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[730] 純情同士のおつき合い
佐渡 要 - 2004年09月04日 (土) 21時03分

 千歳はマンションから続くなだらかな坂道を一生懸命バス停まで駆け下りていた。今日はあの子に会えるだろうか。千歳にはそればかりが気になって仕方がなかった。

 話は先週の金曜日に遡る。千歳が部活を終えて帰宅しようと下駄箱を開けたとき、ひどくかわいらしいデザインの封筒が靴の上に置かれていた。
 千歳はその手紙を見て一体自分の身に何が起こったのか全く把握できなかった。慌てて下駄箱のドアを閉め、自分のネームプレートがドアに貼ってあるのを確認する。そして周囲を見回すと再びドアを開け、靴の上に乗っている封筒に手をやった。
 この場で開けたい気持ちに駆られるが、クラスメイトの誰かに見つかったら何を言われるか分かったものじゃない。なので、人気の少ない旧校舎の方へ行き、緊張のあまり震える手で封筒を開ける。と、中には便せんが一枚入っていた。
 手紙を開いてみると、そこには可愛らしい文字が踊っており、明らかに女の子が書いたような印象を与えるような文字であった。内容はこうである。
『新入生歓迎会の時初めて先輩を見て、好きになってしまいました。家も近所みたいなんで、一緒に登校したいな。バス停で待ってます。 ゆき』
 千歳は文面を見て『ゆき』なる人物に一気に一目惚れしていた。顔も学年もどのクラスの子かも全く分からないのにである。おそらくこういったことに慣れていないから、免疫が全くないせいであろう。千歳は彼女に会いたい一心で坂道を駆け下りていく。
 10メートル、5メートル、そしてバス停に到着。軽く息を整えて辺りを見回すと、新聞を読んでいるサラリーマンが一人に、他の学校の生徒が数人、そして自分と同じ制服を着ている少年が一人。
 −どこかな?ゆきさん・・・・
 きょろきょろと見回してみるが、自分の学校の制服を着た女の子は見あたらない。
 もしかして早く来すぎたのだろうか。腕時計を見ると、いつもの時間よりはバス3本分くらい早い時間である。
 千歳は『ゆき』が現れるまでバス停で待ってみることにした。ただ今の彼にとって一番の懸案事項は双子の兄である。もし彼らに『ゆき』と会っているところを見つかってしまったら、後で何を言われるかたまったものじゃない。だからこうしてなるべく早く家から出てきたのだ。
 千歳にとって、自分より2つ年上の双子の兄−千隼と千波−はこの世で非常に最凶最悪な兄達であった。二人はモデル並にスタイルが良くて、嫌みなくらいに頭脳明晰、容姿端麗で、常に女性に黄色い声で騒がれるタイプであった。
 逆に千歳の容姿は美麗な兄達と本当に血が繋がっているのかと疑うくらい、全くもって正反対な容姿の持ち主で、百九十近い長身で全体的に筋肉質の体つきをしており、顔はよく言えば精悍で男らしい顔つきをしているのだが、あまり女性が黄色い声で騒ぐようなそんなタイプの顔ではなかった。
 千歳にとって何故双子の兄達が最凶最悪なのか。それは彼らの性格によるものであった。彼らは類い希なる容姿とは裏腹に、大変苛烈な性格をしており、千隼は端麗な顔立ちで暴言を吐き、大変荒々しい振る舞いで千歳に接し、千波は怜悧な表情で千歳に対して常に冷酷な眼差しで嫌みを連発するといった有様である。
 まるでシンデレラと義理の姉のような関係、それが千歳と千隼、千波の関係であった。こんな調子だから、もし『ゆき』なる人物と千歳が一緒にいる所を双子の兄たちに目撃されでもしたら、千隼からはありとあらゆる暴言を、千波からは冷淡で酷薄なまでの皮肉のこもった嫌みを延々と言われるに違いない。
 千歳は自分の想像に我ながらぞっとして、落ち着かない様子できょろきょろと辺りを見回しているうちに、バスがやってきた。もちろん千歳はバスを見送る。サラリーマンと女生徒達がバスに乗っていくなか、自分と同じ高校の制服を身につけた少年は何故かバスに乗らない。
−あれ?
 千歳は彼の様子に少しだけ疑問を感じる。彼はさっきから腕時計を見たり、ズボンのポケットに手を突っ込んだり出したりと落ち着きがない。烏の濡れ羽色の少し長めの髪をかき上げ、乗客を乗せたバスが走り去っていく姿を所在なげに見送ってからバスの時刻表を見やり、ため息をつく。その一挙手一投足が絵になっていて、彼を見る人全てが思わず見とれてしまうくらい様になっていた。
 しかし例外はいるものである。美にことさら鈍い千歳は全くその完成された美に気付くことなく、単に彼も誰かを待っているのだな、くらいにしか思っていなかった。
 彼はしばらくぼんやりと車道を見やっていたが、ふいに自分を見つめる視線に気付き千歳の方を見やる。そしてその後まるで十何年も待っていた恋人に再会したかのようなそんな微笑みを浮かべると、一気に千歳の方へと駆け寄ってきた。
