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BL小説鍛錬場


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[565] 最初で最期の
魔十字 - 2004年06月02日 (水) 22時55分

さすがの暁(あかつき)もヒヤリとした。
それほど無謀で唐突な飛び出しだった。
すさまじいブレーキ音が響いた。運転手の望月は元F1ドライバーだ。さすがに反応が早い。だが、この距離このスピードのままでは、アスファルトの上でぶざまに転がっている高校生を確実にひき殺してしまう。
「ちっ…」
暁は舌打ちと同時に、くないを路面とタイヤの間に噛ませた。
カン高い悲鳴を上げて、ぴたりと車が停まる。
「大丈夫か!」
高貴が間抜けな高校生に駆け寄り、心配そうに顔を覗きこむのを横目で見ながら、暁はそっと車の下から這い出し、道路脇の電信柱の影に素早く隠れた。彼は本社ビルの駐車場からずっと、この白いリムジンの下に張り付いていた。高貴が車で移動するときはいつもこうしている。だが、車が停止した以上、すみやかに移動して高貴のそばに控えていなければならない。
「暁」
案の定、高貴の声が飛んだ。暁はすぐに電信柱の影から飛び出し、黒装束に包んだ長身をかがめて、主の命を待つ。
姓は榊宮(さかきみや)、名は高貴(こうき)……だが、人はたいてい彼を『キング』と呼ぶ。 榊宮と言えば、日本有数の大財閥で、金融・証券は言うに及ばず、鉄鋼・不動産から化学、食品、もちろんIT産業まで、ありとあらゆる分野で全て5指に入る。そんな大企業を束ねる総裁がこんなに若い青年だと知る者は少ない。
「ほえー…」
いかにも自殺まがいの飛び出しをやらかしそうな間抜け面の高校生が、アスファルトの上で仰向けになったまま、ぽかんと口を開けて暁を見ている。ずっと気配を殺していた。鈍そうな彼にしてみれば、空中からわいてでたように感じたのだろうと、暁は冷静に彼の表情を分析した。
「アンタ、何者?」
 そんなセリフを言いそうだなと予測はしていたが、いざ本当に言われると腹が立つ。暁は懐に呑んだ特殊な短剣、くないをもう少しで掴みそうになった。
「口のきき方に気をつけろ――」
「黙れ。今はそんなくだらないことを話している場合ではない」
高貴の命は絶対だ。ぴしゃりと言われ、暁ははっ、とかしこまって頭をたれた。
耳慣れた轟音が近づいてくる。高貴が専用ヘリを呼んだのだろうと暁は思った。見たところあの高校生はただ足を捻挫しているだけのようだが、責任感の強い彼は本社ビルに搬送して精密検査を受けさせる気だ。
「ヘリか…」
 本社ビルまで数十分の空中散歩。今日は天気もいいし、風もない。機体につかまるのも楽だなと、暁は両手の指を屈伸させながらニヤリと笑った。

 漆黒の髪に浅黒い肌を持つ若武者のような男――暁は千年以上前から榊宮に仕える忍者、楔一族の末裔である。
 限界を超越するほど鍛え上げられた肉体は、筋肉質というよりはしなやかなムチのようで、弾力性に富み、呆れるほど強靭だ。運動能力だけでいえば、おそらくどんな分野のどんなスポーツ選手をも凌駕するだろう。足音もさせずに相手の背後に忍び寄り首を掻ききる事も、指の力だけで鏡面ガラスの垂直の壁をよじ登る事も、彼にとってはたいして難しい課題ではない。
 楔一族は生まれた時より、主の命に絶対服従する『影』として厳格に育てられる。暁は一族の中でも並外れて優秀であり、それゆえ若干18歳という若さで榊宮総裁お側付きを許されたのだった。暁は不屈の精神と肉体、優れた体術と機知に富んだ明晰な頭脳を持ち、暗殺術はもちろんのこと、ITを駆使した諜報活動にも秀でていた。そして、彼が得意とすることはもう一つ……

