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SS掲示板

●説明および注意●

ここは鳥山作品関係のSSを投稿するための掲示板です。
SSというのは要するに短めのお話ですね。
鳥山ジャンルのお話であれば、
ギャグでもほのぼのでもシリアスでも、何でも構いません。
三人称形式のきっちりした小説のみならず、
管理人がよくイラストに付けてるモノローグのような
詩・散文的なものも大歓迎ですv
ただし、どなたがご覧になっても楽しめることが前提ですので、
やおいネタ・下ネタなどはお控え下さい。

気に入った作品があれば、返信機能を使って感想もどんどん書き込んで下さいませ。
リレー小説のように続きを考えるのもOKです。

ある程度ログがたまったら、改めて別ページにアップする予定です。
管理人の独壇場では寂しいので(笑)皆様のご参加をお待ちしております〜。


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[385] 勇者の子孫たち ギャグです
From:ショボ太郎 [/ドラクエ6]

魔王を倒し、世界は平和に包まれた・・・
そんなある日・・・
テリー「?なんだこれ?」
そこには、3つの不思議な石版があった・・・
テリーはそれを持ち帰った・・・
チャモロ「・・・わかりませんね。」
バーバラ「ラクガキしてもだめ、殴ってもだめ・・・
どうすればいいの?」
ハッサン「壊す。」
その瞬間、石版が光に包まれ・・・
ローレ王子「・・・・・お前ら?おれらが石版になってる間、何をした?」
バーバラ「ラクガキ」
サマル王子「てめえら、覚悟はできてんのか?」
ムーン王女「サマル王子が・・・鬼化してる・・・」
ローレ王子「王女、ちょっと逃げよ・・・」
その後、屋敷では・・・
テリー「のわぁぁぁぁぁぁ!」
バーバラ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
サマル王子「人がせっかく石版になって石化睡眠してたのに邪魔しおって・・・ただじゃすまんぞぉ!」
ミレーユ「何故あんな洞窟で石化してたのですか?」
サマル王子「誰にも邪魔されないところで寝たかった。
ただ・・・うっかり1000年も寝てしまった・・・」
チャモロ「へ・・・・」
バーバラ「おかしいよ〜!!」
ブッチィィィン!!!!(サマル王子の何かが切れた音)
その後は、グロすぎて書けません。想像にお任せします

2006年12月08日 (金) 23時19分


[404]
From:12345 [/]

あ〜おもしろかった!わたし、とってもきにいりました!私の生まれは大阪なので、こういうギャグがと〜っても好きなんです!ありがとうございました!

2010年03月22日 (月) 21時01分


[372] 星の夢の後 IV
From:エチゴヤン [/クロノトリガー]

A.D.2301 プロメテドーム  ロボ




 私は三度の転生を経験したのかもしれません。
 一度目。まったくの無から、この世に生み出されたとき。
 二度目。時空を超えた旅人に、「生命」を救われたとき。
 三度目。彼らとの、時の旅を終えたとき。
 ……四度目があるのか、それは分かりません。
 でも、もしあるとするのなら、それはもうすぐだという「予感」がするのです。



 あるとき同型機の仲間に「予感」というものについて話したら、自分たちロボットにとってそれはバグに類する現象だから、あまりひどいようならウィルスチェックを受けたほうがいい、と言われました。
 A.D.2301。私が生まれた時代ですが、私が「育った」時代ではありません。「育つ」という言葉も、最近は仲間たちの前では使用することをためらいます。個のロボットが「育つ」ことなどありえないと、彼らは言うので。


 ドームの最上層、飛空艇の発着場を備えた広いスペース。ドーム内で唯一外気に触れることのできるこの場所が、いつのころからか私のお気に入りとなっていました。
 人間や他の「生き物」と違い自己修復機能を持たないロボットの身体にとって、不要に外気にあたることが本来好ましくないということは、私も承知しています。それでも、果てしない蒼天を、流れる雲を、ときには灰色の雨を、そこで見て感じることが、私はとても好きなのです。
 今日も、私はここにいます。やや強すぎるほどの風が雲をちぎって流してゆく方角を眺めながら想うのは、遠い過去と、そこに「今も生きている」はずの仲間たち。
 「プロメテス、今日もココにいたノネ」
 聴覚センサーが認識したのは同型機の声。
 「……アトロポス」
 「また、『彼ら』を思い出していたノ?」
 「ハイ、最近はとくによく思い出しマス。何かが起こるのではナイカという、そんな気がするのデス」
 「ソレは『予感』……?」
 「ハイ」
 キュィィンという音がアトロポスの頭部から聞こえました。メモリーバンクをスキャンするさいに出る音で、人間が記憶を探るときの「うーん」という唸りにあたるものといえるかもしれません。
 「……気をつけテ、プロメテス」
 言葉を切ってさらに考え込む様子でしたが、彼女は意を決したように言いました。
 「アナタは消去されてしまうかもしれナイ」
 驚きはありませんでした。それでも落胆と、……悲しみは小さくありませんでした。
 ホストコンピュータの「マザー」をはじめ、同型機たちから「バグ」と呼ばれる私の記憶と思考。そのほとんどは、かつての旅のなかで獲得したもの。
 大切な、友人たちから与えられたもの。
 馴染みのない感情が自分のなかに存在していることに、このとき私は気づきました。
 友から贈られたもの、自分が大切に思うものを、否定する者たちを赦せなく思う気持ち。
 「それは『怒り』というのよ」
 懐かしい声が、記憶のなかから答えました。


 「ロボはどうして怒らないの?」
 「……怒ル?」
 「そう、『アタマきちゃうなー』とか、思ったことない?」
 「…………?」
 「ロボにはね、そういうプログラミングがされてないのよ、マール」
 「えー、どうして?ルッカ」
 「逆らわないように、危害を加えられないように……、人間が、そう創ったの」
 「ええー!?そんなの勝手すぎるよ!ロボがかわいそう!」
 「そうね……。ね、ロボ、怒りに呑まれることは怖いことだけど、怒りを抱けないことも、同じくらい怖いことよ。自分の大切なものを穢されたときに怒ることができないのは、すごく悲しいこと」
 「自分の、大切なものヲ……?」
 「そう、だからね、たまには怒る練習でもしてみたら?……むずかしいかしら」
 「怒ったロボも見てみたいな。……うう、でもすごく怖そう。わたしは怒らせないようにするね」


