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お気楽極楽なSS発表会

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[38476] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-42『波紋…後編』
健 - 2019年04月08日 (月) 21時25分

「ねえ、どうするの?ギアスなんて突飛な話、誰も信じないわよ。」

ライル軍のメンバーは会議室で訪れた皇族達の説明を議論していた。ギアス、まして『神を殺す』などという話を誰も信じるわけがない。

雛に言われるまでもなく、ゲイリーもそこに悩んでいた。

「将軍、ここは一つの事実のみを伝えるしかないでしょう。」

長野が提案した一つの事実……それはつまり。

「ライル殿下が言われない叛逆の罪とねつ造された証拠で逆臣の汚名を着せられた、と?」

「はい、叛逆罪のねつ造自体は事実なのです。少なくとも、そこだけはご理解いただけるかと。」

「それしか無いだろうな………俺達どころかはめられた本人だって半信半疑だ。」

秀作が首を縦に振る。確かに…突飛すぎる話は省くべきだ。とはいえ、ギアスという力についてはそう考えれば説明が付く事例が多い。ライルはハレースタジアムでのアルハヌスの自決もオルドリンまたは彼らの死角にいた何者かがギアスをかけたと疑っていた。

もっとも、ライル自身はオルドリンをシロだと考えていた。それはアルハヌスの部下達の証言からその可能性が極めて低いからだ。

確かに……それならば、死にたくないと発言しながらも自決したアルハヌス卿の奇行にも説明が付く。一体、何なのだ。ギアスとは?どこにルーツが?



ライルは目を覚ました………まだ視界がぼやけるが、有紗の顔が映った。

「有紗……」

「ライル様、気がついたんですね?」

有紗の手の感触がある。どうやら、無事に戻ってきたようだ。

「どれくらい、眠っていた?」

「15時間ほど……今、シルヴィオ様達がいらっしゃってるんです。」

シルヴィオの名前を聞いて、ライルは飛び起きた。

「ライル様、まだ寝てないと!」

「いや……もしも今、兄様達と戦う事になったら!」

そうなれば、全員殺される!彼女まで…!

ライルはよろめいたまま、上着を着て部屋を出る。

「ライル様……私も、いきますから。」

「……すまない。」

ゲイリーに連絡を入れたライルは有紗に支えられて、会議室に入ってきた。

「ライル……」

エルシリアが何も言わずに見て、セラフィナは安心した顔をする。シルヴィオは強く睨んでいた。

「早速だが、どういうことか説明してもらう。事と次第によっては……」

「ええ……」

ゲイリーが歩み寄り、耳打ちをする。

「ギアスとやらの件は伏せて、叛逆罪の件だけを伝えましょう。」

「その方が良いだろうな……」



ライルは伝えた。自分達は皇帝を連れ戻すために神根島へ向かおうとしたところを、突然叛逆の容疑で攻撃されたこと。親衛隊と『フォーリン・ナイツ』から離反者を出して、フェリクスとセヴィーナが戦死……その後、『セントガーデンズ』を撃破したと。

「画像は調べてみたんですけど、よく出来た偽の画像です。」

優衣がライルの容疑を証明する画像を手渡す。

「本国の方にも確認していただければ、分かるはずです。これでおわかりいただけるかと……」

だが、シルヴィオとエルシリアは唸る。

「姉さん……これが偽の証拠なんですよ!?兄さんは無実だって分かったんだから…………まさか、兄さんが用意した嘘の証拠なんていうんですか!?」

食いかかるセラフィナをクレアが制した。

「落ち着いて、セラ……エルも判断に困っているのよ。」

「あたしも同意見ね………こっちの言うことが全部嘘、だなんて言わないわ。この画像も徹底的に調べれば偽物だって分かることだから。」

木宮が慎重に分析し、ウインスレットが進言する。

「ライル殿下……申し上げにくくありますが、すぐにこれを信じろというのは……」

「じゃ、じゃあシュナイゼル殿下はこれをどうお考えなのですか!?」

有紗が意見する。一介の侍女が、といいたいが今回は誰も咎めなかった。

「兄上は神根島に向かったきり、連絡が取れないのだ。ただ、コーネリア姉上が見つかったという話を聞いている。」

「コーネリア姉様が?」

シルヴィオからの行方不明になっていた第二皇女が帰ってきた、という事を聞いてライルは一つの仮説が浮かんだ。

姉様のことだから、ユフィの無実を信じているはず。ダールトン将軍もコーネリア姉様を突然裏切り、直後にゼロに撃たれたという………

ユーフェミアもダールトンも、とても普段と真逆の行動を突然取るにしては説得力がなさ過ぎる。まさか……

姉様……どこかでギアスのことを知って、ユフィがゼロからそれをかけられたと考えて調査を?

