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お気楽極楽なSS発表会

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[38491] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-44『会談…前編2』
健 - 2019年04月20日 (土) 13時49分

ライル達は蓬莱島に特設された会議場で会談を行うために呼ばれ、降り立つ。流石に団員達は銃を所持しており、出迎えたのは皇神楽耶だ。

「合衆国日本代表兼、超合集国初代最高評議会議長の皇神楽耶です。」

「神聖ブリタニア帝国第八皇子ライル・フェ・ブリタニアです。」

握手をして、ライル達は会議場へ通される。相手方はおおよそ予想通りだ。総司令の黎星刻に事務総長の扇要、藤堂鏡志朗………そして、組織の古株達だ。

そして、周囲には亡命した百万人の日本人がこちらを睨んでいた。あからさまな敵意だ……当然だろう。

「ブリタニアの第八皇子?」

「くそ…ゼロ様さえいれば、あんな男!」

「『売国侍』と『混ざり物騎士』までいるぞ……裏切り者共め!」

「今度は俺達を洗脳する気だな…!」

聞こえている……だが、長野とレイの事情を『裏切り』の一言で片付けるのがライルは許せなかった。発端が自分達ブリタニアなのは分かっている………だが、彼らは自分で何とかしようとブリタニアに従う道を選んだ。或いは家族のためにと………それを、この連中はゼロと藤堂が奇跡で空腹や病気を治してくれると本気で思っているのか?

日本で農民達と共に戦った奇跡の美少年ではあるまいし………

『日本軍人なら家族とともに日本のために戦え、半分日本人ならブリタニアと戦え、ブリタニアに従うな』と……そうした文句は何度も聞いてきた。だが、そうしたくても出来ない日本人や迫害された混血はどうすれば良いのだ?特に混血については………どちらにしても居場所があるだけ、ブリタニア人でも日本人でも純血の人間は恵まれているのではないか?

レイのように、どちらにも迫害される人間は存在するなとでも言いたいのか?大体、紅月カレンだって同じハーフだ………彼女はどうなる?少なくとも、ライルにはどちらもレイが言うように都合の良いときだけ半分を受け入れる傲慢な考えにしか見えない。

結局、世界中同じなのではないか?都合の良いもの以外は見ない……ライルも、どこかでそうしているのかもしれない。だが、見ないといけないのだ。それはブリタニアに反抗する者とて同じ……否、反抗するからこそ彼らは見なければいけないとライルは考える。

いますぐ飢えや病気を何とかしたい人に共に戦えと強要するのであれば……日本人に限ればそれこそ『切腹だ、カミカゼだと言って死ぬことが大好きなイレヴン』だ。否、もっと質が悪いかもしれない……むしろ『さも切腹やカミカゼを尊く、崇高なものでそのために死ぬのが何よりも誉れ。ともてはやし、自分達だけは絶対に死なない』、普段から偉そうなことを言っておいて自分は何もしない、腐ったブリタニア貴族と同じだ。

そう考えながら、神楽耶に挨拶をする。

「この度は、急な会談の申し入れを受理していただきありがとうございます。」

「お気遣い、痛み入ります。どうぞ…会談は会議室で。」

神楽耶と団員達に案内されるが、そのまえに……

「武器は、預からせていただきます。」

随行していた長野が不快感を示す。だが……

「分かりました。お願いします。」

ライルはすすんで剣と銃を手渡し、長野とシルヴィオも刀を、エルシリアとセラフィナ、レイも剣を渡す。

会議室へ向かう道中、楊 藺喂を見かけた。藺喂は何も言わずに会釈だけする。だが……

E.U.の制服を着ている兵士がこちらを見ている。皆、警戒と困惑が混じった表情だ。しかし、何故こんなに?ゼロの件で何かもめているのか?

もし、先日疑ったとおりならば…その不協和音が早速広がったということになる。深く勘ぐられたとして…どうやって外部から参加した人間達を納得させるつもりなんだ?