 大切な友人たちとの、大切な記憶。「バグ」などという単語で括られて、消されてよいはずがない。それでも消去されなくてはならないというのならば……。
 「アトロポス、危険を知らせてくれて、ありがとうゴザイマス」
 「プロメテス……」
 「ワタシはココを出ていきマス。マザーとは、いずれ戦うことになるかもしれマセン。ワタシがココにいては、アトロポスや他のひとびとを捲き込んでしまうデショウ」
 同じ悲劇を繰り返したくはないのです。という言葉は、メモリーバンクのなかだけに留めました。
 「プロメテス」
 昇降口へ向かおうとする私を呼び止めて、彼女はアイセンサーを瞬かせました。
 「アナタはやっぱりプロメテスなのネ」
 「…………?」
 「アナタが変わってしまったとは、ワタシは思わないワ。……元気デネ」
 ……ああ、やっぱり分かりません。こんなにもすばらしい「心」というものを、マザーたちはなぜ排除しようとするのでしょう。
 風に翻弄されて離れたりくっついたりしている雲を見上げると、またしても思い出される「仲間たち」の姿。連想という心の遊びも、ここではバグと見なされるでしょう。「呼吸」という機能は備わっていませんが、私が感じたそれは、おそらく「息苦しさ」だったのではないかと思われます。
 感じるはずのないこの息苦しさが解消されるのは、予感している「四度目の転生」を迎えたときではないか。
 根拠はありません。ですが、まるで既成事実のように確固たるものとして、その思いは私のなかに存在するのです。

2006年07月11日 (火) 11時58分


[373] あとがきにかえてごあいさつ
From:エチゴヤン [/]

ご無沙汰をしておりました、エチゴヤンです。
星の夢の後、第四話をお届け致します。

掲示板投稿を始めて間もなくから、こちらで連作を投稿させていただいておりますが、無知ゆえのマナー違反「連続投稿」をしてしまいました。
あれからしばらくのあいだ、方々の掲示板をまわってみたり、マナーサイト巡りをしたりして、最低限度のマナーを身につけてきたつもりでおります。
管理人様および読んで下さる方々に、この場をお借りしてお詫びと改めてごあいさつをさせていただきたいと思います。

では長くなりましたので、今回はこれにて失礼致します。

2006年07月11日 (火) 12時12分

[377]
From:どっかん [/]

これはいい。

2006年09月04日 (月) 16時31分


[366] 願いと滅び(1)
From:山猿 [/]

 ねぇ、ジャキ。どうして泣くの?
 だって、母様が……どんどん……怖くなってくから――
 
 願い、欲望、繁栄、滅び。
 そのすべてがこの時代には在った。
 時の運命は、この残酷な結末を抑止しようとはせず。
 それ故に人から魔へと、成り下がってしまった。
 それ故に魔の王へと成り上がってしまった。
 後に人は畏怖を込めて、彼の者を呼んだ。
 ――魔王、と。
 彼の者の願いはただ一つ。
 ――平和なんて要らない。ただ、いつも通りでありたかった――

    〜願いと滅び(1)〜
 
 《ジャキ……ジャキ……そろそろ起きなさい……》
 母様が、ボクを呼ぶ声が聞こえる。そろそろ、起きなくちゃ。
 「はぁい、今行くよぉ……」
 寝起きであまり大きな声は出ないけれど、
それでも聞こえる様に、ボクは叫んだ。
 ……というより、この宮殿、無駄に広いから叫ばなきゃ母様の場所まで聞こえない。母様みたいにテレパシーが送れればいいんだけど、まだそんな高等な魔法は使えない。
 心地よい温もりが籠ったベットから出る。宮殿内には常に快適であるよう、魔法によって室内温度は調整されている。でも、ボクとしては
やはりどこか違和感のある魔法の「温かさ」よりも体温によって生じた「温もり」の方が好きだったりする。
 寝巻きを脱いで、クローゼットから一着。お気に入りの服を取り出す。柔らかい生地で織られた黒のロングパンツに、
同じく黒くてフワフワのアンダーシャツ。その上から羽織る様に、パリッとした紫色のローブ。いずれも、母様が作ってくれた、ボクの宝物だ。
 次に、鏡に向かって寝癖を直す。四方八方に広がっている紫色の髪は、ブラシで梳くとあっという間に綺麗に整った。
 ドアの方までヨタヨタと歩み、ブーツを履く。未だ覚醒しきっていない状態なので、上手く紐が結べない。
 《ジャキ……貴方、まだ靴ひも結べてないの?》
 再び響く、母様の声。
 ヤバい。そろそろ、怒りそうだ。
 怒られる様を連想したら、全身が冷えて、目が覚めて来た。――単に、怒られる事に恐怖してるだけなんだけど。
 「すぐ……すぐに行くから! もうちょっと待って!」
 半ば怒鳴りながら、がむしゃらに靴ひもを結ぶ。
 えぇい。なんで、結べ、ないんだ、よ――! 
 少し、泣きそうになって来た頃、コンコン、とドアの叩く音がした。
 ――母様、かな。
 観念して、ドアの鍵を解錠した。ギィと軋んだ音を上げてドアが開く。
 「ごめんなさい! 靴ひもが、どうしても結べないんだ! まだ、目が覚めきってないから……許して!」
 「あらあら、ちょっとジャキ落ち着いて」
 ボクの渾身の謝罪に返事をした女性――銀色の長い髪をなびかせていて、白いドレスを纏っている。
ドレスにも負けないような、白くきめ細かな肌。細くスラリと伸びた手足。とても美しい顔立ちで、アメジスト色の瞳は、本物のアメジスト以上に綺麗。胸元を燃える様に紅い宝石のペンダントで飾った女性――サラ。ボクの尊敬する姉だ。
 サラ姉様は、ポカンとしてボクを見つめている。
 「あ、や、姉様! 違うんだ! いつもなら結べるんだよ? でも、まだちゃんと目が覚めてないから……」
 恥ずかしい。
 姉様に、自分の情けない姿を見られちゃった……
とても、とてもとても恥ずかしい。
 あまりの恥ずかしさ、情けなさに涙が溢れた。
頬を透明な涙がツゥと伝う。
 姉様は、笑わず、しかし責めもせず。ただ、ボクの頭をなでてくれた。柔らかくて、気持ちのいい手だった。
 そしておもむろにしゃがんだと思ったらボクの靴ひもを結びだした。
 「そうだよね。朝早くじゃこんな細かい作業出来ないよね。ジャキはまだ子供だもん」
 「ボ、ボクは子供じゃないよ!」
 と反論すると、そうだね。ゴメンね、と微笑んでくれた。
その笑顔は、とても優しくて、とても温かい。
 ものの数秒で靴ひもを結び終え、姉様はボクの手を掴んだ。
 「さ、一緒に行こ? 母様も待ってるしね」
 言って、ボクの手を引いて歩き出した。長い通路を歩く。
そんな何でもない行為。
普段ならしんどいとさえ感じる時間。それも、姉様と二人でなら、最高の時間へと変化した。
 そんな最高の時が何分続いた事だろうか、ボク達は大広間に着いた。母様や三人の賢者様達は既に席に着いていた。
 「ジャキ。どうしてこんなに遅いのですか? あんまり遅いから、サラに迎えにいってもらったのですよ」
 普段は優しい母様だけど、こと生活の事に関しては頗る厳しい。特に、時間の事に関してはかなりのものだ。
 ごめんなさい、と口の中でぼやいた。
 「なんですって? 聞こえませんよ?」
 母様の怒鳴り声が大広間に響く。三人の賢者様達が、母様を宥めにかかっている。
 ボクは、また泣きそうになった。
 「泣かずに答えなさい! どうしてこんなに遅くなったのか理由を言いなさい!」
 ひときわ大きな母様の声。身体が、ビクンと震えた。怖くて、何も言えない。
 訪れた沈黙。唯一聞こえるのは、ボクの嗚咽。母様がこちらへ歩み寄り、腕を振り上げたその瞬間――
 「――すいません、母様。私がジャキと遊んでしまったからです」
 ――姉様が、ボクの手をぎゅっと握って言った。
 「……なんですって?」
 ですから、と息を吸いながら、姉様は言う。
 「私が行った時には既に準備は整っていました。それで、ちょっとくらいいいかなと魔が差してしまって、それでジャキと遊んでしまったから遅くなったんです。その手でジャキを打つのなら、私を打って下さい。母様」
 すると、母様は難しい顔をした。
 再び訪れる沈黙。それを破ったのは、
 「まぁ、サラ様がそう言うのならばその通りなのでしょう。遊びに誘ったサラ様は悪い。しかし、誘いを断らなかったジャキ様も悪うございます。ここは両成敗という形でもうよろしいかと思いますが?」
 白い神官服を来た初老の男だった。その顔には柔らかな笑みが浮かんでおり、刻まれた皺は荘厳さではなく優しさを感じさせるような、不思議な顔立ち。アクアブルーの瞳が印象的な老人、ハッシュ。ジール王国を支える三人の賢者の一人。二つ名は「時の賢者」
 「うむ……今回に限りは許そう。二人とも、早く卓につきなさい。朝食にしましょう」
 言って、母様は自分の席に戻った。
 三賢者達もまた、席に着いた。その際に、ハッシュがボクと姉様に向かってウインクをしたのを見逃さなかった。
 「さ、座ろうよ、ジャキ」
 姉様は、にっこりと微笑んで、席へと誘った。ボクが座ると、姉様も隣に座った。机の下では、まだ。少し震えるボクを宥める様に手を握ってくれていた。 
 ――そんな。
 そんな美しくて優しいサラ姉様が、ボクは大好きだった。
 

