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お気楽極楽なSS発表会

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[38631] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-49『死地へ赴く者達…前編3』
健 - 2019年08月22日 (木) 14時09分

優衣はため息をついた。

「どうしたのよ……」

作業を中断している涼子が問うと……

「ライル様……ルーカス殿下の後、私と全然寝てくれないの。」

涼子が飲んでいたコーヒーをむせてしまった。が、優衣はどうでもよかった。

「っ…!……な、なにそれ………ていうか、彼氏いない私にそれ言うの?」

「だって……それで有紗やエレーナを集中的になら良いのに。」

「………良いのに?」

「クリスタルを最後にだーれもNO!!なのよ!!迫っても駄目!呼ばれもしない!!私達飽きられたの!?」

涼子が深いため息をついた。

「あんた、こんな時によくそんなこと言えるわね。」

「こんな時だからよ!!だって……死んじゃったらそれっきりじゃない。他の男なんていらないもん。」



涼子は何となく分かった……要するに、死ぬかもしれないのなら自分を抱いて欲しいと。

「ねえ……フォローになるか分からないけど。これが映画とかなら最後の夜をたっぷり堪能して今生の別れって……悲恋を描いた映画とかならよくある話じゃない?意外とそういうが嫌なんじゃない?」

「じゃあ、なんで?」

「つまり……あえて断絶することで是が非でも生きて帰るって誓う一種の験担ぎじゃないかってこと。」

「……じゃあ、そういうことにする。」

そう言って優衣は出て行ったが、涼子は少し羨ましかった。

「ああ、ウチの男連中で良い男いないかしら?」



『ユーロ・ブリタニア』からの転籍者全員には基地での待機が命じられた。万が一にもルルーシュが協定を反故にしたら、すぐにでも脱出できるようにと。

最大の理由として、ライルは【今回の件が本国の皇位継承争いの発展である以上は『ユーロ・ブリタニア』が関与すべきことではない】とのことだ。

「逆ね…」

テレサは何となく気づいた。彼は要するに『ユーロ・ブリタニア』からの騎士達を巻き込みたくないだけだ。

「本国から独立を考えていた私達にまでそんなことを……本当にお人好しね。」

ルビーがそれを聞いて、今度は聞いてくる。

「ねえ……本当に諦めるの?好きなんでしょ、殿下のこと。」

「………うん、もっと早く会っていたら…好きになってた。あの中に入る位。」

好きになり始めていた……だが、その頃には既に有紗やレイと結ばれていた。

入れない……あれだけの魅力的な美女達の中に。大きく出遅れた……自分より出だしが遅いエレーナは驚くほどの勢いで結ばれたのに…………

「私、最初はマンフレディ郷の次の主君としてならいいって思ってた。」

だが、彼は彼で魅力があった。己の地位に強い責任感を持って……それ故に国を正そうとした。他者を貪り、貪っても貪りたいないかのように骨まで食い尽くす国を……

自分も荷担していることに葛藤して………有紗もそんなところを好きになったのだろう。

でも……今更入れない。私は、騎士としてあの人に仕えればそれで良い。

知らずの内に涙があふれ、ルビーが優しく頭をなでてくれていた。思わず、亡くなった義理の両親を思い出してしまい……しばらくそのぬくもりに縋った。



クルークハルトは生き残ったルーカスの女達の様子を見てきた。相変わらず酷く、中にはライルの元にいる女達への憎悪を感じさせる者もいた。

同じナンバーズなのに、か………不平等を正義とするかつてのブリタニアならば正に正義だ。それに……

ライルとルーカスは同じ皇族だが、どう転んでも別の人間。主義主張も正に正反対だ。ライルは皇族故の責任感が強い。若いというか幼いというか……少なくとも邪気はない。だが、ルーカスの場合は皇族故の利己心の塊だ。

冷酷だが、どうにもならない問題だ。あの女達が自力で乗り越えるしかない。最低限の支援はしても、彼女達が男という生き物を信用できるようになるかは彼女達の問題なのだから。

ルルーシュとシュナイゼルは分からない……『ユーロ・ブリタニア』としてはどちらも討つべき皇族。だが、事態はもはやその次元を超えている。

「ヴァルター様?」

『ユーロ・ブリタニア』の下級貴族の娘が声をかけ、「なんだ?」と問う。

「い、いえ……なんか、難しい顔をされていたので。」

よく見ると、他の女達も見ていた。

「別に……たいしたことではない。サン・ジル郷や『ウリエル騎士団』の貴族が今の俺を見たら、なんて言うか考えていただけだ。」



マルセルは家族で写った写真を眺め、自分がこれまでたどった物を思い起こしていた。

あの頃、マルセルはロシアの平凡な商社マンだった。イレヴンの隔離をやむを得ないと考えられたのもイレヴンの友人がいなかったからだ。だが……『ユーロ・ブリタニア』の侵攻で全て失った。

