投稿日：2012年10月03日 (水) 12時40分

世の中には暴力が渦巻いている。子供の世界の中にも。「報復は報復を生むだけ」と大人たちは子供に諭す。しかし本当は「やり返さなかったらいつまでもイジめられっ放しだ」と、子供は大人の偽善を見抜いている。では暴力には暴力で対抗するしかないのか？父親は息子に暴力に取り合わない事を教えるが、父親自身もまたそれが「キレイ事である」と感じているし、イジメを受けている息子をすぐに救う事もできない。そんなジレンマを映画化したのが本作だ。しかし、答えは出していない。がほのかな希望も見える。アカデミー外国語映画賞を受賞した本作のクオリティは高いが？も。３★ ミカエル・パーシュブラント、トリーヌ・ディルホム、ウルリク・トムセン、ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン

投稿日：2012年10月01日 (月) 12時19分

傑作とはいわないけど、なんてことない楽しいコメディ映画として、十分の品質にある。そういうコメディ映画なので、ツッコミ入れるのは野暮なんだが、先ず長すぎる。サービスのつもりなのだろうが多くのカメオ出演も、いささか本筋が間延びしてしまって勿体ない。本筋も焦点の当て方が裁判と無念の死を遂げた六兵衛の話のどっち？と首をかしげたくなるところもある。でも観て損はしない三谷ワールド。３★ 深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草なぎ剛、中井貴一・・・・

投稿日：2012年09月29日 (土) 18時10分

弱小家電メーカー「木村電器」のエンジニア３人は、ロボット博の企業広告を目的とした二足歩行ロボットの開発を社長から命じられていた。しかし発表1週間前に開発中のロボット「ニュー潮風」は大破してしまう。途方に暮れた３人はロボットの中の人を募集し、その人に「ニュー潮風」を演じてもらい窮地を凌ごうと考えた。架空のオーディションで選ばれたのは73歳の老人・鈴木。しかし彼がまた一癖ある人物で、ロボット博で勝手な行動を見せたのを機に、大変な事態を招くことになる・・・。社運をかけたロボット開発なのに、間に合わないからといって、とりあえず人間を入れて動かしてしまおうと考えるいい加減さ。そんなところから始まるので全然期待はしていなかったが、どっこい、なんか面白くなってくる。セミナーで食らいつくロボットオタクと理工学部(？)の学生たち。「ニュー潮風」について専門的用語が熱く飛び交い白熱するところは、かなりテンションが上がる。ま、すごくよかった訳じゃないが、ふつうに、面白かった。３★ 五十嵐信次郎（ミッキー・カーチス）、吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉、田畑智子、和久井映見

投稿日：2012年09月27日 (木) 23時26分

もともとはフランスでテレビ放映用に作られたというこの作品を、英語で３時間に短縮されたもの。映像化されたレ・ミゼラブルの中では一番評判がよかったという。たしかに豪華キャストで見栄えは良いが何か日本の年末映画みたいで期待したほどではなかった。２★ ジェラール・ドパルデュー、クリスチャン・クラヴィエ、ジョン・マルコビッチ、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ジャンヌ・モロー

投稿日：2012年09月25日 (火) 21時37分

原作は、レバノン内戦に着想を得た戯曲らしい。宗教対立が招いた理不尽な悲劇。中東系カナダ人の双子の姉ジャンヌと、弟シモンは、急死した母ナワルの遺言で２通の手紙を受ける。見えてくる母の封印された過去。キリスト教徒でありながらイスラム教徒の男を愛し、異教徒の子を産んだナワルは、子を奪われて、村を追われ、数奇な運命をたどる。映画は衝撃の真相、ひどい話だが、ただそれだけのものかもしれない。もうすこし巧い演出が欲しかった。３★ ルブナ・アザバル　メリッサ・デゾルモー＝プーラン　マクシム・ゴーデット　 レミ・ジラール