どうやってギアスを知ったのかは分からないが、ギアスについて何かの手がかりを得てシュナイゼルの元に戻った、ということだろうか?だとしたら、シュナイゼルもギアスについて何か掴んでいる?

「ライル様?」

レイが問いかけ、ライルは思考を現実に戻す。

「すまない……信じがたいでしょうが、事実なのです。私は叛逆を企ててはいません。」

「…………分かった。私個人としては、お前を信じたいが………事情が事情だ。」

「お前達の軍は、暫く私達の監視下に入ってもらう………事実が確認できるまではおとなしくしていてもらう。」

エルシリアとセラフィナの決定は妥当だ。だが、

「なんで!?兄さんが叛逆なんて、だって兄さんが叛逆して秀作もそれに荷担したら、秀作は『日本の英雄』なんて看板が付くんですよ!?勝手に着けられるのだって恐れる秀作が、そんなことするわけ無いじゃないですか!!」

「セラ、貴女と畑方秀作の関係についてはあれこれ言うつもりはないわ。でも……皇帝叛逆の容疑は重罪。継承権放棄でも許されるかは難しい。下手をすれば、ライルの関係者だって全員殺されかねないわ。」

エルシリアが言い聞かせるが、セラフィナは不満そうだ。

「私達とて、証拠が不十分だから妙だとは思う。だから、監視下におくことにしているのだ。少なくとも、皇族三人分の監視下におけばルーカスのような輩も下手に手が出せまい。分かるだろう?」

シルヴィオが監視下におく意味を説明して、セラフィナもようやく首を縦に振る。

「お二人の寛大な措置に感謝します。ただ……万が一と言うこともありますので、機体の整備などはよろしいでしょうか?」

「無論です……停戦を無視した『黒の騎士団』がこないとも限らない。」

ウィンスレットも了承し、更に木宮が提案する。

「最悪、『黒の騎士団』に保護してもらう事も視野に入れた方が良いわね。」

「えぇ!?なんで、あいつらに!」

優衣が文句を言った。日本人が、と言いたいところだが彼女は彼女でゼロに反感を持っていた節がある。拒絶もあるのだろう。

「あのね……もしこれがでっち上げの証拠だろうと、ライル殿下は本国で目の敵にされている方なのよ。ナンバーズの躍進を邪魔したい連中にしてみれば、これは願ってもないチャンス。恭順派の根強さを潰してでもって思うわけよ。」

そう、純血派のような連中にとってライルは目の上のたんこぶどころか邪魔者だ。これを大々的に公表してライルと繋がりのある貴族も潰して、等と考える貴族は多いだろう。本国に戻れば危ういのは明白。かといって、『ユーロ・ブリタニア』は既に本国に吸収された上に拒んだ貴族達も殆ど残っていない。E.U.は論外だ……つまり、消去法でも選択は一つしか無い。

「そういうとき、敵方に頼るしかないでしょう?ライル殿下は各エリアの住民からの信頼はそこそこある……『ブラック・リベリオン』の後でも結構根強い支持があるわけだから、彼が『黒の騎士団』に助けを求めて不正を正した後で実権掌握ないし復帰して『黒の騎士団』とのパイプ作りにもなる、ひいては超合集国との意見調整のテーブルを作る土台作りの一歩にもなり得るわ。」



木宮の論理に全員が圧倒された。確かに………可能性としてはゼロではない。ライルの支持が根強いというのはレイも聞いたことがある。でなければ、『ブラック・リベリオン』の発端となったあの事件で旗下の名誉ブリタニア人だけでも全員が離反している。

「でも……逃げ込む見返りは?向こうだって、見返りの一つくらい要求すると思いますけど。」

「そうね……貴方達の軍では試作機相当のKMFが多いわ。軍事面、特にKMF関係ではまだE.U.と中華連邦は後れを取っている訳だから……設計データや一部でも実働データを渡せば考慮してくれるかもしれないわ。向こうにとっても、対応に困るであろうライル殿下が付いてくれれば恭順派が反対派に鞍替えして、各エリアでの自分達に対する支持を、と考える人もいるだろうから。」

なるほど………向こうにとってもライルを匿うだけで相応のメリットはあるということか。確かに、この軍で運用しているKMFの大半は試作機またはそれをカスタマイズしたものだ。インドのラクシャータ開発型と一部の亡命ブリタニア研究者との共同開発機しかない『黒の騎士団』にとっても純粋なブリタニア産のしかも『ラウンズ』専用機に相当するKMFを多く保有するライル軍は技術者にとっては正に宝箱だ。

