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[631] 君がくれたモノA
少年少女 - 2004年07月16日 (金) 14時34分

「君がくれたモノ」


『渚はさ、天国とかって信じてる?』
『何でそんなこと聞くの?』
『何でって言われても……困るけど』

『僕は…信じない。人は死んだらそれで終わりなんだから』

『渚?』
『薫にはちょっと難しいかな』
『俺は…………俺は――』







渚が亡くなって一ヶ月。
毎日が悲しくて、渚が死んだ事を受け入れられずにいた。
この前まで隣にいて笑っていてくれた渚がいなくなるなんて、思いもしなかったから。
いつまでも、ずっと一緒にいられると思ってたから。
大切な人を失う事が、こんなにも悲しいなんて…。
渚は両親を失って、どれだけつらい思いをしてきたんだろう。
一人で…寂しくないなんて事ないはずなのに、渚はいつも笑ってた。
俺は笑えないよ……渚。

俺は渚が死んでから、暫くは学校に行かなかった。
いけなかった。
学校には渚との思い出がありすぎて、行く事が怖かったからだ。
こんな自分を俺は弱いと思う。
でも……渚は俺にとってそれだけ大きな存在だったんだ。
なくしたくない唯一の―――…。
      「渚っ……」
俺はベットに横たわったまま、溢れ出る涙をどうする事も出来ずにいた。
後から後から流れてきて止まらない。
でも、泣いても渚は帰ってこない。
「っ………どうして…渚が…」
その時だった。
ふいに玄関のチャイムが鳴る音がして、俺は慌てて涙を拭った。
あきらかに泣いていたのは分かってしまうぐらい目が赤く腫れていたけど、俺はそんな事気にかける余裕もなくて静かにドアを開けた。
宅配便か何かだろうと思ってドアを開けたら、そこに立っていたのは俺と同じ歳ぐらいの背の高い青年だった。
よく見ると、俺と同じ学校の制服を着ている。
でも、全く見覚えがない…。
「あの―――…」
俺が声をかけると、青年は慌てて紙袋を手渡した。
「これは…?」
「これ、お前が休んでた分のプリント。担任が渡しとけって」
「そう…なんだ…」
一ヶ月も休んでいるのだから、これ程のプリントが溜まっていてもおかしくない。
そっと紙袋の中を覗き込むと、中にはウンザリする程のプリントが幾つも束ねてあった。
すごい量だ。
「……ん、ありがと…」
紙袋を受け取ると、ふと肝心な事に気がつく。
「あの――…同じクラス…だったっけ?」
俺にそう聞かれて、青年は何かを思い出したように喋り出した。
「ああ、ごめん!言うの忘れてた。…俺、最近転校して来た柏木智樹。お前と家が近いんで、担任にプリント渡すの頼まれたんだよ」
「ああ…どうりで」
見掛けない顔だと思った。
いくらなんでも、クラスメイトの顔を忘れる訳ないからな。
「んじゃ、俺行くわ。プリント届けたし」
「…あ、ちょっと待って」
俺は帰ろうとする柏木を呼びとめた。
外も物凄い暑さで、家の中でもじんわりと汗をかく程だ。
なのに、わざわざプリントを届にきてもらっといて、飲み物の一つ出さない訳にはいかない。
「…柏木、良かったら何か飲んでけよ。中の方が涼しいし」
「えっ…でも」
「…俺なら平気だから、遠慮するなって」
汗だくの柏木を放っておけなくて、俺は柏木を家に入れる事にした。
幸い両親は仕事でいないし、妹も帰ってくるのは遅くなる。
柏木をリビングに招き入れると、俺は何か冷たい物を取りに台所へと向かった。
「…飲み物は何がいい?」
「あ――――…俺、コーラ!!」
「ん、わかった…」
柏木の希望通りコップにコーラをつぐと、自分の分も一緒にリビングへ持っていった。
柏木に目をやると、扇風機の前で涼んでいる。
「飲み物…机に置いとくな」
「あ、ありがとな。いやー…マジで助かった」
「別にいいよ…好きなだけ涼んでいっていいから」
俺は持ってきたコーラを一足先に飲み始めると、隣で涼んでいる柏木にいきなり話し掛けられた。
「なぁ、お前…名前は?」
名前……?
「…俺は椎名 薫。薫でいい」
「じゃ、薫。お前さ、もしかして泣いてた…?」
(えっ……)
いきなりの事に驚いて、俺は暫く何も答えなかった。
やっぱり、涙拭いただけじゃ分かるのかな…。
「…………うん、泣いてた」
正直に言った。
隠すことでもないし、プリントをわざわざ届けてくれたのに、嘘をつくことは出来なかったから。
「…休んでるのも…体調が悪いからじゃなくて…」
渚が死んだことを受け入れられなかったから。
俺が弱い人間だから、こうすることでしか自分を保つことが出来ない。
情けないけど、本当の事だ。
でも、初対面の開いてに向かってそんな事は言えなくて、そこから先は言葉を濁すしかない。
それに、こいつは渚の事を知らないから…こんなこと話したら、変な奴だって思われるんだろうし…。
「………」
俺はそのまま黙り込むと、背を向けている柏木に訪ねてみた。
「やっぱ、目…腫れてた?」
「ん、かなり」
柏木は小さく笑いながら、やっとのことでコーラの入ったコップに口をつけた。
余程喉が乾いていたのか、一口で飲み干してしまう。
「おかわり…いる?」
「いや、いい。汗も大分引いたし、ありがとな」
「…別にいいよ」
そのまま柏木を見送りに玄関まで行くと、またも柏木が何か思い出したように言った。
「そういえば――…知ってるか?」
「え…何を?」
「この前さ、新しく美術部が出来たんだって。何でも、生徒の一人が美術部をつくって欲しいって頼んだんだって。…あ、それは俺が転校してくる前の話だけど……それでさ、俺――…」
柏木がそう言い掛けると、俺を見るなり驚いたように話をやめた。
「お前――――…」
柏木が言わなくても分かった。
俺――…今、泣いてる。
「お前、泣いて―――…」
柏木が折れの顔を覗き込んできたけれど、俺は視線をあわすことが出来なかった。
柏木の言った 美術部をつくって欲しいと頼んだ生徒とは、渚の事だ…。
渚は前々から美術部に入りたかったけど、俺達の学校には美術部がないと聞いて先生に頼みにいったんだ。


