[38576] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-46『新皇帝誕生…後編1』 |
- 健 - 2019年07月02日 (火) 12時18分
ルーカスは前祝いにフィリアと他に十人の女を同時に抱いた。強力な薬を飲んで、ルーカスは底なしに近い状態だ。フィリアでさえ既に限界が来て、豊かな肢体をルーカスに貪られて弱々しく鳴くだけだ。
まあ、こいつの身体もこれで納め時……『ユーロ・ブリタニア』からもらったロシア人と他はいくらか残して……後はこいつと一緒に全部捨てるか。
あのツーフォーの女はこのロシアの女以上に楽しめそうだ。ライルの侍女も同じくらいは保証できる。
例え、ライルに抱かれていてもたっぷりじっくりと味わって、自分の物と理解させる。そして、俺の物になるのが極上の幸せと実感するだろう。
何度目か分からないがフィリアが限界を超えてのけぞり、ルーカスも一息ついた。
「で…んかぁ………すご…いぃ…」
ライル達はハワイの基地にいるというが………父の件が原因で事実上、ライルの罪は成立しなくなっている。早々に手を打つ必要があるので、ルーカス軍はあるだけの戦力をかき集めた。
マクスタインからの意見を取り入れ、ルルーシュを支持するか不明瞭な不安要素を排除するのが名目だ。
これで俺様に勝てる者はいない。あのジルクスタンだって俺様に従うさ。
『戦士の国』と名高いジルクスタン王国……あの国には不敗伝説を支えた予言があるらしいが、そんなものこの俺様には通じないさ。
あのジルクスタンの王は若く、ナナリーと同じような身体で姉がそれを支えるという。その姉というのがまた上玉だ…弟の身体の治療でもちらつかせれば、その姉とやらも俺の物になる。
秀作はゲイリーと紅茶を飲んでいた。屋敷で住むようになってから、そうした時間を彼は設けるようになった。極たまにではあるが、彼の長男と次男も同席することがあった。
最初こそ、『イレヴンが何故』などと言われていたが今は同僚達ほどではないが会話をする程度の関係にはなった。
「セラフィナ様とは順調なようだな。」
「…………何故、またセラが出てくる?」
どうも、ここのところヴェルドとコローレ、クリスタルだけでなくゲイリーやライルからもセラフィナとのことを聞かれる。
「別に……暫く色々と話している程度だ。」
後は少しばかり、キスをする程度だが………彼女との関係…………
「今の俺とセラの関係が……ライルと突然変異種の女共との関係と同じ、なのか?」
「ああ……息子達も良い年頃だ。手頃な相手を見つけて欲しいものだが………」
その手頃な相手も一族皆殺しなどで減っている。ライル軍内部の貴族達は一時、ペンドラゴンを離れるように当人達が伝えており、現状は動向を決めかねているとなっている。
「お前は……どうだ。セラフィナ様と結婚する気はないか?」
………今、何と言った?セラフィナと結婚?
「あんたが言うのか?………魔物共の同族扱いされる俺が、ブリタニア皇女と?」
「セラフィナ様が特に気を許している男がお前だ。それに身贔屓かもしれないが、お前は『ラウンズ』として通用する資質がある。それに皇族の直属で名誉騎士候のお前なら多少のマイナスは文句を言われまい。」
我ながら、随分と強引な理屈だと思うと同時にゲイリーは内心でこの少年にある提案があった。だが………中々言い出せなかった。
一年も過ごす内に、この少年に対して抱いた感情は………
「まあ、セラフィナ様も現皇帝に対して賛同すれば見込みがあるだろう。」
「そう、今療養中なのね。」
〈ええ、少し体調が崩れてしまったので……〉
雛はウェルナーの携帯にかけていた。『セントガーデンズ』の攻撃以来、一度携帯の着信を拒否にしていたがルルーシュの即位がきっかけでライルの暗殺容疑が弱くなったためだ。ゲイリーやほかの幕僚たちの了承も得た上で着信を可能にした。幸い、向こうも番号が変わっておらずに雛も安心していた。
「悪いわね……心配かけちゃって。」
〈いえ、ルルーシュ兄さんが生きていたのにも驚いて……僕は当面、母が僕の権限も代行することになっています。〉
「あんたの母さんって…文官の家だったっけ?」
〈はい……しばらくはこちら側から行動です。母は協力をする代わりに、僕の身体についてはこれまで通りの対応をしてほしいと考えてます。後…〉
「あと、何?」
〈僕個人としても一度兄さんに会いたいんですよ……〉
会いたい……皇帝に、いや兄に?