2006年07月02日 (日) 00時45分


[367] あとがき
From:山猿 [/クロノトリガー]

初めまして。山猿と言います。
SSであるはずなのに、かなり長くなってすいません。

このお話では、ジール王国がまだ平和だった頃と、ジールが壊れてゆく様、そして王国の崩壊をジャキの視点で描いていこうと思っています。
こんなストーリーの展開って、ひぐらしに似てますね(笑)

ひぐらし風に言うと、まだ日常です。
これから、どのように非日常へと成るのか。読んで下って感想がもらえれば嬉しいです。

では、本文共々長々と失礼しました。
では。

2006年07月02日 (日) 00時53分

[371] お邪魔致します
From:エチゴヤン [/]

レス失礼致します。エチゴヤンと申します。
下の自分の作品にはご感想ありがとうございました!
お返事遅れてしまい申しわけありませんでした。

拙い文章ではありますが、少しでも山猿さまの「元気の素」になれたのでしたら幸いです(^^
嬉しいお言葉に、こちらこそ元気をもらってしまいました!

さて、では自分も感想を述べさせていただきますね。

淡々としていながら細かな情景描写に、終始目を奪われっぱなしになりました。
ジャキの子供らしい表情のひとつひとつを、鮮やかに思い浮かべさせてくれます。
こんなに愛らしい彼が、この後に辿る運命を思うと今更ながら心が痛みます。

続きを楽しみにさせていただきます。
どうか彼に幸あらんことを。

2006年07月10日 (月) 21時04分


[364] 明日
From:登龍 [/クロノトリガー]



ジャキ、ジャキ!!

黒い渦に弟が飲み込まれていく…

私の足元も不安定になっていく…

ギュオオオオオオオオオオオオ

見上げた先にいるのは潰されそうになるくらいの威圧感を放つ、異形の者と…母



ハ、ハァ!


また…この夢


私は、一人で暮らしている…


こんな夜にすることは決まっている…



首からさげている物を握りしめる…

不思議と落ち着く…


勧んで世話をしたいという人はいたが、断った…


この厳しい環境でそのようなことを望むというのもだが、


優しくされると辛いから…


あの惨事に加担、いえ、引き起こしたのは私といってもいいのだから。



私が母上にもっと強気な態度で臨めばこんなことには…


そして、ジャキ…あの子にはなんの罪もない。ただ巻き込まれただけ。

ジャキが母を母と認めなかったのも分からないでもない…でも、弟は小さくてあまり憶えていないかもしれないけれど、父を失った母の悲しみは忘れられない…。



そして女王としての重責…


それが禁断の領域を踏ませてしまった…。


そんな母を放ってはおけなかった。



でも、私には甘えがあったのでしょう…王女として民を国を守ることを思えば





今はもう、人々に天も地もない…


それより、困難な局面だからこそ、ひとりひとりが今日、明日を生きようとより輝いている…



それから、クロノ…



私の目の前で散ってしまったのに、…なぜか、大丈夫な気がする…

握れば握るほど、何か彼を大いなる力が包んでいるのが感じられる…



只の思い込みかもしれない、そう願いたいからかの…



私の贖いは…


生きること。




あの惨事を二度と引き起こさぬよう子々孫々まで伝えていくこと。




このペンダントに戒めと願いを込めて…

2006年05月23日 (火) 16時49分


[365] SS-Sプロジェクト完了!
From:登龍 [/]

長らくお待たせしました。
掲示板より先にこちらを書かないとと思いまして。
本当に延び過ぎです、自分でもあまりにと思ったのでプレッシャーかけるようにしたのですが。諸事情で思ったより書くのがのびて、駄目ですね、自分。

さて、今回は古代ラヴォス復活から2〜5年位後の残された村ではない集落が舞台です。個人的にサラはゲートで時は同じで別の場所か、数年後で別の場所に飛ばされたと思っています。(クロス全否定)
サラらしく儚げにしたんですが、やはりなんですかね、女性キャラ初めてだったんで今までで一番こっぱずかしいんですが(苦笑)

