【広告】Amazonにて人気の 日替わり商品毎日お得なタイムセール

お気楽極楽なSS発表会

(ログ数の節約のため、管理人からの返信はありませんが、全ての作品に眼を通しています)

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[38500] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-44『会談…前編5』
健 - 2019年05月01日 (水) 13時10分

海棠は自分の愚かさに腹が立っていた。まさかあの男がここまで愚かな行動に出るとは……ゼロの件でもまだ色々と扇達に文句だけでも言いたいのに、もはやそんな気力すら失せてしまう。

「ああ……ストレスで胃に穴が空くか、髪が抜けそう。」

ルーマニアの軍から来た、イレヴンとルーマニア人のハーフの男性が労る。

「大佐、それをいえば我々全員が同罪ですよ。」

だが、扇や藤堂、星刻はどうだか分からないが玉城のような教条主義に凝り固まった幹部クラスまたは末端の連中…特に奴のシンパあたりが色々喚くのが容易に想像できる。だが、万が一にも藤堂までそちらに着いたらもう海棠は日本に愛想が尽きてしまいそうだった。

「頼むから、藤堂……お前はあのバカみたいな事言わないでよ?」

祈らずにはいられなかった。

「大佐……あいつら、まさかこじつけるつもりじゃあ。」

今考えていたとおりのことを裕太が懸念すると、海棠は深いため息をつく。

「勘弁して欲しいよ、そんなの。本気であっちに同情する……こっちは借りがある上に迷惑までかけて。こんな返し方はしたくないね、俺個人としては。」

「借り………あの時の子達ですね。浅海以外にも何人か彼に興味がある子はこっちにもいます。ゼロの事例があるから………ライルもでは?という不安心理は分かります。でも…」

セーラも同じ意見のようだ。といっても、それは全てを聞いた他の部下達もだ。

「全部それで片付けるって……あいつら、少なくとも藤堂中佐と星刻は現役の軍人じゃないですか。『四聖剣』の千葉も。」

日本軍時代の部下が流石にそれは無いと主張する。海棠とて、そうであって欲しいと思う。が、今は…

「つくづく自分の馬鹿さ加減に腹が立つ……こんな事なら、E.U.に逃げる前か『方舟の船団』の時に殺しておけば良かったよ。」

そう、奴も愚かだが自分はもっと愚かだ。

何しろ、アレに『今この状況下で休戦条約に対する抵触と捉えられるような事をすればどうなるかは分かる。』という軍人なら多少は考えるであろう見識を期待したのだ。

いくら性根が腐りきっても軍人なのだからと、始めからない物に期待をした結果がこれだ……

「後悔先に立たずとはこのことだな……後先考えないであいつを殺すのに頭回せば良かった。」

「大佐が負い目を感じる必要はありません!全部、奴らが悪いんです!!」

子供達の一人が弁護し、ギリシャの正規軍から合流した下士官が続く。

「正規軍の連中も奴と結託していたそうです。あいつらのせいで超合集国に加盟したE.U.脱退国や軍を派遣した亡命政権の信用まで落ちました!!」

そう……只その場の欲望を満たす奴らの愚行で超合集国ひいては『黒の騎士団』そのものの国際的な信用が早速疑われるのだ。只でさえ、外に漏れたら『黒の騎士団』…否、合衆国日本そのものが信用を無くすような事を扇達がしたというのに。

「フォローは嬉しいけどね……俺がその発端を招いちまったのも事実だ。扇達と良い勝負だぜ。」

「大佐は違います!!常に世界を、物事の先を見ようと心がけておられます!!ブリタニアに下るのもやむなしというお考えも、誇りや魂、国土以上に民の命と生活を想えばこそ!我々が見ようとしなかった名誉ブリタニア人の事情を想像する事を教えてくれたのは大佐なのです!!」

同じ日本軍時代の下士官がフォローし、子供達の一人である青年が同じくフォローに入る。

「大佐は時代に対応しようと心がけておられますが、あいつらは半分以上が俺達と同じ素人です!それに…」



「前時代的に加え、教条主義の杓子定規という点だけはどうしても否めないな。」

ゼラートは扇達の動向については分からないが、末端…特にライルを異名通りの洗脳だと考える連中の動きが気がかりであった。聞いた話ではカレンと『四聖剣』の卜部が率いる部隊以外は素人の集まりという弱点が露呈した結果、民間人へのテロを強行して『グリンダ騎士団』に返り討ちに遭い、カラレスに弾圧政策の方便を与えてしまったという。

「加えて…ギアスの有無は別として、『洗脳皇子』だと決めつけるうってつけの人間がいる。」

池田がその人物の名を口にする。

「畑方秀作か……」

「そう、『極東事変』より以前から世界から一目置かれた畑方源流の孫………奴がギアスで操られているのならば、異常なまでの日本の憎悪も説明が付き、『洗脳皇子』の秘密がギアスと考える事も出来る。」

ゼラートが池田に回答するが、池田は唸る。

「だが……ゼロと違ってオレンジのような奇行に走った者はいない。大体、そんなことを言えば枢木スザクはどうなる?」

池田の指摘は実に的確だ。そう、ライルがそうだというのなら枢木スザクまでそうだと強引に決めつけるのではないか?と考える事も出来る。

「それに、家族が無事な人とかはどうするの?ゼロのギアスってのがどういう能力か分かったけど、根深く調べられたら占領後も家族が無事な人なんて嘘はすぐばれるでしょ。あの日本軍人なんか…」

