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[599] チェスゲーム・2
水輝 幸 - 2004年06月24日 (木) 22時37分

「あ、晴彦。いたのか。」
将也がチェス本部の屋上に上がると晴彦がタバコをふかしていた。
「晴彦…。紅…。2つに分かれたな。」
「ああ。」
「また昔のようになると思うか?」
「さぁな…。わからん。」
ガサリと将也がタバコを取り出した。
「火ぃやろうか?」
晴彦は将也がくわえたタバコに自分のタバコの火を押し付けた。
「なぁ…。陽一ってクィーン狙ってんだよな?」
将也が火のついたタバコをふかし晴彦に聞いた。
「さぁ?そうっぽいけどね。キングがいるのに…。どう見てもラブラブなのにねぇ…。馬鹿だよ…。あいつは。」
晴彦はクスクス笑った。
「お…お前さ…。陽一の…。」
将也が深刻そうに晴彦を見つめた。
「言うなって約束したろ?俺の秘密だ。」
晴彦はポトリと小さくなったタバコを地面に落とした。
「なんとか…できないのか?!」
将也は晴彦の細い両肩を掴んだ。
「ごめん。俺にはなんにもできない。」
そういい残して晴彦は屋上から出て行った。
「なんとか…。できるだろ?晴彦…。」
晴彦が出て行ったドアを見つめて将也はつぶやいた。