全ての始まりであるペンダントで帰結したかったのでストックの中の後ろへ後ろへと持ってきました。
という訳でストックがもうありません(え)
なので次回は本当に未定です。
とはいえ、前回(笑)みたいなこともあるんで終わりという訳ではないと思いますが。

2006年05月23日 (火) 17時17分

[368]
From:山猿 [/]

初めまして、登龍様。山猿と言います。

小説読ませて頂きました。
サラの痛いほどの罪悪感、責任感を感じました。
自分が母を抑止していれば、と思ってはいても、もう既に遅い。開いた扉は、もはや閉じない。
全ては、自分の責任。
弟には罪がないのに、自分のミスで巻き込んでしまった……
そんなサラの心理が伺えます。

自分も、クロノトリガーではあのシーンが一番印象に残ってます。
だって、戦闘は一撃で終わるし主人公死んじゃうし(笑)

とても、いい作品だと思いました。

2006年07月02日 (日) 00時58分


[361] wish
From:梓 [/クロノトリガー]

晴天の日。
星天の夜。
神秘的な輝きを放つ月に、貴方は何を願いますか―――?


いつまで続くか分からないこの旅。
旅立ってから、何日経った?
ううん。何ヶ月経った?
時間を旅しているから、正確な日数は解らない。
でも、その日その日が大切で、辛いことがあっても思い出として残っていくものだから。
いまくらいは幸せを望んでもいいでしょう?


サクサク音を鳴らして歩く。
いまは夜中。真夜中。
当たり前だけど回りに人なんて居ない。
みんなはとっくに夢の中。
私達以外にこの光景を見てる人なんて居ないの。
勿体無いと思うけど、ちょっと嬉しい。

「うわぁ、綺麗」
見上げた先には数多の星達。
今日はずっと天気が良かったから、こんな星空見れると思ってた。
だから泊まる予定の宿に荷物置いて、夜の散歩を提案したわけだけど。
「ほらクロノ!空があんなに耀いてるよ」
「本当にな。こんな夜空、久々に見た気がする」
「うん。ホント、綺麗だよねぇ・・・」

うっとり空を見上げているマールを見て、クロノはふと思った。
(マールの方がよっぽど綺麗だけど)
らしくもないことを考えて、クロノは顔が火照るのを感じた。
現にマールは綺麗だ。常日頃からそう思う。
でもいまの彼女は月明かりを一身に浴びて、その金の髪が普段より輝きを増している。
光の反射が、彼女にヴェールを被らせているように見え、儚くて美しい存在に見えた。
一瞬でも目を離すと消えてしまう女神のように。


離れていってしまいそうな感じがして、クロノは手を伸ばした。
マールの存在を繋ぎとめようとしたその腕に、華奢な腕が絡まる。
掴もうとしていたマールの腕だ。
「街が凄く綺麗に見えるよ」
マールが指差した方を見てみれば、泊まっている宿がある街が一望出来た。
いつの間にこんな高台に来ていたのか、分からない。
ただ先を歩く彼女に誘われるまま付いてきただけだから。
「何だか、見守られてる感じ?」
月に、とマールが言う。
「確かに。こうして見てると平和そうだな」
何にも怯えないで、安心して暮らしている人々を温かい眼差しで見ているかのようにも思える。
「みんなが幸せでありますように、ってお願いしたら叶えてくれるかな?」
「どうだろ。でもさ、やってみて損はないと思うぞ?」
そうだね、と笑ってマールは祈る体勢に入った。
それを横目にクロノも目を閉じる。
願うことは―――

『みんなが幸せでありますように』
ともう一つ。
『ずっと一緒に居られますように』

図らずしも二人は同じ事を願っていた。
口にはしなかったけど、どこかで通じていたのかもしれない。


「そろそろ帰るか。明日も朝、早いしな」
「そうだね」
顔を見合わせて笑う。
凄く幸せそうな顔。
真夜中なのに、月光に照らされた二人は互いの顔がよく見えていた。

そういえば、と二人して思い出す。
何かを忘れてはいないか。
神秘的な空気に酔い痴れて、二人きりの世界を作っていたから忘れていたが・・・・・・
そーっと後ろを振り返ろうとすると・・・
「はーい、お二人さん?私の存在を忘れてないかしら?」
背後からガバッと肩に重みが掛かった。
からかう口調と皮肉な声音は、もちろん彼女。
「ル、ルッカ・・・」
「何?別に二人きりの世界に入り込むのもいいけどねー。そうなるなら初めから人を誘うの止めなさい」

そうなのだ。
この夜の散歩はマールが発案して、三人で来ていたことを忘れていた。
あまりにも目の前のことに集中していて。
「ま、何にせよ帰るわよ」
スタスタ歩き去っていくルッカに付いてクロノとマールも足を進めた。
手は、絡めたまま。


溢れかえるほどの。
日の光。
星の光。
月の光。

その神秘的な光に貴方は何を願いますか?
何を祈りますか?
願いは、叶いますか?


果ては、繋がれた手に―――――

2006年03月19日 (日) 02時15分


[362] あとがき。
From:梓 [/]

また投稿してみました。
梓です。

前回の話を書いた後に明るいマールの話を書きたいと言っていたのにも関わらず、脈絡のない話になってしまいました。
全然意味も分からないし、纏まっていない感じが多いです。

晴天の日。星天の夜。はずっと使いたかったフレーズでした。
何故かを語ると長くなりますので、スルーで。
題名は『願い事』の意味で取ってください。
そして前回同様ラストの絡みはルッカでした。

では、この辺りで失礼します。

2006年03月19日 (日) 02時22分

[363] すごいきれいです!
From:エチゴヤン [/]

また、レスを失礼致します。エチゴヤンです。
……ヤラれました!夜気の、凛と透き通るような描写がステキすぎます!そして、またまたルッカがナイスです!(エチゴは彼女が大好きです)
ちょっとアクシデントがあり、それが解決するまでは投稿を控えようと思っていたのですが、思わず「返信」ボタン押しちゃいましたよ!
グッジョブ!です!梓さん!!