「ア――あっ……あかつき暁……そこ、あ、
もっと――あ・ぅくっ……!」
 すっかり紅潮したなまめ艶かしい高貴の美しい裸身が、シーツの上で快感に震えている。明度をぎりぎりまで絞ったほの暗い寝室の中でも、忍者である暁の目には引き締まった肌の上を滑り落ちる汗の粒まで、はっきりと見えた。 
 忍者の常識としてあかつき暁もまた幼少の頃より閨房術、つまりベッドテクニックを教え込まれていたが、こうき高貴に奉仕する時ばかりは、彼は厳しい修行の末に会得した全ての手練手管を忘れた。いけないとは思いながらも熱い肌に溺れ、甘い吐息に魅せられてしまう。初めてよとぎ夜伽を命じられた時から、いや、あの灰色の瞳を一目見た時から、彼は高貴こそ自分の唯一の主――全てを捧げる相手と悟った。
「……むっ…う」
細い腰を抱き、引き締まった脚を押し開き――その中心で燃えたぎる高貴自身を目の前にして、暁は湧き上がってくる悦びを必死に押し殺し、ひたすら奉仕を続けていた。 
高貴にベッドに呼ばれ、口腔での行為を求められるのはほぼ毎夜、それが何年も続いている。最も太い部分を舌で丁寧に舐め、先端の割れ目を強く吸う。そうすると、甘い喘ぎと共に高貴の端正な顔が快感に歪む。暁は、高貴の弱点は全て承知していた。その気になれば、ほんの数分で果てさせることも出来る。だが、彼はそうしなかった。
「んっ――やっ……あかつき…ねぇ」
 わざとポイントを外したいじわるな責めにじれて、高貴がもじもじと腰をうごめかす。 汗で張り付いた乱れ髪が、いかにも淫らだった。
 たまらずに暁は、タブーを破って愛しい者の名を口にした。
「お館さま――コウキっ……」
 唇が欲しかった。今すぐ甘い吐息を吸い込み、熱くとろける舌を堪能したい。シーツの上で乱れあえぐ彼の横顔を捉え、赤い唇に口づけたい。だがそれは叶わぬ夢なのだと、暁にはよくわかっていた。自分は彼に仕える『影』であり、今行っているのは愛の行為ではなくあくまで奉仕なのだ。だから、夜伽の相手をこれまで幾夜ともなく勤めたが、唇はおろか、肌に触れたことすら一度もなく――もちろん、それ以上の行為に及ぶなど、考えたこともなかった。
「っ――あっ……はァ……イ、いい…」
限界が近いのだろう。自らも貪欲に快感を求め腰を揺らしながら、こうき高貴が甘い息を吐く。それは、暁にとってはこの世で唯一無二の毒。 会得したはずの、知覚レベルを減じる呼吸法がどうしても出来ない。感じてしまう。封じているはずの欲望が獲物を求めて貪欲に鎌首をもたげる。
鎖かたびらの中で、暁のオスがどくんと大きく脈を打つ。いけない、と彼は思った。もう終わらせなくては。これ以上高貴のそばにいたら自分がどうなってしまうかわからない。
先端を強く吸い、指で何度か扱くと、高貴の細い腰がぴくん、と跳ねた。
「あかつ――んっ! あっ……アぁっ!」
「ん…んくっ」
甘い喘ぎと共に先端から溢れ出したとろりとした液体を、暁は喉を鳴らして飲んだ。彼にとってこれは、なにより甘く熱く、尊い液体。ティッシュやシーツに吸わせるなどもったいなくてとても出来ない。一滴もこぼしたくなかった。高貴の匂いが、喉を伝って身体の奥に染みていく。
 最後に唇の周りをぺろりと舐め、わずかに残った残り香を舌の上にのせる。だが、それで終りだった。暁は素早くベッドから――高貴から離れた。主が解き放ち、満足したならば、もう暁の役目は終りだ。すみやかにいつもの持ち場に戻らなくてはならない。普通の恋人たちのように、快感の余韻にひたることなど、『影』である彼には許されないのだ。