政宗は夏樹のマンションの自分の部屋の本棚の整理をしていた。
夏樹は銀行に行っていていなかった。
この前も思ったのだが夏樹と政宗の本はだぶっていたのが多かった。
「1つに統一するか。」
それで他の本買って…。
そんなことを思い、ウキウキしながら政宗は本を整理していた。そこに無理やり突っ込んできた中学の時の学ランを見つけた。
「…。夏樹も俺の見たことないんだよな。」
夏樹も俺と同じように思ってくれるだろうか…?
「そだ…。」
雑に『その他』と書かれたダンボールを開けると自分の中学のアルバムを取り出した。
これを見た夏樹はどんな反応をしめすだろう?
見てみたい。
政宗は隣にある夏樹の部屋にアルバムを忍ばせとくことにした。
「ただいま〜。政宗〜片付け終わった?」
夏樹が政宗の部屋を覗き込んだ。
「あともう少し。」
「そうじゃあ、俺自分の部屋にいるね。」
「ああ。」
パタンとドアが閉まるのを見て政宗はかすかに笑った。
「よし、これで全部かな。」
本を本棚に全部納め政宗はつぶやいた。その時、窓の外でバサリと物が落ちる音がした。
不思議に思い窓の外を見ると真下に見覚えのあるアルバムが落ちていた。見を乗り出して横を見ると夏樹の部屋の窓が開いていた。おまけに雨まで降り出した。
「夏樹!雨降り出したから窓閉めろよ!」
そう隣の部屋に叫んで窓を閉めてアルバムをとりに行った。
メーワクだよな。あんなもん落ちてても。
アルバムを拾って帰るといきなりクッションが飛んできた。
「政宗の馬鹿!!」
次に飛んできたのは夏樹の罵声だった。
「せっかく視界から消したのにまた拾ってきたのか!」
そう怒鳴って政宗が持っているアルバムを睨みつける。
「え…?夏樹…。」
「わざわざ俺の部屋においとかなくてもいいだろ!」
「え…と…。」
政宗は戸惑いの声をあげた。
「くそっ…。俺だって政宗の学ラン見たかったよ!」
え…?夏樹も俺と同じ…?
「つか…なに…アルバムごときで笑ってんだよぉ…。」
夏樹にだんだん勢いが無くなり声が涙声になっていった。
…?俺…笑ってたか…?
政宗はアルバムは持っていたがよく見たことが無かった。
「ごめん…。夏樹。今から学ラン着るから。」
「は?政宗!?」
政宗は夏樹の戸惑いの声も聞かず自分の部屋に入っていった。夏樹はその時落としていった政宗のアルバムに目をやりパラリとページをめくると学校生活のところに確かに笑っている政宗がいるのだ。
「何…見て笑ってんだよ…。政宗…。」
「その写真か…。」
肩に手をおかれ後ろから囁かれた。
「政宗っ…。」
振り向くと学ランを着た政宗が立っていた。ホックを外しボタンを第一まで外した黒の学ラン。肩幅と背中の広い政宗に学ランは似合いすぎだった。
「ごめんね。政宗。わがまま言って。」
キュッと政宗の袖をつかんで夏樹は言った。
これが俺が知らない3年分の政宗なんだ…。そんな思いが込み上げてきた。
「…見たい。」
「え…?」
政宗のつぶやきに夏樹が顔をあげた。
「俺も見たい。夏樹の学ラン。」
「うん!わかった。待ってて!」
いっきに笑顔になった夏樹はそのまま部屋を出て行った。それを見とどけて政宗はアルバムに目を通した。確かに政宗は微かだが笑っている。
俺…なんで笑ってるんだ??
自分でもわからない。確かカメラマンが来たのは…。そうだ、よく覚えている。モデルに誘われたんだ。そだ…。あの日は俺の誕生日だったな…。
「お待たせ!政宗!」
夏樹の声がして後ろを振り向くと白に黒のラインがファスナーのふちに沿って流れている学ランを着た夏樹が両手を広げて微笑んでいた。
長髪に学ラン。白い透き通るような肌に白の学ラン。夏樹が着るとすごく色っぽかった。
…でも俺の知らない3年分の夏樹。
「夏樹。さっきのことなんだが…。」
「え…?」
「あの写真な…夏樹からもらったシャーペン見てたんだ。あの…M・Nってイニシャル入ってる…。」
「シャー…ペン…?」
大きな瞳が見上げてくる。
「ああ、毎年誕生日にプレゼント贈ってくれてただろ?中3の時はシャーペンだった。それが嬉しくて…。」
「そっかぁ…。嬉しい!」
その大きい瞳で夏樹は政宗を上目遣いに見た。
もうだめだ…。かわいい。
「ちょっ…政宗…?んっ!」
政宗はひょいっと夏樹を抱き上げその柔らかな唇に口付けした。だらんと垂れていた夏樹の腕が政宗の首に抱きつく。
二人は夢中で唇を重ねあった。
「ん…。はぁ…。」
だんだん夏樹の息があらくなる。
「ベッド行くか?」
政宗をストンと夏樹を立たせて言うとコクンと夏樹はうなづいた。
政宗は自分が知らない3年分の夏樹が今腕の中にいるような気がした。
寝室に運び夏樹をドサリとベッドに下ろす。
「まさ…むね…?」
トロンとした夏樹はただ政宗の名前と呼ぶ。
「夏樹っ…。」
噛み付くように政宗はキスを落とす。
「今すぐしたい…。」
政宗はそう囁きズルッと夏樹の下着をズボンごと脱がした。
「あっ…!」
夏樹は政宗の後ろに手を回した。
「夏樹…。舐めろ。」
夏樹の口腔に指を入れる。最初は拒絶したが素直に舐め始めた。
「やぁ…。ん…ん。」
「もう…。俺、我慢できないよ。夏樹。」
十分馴染んだ指を夏樹の口腔から引き抜いた。
「あっ…ああ!」
夏樹の後ろに手を這わせ慣らせた指を入れる。抜き差しし始めると夏樹の息はますます荒くなった。
「だっめぇぇ…。まさむね…。」
夏樹は政宗の学ランの肩をつかんだ。
「どうした?」
「もっ…たりない…。」
それを聞いた政宗はいっきに指を引き抜き自分のものを代わりに入れた。
「あああっ!!」
夏樹は政宗に強く抱きついた。それだけで政宗は反応する。
「イくか?」
「だっめ…。政宗のっ!あああっ!!」
政宗にめちゃくちゃに攻められ夏樹はろれつが思うように回らない。
「俺の?」
「学…ランがぁ…はっ…んっ…よ…ご…れちゃうっ…。」
微かな声で夏樹は言った。
「かまわない。」
すかさず政宗は言い動き続けた。
「もっ…だめぇ!!あああっ!」
ドクンと夏樹がはじけると政宗は夏樹の中から自分のを引き抜き夏樹の白い学ランにかけるように自分もはじけた。
「これでアイコだ…。」
政宗はこれで3年分の夏樹を手に入れた。自分が知らない夏樹はいない。全て俺のものだ。
隣で疲れ果てて眠っている夏樹を見て政宗は満足そうに微笑んだ。