2006年03月19日 (日) 14時19分

[369]
From:山猿 [/]

初めまして、山猿と言います。
僭越ながら、感想を書かせて頂きますね^^。

なんかもう、読んでて幸せな気持ちに成りましたよ。
クロノとマールの関係をこれほど上手く、俺には書けません。
梓様の文才は凄まじいですね。

満天の星。
夜闇に輝く村の灯り。
それを、少女はきれいだと言った。
少年は、少女もきれいだと思った。
そして、二人は願い事をする。
同じ空の下。
同じ願いを。
繋いだ手には、希望の未来を――

と、こんな感じに感じましたです。
最後のオチ(?)には笑いました。
まさか、ルッカがいたとは……!笑

とても、上手だと思いました。

2006年07月02日 (日) 01時05分


[359] 運命の歯車
From:レンファ [/クロノトリガー]

 なおもやまない雨の中、クロノは地面に伏している我が子ーーシンを見つめた。
 金色の髪も泥にまみれ、その美しさを損ねていた。
 「……マール。回復してやってくれ」
 己の刃を鞘に戻し、シンの刀を拾いながら呟いた。マールはクロノが言うや否や、シンの元へ行き息を深く吸い込んだ。湿っぽい空気が、マールの肺を満たす。
 「我紡ぐは水神の祝詞。穢れを浄め、傷を癒す癒しの弓手! ケアル!」
 紡がれた言葉は、ラヴォスとの戦いの際、幾度も仲間を助け支えた回復呪文。癒しの右手から冷ややかなオーラが流れ込み、瞬時にシンの傷を塞ぐ。
 「……終わったよ」
 若干、避難の混じった瞳でクロノを見据える。その視線は、告げている。
 ここまでする必要はなかったんじゃない、と。 
 「何にしても、一旦家に戻ろう。風邪を引いてしまう。……オレたちも、シンもな」
 痛いまでの視線を無視し、クロノは扉へと歩き出した。


 「我、紡ぐは焔帝の祝詞。穢れを祓う浄化の炎。強き心を支える英雄の炎! ファイヤ!」
 ルッカの発した呪文とともに、その左手から炎が上り、その炎は舐める様に暖炉の中の薪を燃やし始めた。
 「さて、と。具体的な作戦を立てましょうか」
 「そうだな。まぁ、まずは接触できる限りの『仲間』を集めよう」
 「そーだよね……あの『ゲート』だったら、カエルかな?」
 「じゃぁ、もう少ししたら行きますか。中世に」
 その後、家をーー現代を発つまでの数分間、彼らは昔共に戦った仲間の一人ーーカエルの姿をした剣士。ガルディアの歴史に残る勇者の話題で盛り上がり、楽しんだ。

  

 真っ暗だ。何も見えない。
 なんでだ?
 負けたからだ。
 そうだ。
 オレは負けたんだ。
 負けちまったから、オレはついていけない。
 父ちゃんの力になりたかった。
 でも、オレは負けたんだ。
 どうしようも……ない。
 『……本当に、ソレで良いの?』
 ダレだよ、お前。
 『私は、サラ。古代ジールの王女』
 んだよそれ。ジールってもう滅んでるじゃないか。
 『そうよ。ラヴォスによる破壊で滅びた。ラヴォスのとともに、私も消滅したはずだった』
 ……だった?
 『うん。ヤツは……まだ生きている。目を覚まして。星はキミを呼んでいる。嘆きの運命が、キミを求めてる。彼らだけじゃ、星は救えない。キミの力がーーキミの幼くまっすぐな力が、必要なの。この破壊の運命から、星を解放する為に』
 オレがーー必要なのか?
 『そう。キミが必要なの。さぁ、立ち上がりなさい。シン・スフィアリィ、運命に導かれし者よ! 破壊の運命を断ち切る為に!』
 突然のまばゆい光とともに、シンの意識はぐんぐんと浮かび上がっていったーー。

 

2006年03月15日 (水) 10時11分


[360]
From:レンファ [/]

お久しぶりです。
今回はちょっと短めです。
本当はもうちょっと長くしたかったんですが……次回の続き方の都合上、こうなりました。
今回は特に解説すべき点は特にないかと思います。
では。

2006年03月15日 (水) 10時15分


[357] 星の夢の後 III
From:エチゴヤン [/クロノトリガー]

B.C.65000001 イオカ村  エイラ




 赤い星が降って、大地は裂け、水は涸れ、空が凍てついた。
 凍てついた空はひび割れ、破片を落して大地を白く閉ざし始めた。
 「雪」という言葉も「冬」という言葉も、我らは知らなかった。
 その言葉を我らに教えた、「大地の命ほども」永い時の向こうから来た者たちのことを、我らはとこしえに語り伝える。
 夜ごと輝く星々に、彼らの名を刻みつけて。



 空の色が変わった。
 我らが、笑い、泣き、怒るように、かつては空もさまざまな表情を見せた。
 銀の夜明け、青の昼、赤の夕暮れ、そして黒の夜。
 しかし今、空には色がない。白くもなく、黒くもない。
 そして破片を落す。凍てついた雨。……雪。
 「永い冬が始まる」と、彼らは言った。「負けないで、がんばって」とも。
 その言葉がどういう意味なのか、分かるまでに少し時間がかかった。
 耐える時代が始まったのだ。
 我らの使命は絶えぬこと。命を後に繋ぐこと。
 やがて、「彼ら」が生まれるまで。


 「エイラ」
 呼ぶ声に振り返る。声をかけてきた者は、片手の指が二本ない。たくさんの雪が降ったひどい寒さの夜、毛皮を纏わず狩りに出たとき、それは凍えて、腐って落ちた。それでも、彼はイオカに戻ってきた。彼と共に狩りに出た者は死んだ。
 「エイラ」
 返事をせずに彼の手を見ていたら、呼び直された。
 「……どした?」
 「酋長(おさ)、呼んでる」
 「分かった、行く」
 凍えてざくざくと鳴る大地を踏んで酋長の櫓(やぐら)へ向かう。
 まだ空に色があり、太陽と月と星がそこにあったころ、酋長の櫓……つまりは我が住処は戸口を閉ざしたことなどなかった。今は毛皮に閉ざされている。閉ざさねば、なかの者は生きていけない。
 毛皮はいくらでも必要だった。赤い星が落ちてから獲物の数も減り、求めるほどには得られない。日々の糧も乏しい。
 弱い者は死んでゆく。それは大地の掟。……しかし、
 赤い星……「ラヴォス」によってもたらされたこの永い冬は、本当に大地の意思なのだろうか?
 毛皮をめくり、櫓に入る。酋長は火を背に立っていた。
 「キーノ、用、何か?」
 「エイラ」
 酋長は我が手を取って火の裏へ導いた。
 貴重な毛皮に包まれた、子供たち。大地に還った……抜け殻。父と母が、傍らで哭く。
 「キーノたち、このままでは滅ぶ。恐竜人、同じ」
 「キーノっ!」
 「どうすればいい、分からない」
 イオカの誰も、それは分からない。でも、
 分かる。なぜかは知らないけれど分かる、これだけは。
 「大丈夫。キーノ、しっかりする!」
 「エイラ……?」
 「クロたち、また来る!マールも、ルッカも。ロボ、カエル、魔王。皆来る!」
 これも知っている。かつて彼らに教えられたこと。
 「マール生きてる。それ、エイラたち生き抜いた証」
 他の仲間たちも、我らのなかの誰かの末裔なのだ。だから、
 「だから、大丈夫。キーノがんばる!……エイラ、ついてる」