「ふぁ……っ」
パタリ、と高貴が長身をベッドに横たえ、満足そうなため息を漏らす。彼はベッドでの暁の暴走には寛大で、それどころかむしろ歓迎している節があった。禁忌を犯して名前を呼んだくらいは、大目にみてくれる。だが以前、うっかり肌に触れそうになった時にはひどく叱責された。分をわきまえろと、あさましくも大きくなった股間をなじられ、寝室から追い出された――
 暁はしどけなく横たわる美しい裸身から、ゆっくりと視線を引き剥がした。
「すっ――は……」
精神を集中し、気功を整えるだけで、滝のように流れていた汗がたちまち引いていく。暁はその気になれば心臓の鼓動さえ自在に変える事が出来た。
「暁」
「はい。お館さま」
 キングという呼び方は軽々しくて好きではない。何度となく皆と同じ呼称に統一するよう言われてはいるのだが、頑として暁は譲らなかった。相変わらずだなと、高貴が苦笑する。
「僕は結婚することにしたよ、暁」
「そ、それは――」
 唐突なもの言いだった。おめでとうございます、という言葉が喉に引っかかって出て来ない。暁は強く唇を噛んだ。彼は榊宮家の跡取。いつかは花嫁を迎えねばならない。それは分かっていた。だがいざその日が来ると、やはり辛い。
「相手はあの『飛び出し少年』だ。名は拓海。高校2年だそうだ」
「――はっ?」
忍者である自分が、主の言うことを聞き逃すはずも、また聞き間違えるはずもない。わかっているが、暁は聞きなおさずにはいられなかった。
「榊宮家の掟は知っているだろう? 僕は来週二十歳になる。だからとにかく結婚しなくてはいけない。この際、相手は犬猫意外なら誰でもいい」
 暁はやっと事情を察した。『当主は二十歳の誕生日までに必ず婚姻すべし』というのが榊宮家の絶対の掟。星の数ほどいた花嫁候補は全部気に入らず、どうなることかと気をもんでいたのだが――まさか男、それも高校生とは。
「お館さま。では、本気で――あの少年と――あの――契るおつもりですか」
「そうだ。明日記者会見を行って、その様子を全国ネットで放送する」
「それで、あの少年は結婚を了承したのですか?」
「了承? ああ、そういえば本人にはまだ言っていなかったな」
 高貴が苦笑しながらゆっくりと起き上がった。惚れ惚れとするほど均整の取れた見事な上身に、思わず暁は釘付けになる。ピンと張り詰めた滑らかな肌からはすっかり赤味が消えて、陶磁器のような白さに戻っていた。
「そんな…」
 暁は絶句した。
 自分はあくまでも『影』……決してそれ以上の存在にはなれないのだ。それがさだめ――分かっている。分かっているが、まさかこんな…
「く……」
 ずきり、とどこかが痛む。暁はかすかに顔をしかめた。ふわりとバスローブを羽織った高貴が、珍しそうにそんな彼を見とがめる。
「妬いてるのか、暁」
「い、いえっ――ただ某(それがし)は――その、いろいろと問題があるのでは……と」
「ふぅん。問題が?――どこに?」
「そ、それは」
 暁は言葉に詰まった。高貴が『結婚』しようとしている相手は高校生で男で、今日会ったばかりで、本人から結婚の了承も得ていなくて――つまり普通なら問題だらけの筈なのだが……彼はどこに問題があるのかと問うてくる。榊宮高貴にとって、そんなことは問題のうちに入らないのだろう。
「言え。暁。どこに問題があるというのか」