「御影千歳先輩ですよね?」
 細い肩で息をしながら、自分よりもはるかに上背のある千歳を見上げ、少年はにっこりと微笑む。千歳は突然のことに状況を把握できずにしばらく呆然と彼を見つめていたが、
「そ・・・そうだけど、君は?」
 しどろもどろの口調で彼にそう問いかける。少年はにっこりと見る者全てを魅了するかのような極上の微笑を浮かべると、
「僕、先輩にお手紙出した『ゆき』です。1年B組の高山柚木也といいます」
 そう言って礼儀正しく千歳にお辞儀をする。
−え・・・・ちょっと待ってよ・・・・
 目の前にいる少年の言葉に、千歳の思考が混乱する。自分の下駄箱にあったあの手紙の主は『ゆき』という人物だ。明らかに女性を思わせる可愛い文字、そして極めつけの女性しか使わないであろう可愛いレイアウトの便せん。どう考えても差出人は女性としか思えない。しかし自分の目の前でにこにこ微笑みながら立っているのは、容姿端麗な、カテゴリでいうなら美少年という部類に入る少年だ。しかも自分と同じ学校の真新しい男子生徒用の制服を身につけている。
「え・・・と、本当に手紙をくれた人?」
 何を今更と思うが、確認のために聞いてみる。願わくは、自分の聞き間違いで、かつ人違いであって欲しいと心の底から願う千歳であったが、彼の僅かな希望は柚木也の一言で一気に無惨にもうち砕かれてしまった。
「先輩に手紙出したのは僕ですよ。新入生歓迎会の時、先輩が柔道部の紹介で色々技を見せてくれましたよね?僕その時に先輩の柔道着姿と男らしさに・・・・」
 そこまで言って、柚木也は白磁のような頬にさっと朱を走らせると、恥ずかしそうに俯いてもじもじと制服の上着の裾を掴む。
「あ・・・あの、そのっ・・・・僕なんていうか、せ・・・先輩のこと・・・・」
「ちょ・・・ちょっと待って!!」
 慌てて千歳は彼の言葉を制すると、うなじまで真っ赤になって俯いている柚木也を改めてまじまじと見つめる。
−どうしたらいいんだろう
 こういったシチュエーションには慣れていない千歳である。ましてや相手は千歳が夢見ていた女子生徒ではなく、容姿端麗な男子生徒である。容姿だけ見れば艶やかな黒髪に長めの睫に縁取られた漆黒の大きめの瞳という、まさに文句なしの容貌である。その漆黒の濡れたように光る瞳がおずおずと自分の顔を見つめる。
「あの・・・先輩」
 潤んだような光を宿した目に見つめられ、千歳はさっきから自分の鼓動が早くなり始めていることに気付く。
−変だ・・・・何でこんなにドキドキしてるんだろ・・・
 柚木也の醸し出す何とも言えない魅力。黒目勝ちの潤んだ瞳は見る者全てを魅了するかのような、そんな不思議な魔力を持っていた。
 千歳は柚木也の魅力に取り込まれそうになるのを必死で堪えると、自分を見つめる柚木也の瞳を真っ直ぐに見つめ返し、
「と・・・友達になりたいんだよね?」
 笑顔を浮かべてそう言うが、努力しても笑顔が引きつってしまう。そんな千歳を見る柚木也の顔は心持ち少し悲しそうに見えて、千歳は余計に慌ててしまう。
−どっ・・・・どうしよう・・・・
 こういうとき双子の兄達ならどう対処するだろうか。きっと相手を悲しませることなく、上手く器用に立ち回ることだろう。だが千歳は手先は器用なのにこういったことには不慣れな上に不器用な質である。だから目の前にいる少年を傷つけてしまう。
「あの・・・迷惑でしたよね。いきなりこんなこと、しかも男に言われて・・・」
 口元にほっそりとしたしなやかな指先を当て、より一層悲しげな表情で千歳を見上げる。その仕草がまたやけに絵になって、千歳はさらに戸惑ってしまう。
「そ・・・そんな、迷惑とかそんなんじゃないから」
 慌ててそう言うと、千歳は大きく息を吸い込んでから吐き出し、
「ただちょっと驚いただけで・・・。とりあえずまずは友達から始めようか」
 今度は引きつらずに普通の笑顔を見せることができた。千歳の笑顔に柚木也悲しげに曇った表情が一気に明るくなると、
「僕嬉しいです!!あのっ、これからも一緒に登校してもいいですか?」
 嬉々とした表情でそう言う柚木也に、千歳は心なしかほっとした表情をすると、
「朝練の時はバスの時間が早くなるから、それ以外ならOKだよ」
「はいっ!!分かりました!!」
 心の底から幸せそうな表情を浮かべる柚木也に、千歳は「まいったな」と頭をかくが、でも可愛い弟ができたようなそんな気がして少し幸せな気分になる。
−ま・・・・こういうのもありかな
 千歳が待ち望んでいた彼女ではないが、自分をここまで慕ってくれる人がいるというのは気持ちがいいものである。
 自分に向かって愛くるしい微笑みを浮かべる彼の姿に、千歳は幸せそうな笑みを浮かべると、一緒にバスに乗り込んだ。これから朝の通学が楽しくなりそうな、そんな予感がして、千歳は自分よりはるかに低い位置にある黒髪の頭を見て人知れず笑みを浮かべるのであった。
 
