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■ 狼少女。
木々間を抜け段々段々歩くぶら下げた袋クルクルと回した古びた扉に手をかける風音みたいにノックして影が生まれるみたいにそっと忍び寄ってみる『こんにちは』『さようなら』青白い肌色で生肉をかじり空腹を満たし真っ赤なワインで喉の渇き潤した足元の棒きれ躓いて床に倒れ込んだ私を同じ目線で笑う叔母『叔母さん、どうして笑うの?』無言のままで語るキラキラ輝く瞳に写る手を伸ばして覚る『叔母さん、どうして笑うの?』睨み逸らさず釣り上がる口元胃のあたりを摩り絞り出すように『ねぇ…』って。