「おはよう。政宗…。着替えさせてくれたんだね。」
朝、夏樹は起きてすぐ政宗の姿を探した。
「大丈夫か?昨日は無茶したから…。もう少し寝てれば?」
「ううん。大丈夫。それより今日は出かけるんだろ?」
すこし夏樹は疲れたように見えた。
「考えたんだが…。今日は2人でゆっくり過ごそう。テーマパークはまた今度。」
「え〜!!」
不満そうに夏樹は声をあげたが「今度」と言う言葉が言えることがうれしかった。
「あれ?政宗…。俺らの学ランは?それにアルバムも。」
ちょっとした異変に気づいた夏樹は政宗に問い掛ける。
「捨てた。」
「はぁ?!なんで?」
夏樹は座っていたイスから勢いよく立ち上がった。
「これ以上俺の知らない夏樹は見たくなかったんだ。」
ぎゅっと夏樹を抱きしめて政宗は囁いた。
「政宗…。」
「学ランは…見たかったけど、やっぱり俺には耐えられない。」
「それじゃあ…。」
そうつぶやいて夏樹は政宗の腕の中からするりと抜け出しそのまま政宗の部屋へ入っていった。
「これも俺…見たくない。」
夏樹が手に取ったのは3年分の政宗への誕生日プレゼントだった。時計…サイフ…シャーペン…。どれもM・Nと2人のイニシャルが入っていた。
「3年も…こんなことでしか政宗と触れ合えなかった。あの頃の物。俺はこんな物見たくない。これ見て笑ってる政宗なんて見たら尚更…。」
ポロポロと夏樹の目から涙があふれてくる。
「夏樹…。」
「これからは俺がずっと傍にいる!こんな物政宗には必要ない!」
それらを握り締め夏樹は叫んだ。
「わかってるよ。俺も夏樹がいればそんな物いらん。」
夏樹が握っている物を奪い中身を出してなんの未練もなくゴミ箱に投げた。
「今から代わりの物買いに行こうか。夏樹に3年分の誕生日プレゼント買わないとだしな。」
政宗は微笑み言った。
「うん!」
夏樹は政宗に抱きついて大きくうなづいた。

「政宗。このサイフは?」
近くの商店街の雑貨屋で夏樹は大はしゃぎしていた。
「ああ、それいいな。」
夏樹が手に持っているサイフを見つめ政宗は考え込んでいた。
夏樹のプレゼントなんにしよう…?
「それ買おうかな。」
政宗はそうつぶやいた。
「あと時計だけだな〜。デパート行くか?たくさんあるし。」
「ああ。」
そうだ…。そろいの時計を買おう。
そう思った政宗は急いで会計を済ませ夏樹をつれてデパートへ向かった。この3年間夏樹恋しさになにもやる気が起きなかった政宗は金が溜まっていた。
「この時計いいな…。」
政宗はショウウィンドウの中にある黒いベルトの文字盤がシンプルな時計を指差した。
「ああ、いいんじゃない?政宗によく似合うよ。日付入ってるし…。かっこいいじゃん。」
夏樹も気に入ったようだ。
「俺これ買ってくるから外のベンチで待ってろ。あ、ジュース買っといて。俺のも。」
「ああ、わかった。」
政宗からお金を受け取り夏樹は外へ出て行った。それを見届けた政宗は店員を呼び同じものを2つ購入した。

「おいっ!夏樹じゃねぇか!」
夏樹がジュースを買っていると後ろから声を掛けられた。
「ああ、陽一。SUNいろいろやってるみたいだね。馬鹿みたいだけど。」
「黙れ。お前らなんて絶対つぶしてやるからな!そんでお前をものにしてやる!」
そう怒鳴って陽一は夏樹に手を伸ばした。
「はっ!お前のになるくらいなら死ぬよ。俺。」
パンッと陽一の手を払いのけて夏樹はすごんだ。
「夏樹っ!」
その時びっくりしたように政宗が入ってきて2人の間に割って入った。
「夏樹に触るな!」
政宗は陽一をにらみつけた。
「今に見てろよ…。」
そうはき捨てて陽一は走って消えていった。

