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BL小説鍛錬場


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[539] ちくわの友
犬頭はち - 2004年05月23日 (日) 09時27分

 慎と和樹は幼馴染で彼氏と(男の)彼女の関係である。
 彼等はお隣同士で兄弟同然に育てられたという。一緒の幼稚園一緒の小学校一緒の町内子ども会。何処へ行くにも一緒だった彼等はやがて思春期を迎え、互いにナニの毛の生え揃い具合を見せ合っているウチに、擦り合ったり舐め合ったり入れたり入れられたりする関係になったのが中学生の頃。偏差値の事情で別々になったが、この春、同じ大学の同じ学部で、彼等は無事再会した。
「所謂、竹馬の友ってヤツ?」
 慎は得意気に言う。すると、隣でラスクを齧っていた和樹がにやーっと笑った。
「竹馬の友ってより、チクワの友じゃないの?お前の場合。サイズが」
 和樹は親指と人差指で丸く輪を作る。ハッ、と慎は鼻で笑った。
「チクワで結構。お前のケツに優しいサイズ?」
「きゃーっ。慎くんチョー優しいー」
 和樹がわざとらしく裏声を使う。
 彼等は、長き受験勉強でたまったうっぷんを晴らすかのように、毎日ラブラブしている……大学から程近い場所にあるアパートの、“俺の”部屋で。
「でもね、でもね、ホントは慎ってばかなり黒くてデカ……」
 ……ってゆーかー!!
 俺はカーペットの床を拳で叩いた。幸い今は講義の開き時間を潰すべく帰宅しているだけなので、こんな真昼間に住人は誰もいないから怒鳴り放題だ。
「慎のチクワのサイズなんて知りたくもねーよっ!俺はおでん食ってんだおでんっ!!」
 くそう。いくら肌寒いからって、コンビニで季節外れのおでんなんて買ってくんじゃなかった。
「あー、大体それの半径倍くらいな感じ?MAXで」
「指を差すな和樹!」
 ああ、食えたモンじゃない。俺は口元まで持って行ったちくわを発泡スチロールの容器に戻した。
「どしたの?食べないの?食欲無いの?」
 和樹が首を傾げる。
「おかげさまで」
「じゃあ、食べてあげる!」
 アッという間に和樹は俺の割り箸を取り上げ、チクワに齧り付いた。
「見へ見へー」
 咥えたままで喋るから妙に舌足らずな和樹はぷらんと俺の目の前にチクワを突き出した。ぷらん、と。
「終った後の慎」
 このバカタレがっ!!
「食いモンで遊ぶな」
 けれど、俺が手を出す前に、慎が和樹の頭を押さえてくれた。慎の方は、そこそこ常識的で人のココロのわかるヤツだ……と思う。
 ところが和樹と来たら。
「ふぇらひお」
 出し入れしやがった……チクワを。
「遊ぶなって言ったろ!お百姓さんに怒られるぞ」
 いや慎、チクワは魚が原料だと思うんだ。でも和樹を注意してくれるのはほんっとぉーに嬉しい。と、思った矢先。
「……後でたっぷり咥えさせてやるから」
「やぁん。慎ぉー」
 俺のコメカミがぷちっと音を立てた。人を殺す時って、こんな気持ちなのかなと、ふと思う。
「おい……ホモってのはそうなのか?」
俺は押し殺した声で言った。
「は?」
「何が?」
「ホモってのは皆てめぇらみたいに慎みとか恥じらいとかがねぇのかって言ってんだよっ」
「だって」
「なぁ?」
 和樹と慎は顔を見合わせる。
「男同士なんだから、いいじゃんエロ話のひとつくらい。恥かしがんなくたってさ」
 慎が自分の胸と俺を交互に指差して屈託無く笑う。
「エロ話じゃなくて、いちゃついてるだけじゃねぇか!オイ慎っ!もしお前の彼女が女だったら(というのも変な言い草だけど)、男友達の前でいちゃいちゃするか?そんっな友達甲斐の無いヤツなのかよ」
「てか、それ俺だけに言う?」
「何がだよ、慎」
「俺は、お前の友達だよな?」
「おう」
「和樹も、お前の友達だよな」
「まぁな」
 すると慎は憤慨したような表情をした。
「だったらさ、友達の有り方語るなら、和樹にも文句言えよ!」
「こいつはホモ以前にバカだから何言っても無駄だと思う」
「ああ、ごもっとも」
 納得した慎と俺は仲良く和樹に殴られた。