 送り火は燃えた。それが凍てついた空を溶かしたのかどうかは分からない。だが今、夜空はかつてのような黒だ。
 夜空には七つの星。我らが伝えてゆくべき、勇者たちの名を与えられた星たち。
 我らは負けない。彼らだけでなく、大地の覇権を賭けて競った者たちにも誓ったのだから。
 とこしえに語り継ぐ、と。
 我らが絶えることは赦されない。
 過去と、そして未来のために。

2006年03月11日 (土) 13時48分


[358] あとがきに代えてごあいさつ
From:エチゴヤン [/]

今日の一言
「エイラってバイリンガル?」

またまた失礼いたします、エチゴヤンです。
星の夢の後、第三話をお届けします。

ええとですね、確かゲーム中でエイラはこんなことを言います。
「『ラ』火のこと、『ヴォス』大きいこと。エイラたちの言葉」
つまりあのカタコトしゃべりは彼女たちが普段使っている言葉ではないと……、自分はそう解釈しました。
というわけで、文中の流暢な語りは「原始語」を翻訳したもの、ということで(笑)
今回すべてキャラの語りという形式を採っていますが、エイラとマールは苦労しました。彼女たちの言葉は、すごくピュアなんですね。胸に湧き上がったものが、すっと言葉になったような。それは語彙が少ないとか、考えなしに言葉を吐く、ということではなく、本当に心の綺麗な者に神が与えた特別な才能なのではないか、とさえ思います。そういうものを自分が表現できたのか、ちょっと自信ないですが。

さて、蛇足が随分と長くなってしまいました。今日はこのへんで。またお会いしましょう。
(しかし、こんなに連続投稿いいのでしょうか……?少し怖くなってきた……)

2006年03月11日 (土) 14時09分

[370]
From:山猿 [/]

初めまして。山猿と言います。僭越ながら、感想を書かせて頂きます^^。

この話を読んで、正直。とても力が湧きました。
受験とかでいろいろとヘコんでた俺ですが、エチゴヤン様の描いたエイラによって、負けられないな、という戦う意思が生まれました。

長い冬。
凍える寒さ。
死に逝く仲間。
希望のない、現在。
されど。
死ぬ事は許されず。
未来に命が繋がっているから。
繋がった命を絶やせないから。
苦しい現在を乗り切って、
命を、
繋ぐ。
未来へと。
だから、諦めたりはしない――

本当に。エチゴヤン様の文才に感激しました。
素晴らしい作品だと思います。

2006年07月02日 (日) 01時12分


[355] 星の夢の後 II
From:エチゴヤン [/クロノトリガー]

A.D.1001 ガルディアの森  ジャキ




 遠からず「それ」が為されることは予測していた。
 いや、「予測」というには漫然とした、たとえば「予感」、あるいは「思い込み」という程度のものではあったが。
 だが、確かに「それ」の足音を、私は常に身近に聞いていた。
 生けるものも、ただ在るものも、すべてを攫い、無に帰する「それ」を、私はかつて「黒い風」と呼んだ。



 古い城と同じほどに永い時を経た森は、そこに住まう生き物の声などを他にしては音というものの存在を赦さぬのではないか、とさえ思わせる。
 それほどまでに静かだ。現実に今起きていることを目の当たりにしていながら、自分が見たものを疑わしく感じるほどに。
 森は、城下の喧騒から城を護ることを目的として置かれた。しかし逆を返せば城の異変を城下から知ることも、それは困難にする。かつて、それを利用して城攻めを為そうとしたこともある私はその点を危惧しないでもなかったが、四百年続いた平和のなかにある現在の城の主にそれを言っても詮なきことだと、そうも思っていた。
 私は今、それを少し後悔している。


 「決して独りきりになってはいけない。にたくないのなら」
 私の言葉に二人は訝る表情を交し合い、それをそのままこちらに向けてきた。
 「……どういうことだよ?」
 炎のような赤い髪の少年が、まず問うてくる。自分の手に握られた刀を厭わしそうに見やりながら。かつての、数えきれぬほどの戦いに彩られた旅のあいだも決して纏うことのなかった「人の血」に、それは汚れている。
 「説明している余裕はない。とにかく急げ」
 事実余裕がないので、私は顎をしゃくって城を示しただけで質問には答えなかった。少年……クロノは何か言いかけたが黙ってうなずく。
 傍らの者を促し、クロノは城内に入るために踵を返した。しかし、そこで立ち止まる。急げと言った私もクロノが促した者も、その後に続こうとはしなかったので。
 「てめえはどうすんだ、魔王?」
 焦燥のあまり袖を引くクロノを制し、グレンが棘を含んだ声で訊き返してきた。萌葉色の髪を首の後ろで束ねたこの男もまた、人血に染まった剣を提げている。
 「ひとの心配をしている暇があるのか?急げと言ったはずだが」
 我ながら愛想のない言い方だと、思わぬでもない。己の剣を汚している血汚れがグレンを苛立たせていることは知っているが、それを慮ってやる余裕はこちらにもない。予想通り、グレンは殺気立って食ってかかってきた。
 「ああっ!心配だね!『人殺し』を俺らに押しつけて、魔王サマはどちらにおいでになるので!?」
 よせよ、グレン。というクロノの声にグレンは身を引いたが、そのまま引き下がる気などないことは表情からもけはいからも明らかだ。仕方なく、私はつけ足した。
 「私の話を聞いていなかったのか?『独りになるな』とも言ったはずだ。……あいつを、なせたいか?」
 二人は黙った。城から聴こえる喧騒が、嫌でも耳につく。銃声と、剣戟と、悲鳴。
 ややあって、クロノが「あっ」と声を上げた。
 「そうだ!ルッカが……!」
 「ああ、私はそちらに行く。お前たちも急ぐことだ」
 「待てよ!それじゃあ、お前が……」
 城に背を向けた私にグレンは声を飛ばしたが、私が振り返り、目が合うと、忌々しそうに顔を背ける。
 「お前が、独りになる」
 代わりに言葉を継いだのはクロノ。
 この少年は、時折自身が負う荷の重ささえ忘れて他者の荷の大きさを気遣うことがある。
 貴い心延えだ。
 だが、ともすると自らを滅ぼしかねないほど、それは危ういものでもある。事実クロノは、一度その身を滅ぼしている。
 「……いらぬ心配だ」
 だからそのたびに、気づかせてやらなくてはならない。自身が負っているものの、重さを。
 「急げ、マールも今、『独り』だ」
 クロノはおそらく顔色を変えたことだろう。分かりきっていたことのはずなのに。私はそれを確かめず、ガルディアの森を後にした。
 私も急がねばならない。
 「時に喰われる」前に、再び力を束ねなければ。自分も含めた七つの力。どれ一つとして、損なうわけにはいかない。