凛、とした声が広い寝室に響く。容赦のない口調だった。いつもの暁なら、ここで、申し訳ありませんでしたと膝を折る。だが、今夜に限って、彼はそうしなかった。
「それならば申し上げます。問題は――これです」
 ぶちぶちっ、と、暁は黒装束を引きむしった。布地がふわりと床に落ち、鎖かたびらの止め具が四方に飛び散る。くない、手裏剣、ワルサーP38、投げ縄、プラスチック爆弾…あちこちに隠し持っていた武器や道具一式をすべてその場に振り落とし、高貴の目の前で暁は文字通り全裸になった。
 意外なほど痩せている。忍者である暁の身体には、もりもりと筋肉が付いているわけではなかった。はっとするほど逞しくもない。だが、ひとすじの無駄もなく引き締まり、ピンと張り詰めた身体は不思議な存在感があった。なにより、暁の下半身の中心は黒光りするモノがそびえていて、いやでも目をひいた。
「なんのつもりだ」
「少しは某の…俺のことも考えてください」
「そのいやらしいものを仕舞え!」
「黙れっ!」
 暁は、手の甲で高貴の頬を叩いた。暁にとってみれば叩いた、というよりは撫でたほどの感覚だったが、それでも痩身の高貴の身体は軽々と吹っ飛び、ベッドの上にとさりと落ちた。
「狂ったか、暁!」
「黙れと言っている!」
 起きあがろうとする細い身体を、暁が上から押さえ付ける。すごい力だった。有無を言わさず脚をつかまれ広げられた高貴は思わず悲鳴をあげた。
「ひっ」
 暁が自分を見ている。静かな黒い瞳の内に、確かに欲望の青い火が燃えていた。獲物を狙う肉食獣の目つき。割り込んできた腰の中心、萌えるような彼の薄い体毛の中から、見事に大きく固くなったオスがそそりたっている。黒光りする先端は、先走りですっかり濡れていた。
「どこの馬の骨かわからない男にやるくらいなら――いっそこの俺が…」
「や、やめろ――やめて…い、いや――いやだっ。イヤ。あ――アアアッ!」
 制止の命令は後半、懇願になり、最後はただの悲鳴になった。あまりの痛みに、高貴の目から涙がこぼれる。しかし、暁はやめなかった。猛った太い欲望を小さなすぼまりに入れようと、力任せに押し開く。
 腰を打ちつけるたびに、大きなベッドがゆらゆらと揺れた。めりめりと音がする。高貴はあまりの痛みに声もあげられず、ただはぁはぁと荒い息を吸っては吐いた。
「ひっ――!」
 ぷちん、と微かな音がして、あたりに血の匂いが漂った。生温かい感触が暁のオスにまとわりつく。
 暁は急に笑いたくなった。命を賭けても守りたいと願っていた相手を、今自ら傷つけている。それも心と身体と、両方を――自分はなんとおろかな行為をしているのだろう。
「あかつき……」
 見上げる高貴の頬には、くっきりと涙のあとがついていた。だがそれでも――脚を抱え上げられ、奥を無理やり犯され、みだらな
男の器官ではじめての場所を引き裂かれても――榊宮高貴は美しく、気高かった。
「くっ…」
「んんっ!」
 暁は、苦しげに息を吐く赤い唇を自分の唇でふさいだ。抵抗する高貴の口の中に、熱い舌を無理やり差し込んで舐めまわす。押し戻そうとする舌を絡めとり、吸いついて、更に口の中をおもうさま舐めた。二人分の唾液が溢れて、細い顎からたらりと滴る。キスではなかった。舌を唇を、暁は犯していた。
 上を犯しながら、さらに彼は下も深く犯した。