「陽一…。」
少し走ったところで陽一は呼びとめられた。
「おう、晴彦。またせたな。」
「もう…。クィーンに突っかかるのはやめなよ…。」
すこし小さめに晴彦は言った。
「うるせぇ!!てめぇは俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ!!」
陽一は火がついたように怒鳴った。
「うるせぇなぁ…。そんなに怒鳴るなよ。」
**とばかりに晴彦が耳に指を入れる。
「お前…。今ここでやられたいか?」
陽一はそろりと晴彦の後ろをなでた。
「馬鹿か…?お前。」
晴彦は鼻で笑った。
「黙れっ!」
バシッと辺りに痛い音が響き晴彦の頬が赤くなった。
「っ…!」
陽一は晴彦の腕をひっぱり連れ去った。

「夏樹っ!?」
陽一が走り去ってすぐ夏樹も走り出した。
「まてっ!」
早いっ…。昔から足が速かった夏樹が全力疾走するといくらスポーツ万能な政宗でも追いつけない。やっとのことでマンションにたどり着きエレベーターなど使わず一気に階段をかけ上った。その時部屋の方からバタンッ、ガチャッと音がした。カギを閉められた。カギを取り出して部屋をあけようとするがなかなか鍵穴にささらない。
「夏樹っ!!」
やっとのことでカギが開き、勢いよくドアを開けた。
「ゲホッ…!ゲホッ…。ゲホッ…!ハァハァ…。」
そこには廊下に座りこみ咳き込んでいる夏樹の姿があった。夏樹は昔から足は速かったが体力がなかった。
「大丈夫かっ!?夏樹!」
肩を掴み顔を覗き込んだ。
「ぐっ…。ハァ…ハァ…。もっ一人にしないって言った…じゃん…。」
「ああ、ごめん…。夏樹疲れてるように見えたから…。」
なんとなくそんな言葉が口から出た。
「そんな…事…気にしなくていいから…。ケホッ…傍にいて…。」
涙でぬれた瞳で見上げて夏樹は言った。
「俺が悪かった…。ごめんな…夏樹。わかったからもう話すな。つらいだろ…?」
自分がどんなに馬鹿だったかを思い知った政宗は言った。
「う…ん。ハァ…。」
返事をしたのを聞いて政宗は夏樹をリビングのソファに座らせた。
「飲め。」
そう短く言い切って水を飲ませた。水を飲んですこし落ち着いた様子の夏樹を見て政宗は少しだけほっとした。
「無茶するからだ。俺心配して心臓止まるかと思った。」
「ごめ…ん。政宗。」
夏樹はだんだん呼吸のリズムを取り返してきた。
「落ち着いたか…?」
「ああ、なんとか。こんなに運動したの久々だったしな。」
そうか…あっちでは夏樹は一切派手なことは出来ずにだたひたすら虚勢を張って生きていたんだ…。
「がんばったな…。」
「いや、これからだよ。俺は政宗と全てを手に入れるよ。」
するりと政宗のうしろに手を回し耳元で囁いた。
「俺もお前を離さない…。」
政宗も夏樹の耳元で囁いた。
「離されるもんか…。」
お互いの唇をギリギリまで近づけて囁き合いついばむだけのキスをした。
「そうだ…夏樹。3年分のプレゼントだ。」
ごそっとカバンから細長い箱を取り出した。
「わっ…。これ…俺に…?高かっただろ?」
夏樹の瞳が輝く。
「気にすんな。」
「そう?あっこれイニシャルつきだよ!」
「店員がほってくれたんだ。俺のとそろいなんだぞ。」
自分のうで時計を見せた。
「じゃあ交換しよう。そのほうがロマンチックじゃん。」
「そうだな。」
政宗がうなづくと夏樹は政宗の腕から時計をとりN・Hの時計をつけた。
「政宗。はめて。」
夏樹はずいっと自分の腕を政宗に突き出した。それに無言で政宗は時計をつけた。それを見た夏樹は満足そうに微笑み政宗に抱きついた。
「政宗…もっ離しちゃ…ヤだよ…。」
耳元で聞こえる夏樹の声は少しだけ鼻声に思えた。
「泣いてるのか?」
「ううん。でも俺3年前にくらべて弱くなってるかもな…。」
「仕方ないさ。1人はいやなんだろう?」
「うん。政宗がいなきゃだめ。」
夏樹の唇が政宗の唇に落ちてくる。
「夏樹っ…!」
その唇ごと抱きしめソファに押し倒した。