 「・・・・・あの」
 バスのつり革に捕まりながら、柚木也はおずおずと言葉を紡ぐ。
 バスは気だるげなエンジン音を響かせながら、朝の道路をのろのろと走っていた。
 唸るようなエンジン音のせいで、千歳は柚木也の声が聞き取れなかった。だから柚木也の方に顔を寄せて「何?」と問い返す。そんな何気ない千歳の仕草に柚木也は一気に顔を紅潮させると、
「え・・・・えっと、先輩は憶えてらっしゃらないかもしれないんですけど・・・・」
 と、しどろもどろな口調で口ごもるように言う。千歳は柚木也が一体何を言いたいのか全くもって見当がつかず、怪訝そうな表情をしたが、黙って彼が次の言葉を続けるのを待つ。
 柚木也は俯いたまま小さな身体でつり革に掴まりながら沈黙していたが、ふいにバスがブレーキをかけたお陰で、思いっきりバランスを崩して千歳の方に倒れ込んでしまう。
「大丈夫?」
 千歳は自然な動作で彼の華奢な身体を抱きとめると、そっと柚木也に優しい声で尋ねた。柚木也は千歳の腕の中にいるという状況を一瞬把握できず、呆然としていたが、ふいに自分の身体に触れる優しい温もりに気付いたのだろうか、一気に顔を紅潮させる。
「す・・・・すいませんっ!!!」
 慌てて身体を起こして千歳から離れようとするが、揺れるバスの中でさらにバランスを崩してしまい千歳の腕の中にしっかりと抱きとめられる格好になる。
−ん・・・・・?このシチュエーションって、前にもあったような・・・・?
 千歳は彼の華奢な身体を抱きとめながら、ふと過去にあった出来事を思い出す。確かあれは千歳がもうすぐ中学3年生になろうとしていた頃のことで、桜のつぼみもふくらみ始め、そろそろ咲くであろうという時期のことであった。

