投稿日：2012年09月13日 (木) 15時50分

高度経済成長真っ最中のアメリカ。夢が溢れるアメリカ。個人のアイデアで億万長者になれるアメリカ。どん底からの一発逆転も可能なアメリカ。そして、コーエンは巧みに史実をつなぎ合わせて、はちゃめちゃな話を作ってしまう。笑わせて、ほろりとさせて、最後はハッピーというお決まりのお約束映画。だが前半がちともたついていたからか、いまひとつ乗れなかった。２★ ティム・ロビンス　ジェニファー・ジェイソン・リー　ポール・ニューマン　チャールズ・ダーニング　ジョン・マホーニー

投稿日：2012年09月11日 (火) 12時01分

恥ずかしながら、「ヴェルディヴ事件」のことは本作を観るまで知らなかったが、ナチス占領下のフランスで起きたユダヤ人迫害事件で、これを背景に、一人の少女が辿る過酷な運命を、事件の真相を追う現代のアメリカ人女性ジャーナリストの取材の過程を通して描かれる。過去と現在を行き来しサラの人生を読み解いていく彼女。全般はやや荒っぽく、くどいが、後半はある種サスペンス映画のように引き込まれる。構成が巧いフランス映画。４★ クリスティン・スコット・トーマス　メリュジーヌ・マヤンス　ニエル・アレストリュプ　フレデリック・ピエロ

投稿日：2012年09月08日 (土) 23時07分

この原作は撮りがいがあるのかけっこう映画化されている。１８世紀のフランス社交界の世界をかい間見れた。衣裳・美術商を獲っただけに映像が良い。グレン・クローズ、Ｊ・マルコビッチの二人が怪演。源氏物語もこんな風に入り乱れていたのかなあなどと余計なことも考えた。２★ グレン・クローズ　ジョン・マルコヴィッチ　ミシェル・ファイファー　キアヌ・リーブス　ユマ・サーマン

投稿日：2012年09月06日 (木) 21時46分

法廷物のパイオニアという評判もあったが、今ひとつ期待に応えてはくれなかった。法廷における検察と弁護側の丁々発止の論戦を期待していると、肩すかしを食らってしまう。どちらかというと「スタンド・バイ・ミー」や「グロウイング・アップ」のような、子供がだんだんと成長していく様を描く中に弁護士の父が居て、裁判もからむという展開だ。映画としては、素晴らしい作品であることに間違いない。子供達は生き生きとして、なおかつ現実の社会の矛盾に戸惑ったり、未知の世界への冒険にワクワクする様など、その描き方も子役達の演技も秀逸。観客の予想に反して裁判は負けてしまうが、この陪審員たちに憤慨してはかわいそう。主人公アチィカスの最終弁論は素晴らしいのだが、ややスタンドプレイのようにも見えるし、上から目線も感じてしまう。それと被告（黒人青年）が被害者の白人少女に憐みを感じたなどの証言が、１９３２年、不況の風吹く南部のアラバマ州の白人ばかりの陪審員にこのような評決を出させたのかもしれない。それと邦題が気に入らない。原題は「TO KILL A MOCKINGBIRD＝ものまね鳥を殺すには」。おまけ、名優ロバート・デュヴァルが興味ある役でちょこっと出ているが、若い。アカデミー賞候補作品。４★ グレゴリー・ペック　メアリー・バダム　フィリップ・アルフォード　ジョン・メグナ　ロバート・デュヴァル

投稿日：2012年09月04日 (火) 18時25分

公開時はけっこうラブロマンス映画が流行っていたと記憶しているが、その中で、この作品は新鮮な感じがしたが今ではどうか。映画は冗長に感じなくもないですが、ゆったりした1920年代を描くのならこんなものだろう。ただファッション、豪華なセット、当時の実力派スターたちが魅力で、まさしく華麗。３★

投稿日：2012年09月02日 (日) 12時55分

子供向けイギリスの同名小説をスピルバーグが映画化。教科書通りの無難な映画を作った印象が強く、子供向けと割り切るなら別だが、あまりにもご都合主義でディズニー臭い。近年のスビルバーグはつまらなくなったなあ。アカデミー作品賞ノミネート？　嘘だろう。２★ ジェレミー・アーヴァイン エミリー・ワトソン ピーター・マラン ニエル・アレストリュプ デヴィッド・シューリス

投稿日：2012年08月30日 (木) 15時20分

1947年、ワイオミング州に怪しい飛行物体が落下した。そして60年後、アメリカのUFOスポット巡りにやって来たイギリス人のオタク２人組はUFOスポット巡りに出発。その途中、ネバダ州のエリア51付近で“ポール”と名乗る宇宙人と遭遇。地球を訪れた60年前、政府の秘密施設に拘束された彼は、解剖されそうになったところを逃げ出してきて、故郷に帰ると言う。宇宙人にもかかわらず長年の地球暮らしですっかりアメリカナイズされた毒舌とフランクな性格のポールと次第に打ち解ける二人の旅が始まる。それを追う政府の捜査官たち。おそらく元ネタに気付かずに笑えなかった部分も多かったかもしれないと思うが、ポール自体が「Ｅ・Ｔ」だし、それ以外にも「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「メン・イン・ブラック」「コクーン」などなど、数多くののパロディ、オマージュ場面を見せる。４★ サイモン・ペッグ　ニック・フロスト　ポールの声 - セス・ローゲン　ジェイソン・ベイトマン クリステン・ウィグ　シガーニー・ウィーバー

投稿日：2012年08月28日 (火) 09時24分

奇才テリー・ギリアムが描く、ファンタスティック・コメディ。過激なトークで時代の寵児として君臨したスーパーＤＪのジャック・ルーカスは、放送中に発した不用意な言動がもとで忌まわしい事件を誘発し、奈落の底へ転落する。また、教授だったというヘンリーはその悲劇的事件に見舞われてから人が変わり、過去を捨ててホームレスとなった。共に精神に深い痛手を負った男達は、ニューヨークの底辺で出会い、奇妙な友情で結ばれる。「フィッシャー・キング」の物語をヘンリーが語り、聖杯が二人の心を結ぶ。テリー・ギリアムとしてはさらっとしている。３★ ロビン・ウィリアムズ、ジェフ・ブリッジズ、マーセデス・ルール、アマンダ・プラマー、キャシー・ナジミー

投稿日：2012年08月26日 (日) 17時02分

ウェス・アンダーソン監督がパペットを使用した手作り感が評判のストップモーション・アニメのファンタジー・コメディ。世間の評判はすこぶる良かった。しかしぜーんぜん、ワクワクしなかった。評判が良いのはオタクの人たちだけだったのかい。声優はすごい。１★ ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ

投稿日：2012年08月22日 (水) 23時01分

原題は『Detective Story』で、辞書によると　Detective　⇒　探偵、刑事ということになるが　主人公の職業が刑事なので、邦題は『刑事物語』の方が正解と思う。入れ替わり立ち代り登場する人物たち（全員がおもしろい）がワイラーによって見事にさばかれ、鮮やかにに画面に焼きついている。嫉妬に狂うがごとくのカーク・ダグラスの演技もワラーの力技の演出だ。ラストの怒涛の展開もこれしかないと納得させられるような力強さ。ハリウッドらしくハッピーエンドにするなんてことは愚の骨頂。人間そんなに単純ではないよ。軽妙で重厚、モノクロの映像も美しく人情のからみも微笑ましいクラシックな作品の良いところが詰まった作品。５★ カーク・ダグラス エリノア・パーカー ウィリアム・ベンディックス キャシー・オドネル ジョージ・マクレディ ホレイス・マクマホン