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お気楽極楽なSS発表会

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[38633] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-49『死地へ赴く者達…後編2』
健 - 2019年08月25日 (日) 19時48分

ノエルは自分でも不思議に思っていた。着いていく命令があるわけでもないのに、パラディンの調整を行っている……

貴族制がなくなったから、その感謝?それとも貴族制にしがみつく奴らが縋るシュナイゼル殿下を斬りたい?

いや、多分理由はライルだ……別に有紗のような感情があるわけではない。

只、彼という人間が好きだから?忠誠心以上に……

もう一つ、ヴェルドとコローレが着いてくると分かっているからだろう。あの二人とライルは普段は振り回してライルが仕返しをする構図だが、付き合いの長さと密度という意味では軍では一番だ。

やっぱり、兄さんの代わりを求めているのかしら?



ゲイリーは親戚筋などの意見調整をようやく一区切りした。ライルについて行く状況から、クレヴィング家はルルーシュの貴族制廃止に同調したことになる。

幸い、名門貴族と言っても固有の領地はそれほど広くない上にあくまで士官学校や軍需産業などのパイプがメインだった。それでも、積み上げてきた名誉より命を選んだゲイリーの考え方は士官学校の教官を務める親戚筋や他の財閥系の親戚からは『腑抜け』と非難された。

「『腑抜け』か……確かにな。『屈辱ある生より名誉ある死』と言っていた私が。」

貴族の間ではよく言われる『屈辱ある生より名誉ある死』……ゲイリーもそれを良しとしてきた。軍人であるのならば尚のことだと……が、ライルは違った。

まだ彼の下について間もない頃……

『軍人なら部下の命を預かる責任を持つべきではないのか?国のために死ねるのなら本望なんて軽々しく言うべきではないはず!』

若く、青臭いヒューマニストもしくは理想主義者。そう軽く見ていた時期もあったが……ジュリアの事件以来、彼は豹変した。そう、あの実力主義と行きすぎた貴族主義への反発…否、憎悪か。

それ以来、皇族としての地位には気を配っても体裁そのものは軽んじるという矛盾した行動をとるようになった。

『面子などは実績でカバーできる。だが、人の命は取り返せない。死んだら終わりだ、彼女のように。』

そう言いながら、兵達の命を諦めねばならない時もあった。そのたびに彼は唇を噛みしめていた。

ゲイリーはそんな彼を案じていた……軍人の先輩として、大人として。

「あの方の甘さがうつったのだな、やはり。これで私も長野と同じ『家族恋しさに尻尾を振る臆病者』、か。………悪くない。」

長野の助言や秀作の後見人を引き受けてからの行動が実ったのか、ゲイリーを一方的に嫌っていた息子達も静観せよという指示には同調し、妻も渋々ながら了承した。少なくとも、直接の家族の命が守られたことをゲイリーは安堵していた。



エレーナは弟と妹にドリンクを持ってきていた。二人ともKMFの調整を行っており、一息ついていた。

「姉さん……何で殿下のところに行かないの?」

「……行こうと思ったんだけど、丁重に断られて。」

「………まさか、飽きたのか?」

飽きられた……一瞬、疑うがそれは違うと思う。

「多分……最後にしたくないのよ。」

「最後に……なんって不器用な人。」

セルフィーが呆れ、ヴァルも意味を悟る。

「ったく、最後かもしれないんだからたっぷり楽しめっての。まあ、あいつのそういうくそ真面目なところは好きだが。」

「それは言えてる………あの人のチャームポイントの一つね。女絡みで言えば、真面目すぎて全員と真剣にってのが逆に欠点になってるけど。」

そして、今度はセルフィーが睨み付けてくる。

「ねえ……もう一度聞きたいけど、好きになった理由は姉さんの身体を要求しなかったから?」

「……ええ。父さんでさえ踏み止まるのに苦労していた。」

が、ライルの場合は既に想い人がいたのも理由の一つだが……同時にエレーナ自身も一目惚れしていたのかもしれない。

「あの人……私を見て純情な反応をしたから。その…ちょっと、可愛いと思って。」

男なんてみんなそうだと思った。どうせ、私の身体以外興味がないと。ファンを自称する男なんて腐るほど見てきた。だが、軍や政府または財閥の当主や息子ばかり……幼い頃から見てきた下品な顔だった。

「多分…一目惚れしてたんだと思う。」

弟と妹がそれを聞いて、笑うこともなく黙って聞いていた。

「笑わないよ。俺だって、女を殆ど信じてなかったんだぜ……」

「姉さんに露骨に言い寄らないし、真面目に付き合ってる。その点で信用できるし……あの人のことだから、地獄から這い上がってでも生きて帰って、姉さんのこと大事にしてくれるわよ。一番は有紗で姉さん達は同率二番かもしれないけど。」

弟と妹のフォローが入り、エレーナは『ありがとう』とだけ述べた。

そう、エレーナにとってライルは正真正銘の様々な初めてだった。

ライル様……私達だけじゃなくて、たくさんの人に影響を与えているのかもしれませんね。

ゼロや枢木スザクが世界に影響を及ぼすのならば、ライルは人の心に影響を与える……そんな気がした。



レイはクリームヒルトの調整を終えた。充分に行ける……流石にカレンが相手では対抗しきれないが、藤堂や星刻ならばライルの邪魔をさせないようにできる。

「あの人にとって、戦場は唯一自分らしくいられる場所……邪魔はさせないわ。」

自分らしく……そう、レイは家ですら自分らしくいられなかった。来る日も来る日もいじめられ、挙げ句の果てに金をたかる他所の親まで出てくる始末……母がブリタニア貴族なのを知ってだ。

