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お気楽極楽なSS発表会

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[38545] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-44『会談…後編5』
健 - 2019年06月13日 (木) 18時12分

結局、交渉は複数の要因が重なって双方に何の実りももたらさないまま、枝分かれになり決裂した。

もし、潔白が証明されればライルはこの件を外交的に訴えようかとも考えたが、いかんせんこちらも物的証拠がない。生存者は全て『黒の騎士団』に預けたのが裏目に出たようだ。

一部のライルの部下達は幹部クラス、それこそカレンをもう一度人質にと主張していたが、副司令の扇要と個人的に親しいブリタニア人の少年……ラルフ・フィオーレを人質に受け取ると共に『ロンスヴォー特別機甲連隊』の主要部隊の隊長と側近枠またはエース級のパイロットを捕虜とする形を取る。これでE.U.から合流した軍隊を部分的ではあるが弱体化させることができる。

尤も、今度は人的被害を被ったという理由で雛や幸也が報復を主張していたのを窘めるのにも一苦労だった………

ライルが『個人的な憂さ晴らしを外交に持ち込むな』と窘め、二人は渋々引き下がった。また、扇要個人の提案でエナジーフィラーを始めとした武器と弾薬、水と食料や日用品などの物資が賠償代わりに提供された。ライルでも罠を疑うが、『黒の騎士団』が最初に監査を行った上でブリタニア軍が監査を行い問題がないと判明した。毒物などは特にブリタニア側が徹底的に行い、安全だと証明された。



銃や通信、KMFの機動キーは流石に許されなかったがそれ以外の私物はいくらか許され、ラルフはブリタニア軍に引き渡されることとなった。

「ラルフ……」

「カレンさん、貴方はゼロや枢木スザクと同級生だったんですよね?」

ゼロの戦死の真相を聞いた後、カレンからゼロとスザクがクラスメイトであったと聞いた。同時に、ラルフの中で疑念が浮かんだ。

「カレンさん、貴方にとって二人は何だったのですか?少なくとも、クラスメイトとしての二人を知っていたのでしょう?」

そう、ならばゼロやブリタニア軍人である以外の面だって多少は見ていたはず。なのに……

「貴方も同じなんですか?『ゼロの仮面』と『首相の息子』以外に用はないんですか?それとも、所詮皇族と裏切り者ですか?ゼロにとって総督以外が『そんなこと』であるように貴方にとっても自分のお母さんやお兄さん、扇さん以外は『そんなこと』になるんですか?」

『家族の生活』なんて日本が取り返せればすぐに解決する………扇やカレン、藤堂は今みたいな質問をされればそういうことは言えないタイプであったが、殆どの団員は『ブラック・リベリオン』以前からそんな風潮が強く、疑念を抱いていたのは浅海くらいだ。その浅海でさえライルと会うまでは『そんなこと』扱いだったらしい。

「そうじゃないわよ……でも……」

「でも?」

カレンはそれ以上返せなかった。ラルフはそれ以上聞かなかったが……

「もう彼らの詳しい事情を僕には知りようもないけど……ほぼ全ての日本人から『将軍の孫』以外の価値を認められない畑方秀作も、クラスメイトさえ『ゼロの仮面』と『首相の息子』以外用がないと見なすのなら………彼らがあまりにも可愛そうだ。」

ここまで来ると、いくら仲間を只の駒としか見なさなかったゼロでも同情してしまう。

「でも、僕も同類でしょうね………扇さんに父の代わりを求めていたんですから。」

結局、人間なんてそんなものなのだろうか?人の苦しみや不幸を蜜の味として、看板通り以外の価値しか見なさない。自分も含めて……

もし、『名将の孫や首相の息子らしく日本のために存在できないのが可愛そう』等と言っていたら自分は扇やカレンを殺していたのだろうか?

敵だろうが国が違ってもそんな考えだけは到底ラルフも受け入れられなかった。多分『貴族のために**(確認後掲載)るのが庶民の幸せ』などと考えるブリタニア貴族を見ているからだろう。



海棠とゼラートの側近達は全員がKMFごと投降した。ライルは彼らを敬礼で出迎え、彼らも敬礼で答える。

「見た目通りの人間だね、君は。」

「褒め言葉として受け取ります……貴方方の扱いにつきましては、国際法に則りますし私個人としても丁重におもてなししたいと思います。」

海棠に対する答えで、ゼラートはため息をついた。温室育ちという自覚はあるだろう……だが、それ以上に良くも悪くも純粋な子供だ。彼が部下の人望を集めているのもそれから来る愚直さなのかもしれないが……

上に立つ人間としては致命的な弱点だな……19で軍隊率いて今日までやってきたんだからそれ相応の能力は間違いなくある。が、性格面では別問題だ。

「お前のような愚直とも、ある意味我が侭な子供の上司を持った部下達の苦労をお察しする。」

ゼラートの発言に全員が銃を向けるが……

「ええ……我が侭でしょうね。でも、それに付き合ってくれた人達のためにも出来ることをせねばならない。皇族として生まれた責任だってありますから。」

予想通りだ………自覚はあるし、責任感もある。

「お坊ちゃんなりに誠意を尽くす意志はある、とだけは認めてやるよ……だが、もう少し冷徹にならないと後で泣くぞ。」

「冷徹になりすぎて、部下の命を蔑ろにする主君にはなりたくありません。私は奴らやあの女の同類になりたくない…」

「そうか……」

奴の母はE.U.にも噂が届くほどで悪い意味で典型的なブリタニア皇族だったという。どこまで本当か分からないが、貴族と結託して息子の部下達を殺そうとしたのがばれて幽閉されているという。