「っざけんなよー!俺は幼馴染ホモだけど、ちゃんとフェミニストなんだからなー!電車の中でカノジョの太股撫でたりしてる男はサイテーだと思うんだかんなーっ!」
「……それと今の話と何の関係があるようなないようななんだけど」
「女の子は節操を持たなきゃダメって事!」
「男は?」
「裏表がある男ってサイテーだと思わない?」
 つまり、裏表無く何処でもいちゃつきますって事か。
「ざ・け・ん・な」
 俺は一発和樹を張り倒して、パックの牛乳を口に運んだ。
 あーあ、花の大学生、花の一人暮し。なんで最初に出来た友達がホモなんだ?
「……てか、お前等ホモだろ?」
 俺の目は相当冥く淀んでいたと思う。
「うん」
「おう」
「じゃ、俺だって男なんだし……なんかこう、連日揃って俺んち来てるってのは、間違ってねぇか?」
「いや、間違ってるってんなら、ホモ一括りにする事の方が間違ってんだろ」
 慎の言う事は……もっともだ。
「大体さぁ、ノンケのヤツだって、女見たら全部恋愛対象ってワケじゃないじゃん」
 俺は思わず言葉に詰まる。和樹のクセにマトモそうな事言いやがって。
「じゃあ何?お前等にとって俺って、その恋愛対象にならない女友達みたいなモンなの?」
「お前バカ?」
「だってお前男じゃん。男同士で友達になって何か変なのかよ」
 慎と和樹は明るい声を立てて笑う。
「いや、変……じゃないけどちっとも……」
 そりゃあ初めて実家離れて一人暮しで、生まれ育った町よりちょーっと(ホントにちょっっとだけだっ!……多分)都会なこの町で、一番不安だったのは友達が出来るかどうかだったんだから……嬉しいさ、そりゃあ。分け隔てなく友達になってくれるヤツがいたのはとっても嬉しかったさ。たとえ恥じらいとか慎みとかに欠けるホモだって……。
 ついついほかほかした気持ちになった瞬間、和樹が言った。
「え?つーかお前ホモ?」
「違うっ!」
 どっからそういう発想が出てくるんだ!
「や、なんか頬染めてたから」
「染めてねぇ」
 思わず睨みつける俺の肩を、慎が宥めるよう叩いた。
「まぁ、さ『ホモにはツツシミがねぇのか!』って怒ってくれるお前だから、友達になれるんだけどな」
 それって褒めてるのかよ。確かに少し嬉しい気分はするんだけど。
「そうそう。大概のヤツは『お前等ホモだからしょーがねぇ』って、色々見逃してくれちゃうんだよね。自分達とは違う生き物だって思ってんだよ、きっと」
 和樹がつまらなそうに天井を見上げた。
 慎もマジメな顔で頷いた。
「結局俺等にはさ“お手本”っていうのが少ないから、どういう風に振舞ったらいいのか、実は良く分からねぇんだよな」
「そうそ。だから、お前がさ、厳しいツッコミ入れてくれて、ありがたいと思うよ」
 …………。
 はぁ。
 んだよ。ホロッとさせんなよ。
「別にさ……ホラ、お前等がワザワザ俺の目の前に来て下ネタばっかり言ってっからシカトしようがないだけだからさ、そんな風に言われると……」
 つ、と慎と和樹は目を見合わせた。
「ま、確かに」
「この反応が無いと最近いちゃいちゃするのも張り合いが無くて」
 ぶちっ。
 再び俺のコメカミが音を立てた。
「てーめぇーらーっ!!」
 俺は思わず(やや近かったので)和樹に掴みかかった。
「きゃあー!……うわっ」
 ずるっ。
 ふざけて逃げようとした和樹は、思いっきり折込広告の上に手をついた。広告紙は良く滑る。滑って見事に仰向けに引っくり返った。
「わっ!」
 驚いたのは俺も同じだ。掴みかかるはずの和樹の体が目の前から消えた俺は、これまた思いきり和樹の上に倒れこんでしまった。
「ぐえ」
「わ、悪い……」
 俺は慌てて両手で体を起こす。目の前には、眉を顰めた、自称『デビュー当時の中森明菜似』の和樹の顔があった。
 それはほんの一瞬の事だったけれど、俺はつい恐ろしい事に、『慎っていっつもこんなの見てるのかなー?』なんて、考えてしまって、慌ててその想像を何処かへ追っ払う。
「ご、ごめん」
「いってぇー」
 俺は和樹を助け起しながら、慎に目をやる。
「……慎もごめん」
 一瞬きょとんとした慎は、俺の心中を理解したのか、気持ちのキレイそうな苦笑を浮かべて見せた。
「気にすんなって」
 そして、和樹と顔を見合わせて、言った。
「お前の事は、男だと思ってないから」