幼稚園でも、学校でもそんなイジメの繰り返し………何度も学校へ行くと嘘をついて、公園か学校から離れたコンビニや本屋にいたことか。ばれて叱られたが、すぐに同じことを繰り返していた。

学校はレイにとって魔窟だった。いじめてくる同級生達、レイを悪者扱いする教師………

行かないと怒られる…でも、行けばいじめられる。訴えても取り合わない。一ヶ月以上、行きたくないと喚いて両親を困らせた。

日本が占領されてからは、死んだ同級生の親から殺されそうになり、ハーフとばれれば助けてくれたゲットーの住民から迫害された。

引き取られてからも大して変わらない。軍人になって良かったことと言えば、自分の半分を都合の良い時だけ主張するイレヴンより上になったこと位だ。ブリタニア軍人達からは言い寄られる日々……

そんな中で出会ったライルは両親以外で初めて、信じられる人だった。ハーフの血筋に興味を持ったと正直に言ってくれた。それだけでもレイは救われた。

ヴェルドとコローレはちょっかいを出してくるが、今までの男達のような邪な魂胆はないし、ゲイリーやフェリクスは慣れたという理由であれこれ言わない。ライル軍はレイにとって、家以外での初めての居場所でもあった。

「だから……私はライル様にお仕えすると誓ったの。地獄までついて行くわ。」

彼と彼の部下達とのふれあいでレイは自分らしくいられた。これは自分という存在を認めて、居場所をくれたライルへの恩返しだ。



有紗はいつものように紅茶を入れた。

「ライル様…」

「なんだ?」

「あの……ダモクレスに向かうのって、お母様の仇討ちですか?」

が、ライルは以前にも見た狂気の笑みを見せた。

「冗談でも笑えないよ。アレにそんな価値はない。」

やはり、薄々気づいていた。

「私は決着をつけたい相手がいる。それだけだよ……強いてあの女を理由に挙げるなら、後先考えないで殺せば良かったという後悔。だから、その腹いせだよ……」

腹いせ……よほど、母を殺したかったのか。愛しているからではなく、憎いから。だから…憎い母を殺したシュナイゼルと荷担した『黒の騎士団』で腹いせをする。

まるで、子供だ……

子供……そう、ライル様は子供だわ。

内面の一部分がライルは子供だ……それは無償の情愛や善意の渇望だ。

有紗はそう見ていた。『皇族だから気を遣ってくれる。皇族だから着いてきてくれる。』……つまり、『皇族でなくなれば嫌われる』とどこかで思っているのだ。

本当は自分が一番優しくされたい……だが、皇族だから有紗でさえ側にいる。

何度か抱かれている時にライルの顔を見て……どことなくそんな恐怖を感じた。

違う……むしろ、有紗の場合は逆だ。ナンバーズ同士を戦わせる罪悪感や結局彼が良く思わないブリタニアの政策に荷担しているジレンマに彼の心がずっと悲鳴を上げていた。

周りには悟らせないようにしていたようだが、酷く疲れていたはず。

あの中島京子の処刑の時も……彼女達と、そしてその彼女達に殺された部下達の夢に魘されていた。レイやエレーナもそれを見たという。

本人が気づいているかは分からないが、付き合いの長いヴェルドとコローレは既に見抜いている。おそらく、ゲイリーや長野も無理をしている以上のことを……

「ライル様…」

「なんだ?」

平静を装っているが、高揚は見て取れる。だが、本当にそれだけか?

「ライル様は、シュナイゼル殿下に着いていけないですか?」

突然黙り込み……

「ああ……兄様のやり方は合理的だし確実だよ。だが、人が機械で人を支配するやり方は…あの人は平和な世界というシステムを構築するプログラム…しかもいくらでも代わりが効くもの程度にしか見ていないんだ。人を………だからあんなにも簡単にペンドラゴンを住民ごと消せる。」

「代わりが効くプログラム………あの人にとって、ダモクレスとフレイヤもブリタニアの植民地政策の延長に過ぎないんですか?」

「…かもしれない。だが、それ以上に兄様は執着する対象がないんだと思う。」

執着するべき、もの?

「あの人は私が幼い頃には殆どのことが出来た。勉学、スポーツ、政治や経済など…学生時代は寄宿舎の監督生でしかも非の打ち所がなかったそうだ。ロイドさんとマルディーニ郷のお墨付きで。」

何でもできた……二十代で皇帝から全権の殆どを委ねられる宰相というあまりにも高い地位に収まっているのだから、それくらいの才能はあるのだろう。政治に疎い有紗だってシュナイゼルが次期皇帝最有力候補と聞いているのだから当然だろう。

「だからかもしれない……期待されたことをこなせるだけの才能がある。だから、空っぽ………」

「何でも出来るから……満たされない、ということですか?」

「ああ……多分、兄様の怖いところはそこなんだ。あの人なら、きっと平和というシステムのために自分の命も捨てるよ。あの人は…自分さえ盤上の駒なんだ。」

そんな人を相手に、この人は………

有紗は怖くなって、ライルの唇を奪った。

「……キスは駄目、とは言われていません。」

「君も言うようになったな……だが、それ以上は帰ってからだ。」




[38634]
健 - 2019年08月25日 (日) 19時50分

JINさんの掲示板で色々言われて正直、もう泣きそう。

でも、最後までやりたいとは思っています。

反省点として、人間を増やしすぎて風呂敷を広げすぎたことはもう実感しています。増やしてももっと絞るべきだった。



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