−確かあの時僕はいつものように夕飯の買い物に出かけていて・・・・
 マンションから続くなだらかな坂をのんびりと歩きながら、千歳はスーパーの特売のチラシに踊る価格と兄達からの過酷なオーダーを照らし合わせてひとしきり頭を悩ましていた。
 なだらかな坂を下りきって、住宅街から少し歩いた所に広い大通りが見えてくる。千歳はいつものように大股でゆったりとした歩調で歩いていた。
 大通りに出たとき、千歳からおよそ数歩離れた距離にには同じく一人の少年がのんびりとした歩調で歩いていた。少年は俯いたまま黙々と歩き続けており、交差点にさしかかったとき、歩行者信号が点滅して赤に変わったことにまるで気付いていなかった。
−危ない!!
 千歳は強靱な足で一気に駆け出すと、少年の腕を掴んで自分の方へと抱き寄せる。まさしく間一髪で、少年の前を大きなダンプカーが抗議のように派手なクラクションを鳴らして砂埃を巻き上げ走り去っていった。
 驚きのあまり呆然とする彼の身体を抱きながら、千歳は「大丈夫?」と彼に問いかけた。その言葉に少年は言葉を発する代わりに、自分の方を大きく見はった黒目勝ちの瞳で見上げる。その時の彼の顔は、どことなく柚木也に似てはいなかっただろうか。

 「あ・・・・あの、先輩」
 耳まで真っ赤になりながら彼の腕の中で小さく言葉を発する柚木也の声に、千歳は追憶の時から現実の世界へと引き戻される。
 千歳が柚木也の顔を見やると、柚木也は再び何か物言いたげな表情で長い睫に縁取られた黒目勝ちの瞳を千歳の方へと向けていたが、やがてぽつりと言葉を呟いた。
「あの時・・・・こうして先輩に助けてもらったこと、ありましたよね。僕、先輩にこうして抱きとめてもらったときから、ずっと先輩のことが気になってて・・・・」
 そこまで言って柚木也は再びゆでダコのように顔を赤らめる。
「君・・・・もしかしてあの時の・・・・」
 千歳がおそるおそる尋ねると、柚木也はあからさまにさらに顔を紅潮させる。あまりにも素直すぎる彼の態度が、過去に起きたあの出来事が柚木也と千歳との間に起こったことであるということを肯定していた。
 柚木也ははにかむように顔を赤らめながら微笑みを浮かべると、
「こうして、先輩とまた会えて嬉しいです。新入生歓迎会の時、壇上にいる先輩があの時の人と同じだってことに気が付いた時、本当に嬉しくて・・・・」
「そ・・・・そうなんだ・・・・」
 話が妙な方向に進み始めたことに鈍いながらも薄々感じ始めた千歳は、口ごもるように柚木也の言葉に相づちをうつ。そんな千歳の様子に柚木也は再び少し悲しげな表情を浮かべると、
「あ・・・・あの、僕先輩に憧れてるんです。初めてお会いしたあの時から。すごく男らしくて、かっこよくって、それにすごく優しいから・・・・」
 そう言って照れたように微笑むと、千歳から視線を外して俯く。そんな彼の仕草に千歳の胸が何故か小さく疼いた。
−さっきからどうしたんだろう・・・・
 千歳の心に起こる、小さな変化。しかし千歳にはその正体が全く分からなかった。ただ、千歳は柚木也が自分の態度や言葉で傷ついてはしないかと、それだけが心配だった。
 千歳はふっと優しげな笑みを浮かべると、
「君の気持ちは十分嬉しいよ。いい友達になれそうだね」
「・・・・・はい!!」
 千歳の言葉に一瞬だけ寂しそうな、そんな表情を浮かべる柚木也だが、それでも彼は嬉しそうだった。千歳も柚木也に向かって再び優しく微笑み返すと、そっと彼の身体を起こしてやる。
−変だな・・・・
 さっきから千歳の鼓動は高鳴りっぱなしだ。柚木也の花がほころびるかのような微笑、自分を真っ直ぐに見つめる長い睫に縁取られた黒目勝ちの瞳、そして男を感じさせない華奢な身体。そのどれもが千歳の心を千々にかき乱していた。
 千歳はそっと自分よりも低い位置にある黒髪の頭を見やる。自分に対して純粋な好意を示す柚木也。千歳は最初『可愛い弟』くらいにしか思っていなかったのだが、その感情が今となってはかなり危ういものに変わりつつあった。
−まさか・・・・本当に僕は高山君のことが・・・・?
 まじまじと彼の繊細な横顔を見つめる千歳。詰め襟の学ランからのびるしなやかな白い首筋がやけに眩しい。
「・・・・どうしたんですか?先輩」
 自分を見つめる視線に気付いた柚木也が、千歳の方を向いてにっこりと微笑む。その笑顔のあまりの愛くるしさに、千歳は目眩を起こしかけていた。
−と・・・・友達なんだから
 自分にそう言い聞かせるように心の中で呟くが、それくらいで千歳の高鳴る胸が治まるわけがない。
 千歳の内心の葛藤を知ってか知らずか、柚木也は相変わらず愛らしい微笑みを浮かべたまま、
「こうして先輩と一緒のバスに乗って通学できて、僕幸せです」
 そう言った。その言葉は千歳の心を完全に狂わせるには十分すぎる言葉であった。
 千歳はごくり、と生唾を飲み込むと、車窓に視線を向けたままぎごちない口調で言い放った。
「い・・・・一緒に柔道部に入らない?選手としてでもいいし、マ・・・・マネージャーとしてでもいいから」
「・・・・・?」
 一瞬何を言われたのか分からず、柚木也はきょとんとした表情をしていたが、千歳の言わんとしていることが分かったのか、にっこりと心底嬉しそうな微笑みを浮かべると、
「僕・・・・柔道部に入部したいです。入部したら先輩と毎日一緒に通学できるから」
 そう弾む声で答える。千歳は柚木也の返答が何故か純粋に嬉しかった。朝練のある時以外という限定付きでなく毎日通学できる。放課後も一緒に帰れる。柚木也とほんの少し時間を共有出来る。それが今の千歳には純粋に嬉しかった。
「僕・・・・頑張ります。先輩と一緒に練習できるように」
 長い睫に縁取られた黒目勝ちの瞳が、千歳を見つめる。その瞳に映る自分の姿を見て、千歳は何故だか分からないが無性に嬉しくてしかたがなかった。自分を真っ直ぐに、純粋な想いを込めて見つめてくれる存在。その存在が千歳をさらに幸せにする。
−そうだ、僕はこの子のことが好きなんだ
 お気に入り、という部類に入るのだろうか。恋愛感情に似て、でも非なるもの。
 だが、そんなことはどうでもよかった。柚木也の笑顔を、柚木也の存在を毎日感じることができる。ただそのことだけが単純に嬉しかった。
「頑張ろうね」
 千歳は柚木也にそう言って、優しい微笑みを浮かべた。
−今日は一日中幸せに浸れそうだ。
 不安定に揺れるバスの中、千歳は一人幸せそうな笑みを浮かべるのであった。
 