 小刻みに揺らしていた腰を一気に突き入れる。
「んっ…うふぅっ…!」
 封じた唇から、声にならない悲鳴が上がる。細い身体が暁の下で硬直した。必死に抵抗していた腕から力が抜ける。暁は湿った音とともに高貴のすべすべした舌を開放し、唾液でぬるつく唇からも離れた。真っ白い枕の上で乱れ、あるいは汗で狭い額で張りついたやや茶色がかった髪、食いしばることも出来ずただ小さく喘ぎ続ける唇、うつろになった瞳。暁はケダモノの顔で愛しい主を見下ろしながら、激しく腰を動かした。
「コウキっ……」
 羽織っていたバスローブはとっくにベットの下に落ちている。シーツの上で惜しげもなく裸身を晒し、自分の下で苦しげに眉根を寄せる高貴を思うさま責め立てながら、暁は早くも押し寄せる快感の波に抵抗できなくなっていた。
「あっ……あっ…コウキ…」
 噛みしめた暁の唇から、甘い喘ぎが洩れる。
 血の滲む思いで会得した手練手管、テクニックの全てを彼は忘れた。甘く鳴きながらひたすら腰を動かし、熱い肌より更に熱い高貴のるつぼにたっぷりと己を愛撫される快感に酔う。
「くぅっ……アっ! あ……あア――ッ!」
 どくんっ、と心臓が大きく波打った。我慢など出来よう筈もない。抜き去るヒマもない。暁は本能に従い、高貴の身の内にたっぷりと己の欲望を放出した。『影』である自分が奉仕すべき主をないがしろにして自分だけ果て、挙句にけが穢れである欲液を注ぎ込むなど、本来ならあってはならないこと。殺されても文句は言えない程の背徳行為だ。それがわかっているからなおのこと、快感が深く、濃い。
 湿った音を立てて先端を引き抜くと、生臭い匂いがあたりに漂った。シーツの上に小さな赤い花が咲いている。暁は顔をしかめた。高貴を傷付けた。その事実が、胸に痛い。
「気はすんだか?」
 凛として自分を見上げる瞳の強さに、暁は軽い眩暈を感じた。ほんの少し前、確かにこの腕で抱き、自身を沈めていた甘い肉体が、今はもう手の届かぬ天に昇ってしまったのだと瞬時に理解する。
「お館さま――いえ、キング。どうぞ、ご存分に処分を」
 暁は深い絨毯の上で片膝を付き、かしこまった。今この場で殺されてもいいと暁は思っていた。どんな仕打ちも、甘んじて受けるつもりだった。当然だ。自分はそれだけのことをしたのだから。後悔はしていない。手の届かない場所に昇る前に、想いを遂げられた――それだけで悔いはなかった。
「処分? なんのことだ」
「え」 
「少々手荒だったが、心尽くしの結婚祝、しかと受け取った」
 バスローブを再び羽織った高貴が、ベッドのわきに立っていた。床と壁を薄ぼんやりと照らず間接照明の明かりに浮かび上がる姿は、まるで神話の中の人物のように見える。
 なんというお方だろう。
 暁は、不覚にも泣きそうになっていた。
 ああ、この人のためなら俺は本当になんだって出来る……と、彼は思った。
「いつも苦労を掛けてばかりですまない。これからもますます苦労を掛けることになるが、頼むぞ、暁」
「はっ――」
「それから、暁」
「は……」
「これから、二人きりのときは、高貴と」
 ふわりと、赤い唇に笑みが浮かんだ。
「いや、なんでもない。忘れてくれ……」
「――はい。お館さま……」
 薄く微笑んだまま、暁の姿はとろりと薄闇の中に溶け込み、やがて消えた……
 二人の仲がその後どうなったのかは、誰も知らない…