『美術部?でも、この学校にはないじゃん…』
『だから、先生に頼んでみたんだけど…』
『駄目だった?』
『うん、粘ってはみたんだけどね』
『そっか………でも、何で美術部つくりたいの?今でも十分絵が書けるじゃん』
『そうだけど―――…でも、どうせならちゃんと部をつくって、皆で絵を書きたいんだよ。そういうのを、もっと知ってもらいたいしね』
『あーあ…』
『…どうしたの?』
『美術部なんか出来ちゃったらさ、俺 今みたく渚が絵書くの見てられないじゃんかよ…』
『なんだ…そんなこと…』
『そんなことってなぁ…』
『薫がそんなに見たいんなら、いつでも来ればいいじゃないか。その方が僕も嬉しい…』




「渚――…」
俺は溢れ出る涙を拭いながら、あの時のことを思い出していた。
やっと、美術部が出来たんだ―――…。
でも――…渚が亡くなってからじゃ、遅過ぎるんだよ…。
遅いんだ………………もう。
「薫…大丈夫か?」
柏木の声が聞こえて、俺は静かに顔を上げた。
笑おうとしたけど、やっぱり駄目だった。
このままじゃ――…立ち止まったままじゃいけないって思うのに、涙が止まらなかった。
渚のことで頭が一杯になって―――…俺は…。
「薫…おい」
柏木に何度も名前を呼ばれた気がしたけれど、答える余裕はなかった。
何度も薄れいく意識の中で、俺は渚の名前を呼んだ。

ふと、身体を暖かな腕が包み込んでくれる。
この感じは――――…渚?
とても心地いい。
懐かしい暖かさは――…。
違う―――…これは…………………「おいっ!!薫!?」