「その場合はこちらも付き添うつもりだ………協定の監視目的で駐在、という証言もする。」

エルシリアとシルヴィオがここまでしてくれる………それに協定の監視という目的ならばシュナイゼルや本国の官僚達も文句は言えまい。

「ありがとうございます。」

ライルが頭を下げ、当面の間ライル軍はエルシリア達の軍と行動を共にすることとなった。



『ロンスヴォー特別機構連隊』の面々と藺喂はバルディーニ搭乗のリヴァイアサンに集まっていた。ラルフは斑鳩にいる。扇達ともう少し話したいそうだ。

「どう思う?」

バルディーニの問いに海棠が唸る。

「そうですねぇ………確かに突飛すぎるけど。」

「そう考えれば、シンジュクや『ブラック・リベリオン』での租界崩壊、ひいてはあの事件も説明が付く。」

池田が扇達から聞いた話の正しさを裏付ける事件を述べ、全員も納得せざるを得ない。

「仮に、これが事実だとして……ゼロはどうやって手に入れたのでしょう?」

藺喂の疑念は尤もだ。扇達はそこまで聞いていたか分からないが、そんな訳の分からない力がゼロだけに自然発生するわけがない。どこかに元があるはずだ。

「『森の魔女』の呪い………」

クラリスが突然口走った言葉に全員が注目する。

「あ、ごめんなさい。昔屋敷にいた頃に使用人から何度も聞いたおとぎ話………E.U.のどこかに『森の魔女』がいて、その魔女は人々に呪いをかけているって。」

「まさか…大佐はその『森の魔女』とやらが実在するとでも?」

デルクがいぶかるが、浅海は………

「でも………そんな力が本当にあるのなら、『森の魔女』なんてものがいても…」

「確かに、な。それとの関わりの線も考え得る。『森の魔女』とやらが大元とも。」

マスカールも否定しきれなかった。しかし………

「いずれにしろ、ゼロは叩けば埃が出るなどという次元の存在ではなかったな。」

ゼラートが結果を述べた。そう、彼らは扇達から全てを聞いた。停戦協定とゼロの戦死の裏にある事実を………

わざわざ銃まで突きつけて説明を求めたのだ。事と次第によっては……と付け加えてまで。その場凌ぎ等ではないだろう。

ゼロの素性は誰もが驚いた。ゼラートやバルディーニ、クラリスはブリタニア人の可能性も疑っていたがまさか……

「あの総督の兄とはね……」

そう、ゼロはナナリー総督の実兄だった。第十一皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア……『閃光のマリアンヌ』の長子で日本に外交の人質として送られて死んだ皇子。だが、彼は生きていて人を操るギアスという力を持ってゼロとなった。『森の魔女』が絡んでいるかは分からないが……



「ゼロになった動機って……母親と妹?」

浅海が慎重に口を開く。ゼロが自分と大して変わらないブリタニア人の少年というのもだが、それが素性を隠したブリタニアの皇子でしかも枢木スザクと紅月カレンのクラスメイトだった。カレンの話によれば、彼はアッシュフォード学園で妹と暮らしていたらしい。だが、何故か今の妹はブリタニアに戻ってエリア11の総督だ。

「まあ、年齢的に一番想像しやすいのはそれだな。暗殺した皇妃の遺児が生きているなんてばれたら、犯人は狙ってくる。」

海棠が言う意味が分かった。つまり……暗殺への恐怖。全て事実ならば、ナナリーの確保に固執したのも頷ける。あの戦線離脱もそれに?それにフレイヤの後の暴言…………

「気持ちは分かるけど……彼にとって…」



「奴にとって、『黒の騎士団』も何もかも自分の復讐の道具だったのだろう。」

デルクが拳を握りしめる。本人はゲームだと言い放ち、カレンも駒だと言っていた。どこまで本気か、こちらは彼らほどゼロとの付き合いが長くない。確かなのは、復讐にしろ権力闘争にしろゼロにとって、全てが道具だったということ。

「奴の素性は度外視しても……日本解放を只扇達への報酬程度にしか考えていなかったのか。」

「でも、日本を取り戻して終わりじゃないのは大局的に正しいわよ?」

クラリスがデルクに意見し、バルディーニが頷く。

「ああ……ブリタニアが易々と植民エリアを手放すわけがない。本国に攻め込んで皇帝を殺して、帝国制度を解体………民主制への移行や超合集国への加盟を条件とした降伏。こうでもしなければ、またエリアを奪い返すために攻めてくる。」