 A.D.1001。知る限りにおいて、もっとも平穏な時代。
 だが、石はこの時代に投じられた。やがてそれは波紋を形作り、あらゆる時代に波及するだろう。
 ……止める自信はある。そうでなければ、再び時を超えてきたりなどしない。

2006年03月10日 (金) 10時06分


[356] あとがきに代えてごあいさつ
From:エチゴヤン [/]

連続投稿失礼いたします。エチゴヤンでございます。

さて、全八話(長っ!)の予定でお送りしております「星の夢の後」、第二話をお届けいたします。二番手は我らが魔王(笑)ジャキさんです!
自分は魔王様ナシでは生きてゆけぬ体質なので(…)他のメンバーのパートにも彼はちょくちょく顔を出すでしょう。ですが魔王ファン以外の方にも、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

ここからは私信になります。すみません。
梓さん、レス返しをありがとうございました。読んでくださっているでしょうか?梓さんも、次の作品ガンバってください!「明るいマール」楽しみにしてます!

2006年03月10日 (金) 10時21分


[352] 星の夢の後 I
From:エチゴヤン [/クロノトリガー]

 「碧空」という。

 「吸い込まれそうな」と表現されることもある圧倒的な青。
 大気に太陽の光が混ざることで生みだされるそれは、
 人の目と心には大いなる癒しともなる。
 それは「母なる星」の色。

 碧空に、鐘の音が融けて、やがて吸い込まれる。
 その音色はまるで、星に生きるすべての生命を祝福しているようだ。と誰かが言った。

 ああ、願わくは、聞き容れ給え。すべてをつかさどる者よ。
 その鐘に名を冠した者の、切なる願い。
 すべての生命たちに、永久(とわ)なる安寧を……。






A.D.1001 ガルディア城  マール




 こういうのって、前にもあった。忘れない。「忘れたくても忘れられない」っていうのとはぜんぜん違う。
 だってそれは、大好きなひととの大切な思い出だから。
 今も、あのときと同じ。こっちからは手の届かないところで、わたしの存在を無かったことにされてしまうような……。
 怖い。でも、
 きっと大丈夫だよね?また、みんなと……、クロノと会えるよね?



 いつもと同じ朝。いつもと同じようにベッドの上で伸びをして、起き上がる。部屋続きの洗面所で顔を洗って、着替えをすませてから、朝ごはんを食べるために部屋を出る。
 廊下には、もういい匂いが漂っている。
 ちょっと寝坊しちゃったかな。パパを待たせちゃってるかも。
 急ぎ足で角を曲がる。
 「おはようございます、マールディア様」
 「おはよう!」
 いつもと同じ侍従長のあいさつ。わたしもいつもと同じ返事をして、
 「廊下を駆けませぬように」
 いつもと同じお小言を言われちゃう。
 はーい、ごめんなさい。って言いながら少しゆっくり歩いてみるけど、角をもう一つ曲がったときにはやっぱり駆け足に戻っちゃうの。
 食堂の前まできて、わたしは立ち止まった。
 ……また。
 首の後ろがざわっとして、気持ち悪い。
 振り返ってみるけど、そばには誰もいない。廊下の角から食器を満載したワゴンを押したコックが顔を出して、わたしの様子を気にしてるだけ。
 「ううん、何でもないの。ごめんね」
 いつごろだったろう、「それ」を近くに感じるようになったのは。
 たぶん、あの旅が終って間もないころ。すごく久しぶりに自分の部屋の、自分のベッドで眠った夜。夢も見ないほど深い眠りのなかで、……見てしまった、見るはずのない夢。


 ……いつかの時代のどこかの宿。みんなが楽しそうに話をしている。わたしもそれに混ざろうと、みんなの輪のなかに入ったけど、……何か様子が変なの。
 誰に話かけても何も答えてくれない。まるで、わたしのことが見えていないみたいに。
 「そろそろ行こう」
 クロノが刀と荷物を手に立ち上がる。他のみんなも。
 「待ってよっ!」
 みんなの背に、わたしは手を伸ばした。その手が指先から色を失って、輪郭を失って、消えてゆく。空気に融けるように、腕も、肩も、……脚も、身体も。
 身体の全部がなくなったのに、わたしはなぜかその後の歴史をずっと見ているの。
 千年の未来に、星が滅びるまでを……。


 目を覚ましてから、しばらく慄えが止まらなかった。目を覚ますことができて、本当によかったって思った。
 それから、時々「それ」はわたしのそばに来るようになった。どこか、暗くて寒くて寂しい場所へ、わたしを連れていく機会をうかがっているみたいに。
 「マール、マールディアっ!」
 考えごとに夢中になってるときに後ろから声をかけられて、ちょっとびっくりした。
 「パパ」
 まだ食堂にいなかったんだ。何だか、いつもと様子が違う。
 「おはよう、どうしたの?そんなに慌てなくても、わたしも今来たばかりだよ」
 「おお、マールディア、それどころではない!……いや、何でもない。大丈夫だ。お前も早く部屋へ戻りなさい!危険だから。いや、兵たちにまかせておけば大丈夫だから。さ、早く!」
 ぜんぜん説明になってないけど、ついにそれが始まったんだってことはすぐ分かった。
 お城のなかが慌しい。甲装服や剣や銃器の立てる物々しい音も聞こえて、ざわりとした嫌な感じが強くなった。まるで、そのときがきたことを喜んで、「それ」が浮かれ騒いでいるみたいに。
 「マールディア様、早くお部屋へ!」
 駆けつけた侍従武官がわたしの手を引いた。自分でもよく分からない理由で、わたしはそれを振り解いた。
 「パパ、みんな、ごめんねっ!」
 「マールディアっ!?」
 「わたし、行かなきゃっ!」
 自分でもどこへ行けばいいのかなんて分からない。でも、わたしは走りだした。独りでいることが、すごく怖くて。パパも、お城のみんなもいるのに、何で独りだなんて思うのか、それも分からなかったけど。
 「……クロノっ!」
 気がついたら呼んでた。
 来てくれてるよね?わたしも今から、そっちに行くから!