「ウチの、処遇について直談するんだったら……たぶん、あんたじゃ相手にされないわよ。」
〈………そう、ですか。やっぱり…〉
「でも、気持ちはうれしいわ。ありがとう…」
久しぶりに、ウェルナーの声を聞いた雛は少し胸が高鳴っていた。心なしか…顔も少し熱い。
ライルは悪夢にうなされていた。フェリクスとセヴィーナが殺され、更に振り返れば有紗達も殺され……彼らが腕を、服を掴んで自分を引きずり込んだ。
よくも…お前のせいだ……呪ってやる…殺してやる…■………
「くそ…あの男を問い詰めようとしたら、暗殺容疑をかけられ………『黒の騎士団』にコンタクトを取って、無理な話を通そうとした挙げ句に今度はこれか。」
頭に手を当て、立ち上がってシャワーを浴びる。
幸い、皇帝暗殺容疑は証拠が少なかった上にルルーシュがシャルル皇帝を殺したと公言したことで事実上無効となった。
とはいえ……私が今度はルルーシュを殺そうとしたなどといわれればおしまいだ。
せめて、そうなることだけは避けねば。
…………こうなった以上、ルルーシュに頼るしかないか。せめて有紗達の命と今後の生活の保障だけでも………
そのためならば、母の親戚筋が所有していた土地だろうが何だろうがくれてやる。だが、あそこの…オレゴンのあの農場だけは残して欲しいところだ。
いっそのこと、あそこ以外は全部放棄して「ゲイリーやレイの言うとおり……軍務を離れるのなら、所謂『農場のおじさん』という人生も悪くないかな?
だが、そういう人生を歩もうにも……どうしてもルルーシュとシュナイゼルの動向が気がかりだ。
どうしてかは分からないが、ライルはシュナイゼルよりルルーシュに着くことを考えていた。おかしなモノだ。宰相として確かな人望があるシュナイゼルよりも、少し前まで■んだことになっていたルルーシュに着くなどと。
それにしても……ルルーシュはどこでギアスを?C.C.が関係しているのか?V.V.が私に契約を持ちかけたように………ルルーシュも?
ギアスとルルーシュ、シュナイゼルの動向を考えるライルの耳に通信機の音が入った。
「どうした?」
〈殿下!ブリタニア軍がこちらへ向かってきます!ルーカス殿下です!〉
涼子の報告を聞き、ライルは表情を引き締める。
「通信は?」
〈皇帝に賛同しない反逆者を討伐する、としか!〉
ルーカスめ!ルルーシュに着いた……いや、待てよ?あれが素直にルルーシュに従うとは思えない。ギアス…の線はない。少なくとも、あの時ルーカスはいなかったという。
「まさか…」
我ながらあまりにもお粗末な推理だが、ルーカスならやりそうだ。
「ルーカスの討伐対象は、私だけか?」
〈いえ、シルヴィオ様達も含まれているそうです!〉
なるほど……だがエルシリアとセラフィナなら奴のことだ。傘下の貴族を婿入りさせて味方にするなりなんなり、考えそうだ。
「涼子、キミはすぐ格納庫に来てくれ。あれを出す。」
〈え…確かに、もう動かせるけど本気ですか?〉
「相手は奴の軍でも、数で押されたら厄介だ。切れるカードは切るしかない。」
こちらは三軍いるとはいえ、奴のことだから本命はおそらくライル………最悪の場合は彼らだけでも逃がそうと考えていた。
「それと、レイと長野の搭乗機として開発させていたあの機体もだす。」
〈イエス・ユア・ハイネス。〉
クリスタルは震えていた。もし……あの事を、暴露されたら………
いや、覚悟を決めよう。彼に殺されても……文句が言えないんだから。
クリスタルはルーカスたちと、少なからぬ因縁があった……肉体関係はない。だが………あの事件は…
自分の考えが甘かったせいで、ジュリアは…ライルは……!
普段は、ライルに色仕掛けをしてアプローチをかけているクリスタルだが、言い出せないことがあった。それは………
〈ルーカス殿下、あなたやスタッカート郷の目をつけた女は我慢しますから、ほかは我々にくださいよ?〉
「ああ、わかっているよ。だが、火傷女は別の意味で生け捕りにしろ?かわいい弟君の土産にするんだからな。」
〈ええ…もちろんですとも。シルヴィオ殿下やエルシリア殿下の旗下の女も上玉揃いですからね。〉
下品な笑い声を上げながら、ルーカス軍はハワイ基地へ向かう。ライルの艦隊だけがこちらへ向かってくるのをレーダーがキャッチした。
「ほう……相手をするか。意気込みだけは認めてやるよ。」
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