会社の資産などは全て親会社の財閥に奪われ、逃げようとしたらロシア州軍が妹と荷物を狙ってきた。頑固に抵抗する妹は業を煮やした兵士に射殺され、両親も殺された。

呆然としていたマルセルだけが生き延び……『ガブリエル騎士団』に保護され、マルセルは彼らの方が祖国の軍隊に見えた。その後、志願兵として入隊……市民として受け入れる彼らを見てマルセルは悟った。

自分は間違っていた……既に革命の精神など時の彼方で、今や自由と平等は政府や軍が私腹を肥やす方便に成り下がった。かつて祖先が追放した貴族の末裔達………『ユーロ・ブリタニア』帝国こそが真の祖国だ。そして、それを伝えられるのは『ユーロ・ブリタニア』に保護されたユーロピア市民の自分だと。

「それが、今じゃあこの様か。俺は結局、何をしたかったんだ?」

家族を失い、真の祖国としていた『ユーロ・ブリタニア』も失われた。ヴェランス大公やゴドフロアが認めた騎士としての身分も意味をなさない……また全てを失った。

「いや、命があるだけマシか。」

無様に生き延びるより名誉ある死……ブリタニア貴族がよく言っていた。だが、そこだけは違うとマルセルは考えた………『ユーロ・ブリタニア』ならば無様でも生き延びて、革命政府の腐敗を伝えるべきだからだ。

「結果論で言えば、革命政府は滅びる………『ユーロ・ブリタニア』の目的の一部は達成できた、か。」



アーネストはソティアテスを見上げていた。ヴィンセントをベースにアフラマズダのデータも取り入れた重装型KMF。この機体を『ユーロ・ブリタニア』の新たなフラッグシップ機にするつもりでいたが、それも途絶えた。

ロシアに居を移していたシェーリン家の本宅にいた者達は本国へ戻る途中であったために無事だ。

家督を譲った親達も何とか説得しているが………

他にも、本国軍へ転属する以前から側にいた家臣や女達も何とかせねば。

「美恵……」

「はい?」

トレウェリから降りてきた美恵にアーネストは告げる。

「お前はどうする。もう、私に仕える必要もない。ブリタニアに住み続けるのなら、大学への紹介ぐらいしてやれる。」

今後は彼女と一定の距離を置き、最後は別れるべきだ。まだ彼女は17歳。本来ならば高校に通っている年齢だ。

せめて、大学位は通わせてあげたい。それがアーネストが彼女にこれまで仕えてきて貰った感謝でもあった。

「私はアーネスト様の物です。他に行くところもありません……」

「……当時のロシア州政府が凍結したお前の両親の資産は全てお前の名義に変えた。」

以前、川村雛が言っていた。美恵が自分に依存している……それは薄々感づいていた。だから、少しずつ距離を置いて彼女が人並みの幸せを手にできるように……

アーネストは慎重に言葉を選んでいく。

「以前も言ったが、無事に生き延びられたら……除隊して大学でも通ったらどうだ?お前はまだ人生が始まったばかりだ………もっと良い男だって見つかる。」



が、美恵はまた育った胸をアーネストに押しつける。

「前も言ったように、永久就職させてください。他の男なんて興味がありませんし、どうせ私の身体とアーネスト様の財産が目当てなんですから。」

アーネストはそれをゆっくりと放す。

「他人を信じなくなったのは分かるが……シルヴィオ殿下やライル殿下は信用できるだろう?」

「あの人達は側にいい女がいるからよ。」

「なら…『十勇士』のエリア・ボルジェーゼはどうだ。」

エリア……あの孤児院出身の彼は確かに。自分の胸を見て、冗談交じりで触りたいなどと言ってきた。軽くあしらうと、それ以来は何もしなくなっている。

「あいつらや……今まで見てきた男共よりはまともだと思います。」

「……なら、男は彼やライル殿下とシルヴィオ殿下を基準に判断しろ。女ならばシルヴィオ殿下のメイドを基準に人を判断しろ。これは命令だ。」

命令……そう言われれば、美恵は逆らう訳にはいかない。

「……イエス・マイ・ロード。」

だが、譲る物もなく美恵はアーネストの唇を奪った。この人の側だけは絶対に譲らない……結ばれることが適わなくてもだ。





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