そして彼らが果たして、その後の組織運営や方針にどこまで目を向けていたか………

「久しぶりね、ライル…」

声をかけられ、立ち止まるとそこにはクラリス・ドゥ・ピエルスがいた。

「こうして直接会うのは二度目ね……シマネでのデートは中々良かったわ。トリプルでなければ、尚のこと。」

「お気に召していただいて何より…会談があるので、世間話はまた後ほど。」

「ええ、期待してる。」

「随分と親しいようですね?」

「KMFで三回ほど斬り合い、パーティーで一度会った仲です。」

神楽耶の問いに事実だけを伝える。どうせ取り繕ったって邪推されるのは目に見えている。ならば、はっきり伝えた方が良いだろう。



行村はライル達が来たのを見て、舌なめずりをする。

「わざわざ、獲物の方から来ていただけるとは。」

ゼロが死んだのは好都合だ……この後、星刻と藤堂も始末して、実権を握ってくれる。更に、始末したい獲物がまた増えた。

悪名高い『洗脳皇子』に日本剣術を汚す『侍皇子』、そして一人では何も出来ない『双剣皇女』……

流石に外交の相手ということもあって、団員達も見張っている。しかし…あの中には我等が解放するべき人々が大勢、捕らわれている。

「スペインのダンサーに、奴の秘書官と……上玉がそろい踏みだ。」

奴に付いてきているあの侍女とハーフの騎士、秘書官もかなりのもの。是非ともいただきたい……

「奴に汚された身体を我等の手で清めなければな。」

「承知。」

そう、あれほどの美女達は奴のような偽善者にではなく、真の英雄であるこの私にこそ相応しい。帰還したエースがブリタニアとのハーフであるとのことだが、あれもかなりの上玉。

あのエースも、この私に相応しい。フランスの大佐と併せ、私に傅く。この私の手で救出し、そしてこの私に尽くすことが幸せである事を教えてやらなければ。



会議室に入ったライルだが…

「何だ?今日は洗脳したガキはいねえのかよ?」

玉城晋一郎の侮辱とも取れる発言にシルヴィオが冷静に反論する。

「仮にも会談を申し入れた相手にそのような発言……とても一国の安全保障を担う軍の代表とは言えないな。」

「ああ?侍の真似事なんかしてるくせに、偉そうに。」

まるで堪えていない玉城はそれだけ言い返して、席に着いた。

ライル達は皇族四人と四人の警護に騎士が四人、有紗と優衣を連れてきた。

「会談に応じてくれた感謝と言っては何ですが、本国産の紅茶です。御賞味ください。」

有紗が全員に配り終え、後ろに下がる。一口飲み、ライルは相手を見る。中央に神楽耶が座り、更に天子、扇、星刻、藤堂、そして組織の古株達だ。

「早速ですが、貴方はどういったご用件で?」

扇の質問に対し、ライルは資料を手渡す。内容はあくまで、自分達が皇帝暗殺の嫌疑で追われているという事実だけを記載している。ギアスなど、誰も信じるはずがない。出すだけ無駄だからだ。

「我々の置かれている状況です……」

全員分の資料を優衣が手渡し、目を通す。数分後………

「この件に関して、何か証拠はあるのか?」

藤堂の質問にセラフィナが反論する。

「どのような証拠を提示しろと?突然、訳が分からないままに叛逆の嫌疑を着せられ、偽の証拠を突きつけられた人間に嘘だという証拠を用意できると思うのですか?」

正論だが、相手はそれで譲るような相手ではない。

「全てを嘘と断じているわけではありません。ですが、何か証拠に類するものを提示していただきたいのです。」

神楽耶の言葉通り、ライルはもうひと組の資料を用意させた。レイシェフがこちらに送信した画像データだ。

「我が軍の技術者が解析した結果、巧妙に作られた偽の画像であると判明しました。そちらでも解析をしていただいて構いません。幸い、そちらにはラクシャータ博士だけでなくE.U.と中華連邦からの技術者もおられます。」

それから、更に何故シルヴィオ達がいるのか……皇帝お抱えの騎士団『セントガーデンズ』との交戦を伝えた。



星刻は黙って聞く。

画像の解析を許した。つまりこちらがねつ造と疑う可能性を既に考慮……政治的駆け引きの初歩は出来ている、か。異名とは裏腹に用心深い男のようだ。

「分かった、解析はこちらでも行おう。それで、この状況を見て我々に何をしろと?」

「………皇帝陛下が再び表に出てこられなくなり、宰相閣下も連絡が取れない。加えて、我々はこの罪状です。本国の動向も不明瞭な今、戻ることは危険と言わざるを得ないでしょう。」

