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お気楽極楽なSS発表会

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[38648] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-51『ダモクレス…前編1』
健 - 2019年09月12日 (木) 20時53分

撃沈した斑鳩からクルー達が脱出していく。その傍ら、バルディーニは太平洋へ出たダモクレスを追って無傷の艦およびKMFを用いてブリタニアの海上艦隊と交戦していた。

「このままダモクレスが高度を上げれば、こちらの勝ちになる。だが……!」

そうなればシュナイゼルの一人勝ちになる。

「くっ…!どうすれば…!」

本当ならば、シュナイゼルに着くのが正しいのは分かっている。だが、その先を見抜いていたバルディーニは決めかねていた。

「将軍…」

側近もその苦悩を察したのか、何も意見することが出来なかった。



また大きな爆発が起こった。

「フレイヤ…」

クラリスは唇を噛みしめた。私闘を優先したにもかかわらず、アレに着いている自分に怒りを抱く。

〈悔しがるのは後だ!お前のご執心の男を捜すんだろう!〉

「分かってるわよ!!けど……もう!私ってあいつら譲りで強欲だったのね!!認めたくない部分に気づいたわ!!」

結局、あれから生まれた事実からは逃れられない。分かっていたが、やはり腸が煮えくりかえる。認めたくなくても……揺るがないんだ。



「フレイヤ……フレイヤァァァ!!」

イロナは航空艦を潰し、更に脱出艇を撃ち落とす。

「お姉ちゃんを殺したお前らなんかみんな殺してやる!!」

目に入ったKMFは炎鳥だ。『黒の騎士団』……姉の、リーリヤの仇!!

「お姉ちゃんの仇ぃぃ!!」

〈イロナ・メルクーシンか…!?姉の敵とはどういうことだ!!〉

楊鈴射が訪ねる。

「お姉ちゃんがペンドラゴンにいた!!ルーカスの玩具にされて、壊れたお姉ちゃんのメンタルケアをペンドラゴンでして貰うはずだった!!お前達がフレイヤを落としたせいでお姉ちゃんは死んだ!!!」

炎鳥の槍を押し返し、蹴り飛ばす。

「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!」

剣を振り下ろそうとしたが、雷峰が割って入った。そのまま貫かれる、と思われた時………

何かがイロナの機体を突き飛ばし、貫かれた。

〈イロナ…あな……私の……妹、よ。〉

「アレ、クシア…さん?」

アレクシアの機体が爆散し、イロナは呆然とした。機体の操作を忘れるほどに………

〈何をしている!!〉

アルプトラウムが突き飛ばし、ハーケンで二機を攻撃する。

「あ、アレクシアさんが……アレクシアさんが…!」

〈馬鹿!泣くのは後にしろ!!〉

アサドが中華連邦所属軍のKMF隊を撃退し、後退する。

〈イロナ……〉

「ちゅ、うさ?」

〈姉の復讐自体は否定しないが…アレクシアはお前がそれに固執したせいで死んだ。普段のお前ならあの程度躱せたにも関わらずだ。〉

「わ、私の…せい?」

わたしのせいで、アレクシアさんが……死んだ?



容赦がない、しかも戦闘中に。だが、イロナを落ち着かせるのはこれしかなかった。姉を失った状態から立ち直らせるには連中への憎悪をふくれあがらせる他なかった。しかし、それが原因でアレクシアを死なせてしまった。

自分のせいでもある。

アレクシア、ニコロスと一緒に向こうであったら俺を思う存分殴ってくれよ。

借り受けた艦へ戻ろうとしたその時………

〈中佐、フレイヤです!!〉

ウェンディの言うとおり、フレイヤが飛んできた。すぐに後退するが、間に合わない。

ウェンディとイロナは間に合うが、自分とアサドは………

そういえば……ウェンディが言っていたな。俺の子を産みたいと……そんな兆候など聞いていない。が、俺が死んでも、ルルーシュが勝てば彼女の安全は保証される。

少しは、良い男が………

ところが、何かがアルプトラウムを押してフレイヤから遠ざけた。アサドのデメルングだ………

〈中佐!俺の隊長はあんただけだ!!あんたがいない部隊なんざ…〉

モニターに映ったアサドの顔が消え、同時にアサドのデメルングも消えた。

また、俺をかばって?

ゼラートの脳裏にニコロスの最後がよみがえった。あの時も、自分の一瞬の油断で死ぬべきが自分だったはずなのに………何故?

また、目元がぬれていた。

「どいつもこいつも………勝手に俺の身代わりになりやがって!」

涙をぬぐい、ゼラートはダモクレスを睨み付ける。

〈中佐?〉

「ウェンディ、イロナ……初めて何かを…誰かを憎いと思った。何より、焼きがまわった俺自身が憎い。」

今更ながら気づいた……ニコロスが、アレクシアとアサドが………自分にとってどれだけ大きな存在だったか。

「……シュナイゼルと賛同した連中を殺す。それを今は優先する。」

自分勝手だ……ゼロ個人への興味から寝返っておいて。

いいさ、どうせ落ちぶれた身。とことん落ちるところまで落ちてやる。



〈無事かい、お姫様方?〉

海棠のモーナットが合流した。側近枠の二人も健在のようだ。

「ああ、何とかな。セラ、貴方は……セラ?」

〈あ、ごめんなさい。〉

戦場でぼーっとするとは……この子は今までそんなことがなかったのに。

〈……君、今すぐ後退しなさい。そんなんじゃあ危ういし、守れそうにない。それどころか、姉姫様が危ないよ。〉

海棠が指摘した。そう、原因は察しがついている。

「セラ、ライルは無事よ……行ってあげなさい。」

〈姉さん、でも……〉

あえてエルシリアは厳しく告げる。

「今の貴女ははっきり言って、邪魔なの。『双剣皇女』の片割れとして、なまくら以下じゃ当てにならないわ。」

〈………分かりました。〉

ベイランはベディヴィエールの識別信号のする方向へ向かった。

〈良いお姉さんだね、あんた。惚れるよ?〉

「からかうな。」



フレイヤでまた、多くの敵が消えた。だが、デルクはそれを喜べない。

俺は……確かに祐介と香奈のせめてもの手向けに日本を取り戻そうとした!だが……これでは、結局同じではないか!!

君主が変わるだけ、ブリタニアによる世界制覇がなされること自体に変わりはない。当初の目的さえ達成できないまま『黒の騎士団』は、自分達はシュナイゼルの駒になってしまった!!

俺はどこで、何をどう間違えたんだ!?

認めようが認めまいが、フレイヤがあるシュナイゼルに逆らおうとする者などいない。星刻達はそれを見越しているかどうか………デルクには知ることが出来なかった。



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