パーキンソン病 痴呆の問題
著者: 山本光利編 | 出版社: 中外医学社
パーキンソン病 痴呆の問題 2005年3月中外医学社発行、245頁、5500円+税。山本光利編、執筆者32人。 パーキンソン病シンポジウム高松2004は、主題として痴呆をとりあげた。(「認知症」という用語を「痴呆」のかわりに用いるようになった直前か?)そのシンポジストたちによる論文集。 序文に編者が書いている。「いまや、パーキンソン病の痴呆および認知障害の問題は臨床上および介護上、避けては通れないほどの重大な問題となっています。」 目次 序 第1章総説(2論文) 第2章疫学(痴呆を伴うパーキンソン病、アルツハイマー病、レビー小体型痴呆の疫学; 1論文) 第3章 症候学(3論文) 第4章補助診断の進歩; 画像診断、Biological markers(5論文) 第5章病理: 痴呆の病理的基盤―類似点と相違点(6論文) 第6章パーキンソン型痴呆およびレビー小体型痴呆の治療; State of the Art(7論文) 索引
このシリーズの性格として、専門語が飛び交う学術論文が全部です。そして、テーマが痴呆なので、パーキンソン病の運動症状についての論文はありません。私たちにとっては、第1章の総説と第6章の「治療」が参考になります。しかし、「治療」は薬による治療のデータです(アリセプトとクロザピン)。APPLEの「補助療法」に相当する記述はありません。また、“DBS手術による認知症の悪化”に触れた論文はありません。がっかりです。 3冊に共通して、抗パーキンソン病薬の長期服用による精神症状の“うたがい”がとりあげられています。
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