「つまり、我々に保護を求めていると?」

「………いえ、この不安定な情勢に加えて『黒の騎士団』もゼロを失っております。最高指導者を失った今、組織の一部が暴走しないという保証もないと思われますが?」

痛いところを突いてきた。確かに、休戦条約が締結される前にキュウシュウで勝手な行動をした部隊が『グリンダ騎士団』に返り討ちに遭ったという………下手をすればE.U.と中華連邦の軍が休戦条約を無視してブリタニアに攻撃、という事態も起こりかねない……もし、ゼロを欠いた状態でそんなことが怒れば休戦条約を無視されたという大義名分を与えてしまうこととなる。

条約監視を名目として、こちらに逃げ込もうという魂胆か。建前としてはこちらも断るのが難しい。

シュナイゼルやゼロに比べれば、抜きんでているわけではない。だが、こちらの不安要素……ゼロという旗で集まった上にまだ建国間もない超合集国の問題点を突いてきている。

「我が軍で運用しているKMFのデータも一部ですが、公開します。ご覧ください。」

差し出された端末にはE.U.の軍から受け取ったライル専用機ベディヴィエールの設計及び実戦データが入っていた。更に、エース用の機体であるパラディンとガングランのデータもある。

「受理の暁には、これを提供します。また、我が軍の技術者が考案したKMFのデータもあります。机上の空論に加え、身贔屓ではありますがこの案を煮詰めれば、良い機体ができあがるでしょう。あなた方にとっても損はないはず。」

つまり、ブリタニアに一歩近づけると言いたいのか。侮辱と言いたいところだが、実際に空とシールドではようやく追いついているが、やはり全体的にはブリタニアの方が上であるのは否定のしようがない。

「お話しは分かりました。超合集国の最高評議会には私からお伝えしますが、しばしの時間が必要です。」

ライルは紅茶を飲んで、それに頷く。

「ええ、それでは。また後日……会談は再開することにしましょう。」



盗聴していたゼラート達は唸った。

「どうやら、随分とブリタニアも……少なくともあの皇子様は面倒なことになっているみたいね?」

アレクシアの言う通りだ。まさか、ライルが叛逆の嫌疑をかけられていたとは。

「こっちに潜り込む罠、という可能性は?」

イロナが謀略を疑う。誰でもそう考えるだろう……

「けど、わざわざ自軍だけで運用しているKMFのデータまで開示する?」

セーラの疑念も尤もだ。しかも、ベディヴィエールとなればライルの専用機だ。性能的に見ても、ランスロットを始めとした『ラウンズ』専用機に引けを取らない。

「まだ何とも言えんが、逃げ込む方便としては悪くないね。」

海棠はライルが持ち出した提案を認める。ゼロが死んだと言うことは、事実上最高権力者にして超合集国の指導者が不在と言うことだ。ゼロを排斥しようと考える者だっているはず。あの男だってそれなのだ………それが実権を奪い返す、或いはE.U.の残留国家かその内通者が何か事を起こすという可能性もあるのだ。

もしそうなれば、休戦条約も無視される恐れがある。条約監視というもっともな名目でこちらに駐在して、現状の維持を図りつつブリタニア本国に嫌疑が疑われた場合でも権限が大きな皇族三人が正式に条約監視員として承諾していれば、不用意に裁けない。しかも、ライルが叛逆を企てたという証拠自体がねつ造の疑惑もあるのだ。疑いが晴れれば、堂々と帰国して今後の超合集国とのパイプ役を兼ねる望みも出てくる。

「顔に似合わず、結構やるもんだね。」

「方便としては、確かに。問題は…奴が何を考えているかだ。本当にゼロと同じ力を持っているのならば、超合集国の実権掌握……と言いたいところだが、それにしては随分と正直だ。」

バルディーニが海棠の分析を肯定しながらもライルの思惑を図る。だが、どうも以前の貢ぎ物の時にも感じたことだが、馬鹿正直すぎる。大体、あの力をライルが持っている証拠もない。

「私達も星刻達と会って色々と話してみますか?」

クラリスが提案する。確かに……E.U.からの参加国を代表して、と言えばいくら扇達でも邪険には出来まい。

「まさかお前…弁解して、ライルの気を引こうなんてせこいこと考えてないだろうな?」

フィリップが睨むと、クラリスはため息をついた。

「まあ、正解ね。思いもよらない形で会えたんだもの……それに、あいつらが何でもかんでもギアスとやらなんて見張らないと。」

「後者はもっともだが、前者はベッドにお招きになって疑われても知らんぞ?」

「フィリップ達がいなければ、それで寝返ったんだけどね……」

「冗談でもそういうことを言うな。」

マスカールが窘めた。ゼラートはこんな時でも自分のペースを崩さず、且つすべき事には望むクラリスを見て微笑した。同時に、フィリップのような相手がいる彼女が少しだけ羨ましかった。

俺にとっては、ニコロスだったのかもしれないな…



浅海はクラリスが少し羨ましかった。ライルへの好意を気付かれても、負い目を感じることなく堂々と言える。お嬢様故にまだチャンスがあるから?それとも……只純粋に彼を?

