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ハレルヤ著者: 樋口裕子(ひぐち ひろこ) | 出版社: 文芸社「親と子」のゆるぎない愛情を綴った力強いエッセイ集。
・・・・・幼い頃の母との葛藤や、夫や娘たちとのユーモラスな会話の数々 痴呆症の父の、可笑しくも哀しい振る舞い……。 自身の生い立ちとともに現在の暮らしをいきいきとした筆致で綴った珠玉のエッセイ集 全部で16章で構成 --------------------------------------------------- 大きなカミキリ虫を捕まえた事があった。立派な長い触角を持った見事なカミキリ虫だ 「お父ちゃん、見てみぃ、すごいやろ。家で飼おう思うねん」 「ほうーこりゃ大きいわ。雄やなぁ。 他の虫と一緒にしたらあかんで、食うてしまうさかいな」 私は空いていた水槽に土と木切れをいれ、タロウという名前をつけて飼うことにした。 (虫一匹の命でもより抜粋 シューという音とともに盛り上がる母の胸を眺めていると ふと母の顔つきが変わっているのに気付いた。 いくぶん腫れ気味で張り詰めていた顔の表情が緩んでおり 泣いているような悲しい顔つきに変わっていた。 世の中でこんな悲しい顔があるのだろうかと思い、はっとした。 母は死んだんだ。 (母の死より抜粋 ブリッジ|2012/07/24 [133]☆
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