 …………ん?

[540] はじめまして
犬頭はち - 2004年05月23日 (日) 09時32分

最近このサイトを知りまして、それからはほぼ日参しておりましたが、初めての投稿です。
最近新規の投稿が無いようなので、お三時程度になればと…。

この作品は、(今は停止してしまいましたが)ある商業誌サイトの投稿小説コーナーに応募して、見事落選したものです(笑)
でも、本人的には気に入っているので、皆様に読んでもらえればと思います。

[542] 読みました
魔十字 - 2004年05月24日 (月) 13時52分

はじめまして。

気に入ってらっしゃるとのことですし、この作品をどのようなおつもりで書かれたのかわからないので具体的な感想はやめときます。

ただ一言。
ラジオドラマみたいだと思いました。
それも、ドライバーの運転を妨げないように軽〜く構成されたヤツです。

では。

[543] 感想ありがとうございます
犬頭はち - 2004年05月25日 (火) 07時23分

>魔十字さま
 出来るだけセリフだけで構成しようと思って書いたので、ラジオドラマというのはぴったりかも知れませんね。
 ところで、少し突き放したような書き方をされているような気がするのですが、ご不快な点がありましたでしょうか?私の気にしすぎでしたら申し訳ないのですが。
 悪ふざけや、片手間で書いたつもりは無いのですけれど、配慮が足りない部分があったかも知れません。申し訳ありませんでした。
 また、それでも読んでいただき、書き込みまでしていただいてありがとうございました。
 ちゃんと感想がいただけるものが書けるまで、勉強して参ります。

[544] はじめまして。
美月ゆや - 2004年05月25日 (火) 12時45分

 はじめまして。たまにこちらのサイト様をのぞかせていただいている美月と申します。ちくわが題材とは面白いですね。
 私はまだBLを書きはじめて1年目で、ひとの事を言えるほど文章が上手くはないのですが、多少なりとも参考になればと思い書き込みさせていただきました。

 いちばん気になるのが、出だしのところ。
三人称なのかな?と思って読んでいたら途中で「“俺の”部屋で」と出てきて、やっと「俺」の一人称なのだということに気がつきました。読んでる時にちょっと違和感がありました。例えば一番最初に
『今日も俺の部屋でイチャイチャしているバカ2人に、俺は冷たい視線を投げた。慎と、和樹。連中は男同士でありながら彼氏彼女の関係である。』
とかをつけるとわかりやすいかも...