そっと夏樹をベッドに寝かせた。夏樹は規則的な寝息をたて眠っていた。
いつもこうだ。政宗は夏樹の後始末をし。衣服を着替えさせるのが日課になっていた。
「夏樹…。」
そっと口付けする。そしてこれも日課だ。
確かに…夏樹は3年前とくらべて弱くなった。でもその分自分がたよりにされるので嬉しい。今でも…別れた日のことはまざまざと覚えている。あれほど泣きそうになったことはなかった。
夏樹には初めて会ったとき一目ぼれしそれからずっと傍にいた。成長しても気持ちは変わらなかった。それどころかどんどん好きになった。ずっと一緒にいたくて中学では学年1位をキープし続けた。
「俺も…お前と全てを手に入れるよ。」
そう政宗はつぶやいてベッドに入った。

「おはよ〜。」
次の日、夏樹と政宗はいつも通り教室に入った。
「あっおはよ。クィーン。キング。」
いつもと変わらず晴彦が明るく答えた。
「あれ?将也は」
夏樹がカバンを置きながら晴彦に聞いた。
「ああ、まだ来てないよ〜。」
「おはよ。」
その時ガラッとドアが開き将也が入ってきた。
「おはよ〜。将也。」
「おぅ。おはよ…晴彦…?!」
あいさつした晴彦を見たとたん将也は目を見開いた。
「どうした?将也。」
晴彦が不思議そうに尋ねた。首までかしげている。
「おまっ…チッ!ちょっと来い!」
ぐぃっと晴彦の腕を引っ張ると同時に将也は走り出した。
それを見た夏樹と政宗は首をかしげた。

「ちょっと!なんだよ!将也!」
どんなに振り回しても将也の力は弱まらない。連れて来られたのは保健室だった。
「なんで保健室なんだよ!」
中に入ると保健医はいなかった。
「頬ちょっと腫れてる。顔色悪い。寝不足だろ。」
ビシッと将也は言い放った。
「なんで…。」
なんでわかったんだ…?
「いつも一緒にいるだろ。それくらいわかる。」
「そりゃすっごい観察力だな。でも大丈夫だよ。教室に…。」
「寝ろ!」
強く言った将也は晴彦を後ろにあったベッドに押し倒した。
「お願いだから…休んでくれ…。見てられないんだ。」
今にも泣きそうな顔と声で将也は言った。
「そんなに俺が心配か?」
「あたりまえだろ。」
即答で返ってきた。
「俺が…なんで寝不足か…頬が腫れてるかわかってんだろ?」
ふっと疲れたような笑みを浮かべて晴彦は言った。
「陽一だろ。あいつ…殺したい。」
「だから…なんで…?」
そう晴彦が問いかけると将也の腕が少し震えた。
「陽一が好き…なのか?」
「まさか。ジョーダンじゃない。あいつの機嫌がこれ以上悪くなったら困るからな。抵抗しないんだよ。それに…陽一には恋人がいる。」
「お前は…それでいいのか?」
「よくないさ。だから…初めてこうなった時陽一にいったんだ。『体は貸してやるが心まではやらん。』って。」
将也は眉間にしわを寄せ、同時に晴彦を抱きしめた。
「もっ…俺…許せない!あいつのこと…。」
将也は激しく揺れていた。
「なんだよ。将也。泣いてるのか…?」
「うるせぇ!俺は…お前が好きなんだよ!」
「は…?」
晴彦はまぬけな声を出した。この答えは予想外だった。
「だからっ…お前の心を俺にくれ…。」
「将也っ…?」
強いっ…。おしのけられない。顔…見たいのに…。
「本気だぞ。ずっと好きだった。晴彦のこと。」
「将也…お前は巻き込みたくない。」
俺も…お前が好きだよ。って言いたかった。でも…好きだから…言えなかった。巻き込めない。将也はこの世界にはふさわしくない。

[600] チェスゲーム1,2を読んで
氷河・S - 2004年06月27日 (日) 22時26分

キャラの設定を一番上に書く事で、キャラがどんな人物なのかを
分かりやすいようにしてありますね。
けれど、折角の設定を生かされていないような気がします。
キング〜は少しだけ出ているのですが、
医療系の〜についてが書かれていませんので、それにも関係した
内容で最初から最後を統一すると良いかも知れませんね。

あと、改行や間隔を開けると読みやすいと思いますよ。
がんばって最後まで書いて下さいね。



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