国際法学研究会2回生の沼田悠佑です。
順序が逆になり申し訳ありませんが、Asia Cup2013の結果を報告させていただきます。
結果 : 予選敗退
書面 : 1位(最優秀書面賞)
本年度の問題は、独裁政権に対する内乱の処理についてです。内乱時に独裁政権によって拷問を受けたと思わしきジャーナリストの人権侵害について、新政権は国際法上どのような義務を負うのかということが主眼となっております。独裁政権の人権侵害そのものの責任が新政権にあるのか、あるいは新政権には調査を行い被害者に情報を提供する義務があるのかいった点がまず問題となり、そういった重大な人権侵害に対して他国裁判所で賠償裁判が行われた際に、主権免除に関する国際法が認められるのかといった点が大きな論点でした。
アラブの春をモチーフにした時事問題で、非常に興味深く、特に主権免除の論点は2012年に判決の出たドイツイタリア主権免除事件との関係をどのように説明するのかが大きな壁であり、人権保護という理念は慣習国際法にどのように影響するのかと考えることは国際法の最先端の議論であります。
今年はAsia Cupの開催自体が危ぶまれるなかで、書面だけとなった国内予選を無事通過し本選に進めることとなりました。書面は先輩方の助けもあり、なんとか書面1位をとることができましたが、英語弁論経験者が1人もいないなかで口頭弁論は大きな負担をかかえたなかでの挑戦となりました。
結果は残念ながら予選敗退となりましたが、Jessup世界大会でも上位に食い込むようなAteneo law school、Hong Kong uni.と対戦することができたのは非常に大きな経験となりました。世界レベルの弁論を目の当たりにし、自分たちの非力さを痛感させられた大会でもありました。
最後になりましたが、大会活動をへて多くの方のご支援、ご協力を賜りありがとうございました。今後もJessup 国内予選も英語化するなかで、秋冬の大会に向けた準備の一段階としてAsia Cupは今後ますます重要なものとなってきます。来年度以後も継続して参加できるよう精進いたしますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。