 それと、せっかくタイトルに使った「ちくわ」が途中で消えちゃってるのが残念。この話で読者に伝えたいことって、何なんでしょう?ギャグ?...でしたらこんなかんじでオチを...

『「気にすんなって、お前の事はえっち気分を盛り上げるためのオモチャの一つだとしか思ってないから」
「俺は電動バイブか!ってーか、てめえらさっさとチクワ食って帰れ!」
俺の怒声に和樹がニヤリと笑った。
「あ、そんなこと言うんならお前のチクワも食っちゃおっかな〜。」
「3人そろってチクワの友か。いいねえ、食っちゃえば和樹。」
 ................え?! 』
とかいかがでしょうか?ギャグではなく健気系だとすると、また違ってくるんですが...

説明が苦手なので例文で書いてみました。的外れな批評でしたらすみません。
伝えたいこと、心に残って欲しいこと、を相手に伝わるように言葉にするって難しいですよね。お互いがんばりましょう!

[546] 色々課題です
犬頭はち - 2004年05月26日 (水) 21時18分

>美月ゆやさま
 レスありがとうございます。

 冒頭は、狙って三人称だと誤解されるように書いたんですけれど、あまり効果的ではなかったようですね。失敗すると紛らわしいだけですもんね(笑)

 一応、ギャグ…のつもりでした。ギャグ、という程積極的に笑わせたいのでもなく、トホホな感じを出したいっていうか…。
 やっぱり伝えたい事をきちんと伝えると言うのは難しいです。

 美月さんの書かれたオチには萌えました!私が考えていたより慎がクセ者で素敵です(って、この発言は一応作者としていいのかな・汗)
 それは置いといても、パシッ!て終わる感じがして気持ちいいです。
 短編はオチが命だと思うんで、やっぱり練習しなくては…というか、センスの問題かも知れませんねぇ…がんばります。

[550] 初めまして。
ヒヅキ。 - 2004年05月27日 (木) 02時35分

初めまして。ヒヅキといいます。
感想よりの批評を少しさせていただこうと思って、打っています。
まず、美月様と同じく、初めあたしも三人称のお話かと思ってましたので、突然「俺」と出てきてちょっと「あれれ?」と思って読み返してしまいました。
これは狙いだったんですね。

ちくわで遊ぶ和樹くんがとても可愛らしかったし、そのシーン面白かったです。
そして、バカなあたしには最後の言葉の意味が……良くわかりませんでした。。。ごめんなさい!!
なぜ「男だと思ってない」なんでしょうか。失礼も承知で、書かせていただいてます。シリアスに言い合っているところは、色々伝わってくるのですが……ごめんなさい。
ちゃんと読んでるつもりなのですが……(滝汗)

それでは、自分のことを棚にあげて書いてみましたが、カチンとさせてしまったら申し訳ございませんでした。
失礼しました。

[555] ……。(照)
犬頭はち - 2004年05月28日 (金) 22時42分

>ヒヅキさま
 レスありがとうございました。
 和樹を可愛いと言ってもらえて嬉しいです。単なるハタ迷惑な子にしか見えないかなぁと思っていたので。

 >最後の言葉の意味が……良くわかりませんでした。
 >なぜ「男だと思ってない」なんでしょうか。

 えええっとですね(汗)
 異性の友人が恋愛の対象外である、って事を言う時に「お前は(アンタは)女だと(男だと)思ってないから」っていう言い方をよくするじゃないですか。
 その意味で使ったんですけど…(滝汗)
 で、その前の部分で散々、慎と和樹は主人公を「男同士だ」なんだと言っていて、最後に「男だと思ってない」って、そういう矛盾で、ちょっと…………わ、笑わせようかと思ったんですが。

 笑いって難しいですねぇ。
 あ、でも謝っていただく事は全然無いです。指摘していただかないと、独りよがりな部分とかわかりませんし。
 そういう意味でも、皆さんの目に触れる場所に作品を出せるっていうのは、嬉しいと思います。



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