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BL小説鍛錬場


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[520] 泪雨
徒川キセル - 2004年05月11日 (火) 20時30分

 晴れた日は天高く空も抜け日は優し。


 漢詩の授業で習いませんでした?と問い掛けたら、
んなもん忘れたよ、とひどく快活な笑みが返ってきた。
「え、お前今古文誰に習ってんの?」
「あの、田中です。いつもベージュのスーツ着てる」
「――ああ。あいつ」
 問い掛けに答えればすぐに顔が思い浮かんだのか、
ちょっと可笑しそうに一言。
「バーコードにしては、いいこと言うじゃん」
 俺その詩ちょっと好きだな、と言いながら静かに空を
見上げたまま、ワックスで逆立てた髪が揺らいでも、
一切そこを動こうとしない。
 新先輩は、そういうひとだった。

 そもそも今日はバスケ部インターハイ終了記念の
打ち上げ……というか、敗退残念会みたいなもので、
丁度時期的に先輩達のお別れ会にもあたった。
 三年の先輩にメッセージを書いたボールを渡すのは、
翌年からバスケ部をしょって立つ二年生の役目で、
俺は日頃から親しくしていた新先輩に古びたボールと
小さな花束を渡してきたばかりだった。

 男泣きに泣いた先輩もいれば大学への推薦が決まった先輩も
いて、何ともひとそれぞれに終わったその会であったけれど、
何故か俺達は部室棟から少し離れた野外のバスケットコートに
誰に言われるでも無く居残りを決め込んで。
 それから二人、こうして空を眺めているのだ。
 終わりの無いその行為を続けることに、
果たしてどんな意味があるのか。
 ――それは俺にもわからなかった。

「……先輩?」
 未だに空を眺めきりだった先輩は、声をかければ
うっすらとした微笑みと共にこちらを向いて。
「――首、疲れませんか?」
 ずっと上見てて。
 そう問いかけても、新先輩は小さくくいっと
口端を持ち上げながら、いや、と首を振るだけだった。
「こうしてたいから、いいんだって」
 ――なんでも、そんな訳らしい。
 先輩がいつまでもそんなことをしているから俺も何だか
立ち去りがたくて、首の筋が痛んでくるのにも構わず空を見る。
 晴れ晴れと澄みきった、夏の終わりの空を。

「このままじゃ、日が暮れちまいかねねぇな」
 確かに先輩の言う通りで、俺は思わず軽く噴き出してから、
ぐるりと首をまわして言葉を続ける。
「ってゆーか、ハタから見たら絶対おかしいっすよね。
男二人、コートで立ちっぱなんて」
「……良いじゃん。何か青春ぽくて」
「ハハハ、青春!」
「そ、青春」

 二人で馬鹿みたいに恥ずかしいこと言って
馬鹿みたいに笑って。
 それなのにどこか、いつまでも二人そうして
いられそうな雰囲気だった。
 そこには何の邪魔だてもなく、寧ろどこか
心地良すぎる空間。
 吹いた風にさらわれてもまた自然に生まれ出てくる
静けさが、俺達の心を自然穏やかなものにしていった。

「――――雨、降らないかな。雨」
 唐突に先輩が言い出して、俺はびっくりした勢いで
そのまま目を見開く。
「……こんな天気良い中で、雨っすか」
「そ」
「……どーしてまたそんなこと?」

「だって何だか切ねェから」
 問い掛けた俺に向けられた、ひどく曖昧な笑顔は、
それこそ今にも風に溶けて流されてしまいそうに見えた。

「泪雨だぜ泪雨。何だか詩的で良いよな」
「――――でもそれだったら俺ら、とっとと帰らなきゃいけない
じゃないですか」
「あー、それも嫌」
 俺が渡したボールを手の中で弾ませながら、先輩は
じっとこちらを見つめていた。

「……そしたらもう確実に雨だね。俺保証しちゃう」

「――――先輩? 何か言いました?」
「いや、なんにも」
 空はいつまでたっても曇り無く、俺達を見下ろし続けていた。
 お陰で帰るタイミングを失って、いつまでもいつまでも
このひとと、ふたり。

「――――あーあ、切ねェの」

 呟いた先輩は腹いせのように手の中のボールを投げつけながら、
どうしようも無い位にやるせなくそう呟いた。
 
 
 晴れた日は天高く空も抜け日は優し。
 雲も無く、雨も無く、只君だけが現(うつつ)であるが如く。


 俺は唐突に例の漢詩の続きを思い出して、
それを先輩に教えるか否かと、受け止めたボールを放りながら
逡巡していた。

[521] お久しぶりです。
徒川キセル - 2004年05月11日 (火) 20時35分

以前ちょっかいかけて下さった方、お久しぶりです。
そうでない方は初めまして。徒川です。

Chara用の原稿の校正があまりにしんどくて(^-^;
息抜きに来させて頂きました。
ボーイズラブであるかどうか線引きが微妙な感じ
なのが自分でも引っかかっているんですが……。
ご指導・感想、頂けると嬉しいです(礼)