「あの男の弁護、したいか?」

デルクに問われ、浅海は頷く。

「気持ちは分かるし、俺にとってもお前を救ってもらった借りがある。だが、ヘタをすれば分かるだろう?」

そう、ここでヘタにライルを弁護すれば『ロンスヴォー特別機甲連隊』そのものがつるし上げられる。只でさえ、ライルと直接会った女がいるのだ。まして二人……しかも一人は総隊長、ライルにだってどんな火の粉が飛ぶか。

あの時、抱かれていてそれがばれたら……今自分はここにいられないかもしれない。今だったら、扇達に殺されるかライルが浅海を洗脳したと言いかねないか?



藺喂は会議場の前で待っていた。ライル達が出てきて、藺喂は礼を取る。

「……久しぶり、というほどでもないかな?藺喂。」

「直接会う、という意味では久しぶり…だけど。」

気のせいか、ライルの顔は疲れていて見えた。濡れ衣を着せられた時に戦死者を出して、それが付き合いの長い人間だったのか?

「あ…あの……星刻様や天子様に、わざわざお茶を振る舞ったと聞いたけど?」

ライルの部下達も首をかしげるが、ライルは先に戻るように伝える。

「ああ…それが?」

「え、えぇと……前の約束、覚えてる?飲茶のご馳走…」

「覚えているが…今はそれどころではないだろう?」

「あ、あの………その………」

ダメだ、何を言えば良いのか分からない。

「こ、こちらもわざわざお茶を振る舞われたんだから……しゅ、朱禁城から持ってきた良いお茶があるの。だから……ちゃ、ちゃんと助けてくれたときの…礼を、したいの。罠だったら、殺しても良いし……星刻様と天子様に抗議して良いから。ご、護衛を連れてきても良いわ。」

自分でも気付かない内に女性口調になっている。だが……

「そんなことをしたら、それこそ君が私の内通者と疑われる。私と君だけではすまされないぞ……君は星刻のクーデター派にいたんだろう?星刻と天子様どころか、合衆国中華にだって責任を問われる恐れがある。」

「あ……」

「飲茶は当分無理だよ…」

ライルが肩を叩いて艦に戻ろうとしたが、ライルの通信がなった。

「失礼…良いか?」

「は、はい…」

「どうした?……何!?それで…分かった、すぐに戻る!!」

「ど、どうしたの?」

通信を切ったライルは藺喂に向く。

「私の艦に侵入者だ!」

[38492]
健 - 2019年04月20日 (土) 14時09分

流石に『ロンスヴォー』はまだ扇達に色々と言っていないとはいえゼロのことはゼロのこと、ライルはライル、とある程度整理を付けて様子を見ていました。ばっさりいえば『組織の一員として動くのを優先』している段階です。

ただし、役立たずな正規軍のせいで回ってきた対応に追われたために後手後手に回ったアレは全然空気を読めていません。どこにだっているでしょうね……必ず。

あと、超合集国内の大宦官派の生き残りと掌握を図るE.U.残留国の内通者がこれを逃さないという観点もいないと断言は出来ないと思います。いたとすれば、ゼロがいないこの時期は好機でしょうし。



後、久しぶりにライルの双方の腐敗への憂いを描写しました。ライルは自分達が侵略者、幼い子の観点で言うならば『他の子をいじめて玩具を取った悪い子』だという自覚があります。

それがそのまま大人に成長した感じですかね……それ故に『侵略者である自分達に従う屈辱』を選んだ人々を取りました。どちらかしか取れないのなら、苦汁を舐めて従う人々を取るのがライルです(反抗する者の言い分が全く分からないわけではないですが)。

[38493]
Ryu - 2019年04月21日 (日) 10時21分

とりあえず一言。後書きが長すぎる。



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