「つまり、本当は死んだ家族が無事だとギアスで吹き込んでも調べればばれるリスクを冒す意味が無い、か。」

イロナの指摘にアサドも頷く。そうだ……ゼロとライルの決定的な違いがあるとすれば、直接会っても奇行に走った者がいないということ。浅海やクラリス、中華連邦の楊 藺喂は妙にライルの肩を持つ。三人ともライルと直接会っているそうだが、オレンジやユーフェミア、ギルフォードのような行動に走っていない。つまり……仮にライルもそうであっても現時点でギアスをかけられた可能性は低いということだ。

「考えれば考えるほど、ライルは違うようね。女を口説きまくっているのは別として…」

イロナが個人的な邪推を入れているが、そうなるとライルがギアスユーザーという可能性はだんだん低くなってきた。

「その辺を指摘すれば、扇や藤堂は分かりそうですね……それ繋がりであいつのフォローしてあげる?こっちもこっちなりに借りはあるし。」

アレクシアは既にライルの部下であるナンバーズ出身達の家族の事情などを調べようとしていた。

「まあ、あいつらがそれに目を向ける器量があるかどうかだな。」

「期待は?」

ウェンディの問いにゼラートは数秒沈黙して…………

「扇は、そうだな……藤堂や星刻、皇議長もいるからあのあたりは大丈夫だが…」

民族主義ではないが、杓子定規と教条主義が合わさった連中が多いとはいえそこは大丈夫だろう。だが、末端、特に行村のシンパの暴走を止められるかと聞かれればおそらくそちらは期待できないかもしれない。こちらで手を打つようバルディーニに上申するべきだろう。始末するのを前提に…

「それに………そこまでギアスとやらを疑うなら私で試してみるか?個人的に直接会いたいしな…」

池田の提案は無謀ではあるが、試す価値はあった。ギアスの詳細な条件などは目を合わせる程度しか分からない。もし、池田がライルに寝返るようなことがあればギアスをかけられた可能性がある……



事件後……ブリタニア軍の艦はすぐにKMFを発進させ、艦の警備に当たった。『黒の騎士団』の警備体制は当てにしない、という意思表示と二度目の防止だ。これで文句を言う者がいたら、それは只の愚か者だろう。

事件を聞いて、羽田美恵が極端な意見を出した。

「ねえ、あいつらもうぶっ殺しちゃいましょ。」

「私も同意見!後一歩で、お姉ちゃんが攫われるところだったのよ!少し遅かったら、私や有紗も危なかったんだから!」

「言えてるわ。外交的責任なんか生温い……いますぐ、この蓬莱島を消してあのガキ二人と奇跡のペテンオヤジ、クソ女の生首持って帰れば本国も許してくれるから!」

「そうです、殿下!ゼロに加えてあいつらも消えれば勝ったも同然!!E.U.だって降伏する!」

美恵に続いて優衣、雛、幸也と中枢と同じ日本人達が報復を主張する。しかも……証言によると美恵にも目を付け、エルシリアの部下の女達も攫おうとしていたらしい。

「俺も同意見だ…魔物共が自分達の非を認めるものか。奴らは言うに事欠いて、お前とセラが俺を操っているなどと抜かした。他の奴らも俺達全員をお前が洗脳したなんて決めつけるに決まっている。百万匹の魔物共ごと不意打ちすれば勝てるさ。『ラウンズ』を討ち取った雌がいてもな。」

秀作も同調するが、ライルは彼らの有り様を少し嘆いた。ここに来て反対派への怒りが限界間近……否、もうずっと前から超えているのかもしれない。元々彼らは恭順派と言うよりも同国人の理不尽への怒りが強かったが、今回でそれが決定打になった。

「向こうは行村達の独断だと言って、知らず存ぜずを通されたらどうする?あの様子だと本当かもしれないだろう?」

「仰りたいことは分かります…」

「確かに……大体、ライルの元にいる女を攫おうなんて発想自体が貧困だ。」

「私なら、ライルが艦に戻った頃を見計らって艦ごと爆破する。後でいくらでも言い訳を出来るようにしてからな…」

ゲイリーは慎重に事を運ぼうとしている。シルヴィオとエルシリアも概ね同じ意見だ。

「でも……もし、秀作や名誉ブリタニア人達を移住させるのが兄さんの駐留を許す条件なんて行ってきたらどうなるんです?」

セラフィナの考えに全員が耳を疑った。名誉ブリタニア人を移住、つまり手放せ?

「いくら何でもそれは無いよ、セラ。名誉ブリタニア人制度が希望制なのはここにいる誰もが知っている……私が特権でそうしている者もいるが、大半は希望者だ。私の誘いを断った者もいるし………そのリストもある。」

ライルはそれを見せれば、少しはそういう意見が出せないと考えていた。あの後で戦死した者もいるが、まだ無事な者もいるという。各エリアに連絡を取って、彼らの証言を送ってもらう手もあるのだ。

「いずれにしても、彼らに事の真相と責任を問うのには変わらない………事と次第によっては、丁重にお引き取りするしかないだろう。」


[38501]
健 - 2019年05月01日 (水) 13時11分

どうしても、こうなってしまいます。

海棠や池田、いくら何でもこじつけたりしないだろう……と思っていますが、ゼラートやクラリスはこじつける可能性を疑っています。



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】Amazonにて人気の 日替わり商品毎日お得なタイムセール
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板