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[786] 偽りと呼ばないでくれ
花酔(かよい) - 2004年10月29日 (金) 12時42分

「もう終わりにしよう」
 貴文の言葉が耳をすり抜ける。
「冗談だろ、よせよ」
 さっきまで互いの体に溺れていたシーツの上で余韻に潤んだ目をして言う台詞じゃないだろ。
「終わりにしてくれ……」
「説得力ないんだよっ、おまえ」
 だってそうだろ?
 そっと脚の間に指を這わせるだけで息が甘く掠れるくせに。
「ほら。もうその気になってきてるじゃないか」
「やめてくれ。頼む……」
 頬を紅潮させながら、だけど貴文は泣き出した。
「もう……辛いんだ」
 顔を覆った両手が小刻みに震えている。始めて見る弱々しい姿だった。
「淳也、おれのことなんて見てない……だろ?」
「何を言ってるんだ、おまえ?」
 鼓動が大きく弾む。
 嫌な展開だった。覚えがありすぎるぐらいに言われてきた台詞だった。
 おれは、貴文、その台詞をおまえにだけは言われたくないんだ。
 頼むから言うなッ――
 だけど、貴文は言ってしまう。
「おまえ、おれを通して誰かを見てる。おれの体を使って誰かを抱いてるッ――」
 わからないと思ってた?
 貴文はひどく切ない瞳を向けてくる。
 
 別の誰か―――。
 急におれの中で貴文への気持ちが褪めていく。
 いつもそうだ。
 おれが「愛」を感じ始める度にその相手はおれを疑い始める。
 おれの愛。
 おれの恋。
 おれの魂。
 根こそぎ奪っていった永遠の人はもう何処にもいないから。
 おれは愛した。
 おれは恋した。
 言葉も尽くしたし、足りない分は体で語ってきた。
「それでもおまえらはおれの中に誰かを見るんだな……」
 知らず、口から零れた想い。
 命がけであの人を愛した事実は変わらないけれど。それでもいつだって真剣に愛してきたんだ。
「淳也……」
 何故だろう。貴文はひどく驚いた顔でおれを凝視している。
 服を着る指がやけに鈍く感じておれは舌打ちした。
「了解。もう連絡しない」
 おれはそれだけ言って背を向けた。
「ま、待ってくれ――」
 まるで何かが変化したみたいに貴文はおれを止めた。
 これ以上おれを追い詰めたいのか?
 絶望させたいのか……?
「なんで、なんで泣くんだよッ! 泣くのに…なんで何も言わないんだよッ」
 泣く……?
 おれは頬を濡らすものにやっと気がついた。
「だって、おれはおまえを愛してたんだぜ?」
 ああ。
 そうだ。
 あの人はもういないから。一番はもうあの人が持ってってしまったから。
「おれの人生で二番目に惚れて二番目に特別になったおまえと別れるんだ。泣いてあたりまえだろ」
「おれを好きでいてくれたのか……本当に?」
 貴文がベッドを降りようとする。
「来るなよ、貴文」
 おれは制した。
「もう終わったんだよ」
「―――淳也」
「おれに別れを告げたのはおまえだ」
 想いを疑われれば誰でも辛いだろ?
 終わらせたのはおまえだ。
「さようなら、おれの二番目」
 おれは後ろ背に囁いて部屋を出た。
 扉の向こうで貴文がおれの名を呼んでいたけれど……。
 おれはもう振り返らなかった。

[787] 初の投稿です。よろしく。
花酔 - 2004年10月29日 (金) 12時55分

はじめまして。メルアド間違ってしまいました。@の前に628が入るはずが……。
これは、最愛のひとを亡くした男の恋の遍歴を書いたシリーズの本編です。今度は、ふったはずの貴文が、すねてしまった男に必死に想いを注いでいく展開になります。それはおいといて、この場面で「あの人」のことをもう少し書くべきか、それとも貴文とのことをもう少し書くべきか。もしよければご意見ください。

[788] 感想です
まろ - 2004年10月29日 (金) 23時33分

花酔様、はじめまして。
私も新参者ではありますが、感想を書かせていただきます。

まず、全体を通しての空間の雰囲気などは良かったです。人物の動作の描写や、台詞なども不自然ではなく、読みやすかったです。
けれど、物語がいきなり緊迫した部分から始まるので、キャラクター達にあまり感情移入することが出来ませんでした。
貴文と淳也の人物像や、これ以前のエピソードも盛りいれて、もう少し長くした方がいいかもしれません。
それから、小説内の、
 >おれは愛した。
 >おれは恋した。
 >言葉も尽くしたし、足りない分は体で語ってきた。
 >「それでもおまえらはおれの中に誰かを見るんだな……」
 >知らず、口から零れた想い。
の部分ですが、少々わかり辛い部分がありました。
(貴文は、自分が他の誰かの代わりに抱かれているのでは、という不安を持っている)というのが、この部分より前からは読み取れるので、淳也の中に誰かを見ている、という表現は、少し外れているような印象をうけました。
もう少し話を長くして、じっくりと盛り上げていけば、とてもいい流れになると思います。
色々書きましたが、私もまだまだ勉強中の身なので、お気に触ったら申し訳ありません。
次作も頑張ってください。

[789] まろさんへ
花酔 - 2004年10月30日 (土) 00時43分

ありがとうございます。勉強になります。
どうも、文章書き始めたころに熱烈に敬愛していた
作家さんの、まわりくどいほどの言い回しを変えた
繰り返し調がいまだに抜けないので、指摘されて
「ああ」と納得しました。お話としては、このシーンから
スタートして、「淳也の過去→貴文とのこと→今」で
一度終え、今度は貴文を視点にと思っているんですが
てどうでしょうか。う〜ん。
ご指摘の部分はまた直して、お目にかけたいと思います。
さっそく修正してみます。

[799] 泣けます…
弥生 - 2004年11月21日 (日) 12時56分

心に響くお話でした。。。
二番目というのが悲しいですね・・・
最後まで一気に読んでしまいました。
これからも頑張って下さい<(_ _)>



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