投稿日：2012年09月22日 (土) 18時46分

ソ連崩壊は1991年だから、映画の撮影当時の1985年当時、ミハイル・バリシニコフはまだ亡命者なので、ソ連には撮影に行けないから、キーロフ劇場内部で踊るシーンは似たような劇場を探したそうだ。タクシーに乗って走るソ連の背景は映像を使ったり、バリシニコフが亡命者だったので、ソ連の町を映画の中で使うのは大変だったようだ。冒頭はたっぷり彼の演技を見せ、中では伝説の11回転ピルエット！をみせたり、彼のファンにはたまらない映画らしい。アカデミー賞主題歌賞を受賞したライオネル・リッチ―の『セイ・ユー・セイ・ミー』が挿入されているなど、話題性には事欠かない。あまりダンスに興味が無いこっちにとっては、映画はごくごく普通に進んでゆく。ただラストの逃走劇は妙に緊迫感とリアル感があって引き込まれる。オチも気に入った。おまけ、後にこの監督と結婚するヘレン・ミレンが今まで見た彼女の中で一番若い。３★ ミハイル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズ、イザベラ・ロッセリーニ、イエジー・スコリモフスキ

投稿日：2012年09月21日 (金) 14時52分

風刺されているのはジャーナリズムと資本主義アメリカ？岩穴に埋まった一人の男をネタに、一新聞記者のヤラセとでっち上げを描き、そしてマス・メディアの煽動、そこに群がる大衆。そこはレジャーランドと化す。だがワイルダーさん、ちょっと描き過ぎです。ここに出てくる常識人は地方紙の編集長ブートくらいで、あとは一山いくらのひどい奴らと馬鹿な大衆では、観ていてどうも入り込めない。２★ カーク・ダグラス　ジャン・スターリング　ボブ・アーサー　ポーター・ホール

投稿日：2012年09月18日 (火) 11時43分

40年前の少女失踪事件を追うジャーナリストと天才少女ハッカーの異色コンビが、財閥一族の歴史を解き明かしていくというスウェーデン制作「ミレニアム」のリメイク。スウェーデン版より重厚になって、かなり面白く出来ている。登場人物が多いので神経を使うが、ゴチャゴチャした話をうまくまとめてあり解りやすい。全編に漂う不穏な雰囲気は良いのだが、終わってみると何処がと言われても答えられないが、何か物足りない感じもした。二人のキャストは成功している。3.5★ ダニエル・クレイグ　ルーニー・マーラ　クリストファー・プラマー　ステラン・スカルスガルド

投稿日：2012年09月16日 (日) 14時23分

強権的な父と無償の愛を注いでくれる母の間で育った少年ジャック。大人になって成功した彼は自らの少年時代に思いを馳せ、人生を振り返る。映像作家テレンス・マリックが、ブラッド・ピットとショーン・ペンを主演に迎えて撮り上げた感動編。というが、とんでもない駄作。いまさら天地創造と生命誕生を見せることはないだろう。これってアカデミー賞ノミネート作品なんだと。素人映像コンテストではあるまいに。１★ ブラッド・ピット　ショーン・ペン　ジェシカ・チャステイン　フィオナ・ショウ

投稿日：2012年09月15日 (土) 12時21分

予想どうりの退屈さ。でも笑いながら見ていれば時間は経つ。ミッションに不可欠なのが、極上アイテムの数々。そう、ドラえもんのポケットから取り出してきたかのようなアイテムだ。それが次から次に出てくる。「人物を認識できるコンタクトレンズ」「景色と同化するスクリーン」「高い所も登れるグローブ」「見たモノを瞬時にコピーするコンタクトレンズ」「空中に浮遊することができる服」。この作品は観ることがミッションである。ジャジャン。２★ トム・クルーズ　ポーラ・パットン　サイモン・ペグ　ジェレミー・レナー　ミカエル・ニクヴィスト