[522] お疲れ様です
波瀬 隼 - 2004年05月11日 (火) 22時54分

私も投稿用原稿から逃避して来ました。山場に差し掛かっているお仲間は多いみたいですね。
それでも手加減はしません。お覚悟。

上手いんです。
回想の挿入、視線の移動、象徴的なアイテム、1行目のツカミ等々。もちろん文章も。
もう少し感情を見せて欲しいとは思うのですが、それは置いといて…
気になるのは、やや技巧的、過剰気味、に傾きかけていること。
ちょっと懲りすぎ。…とまではいかないまでも、それが原因で読みにくくなってしまうことがあるので。
もし、Chara投稿までに時間があるのなら、意識して文章は平易に書き直したほうがいいです。
難しそう、と感じさせてしまったら、それだけで不利ですから。

では、さっき置いておいたものを。
ワンシーンのイメージだけで起承転結まとめるのは上手いんですが、それだけで終わらないで欲しいです。
徒川さんだけじゃないんですけど、中身が詰まってないと、いくら形が出来上がっていても投稿上位狙えませんから。
自分が何に萌えてるのか、手ごたえをつかめるようなものをぶつけてください。

辛口でよければ、私はウマヘタ関係なくお相手します。

[523] 投稿がんばってください。
ちゆき - 2004年05月12日 (水) 00時39分

こんばんは。
昨日「救いようなど〜」の感想を書いた、ずれまくっているヤツですが、徒川さんは気になっている方なので、またご挨拶させていただきます。

うーん、お上手です。労せずに二人の絵が思い浮かび、新先輩をよしよししてあげたくなりました。好きですね、こういうの。

と書いておきながら何ですが、少し技に走っているなという感じはやはり受けました。あまりこれが過ぎてしまうと、鼻についてしまうので(←おお、えらそう。お許しください)、うまく踏みとどまってくださいませね。
息抜きということなので、投稿作品はまた違うかもしれませんけれど、いろいろなところがもうちょっとだけはっきりくっきりしていてもいいかなと思いました。

ところで、「俺」君のお名前、よかったら教えてください。

[529] お互い大変ですね…!
徒川キセル - 2004年05月12日 (水) 18時30分

波瀬さん、こんにちは!
原稿でお忙しい中、お手討ち有難うございました!(笑)

お褒め頂いて有難うございます!
そして言われてしまいましたね…技巧への傾き……;
実は昔から吉本ばななさんの書かれるような純文学
が好きで、だけどやっぱり書きたいのはBLで……と
思い悩んでたんです;
(Chara投稿を思い立ったのも、一番そういう(純文学的な)
カラーが受け入れられやすいからかなぁと思った
からでして……)
やっぱり平易にした方が良いですか……。
こういう雰囲気でやっていきたいなぁ、と思っては
いるんですが、やはり難しいですよね……。

原稿の方も、意識して色々弄くってみようと
思います(*^-^*)


中身について。
基本的に、文章を書く時はどうしても雰囲気重視に
なってしまいがちで、どうもそこが疎かになってしまう
みたいです……(苦)
そもそも長編をあまり書いたことがないというのも
多分にあると思うんですが、これからガンガン修行して
いきたいと思います……!

萌え、についても……書く上では、
すっかりほっぽりだしていたような気がします。
失態でした……!
やはりBLには欠かせないものですし、
今度からはもっとそういう感じを明確化させて
書いていきたいなと思います。


やはりビシッと言って頂けると、今後の方針も
はっきりと見えてきますし、良いですね!!
有難うございました!
これからも宜しくして頂けると嬉しいです(礼)

[531] 重ね重ね、有難うございます!
徒川キセル - 2004年05月12日 (水) 18時49分

前作の方にも、速攻レス入れさせて頂きました!
しかも、何だか気にして頂いてるようで……!(ドキドキ)
重ね重ね、有難うございます(*^-^*)

『新先輩をよしよししてあげたくなりました。』という
1文に、もの凄く喜んでしまいました…!
小説を書く上で大切なことのひとつに、
読んで下さっている方に、どれだけキャラクターを
愛おしんでもらえるかっていうのがあると、
勝手に思っていたものですから……。

技に……やっぱり走ってますか……。
ご忠告有難うございます!
文章を書き始めてからほとんどこのテイストで
やってきているので、こだわりたい所ではあるんですが、
そのせいで読みにくくなったり、
作品が良くないものになってしまったりしたら、
何の意味も無いですもんね(^-^;

前作に続いてやはり課題は具体性……!!
ご指摘有難うございます。
どうにもドリー夢の世界に羽ばたきがちな人間なので(危)
時々現実性の大切さを突き付けて頂くと
とても励みになりますよ!!


「俺」の名前は……正直考えてませんでした(苦笑)
生みの親失格ですね(^^;
うーん……それじゃあ……「和巳」とか、どうでしょう?
もしくは「圭一」とか……。
うーん、どちらの方がピンときますかね〜……?

ネーミングひとつとっても、キャラの雰囲気を表せている
かとか、重要なポイントですもんね。
思いもしなかったところにもツッコんで頂きましたし(笑)
どうも有難うございましたー!!



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