だが、ゼラートはそれを嗤うつもりはない。根本が母親への反発や嫌悪でもそれをここまで発展させたのはライル自身。そこだけは認めてやるつもりだった。

「せいぜい、自分や部下の破滅を招かないようにするんだな。」



涼子は鹵獲された三機…アルプトラウム、モーナット、シュテルンの三機を見上げた。アルプトラウムはガウェインによく似ており、二機は紅蓮と同タイプだろう。

「ラクシャータ・チャウラーあっての『黒の騎士団』のKMFね。」

紅蓮は完全な日本製のKMFだと彼らは謳っているが、涼子はそう考えていなかった。そもそも、大元の壱式は神虎と同じインド製のKMF。つまり、広義でいえば中華連邦のKMFということになる。月下や暁も名前だけが日本でも、結局極一部の天才技術者が開発した中華連邦のKMF。E.U.も『ハンニバルの亡霊』が運用していたアレクサンダという機体がある………ブリタニアに追随する形で二つの強国もKMFを開発しているが、日本は出来ていない。せいぜいグラスゴーに手を加えた無頼程度だ。付け加えるならば、例え占領戦がなくとも所詮日本の技術などたかが知れているということになる。

サクラダイト採掘量が世界最高レベルでも技術は併行しない、か。日本製だっていうのなら、本当に自分達だけで骨から組み立ててからいいなさいよ。

涼子も新米とはいえ、技術者として意識は持っている。ブリタニアのKMF技術を学び、自分で一から開発したいものだ。



捕虜になった海棠龍一にエルシリアは会っていた。手配画像では乱れた髪に無精髭だが、今は髭を剃って髪もオールバックにまとめている。

「画像ではとても大佐という階級に見えないが、少なくともそれならば大佐という階級は頷けるな。」

「外見で戦争は出来ないよ?人種や爵位が戦場で役に立たないように…」

人を舐めている、とは違う。やる気のない口調だが言葉の内容自体は痛烈だ。エルシリアもそこは同意見だ。国が勝ったからといって、全てにおいてブリタニアが上だとは思わない。

「しかし、お前のような男が軍人だと名乗っても信用されない態度であるのは揺るがないぞ?」

「そりゃそうだね……まあ、俺に言わせればあんたも妹姫様も戦場で剣持って馬で走り回るよりもドレスでダンスかピアノを演奏している方が似合うよ?」

「皮肉か?」

「日本占領されたささやかな仕返し。」



シルヴィオは仇敵のゼラート・G・ヴァントレーンと対面していた。

「生身で会えるとは思わなかったぞ……」

「既に会っているだろう…等と返すのは無粋だな。」

両者は睨み合い、ゼラートが手刀を振るうがシルヴィオはそれを受け止めて目を狙うがゼラートはそれを躱し、二人は互いの目の前で手を止める。

「刀がなければ弱い、等というつまらない男ではなかったようだな。」

「刀なしでも、首の骨を折るなり頭を踏み砕くなりで人は殺せるんだ。自分の身を守る意味でも訓練は積む。」

だが、正直危ないところだった。この男、『血の紋章事件』で失墜したゴルドシュミット家の子息らしいが相当な修羅場を潜ってきたのは確かだ。

「出来れば、決着はつけたいところだな。」

「奇遇だな、俺も同じ意見だ。弟の方は俺の趣味に合わんが、お前は合いそうだ。」

二人は互いに微笑し、にらみ合っていた。



その後、ラルフ・フィオーレも軟禁という形で人質に加えたライル軍はエルシリアとシルヴィオが皇帝暗殺容疑のかかったライルを重要参考人として拘束、軍も行動を制限されることで本国へ向かう。とはいえ、いきなり本国基地はまずいので、本国との距離が丁度良いハワイだ。幸い、ルーカスも今は本国に戻っており面倒なことにはならない。

基地の者達にも事実確認が取れるまでは、ライル軍を両軍の監視下に置く形で暫くは艦内待機させることで基地側の介入を防ぐことになっている。

皇帝の招集がかかっているにも拘わらずに動かないのは、彼らは気付いているからだ。皇帝はゼロかシュナイゼルのどちらかに殺された可能性が高いと…



[38546]
健 - 2019年06月13日 (木) 18時20分

Ryuさんが書いた寝返りネタというわけではありませんが、好敵手と会った四人は個人的に勝負をつけたがっています。只、描写はないですがゼラートはゼロにも強い興味を抱いています。


後、ラルフとカレンの会話……私なりにカレンについて思っていたことです。ゼロと首相の息子に拘っていた節はあったと思ったので………でも、ラルフが抱いていた疑念「将軍の孫らしく日本のために戦えないなんて可愛そうだ。」というのは流石に本編に皆無と言えないのがちょっと怖いです。我ながら相当種運命の影響を受けているようだ………

ま、秀作に面と向かってそんなこと言ったらそれは「どうか私を殺してください」と言っているのと同義語だが。



Ryuさん

合法的に蓬莱島に逃げ込もうとしたが、暴走した急進派はともかく俗物共のせいで信用できなくなりました。

個人的に質問ですが、私は長野や有紗、秀作を俗物扱いしたら長野は言い返せないでしょうが……幸也、優衣、涼子、雛は激怒すると思います?

私は「日本とブリタニアの両方に家族を殺された俺はどうすればいい?」、「ブリタニアに親を殺され、後見人に裏切られた私達がどうやって日本のために戦えと?」、「じゃあ、あんたらはどうなの?家族と一緒に飢え死にするかカミカゼしろ?でお前らはそれを美化して自分達はしないって訳だ。このクソッタレ共が!!」

いずれにしろ彼らにとっては無理難題であるからこれに近い反論をしそうです。



JINさん

こっちはこっちで真面目に考えてるんです……

[38698]
JIN - 2023年01月30日 (月) 07時16分

真面目?

それがどうした!



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