「考え方が根元から大きく隔たっていたのね……私も只、フランスやE.U.加盟国を取り戻して終わりと思っていなかったけど………」



海棠に続き、ゼラートも口ずさむ。

「いずれにしろ……ゼロの自業自得だな。特区の事件が故意にしろ事故にしろ…あれだけの大惨事を引き起こした上に『ブラック・リベリオン』でいきなり戦線を離れ、トウキョウでのあの暴言と数々の独断行動………塵も積もれば山となるごとく、扇達への不満を溜めていきしかも放置したんだからな。」

ゼラート個人は特区については、独立やブリタニア打倒を推し進める以上は彼女を悪役に仕立てるのが最善且つ最速で他に手がないと考えていた。実際……早急に手を打たなければ瓦解していたのは事実なのだ。素性に関しては、明かせるわけがない。紅月カレンは素性や動機を後で知ったらしく、彼にはやや擁護的だ。しかし……組織のメンバーを只の駒扱いにした点で彼らの怒りを買ったのは事実。

指揮官は部下を駒と見なさなければならない………ある意味で理想だが……

自分さえ盤面のキングとみなしていた。確かにそれは正しいが………都合の良いときだけ、盤面のキングではなくなっていたな。

自分がやられれば、組織が崩壊する弱点も熟知していた。確かにそれはあるが……ナナリーの優先順位を高くしすぎていた。自分の身から出た錆だ………優れた指揮官にして指導者であった分、四十人委員会のクズ共よりは幾分かまともだが……組織の人間を本当に『そんなこと』や『駒』とするか…!

「だからといって……扇達の行動を俺は支持できないがな。」

マスカールもそれを聞いてため息をつく。

「シュナイゼルに乗せられた、と見るべきか。」

もはや修正不可能なところまで事が進んでしまった。素性についてはある程度推測していたのかもしれないが、シュナイゼルがどういう経緯でギアスという力にたどり着いたかは分からない。只、枢木スザクもギアスという力をかけられるか何かで関わっていた可能性もあるらしい。

「まあ……俺も権力闘争に使われたとか、自分達もそうされるのではって恐怖は分かるんだが………」

海棠も言葉を濁す。そう、ゼロをこれ以上到底トップとして据えることが出来ない。そこは分かるが……

「当面の問題が解決していないのに、ねえ?」

「確かにな………あの様子では、ゼロが殺されたということが明るみに出ればどうなるか考えていたと思えない。」

斬利もその点だけは譲れなかった。そう……少なくとも、日本解放について区切りが付くまではゼロを排除するべきでは無かったのではないか?ゼロを渡すにしても、色々とやりようがあったはずだが……あの時、そういった判断をできる人間があの場にいなかった。そこをシュナイゼルに突かれたのだろう。

結果、ゼロは極秘に仲間にした少年に連れられて逃げたという。ゼラートはゼロと扇達……双方に失望を抱きながら、ゼロに対してはまだ関心を捨てきれなかった。

奴がまだ生きていて、日本に送った挙げ句に連れ戻さずに攻め込んだブリタニア皇帝を殺すことだけは諦めておらず……あの妙な現象に関わって、皇帝がゼロに殺されていたとしたら?

そうしたら、どうなるのだろうか?只、自らの力を振るって生きることしか考えていなかったゼラートの中で、始めて特定の誰かへの強い関心が芽生えていた。


[38477]
健 - 2019年04月08日 (月) 21時33分

前回は秀作が人質にしてという提案をしたように今回、木宮や長野といったメンバーが色々政治的な意見をしました。

無実を信じてはいても、大々的に擁護すれば疑われる。ならば、神事ながらも法的解釈を盾にして監視という名目で守ろうということにしました。



そして、『ロンスヴォー』+藺喂はあの事を知りました。

意見が出たのはバルディーニ、海棠、ゼラートの三人ですが概ね全員が難色を示しています。特に海棠とバルディーニは政治的見解も持っているので。

書いてなかったのですが、ラルフは今斑鳩にいるので………

『ゼロの身から出た錆』であるというのは私もそう思いますが、一定の段階まで我慢して機が熟したら前もってシュナイゼルと交わした裏取引とか手があったのに………政治も出来る星刻がいればまだ違ったろうに。

[38478]
JIN - 2019年04月08日 (月) 21時48分

その辺りについては小説版でもマリアンヌが言ってましたよね。

それに対してC.C.は「そんな事が出来るのはマリアンヌみたいな人間だけだ」。

少なくとも小説版の作者として、一方的な扇バッシングに賛同していないのはあの辺りでも明白でしたが。



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