                       END

[566] おまちどー
魔十字 - 2004年06月02日 (水) 23時07分

14444キリ番のキリリク、「主従関係下克上」でございます。
リクエスト本人にメールするより、こちらにUPした方が
いいかなと思ってお邪魔させていただきます。
字下げがうまくいかない+なんだかギッシリで疲れますね…
ごめんなさい。許して。

こんなカンジでいいのかしら?どうですか? 右京さん。
多少…いやかなり強引でご都合主義なところはお許しを。

気が向いたら読んでやってくださいませ。感想もいただけると嬉しいです。

(このSSのもとになった話、「この男、キングにつき」を読みたいという奇特な方は、「キングよこせ」と書いたメールを送ってくださいまし)

[567] 拝読致し候〜
右京 - 2004年06月03日 (木) 00時16分

魔十字 様

お忙しい中、例のSSありがとうございました。
ありがたく読ませていただきました。

忍者モノ、ムフフ…何気に好きですヨ。
暁君の下克上っぷりは、読んでいて若き青年だなぁと思いました。
私自身下克上モノを書いたことも、あまり読んだこともなかったので、
楽しく読ませていただきました。
何気に感じたのですが、SSの元のお話があるようなので、
読み始めて内容を理解するのが、ちょっと難しかったです。
また、暁の心情の変化に対する高貴の反応のインパクトがもう少し
欲しかった様に思います。
あまり作品に対して偉そうな感想とか書けるような自分ではないので、
変な文章だったらすみません…。

今回は無理をいってSSを書いてもらって申し訳ありませんでした。
魔十字さんの作品をまた読ませていただけると幸いです。
SSの元となった「キング」読みたいなぁと思う作品でした。

この度はありがとうございました。


[569] お許しいただけますか…
魔十字 - 2004年06月03日 (木) 20時13分

さっそく読んでいただきましてありがとうございます。
難しいですね。「上下関係下克上」
特に「下克上」ってのがムズイ。(言い訳です…)
せっかくなので、流血を入れてみました。初流血(笑)痛いのは嫌いなんですが、なにごともチャレンジと思いまして。
感想・批評はいつでもどこでもガンガンお願いします。どんな言葉でもありがたいです。

キリリク書くのは初めてですが、楽しかったです。こんなヘタレSSでよかったら、またご依頼くださいませ。

[646] 批評になりますが
p-co - 2004年07月25日 (日) 10時24分

まず書き出しから、???でした。
暁がどこにいるのか分からなかったのは、書き手も狙ってのことだと思いますし、あとで詳しく説明されていたので構わないのですが、問題は、ほかの人物の初登場時の描写です。


運転手にわざわざ望月という名前を与え、さらに、元F1ドライバーで反応が早いなどの余分な情報が加えられていたせいで、この人物は主要なキャラクターのひとりであるかのような印象を受けました。
読者はそのつもりで読んでしまいますので、さらに人物(高貴)が増えたとき、高貴の印象が薄くなってしまいます。
元F1ドライバーをわざわざ運転手に雇うほど高貴はすごいひとなんだよ、と言いたいのは一通り読み終えたあとなら分かるのですが、とりあえずこの話のなかではもう二度と出てこない通行人みたいな役柄なのですから、全体のバランスを考えると、ここはただの「運転手」で十分だと思います。


さらに、

>カン高い悲鳴を上げて、ぴたりと車が停まる。
>「大丈夫か!」
>高貴が間抜けな高校生に駆け寄り、

この高貴がどこから出てきたのかが分かりにくいのは問題だと思います。
私は高貴は初めから車外にいたのかと思ったので、続きを読んでいて訳が分からなくなりました。
せめて、「車から降りた」高貴が間抜けな高校生に〜くらいの説明が欲しいです。


ただでさえ忍者ものという特殊な設定で、書き出しに「暁はどこにいたのか」という読者の混乱要素があるのですから、ほかの描写は徹底的に無駄を省いて分かりやすくすべきだと思います。
最初の10行ほどに4人も人物が登場し、そこで混乱要素がふたつもみっつも重なると、それ以上読み進める気力がなくなってしまいます。


とりあえず、書き出しだけでもこんなかんじです。

財閥、大企業の総帥、街中にヘリ、などのリアリティのなさは忍者ものという特殊設定を意識してのことでしょうからいいとしても、なぜ高貴はあの高校生と結婚するのか、という点について読者に何の説明もないのはどうかと思います。
もとになったSSというのを読めば分かるのでしょうか。それでは、このSSは単体では成立してないことになりますが。

もう少し、読み手の立場を意識して作品を書く必要があるのではないでしょうか。

[648] ありがとうございます!
魔十字 - 2004年07月25日 (日) 22時33分

p-coさま、はじめまして。

つたないSSをお読みいてだき、さらにすばらしい批評までくださいまして、ありがとうございます。感激です。
ご指摘の点、あーもうほんとうにその通りです。たいして練りもせずボーッと書いてました。投稿者として恥ずかしいです。

またこちらで私の作品をみかけたら、批評してくださると嬉しいです。今回は、本当にありがとうございました。



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