と思われたらごめんなさい。
 この作品には色々と私的な思惑があって、つい。
 全部こちらのことなのですが、一応、一つずつ解説しておきますね(笑)。

 まずは一つ目。
 先日、あるオンラインゲームのβテスト終了に立ち合う機会がありました。
 その時、一緒にいた本プレイヤーの友人が爆睡して(いや飲んでからだったので無理もないとは思うのですが(笑))。その遺言が「あとは頼んだ……」で(笑)。ほとんどゲームを知らない私が、そのままプレイをすることになりました。実質二〜三時間ほどでしたが、その時の体験が実に強烈で。
 かいつまんで説明すると、こんな感じです。

 騎士を目指す少年が、見知らぬ森に足を踏み込む。
 少年、仮面をつけたゴブリンに襲われる。
 モンスターは自分からは襲ってこないと思っていた少年、焦る。
 反撃。しかしゴブリンは、小さいながらもかなり強力だった。
 しかも、戦っていると森の中から別のゴブリンが走ってくる。しかも、それがさらにまた一匹。次第に増えていくゴブリンの群に、少年は恐怖を覚える。親の顔が頭をよぎるが、今は頼りにならない。
 少年、殴られながら悲鳴をあげて逃げる。だが、周囲にいた冒険者たちは傍観。回復薬、激減する。ゴブリンがさらに増える。オーク鬼までそれに加わり、色々と真っ赤になる。
 と、目の前で森が小さく開けている。そこには小川と池があり、そのほとりに5〜6名の冒険者たちがピパークしている。何か、楽しそうに話しているようだ。
 少年、意味不明の叫びをあげながらそのまっただなかに駆け込む。もちろん、十匹近くの怪物に殴られながら。
 集っていた冒険者たち、怪物の徒党を引き連れた少年に驚く。少年、断末魔に近い叫びで必死に何かを訴える。
 冒険者たち、動き出す。それぞれ立ち上がり、一斉にゴブリンその他に襲いかかる。
 魔法炸裂。剣技乱舞。高速移動、連撃、炎の壁が立ち昇り、氷が場を包む。手だれの彼らによって怪物は瞬く間に駆逐され、死の寸前だった少年は、可愛い僧侶見習い(ぽっ)の回復呪文で癒される。
 冒険者たち、命を助けられたこと含めてどぎまぎする少年となごやかに会話。少年、聞き慣れぬ専門用語に焦りまくるも、噂話や周囲にプリントアウト(?)されていた資料を使って適当に答える。親は幸せそうに寝ている。
 冒険者たち、実に勇敢だと少年を誉める。少年は赤面し、ひたすら礼を言う。さらに、何と仲間に入らないかと誘われて、少年はビックリ。だが、そうするための礼儀や作法がわからない。再び親のことを思うも、親は高いびきで幸せそうに寝ている。
 少年、連れがいるからパーティは無理なんですと嘘をつく。冒険者たち、残念そうにしながらも納得。今日は一人でがんばっているんですねとまた少年を誉める。少年、赤くなる。
 と、そこにゴブリンとオークがやってくる。一番近くにいた少年、まとめて殴られる。反撃するも、相手がまた増える。冒険者たち、ニコニコと傍観。
 少年、また悲鳴をあげる。眺めていた冒険者たちが瞬時に殺到。少年、再び助けられる。
 また会話。少年、自分は彼らの邪魔になっているのではと尋ねる。返事はNo。
 結果、少年は彼らといっしょにゴブリンやオーク鬼の退治に精を出す。冒険者たちはもういらないからと、少年に兜や薬を渡す。少年、受け取って喜ぶ。
 そして夜半、彼らの冒険が終わる。世界終末のカウントダウンが始まる。
 少年、ひたすらにお礼を言う。冒険者たち、いえいえと答える。
 終幕。

 と、いうことがあって(笑)。
 「〜♪」というか、思わず無邪気に高揚してしまいました。昔、RPGを初プレイした時に近いというか……久しぶりに、色々と。
 それが下地になって、思わずこんな一筆を。
 ……って、中身はまったくというか、ほとんど関係ないですが。
 ただ、そのプレイ前の段階で、「いつもにぎやかに冒険者たちがあふれる町が、そういう名前(笑)の怪物に襲われて瞬く間に全滅する」というショッキングな映像を友人に見せられて。実際のトコロは、それがネタになっています(笑)。ですがあくまで客観的なイメージですし、タイトルに冠せるほど私がそのゲームに詳しいわけでもないので、今回の作品はオリジナルということにしました。

 記したわけはもう一つあります。
 実は今、準備中の作品の実験も兼ねて、こういった文体を使用してみました。Web上ではあまり一般的でない形ですので、ちょっと視覚的な意味も兼ねて一つ(って、ジャンルとか雰囲気とかはまったく違うのですが(汗))。横書き幅広画面であることからどうなるかはまだわかりませんが、とりあえず実験的ですね。内容も含めて(笑)。

 さらにもう一つ蛇足的に加えると、ファンタジーは最近あまり書いていなくて(笑)。どうも腕がとか、私的にあって思わず、というのも(笑)。

 さらに言えば、やっぱりソレとかアレが気になって(笑)。やっぱり習慣的になってしまっているのでしょうか(汗)。

 というわけで、あらゆる意味で突発かつテストっぽい即書き短編です。
 まさに尻切れっぽいエンドで……この後の簡単な顛末とラストの結末も走り書いてはみたのですが、何だかバランスが悪くて。なら一つこの形で試してみようと、そのまま載せることにしてみました。そのために、お読みになった方が何かマイナスに思われたらすみません。

 とにかく、御読みになった方には精一杯の感謝を。
 それでは。
 
 



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