投稿日：2012年12月30日 (日) 21時09分

マリリン・モンローが「王子と踊子」出演のためにイギリスに赴いた際のエピソードを、同作のスタッフであったコリン・クラークの原作を基に映画化したラブロマンス。映画で見せる「オツムは少し弱いけどセクシーで気立てのいいブロンド娘」というパブリックイメージと、実際のマリリンはかなり違っていた。スターではあるが演技に自信がなく、常に誰か頼れる人がいないと精神的に不安定。そんな彼女の素顔を書き残したのは、本作の主人公であるコリン・クラーク。彼の回顧録に記された実話が、この映画の原作。その頃のマリリン（旦那はアーサー・ミラー）とコリンの仲は公然と噂されていたという。映画好きなら、マリリンだけでなく、実名で登場する有名人たちの素顔も興味深い。蛇足、「ハリー・ポッター」を卒業し、フツーの映画一作目にエマ・ワトソンが初々しい女性役で出演している。３★ ミシェル・ウィリアムズ　ケネス・ブラナー　エディ・レッドメイン　ドミニク・クーパー　ジュリア・オーモンド　ゾーイ・ワナメイカー　ダグレイ・スコット　エマ・ワトソソ

投稿日：2012年12月27日 (木) 22時57分

中米の小国エルサルバドルは政府とゲリラの内戦下にあった。11歳の少年チャバが住む小さな町は、軍とゲリラの勢力のほぼ境界線にあり、銃撃戦がなかば日常的に行なわれている。チャバの家にも銃弾が撃ち込まれた。そんな中でも友だちと遊び、初恋も芽生え、子どもらしく暮らすチャバ。しかし兵士が足りない政府軍は、12歳になった子どもたちを強制的に徴兵していた。やがて学校は閉鎖され、チャバの誕生日も迫ってくる。こんな作品だが、だらだら描かれていて、銃弾、砲弾を飛び交わせているも緊迫さをまったく感じさせない。貧しい街なのに大人も子供もやけに太った奴が居て変だ。とにかくつまらない。世間の評判はものすごく良いのが不思議だ。解らない。メキシコ映画。１★ カルロス・パディジャ　レオノア・ヴァレラ　ホセ・マリア・ヤスピク　ダニエル・ヒメネス・カチョ

投稿日：2012年12月24日 (月) 20時11分

ストーリーは、非常にまっすぐなラブストーリー。様々な問題を抱える主人公たちが、不器用に、繊細に、愛を表現していく。様々な問題（特に精神的なもの）については、ハッキリとは説明されない部分が多く、あくまでも誰もが持っている影として共感できるように、ニュートラルな視点で非常に上手く描かれた映画と言って褒めるしかない。若く生き生きしているジョニー・デップを見たい人の為の作品と思う。３★ ジョニー・デップ　メアリー・スチュアート・マスターソン　エイダン・クイン　ジュリアン・ムーア　オリヴァー・プラット

投稿日：2012年12月20日 (木) 11時46分

バートン×デップの黄金コンビも見飽きてきた感がする。派手な映像や奇抜な演出で、不気味な部分とコミカルな部分は半分ぐらい。確かに派手で見てて退屈しないものの、そもそも大したストーリーではないし、そこにドラマがあるわけでもない。白塗り顔のＪ・デップは巧いし彼にしかできない役だと思うが、極論を言うとデップがヴァンパイアを演じている魅力だけかもしれない。監督得意の毒々しさと愛らしさが融合したようなブラックな演出がなかったのが残念。２★ ジョニー・デップ　エヴァ・グリーン　ベラ・ヒースコート　ミシェル・ファイファー　クロエ・グレース・モレッツ　ガリヴァー・マグラス　ヘレナ・ボナム＝カーター

投稿日：2012年12月18日 (火) 11時23分

原作のジョセフ・ヘイズは小説を書き上げた後、舞台の本も書き上げていたという。そして、今日までに何度か舞台と映画が公開されている。本作ののち「逃亡者」（ミッキー・ローク、アンソニー・ホプキンス主演）が撮られているが、まずは本作の方を観る。現代の感覚で見るとどうにも納得kのいかないところがあるが、ディテールの見せ方が巧く、目が離せない作りで楽しめる。時代を感じさせない佳作。3.5★ ハンフリー・ボガート、フレデリック・マーチ、マーサ・スコット、アーサー・ケネディ、ギグ・ヤング