[732] はじめまして
佐渡 要 - 2004年09月04日 (土) 21時19分

勇気を出して初投稿させていただきます。
今まで自分の書いた文章を見てもらえる機会がなかったので、
指摘してくれる人もなく、自分の実力が分からずじまいでした。
文章、ストーリー、人物描写等、厳しいご指摘、アドバイス等、よろしくお願いいたします。

[739] アドバイスありがとうございます
佐渡 要 - 2004年09月07日 (火) 01時23分

今まで小説を色々と読んできたのですが、そこまで深く読んでなかったですね。大変お恥ずかしい限りです。
ご指摘を受けて改めて自分の文章を読み返してみたのですが、確かに大変読みづらい文章でした。字が詰まっている部分が多すぎるので、もう少し改行するなりなんなりの工夫が必要でしたね。
あと、ストーリーに関してですが、改めて読み直すと起承転結の起で終わっているとのご指摘、確かにその通りだと思いました。
今回睦巳左菜さまから受けたご指摘を心にとめて、他の方の作品を読んだり、作家さんの作品を読んだりするときは、もっと注意深く読んでいこうと思います。あと自分の作品に関しては何度も推敲することを忘れないようにします。
アドバイス本当にどうもありがとうございました。

[804] 修正稿です
佐渡 要 - 2004年12月03日 (金) 23時02分

前回ご指摘を受けた分について修正を加え、再びアップさせていただきます。
タイトルについても「熊と美少年」から「純情同士のおつき合い」というタイトルに変更させていただきました。
改めてご指摘ご指導お願いいたします。



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