2006年03月09日 (木) 14時07分


[353] あとがきに代えてごあいさつ
From:エチゴヤン [/]

由空さん、こちらでははじめまして。
読んでくださった皆さん、はじめまして。エチゴヤンと申します。
少し前に掲示板のほうで予告したトリガー小説が書き上がりましたので、投稿させていただきました。

蛇足になると思いますので、内容についての注釈はあえてしませんが、コンセプトは述べておきますね。
「星の夢の後」というタイトル通り、クロノ・トリガーのクリア後のお話になります。公式の続編「クロノ・クロス」と同じ材料を使って、どれくらい違うものができるのか、自分なりの挑戦をしたいと思い書き始めたものです。「クロノ・クロス エチゴヤン風味」(笑)といったところですね。ですがジャンルはあくまでも「トリガー」ですから、活躍するのはもちろん「あの七人」です。一番バッターはマールでした!
さて、お気づきでしょうが、続きます。長いです。何せ七人いますから……。呆れずお付き合いいただければ幸いです。ただしこちらは「SS掲示板」ですから、一話一話のケジメのようなものはつけたいと思います。……自分の首を絞めてます。ハイ。

では、由空さん、みなさん、次回お目にかかれるのを楽しみにしております。

2006年03月09日 (木) 14時32分


[349] 近く 傍 隣
From:梓 [/クロノトリガー]

ずっと近くに居て、誰よりも傍に居て、隣にだって立っているのに・・・
どうしても不安が拭えない。
近いようで遠い存在。


一番前を歩いて行く彼は、時代を越えた仲間達を引っ張って行く存在。
いまもわたし以外の仲間(連れ立っているもう一人)と楽しそうに喋っている。
一番後ろを歩くわたしは、その光景をジッと見ているだけ。
(いいなぁ、楽しそうで)
そう思うなら混ざっていけばいいのだけど、話題が話題だけに入っていけない。
スッと手を伸ばしてみても届かないし、気付いてもらえない。
(やっぱり遠いな・・・)


出会ってから間もないのはみんな同じこと。
ただ一人、彼の幼馴染であるルッカだけが例外で。
でもわたしが一番遠い気がするのは何でだろ?
一緒に歩いていても、わたしだけが浮かれてて彼は楽しそうに見えないからかな。

ルッカは本当に例外。付き合いが長いから、楽しそうに話してて、そのまま口ゲンカに発展してたり。見てる方からすれば姉弟ゲンカみたい。
カエルとは剣について語り合ってて、気が付けば夜が明けてたってこともあったみたい。
エイラとは強さについて話してるのを聞いた。エイラは強い人が好きって言ってたから、男女問わず。彼も強い人は好きみたいだから。
ロボとは未来を語ってたな。自分が望む未来と、ロボが理想としている未来。討論みたいだったけど、面白そうだったよ。

そうなったら、わたしって何なんだろ?
もしかしたら手の掛かる妹って思われてるのかもね。
周りから見ててもそんな感じみたいだし。


またメンバーが変更されて、わたしは彼・クロノの後ろになった。
「ねえ、クロノ♪」
って声掛けても返ってくるの、
「ああ・・・」
だけ。
そんな会話とも取れない会話が1日中続いたものだから、極限まで不安と哀しさが募って・・・・・・
泊まる宿に着いて部屋に入った途端、一緒に行動していたルッカに泣き付いたの。

一晩中泣いていたわたしをルッカはずっと慰めてくれた。
その上、元気付けのためにちょっと嬉しい一言まで。
「テレてんのよ、あのバカは」
あの不器用さはどうにかならないものかしら、って言うものだから悪いと思ったけど笑っちゃった。


次の日も同じメンバーだったから、ルッカと計画してたことを実行に移して。
意図して喋りながら進んでいく二人と離れて、クロノの反応を見る。
数メートル離れてみて、角を曲がったら姿が見えなくなって。
ここは街の中だから敵は出てこないし、安心して付いて行っていた。目的地も分かってたし。
だから鼻歌でも口ずさみながら歩いてたら人と打つかって。
「あ、ゴメンナサイ」
って謝りながら顔を上げたら真紅が目に入って。
クロノだって認識するころには彼の腕の中に納まっていた。
「マール、居た・・・・・・良かった、無事で」
見上げた顔は凄く安心してて、優しい笑顔だった。
もうそれだけで、充分だった。
わたしは大切にされてる、そう実感出来たから。

お互いが楽しく話せないのはこれからどうにかしていけばいい。
みんなのように共通の話題を見付けて、育めばいいから。
いまは悩まないで、現在(いま)を存分に楽しむことにするって決めた。


徐々に―――――
近く、から傍に寄って。
そこから傍より近くの隣に立つ。
その隣で笑い合えたら、いいな・・・・・・






「ね、クロノ!」
「ん?何、マール」
「今日もいい天気だね☆」





そう遠くない―未来―

2006年03月07日 (火) 18時19分


[350] あとがきです。
From:梓 [/]

初めまして。
梓と申します。

ゲーム関連のサイト様を探していて、私が凄く好きなゲームを取り扱ってらっしゃるコチラに辿り着きました!
RPGは好きですけど、私が自分の力のみでクリアできたのってクロノトリガーとドラクエ3だけなんですね。
その中でもクロノは凄く好きで。特にクロノとマールが好きなんです。
そんな理由で書かせていただきました。

ヘタな文章で済みません。
ただイベントに依ってクロノの真後ろに居れないマールが書きたかっただけです。
読んでいただけたら嬉しいです。

2006年03月07日 (火) 18時28分

[351] いいなぁ!
From:エチゴヤン [/ドラクエ2]

……おや、マールのお話を投稿しようと思ったら、先を越されたぞ?

こんにちは、はじめまして、梓さん。管理人さんよりお先にレス失礼いたします!エチゴヤンと申します。
はぁ……、カワイイですね、マール。ゲーム中では元気なイメージのある彼女ですが、こういった女の子らしい内面はぜったいにあるはず!と自分は思います。
何気にキューピットなルッカもよいですね。

す、すみません!なぜかジャンルが「ドラクエ2」になってしまいました!これは気にしないでください!ホントすみません!

2006年03月09日 (木) 12時46分

[354] ありがとうございます!
From:梓 [/クロノトリガー]

初めまして、エチゴヤン様。レス、ありがとうございました。
でもマールの話は先越しちゃいましてゴメンナサイ。

こんなマールを認めてくださって、嬉しいです。
正直、ゲームの二次創作を書くのは初めてだったので不安が・・・・・・
人の心情を書くのが一番得意なので今度は明るいマールも書きたいと思います★

エチゴヤン様も連作頑張って下さいね!
楽しみにしてます^^v

2006年03月09日 (木) 19時56分







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