投稿日：2012年12月16日 (日) 11時54分

1959年に実際に発生した殺人事件をカポーティーが徹底的に取材し、加害者を含む事件の関係者にインタビューすることによって、事件の発生から加害者逮捕、加害者の死刑執行に至る過程をノンフィクションとして再現した。これを映画化したブルックスは主にペリーの成育歴から性格形成、相棒となるジャックとの関係等を丁寧に描いている。相棒のジャックは嘘つきで軽薄で人を簡単に利用したり騙したりするが、殺人犯であるペリーの方は夢見がちで人懐っこく一見真面目で誠実にさえ見え哀れを感じさせる。中で空き瓶拾いのシーンはなんとも言えないペリーの温かい人間性を感じさせるところだ。なにが人を非情な殺人者にしていくのか考えさせられる。クライマックスは実際に犯人ふたりが吊るされた本物の絞首台での撮影を掛け合ったそうだ。それは許可されなかったのだが、そのこだわりゆえに映画にはディティールの確かさが感じられ、実にサスペンスフルなこの作品の魅力のひとつになっている。台詞も練られていて引き込まれるところが髄所にある。モノクロの美しさ、クインシー・ジョーンズ の音楽も良い。５★ ロバート・ブレイク　スコット・ウィルソン　ジョン・フォーサイス　ポール・スチュワート

投稿日：2012年12月14日 (金) 12時14分

小さな山村で林業を営む岸克彦（役所広司）と、そこにゾンビ映画を撮りに来た気の弱い新人監督田辺幸一（小栗旬）が心を通わせていくハートフルコメディ。特別何かが起こる訳でもないのだが、時間が経つにつれ、心地良くなって来る。そんな映画評が大半で、評判は良く、いくつかの賞も獲った。そのところは解らないでもないが、今一つハートに迫る力が弱い。そうなるとごくごくフツーの映画でしかない。２★ 役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古館寛治、黒田大輔、森下能幸、嶋田久作

投稿日：2012年12月12日 (水) 19時30分

劇作家リリアン・ヘルマン（この人のことは知らなかった）の実体験に基づいた話。本作の公開後にはひと騒動が持ち上がったそうだ。ジュリアは実在しないのではないかという、ノンフィクショナルな視点からの疑問が呈された。事実としては、おそらく、本作は事実に相当のフィクションを混ぜ込んでいる。５万ドルをリリアンに運ばせるという一件も、よく考えてみれば、意味があるのかどうか分からない。しかし、フィクションであっても、この作品の面白さに関係がないだろう。ナチ政権下に、大金を隠し持ち運ぶ彼女の眼には、あらゆる人がが監視者のようで、あちこちに罠が仕掛けられているように見える、このことは、はっきりさせていないが視聴者に任せた作りのようだ。蛇足、デビュー作というメリル・ストリープだが、翌年のディア・ハンターでもそう思ったが二十歳そこそこでで随分なオバサン顔をしていたのだね。３★ ジェーン・フォンダ（スーザン・ジョーンズ）ヴァネッサ・レッドグレイヴ（リサ・ペリカン）　ジェイソン・ロバーズ　メリル・ストリープ

投稿日：2012年12月11日 (火) 15時40分

ワンシチュエーション・サスペンス・コメディをとでも言うか、一つの部屋のに、五人の男達がいた。自殺したアイドル、如月ミキのファンサイトの常連であり、一周忌を機に集まり、思い出話に花を咲かせる彼ら。しかし、話せば話すほど、如月ミキが自殺した理由など思い当たらない。誰もが、如月ミキは、決して自殺のよううな真似をする子ではない、と思っているのだ。遂に誰かが、如月ミキは誰かに殺されたのではないか、と口火を切る。それをきっかけに男達は、真相を知るべく推理を重ねていく。次々と、如月ミキに関する事実が明かされ、その死の謎に迫り始めると、物語はミステリーの様相を呈する。そして、最後に五人は、ある一つの真実に辿り着く。全然レベルは違うが、この舞台設定や謎ときの進め方が「十二人の怒れる男」の手法に似ていて面白い。 ３★ 小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之、酒井香奈子、宍戸錠

投稿日：2012年12月10日 (月) 09時27分

もし、暴漢に襲われ、過去の記憶を全て失ったら？普通なら絶望し、どうしてよいのかわからなくなりそうだが、主人公の男は穏やかに新しい生活をはじめる。男は、新しいすみかと仕事をみつけ、友達を作り、音楽を愛し、恋をする。過去にとらわれることなく前向きに、気負いなく生きてゆく姿は、実にクールだ。次々と登場してくる人物も面白く描けている。退屈しそうになりそうでそうでない、不思議な魅力がある。３★ マルック・ペルトラ　カティ・オウティネン　アンニッキ・タハティ