(柏木…か――――…?)
何で……柏木が………俺なんか…。
「か、柏木か?」
ぼんやりしながらも、俺は目の前に見える柏木の顔をじっと見つめた。
除々に意識がはっりとしてくる。
「おい…平気か?」
そう聞かれて、俺はコクリと頷いた。
どうやら俺は倒れてしまったみたいだ。
でも、俺の身体は柏木の腕の中でしっかりと支えられていた。
とても――――――……暖かい。
「とりあえず、ベットに寝てろ。俺にする事あるか!?」
「何か…………冷やすもの……出来れば…」
「わかった、お前はベット行ってろ」
そう言われても、頷くしかない。
酷い頭痛がするだけじゃなくて、眩暈もする。
それでも、なんとかベットまで歩くと、ふっと力が抜けたようにベットに倒れ込んだ。
「っ…………痛っ」
頭痛が収まらない。
息苦しいし…柏木に迷惑かけられない、と思いながらも俺はどうすることもできなかった。
ふらふらするし、まともに歩けないからだ。
「………何で…あいつ…」
何であいつ、俺なんかに優しくしてくれるんだろう。
初対面なのに―――…柏木の目の前で泣いてしまうし。
それに―――…俺を包み込んでくれた腕が、渚とよく似ていた。
性格も雰因気も渚とは全然違うけど、俺に対する優しさが渚とそっくりだった。
なんで…………そんなこと考えてるんだろう。
俺がぼんやりしながらもベットに横たわっていると、静かにドアが開き、タオルを持った柏木が慌てた様子で近づいてきた。
「とりあえず、タオル濡らしてきたから…これで冷やしてろ。あと――…悪いけど勝手に薬開けさせてもらったからな、これ」
柏木が薬らしき錠剤と水の入ったコップを差し出して俺に渡した。
水と一緒に薬を流し込むと、タオルを額に当ててそのままベットに横になる。
冷たいタオルのせいか、ぼんやりしていた視界が次第にはっきりとしてきた。
心配そうに覗きこむ柏木の顔が見える。
すごく整った綺麗な顔立ち。
瞳をずっと見ていると、吸い込まれそうなぐらいに惹きつけられる。
(…あれ……………)
胸がドキドキする。
そして、とても心地いい。
胸の辺りが、とても暖かくなるような―――…安心するような感覚だった。
この感覚―――――――――…何処かで…。
「おい、薫」
名前を呼ばれて、俺は慌てて柏木に目をやった。
「どうだ、体調は?」
「あ、うん…少し楽になった…」
「…そっか、良かった」
柏木はにっと笑うと、その場から静かに立ち上がり俺の方を見る。
「俺、帰るから。ちゃんと寝とけよ…あ、あとコーラありがとな」
「……うん、俺も…その、ありがとう」
「別にいいって、お互い様だし」
それだけ言うと、柏木はそのまま俺の部屋を出ていった――と思うと、いきなりドアを開けて…「明日、また来るからさ…今度は見舞いで」

「えっ…」
「じゃあな」
バタンとドアが閉まって、俺はしばらくドアの方を眺めていた。
『明日、また来るからさ…今度は見舞いで』
そい言った柏木の一言が妙に頭残って、その夜は久しぶりにゆっくりと眠れた。
安心するような、心地いい―――…この感覚は何?



何度も考えたけれど、その答えはわからなかった。


『俺は―――…俺は……』
『薫?』
『俺は天国、あると思うよ』
『え?』
『たとえ死んでしまっても、渚の両親はきっと空から渚の事見守ってくれてる。渚が気づいていなくても、ちゃんと見ててくれるから―――…』

『薫……君は、優しいね…』
『えっ…?』
『僕も――…天国信じるよ。ずっと、見守っていてくれるって…』






『うん、きっと―――…きっと空から見守っていてくれるから―――…』

俺にとって渚はとても大切な人。
渚は空から俺のこと見守っていてくれてるの…?
渚のことだから………きっと、必ず。






[632] 続きましたね…いいのか??
少年少女 - 2004年07月16日 (金) 14時39分

えっと…相変わらずな少年少女です☆(^U^)

「君がくれたモノA」を投稿してしまいましたが、続けていいのかな…?
えっと、頑張ります☆
そして、Bまで続いてしまいます(笑」
Bでなんとか終わらせます!!…多分。

読んで下さった方、本当にありがとうでした☆

[638] 読みました〜☆
水輝 幸 - 2004年07月19日 (月) 22時42分

はじめまして〜vv水輝 幸です。
今、私も大切な人を亡くした話書こうかなって思ってたところなんでとても参考になりましたぁ★今こちらに投稿した分はえらくハードですが…。でも私の話は亡くなったのは女の人って設定なんですけど…やっぱり男がいいかしら…?なんて悩んでます。でも多分書いてもここには投稿できるかわかりません〜;
これからもガンガン書いていきましょう!!

[641] ありがとうございます☆
少年少女 - 2004年07月20日 (火) 18時23分

水輝さん、どうも感想ありがとうございます〜!!
こんな駄文でも読んでいただけるなんて…嬉しいです。
私はあまり暗い話とか得意ではないのですが…チャレンジ☆ということで(汗)
皆さんから苦情が来ないかと冷や汗かいてました。
でも、嬉しいお言葉いただいて…少年少女はとても感謝してます。

よければBも読んで下さい…、暇なときでいいんで!!
ほんとに、感想書き込んでいただきありがとうございました。



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