[38271] コードギアス異聞 叙任のカレン FLAME−4 決意不変 |
- JIN - 2018年08月26日 (日) 23時51分
「ではおやすみなさい。カレンさん」
「ええ。おやすみ。ナナリー」
今日も一日が終わった。
他愛ない行事と会議の日々。
その会議も、重要な物には列席を許されない。
もちろんナナリーは不服だったが、総督補佐のスザクがラウンズ権限を盾に出しては総督とて逆らえない。
ラウンズは皇族選任騎士に直接命令は出来ないが、それ以外には指揮が出来る。それが皇族であろうとも。
かつてはスザクがこの立場だった事を考えれば皮肉な話だが。
相変わらず豪華だが殺風景な部屋。
どことなくシュタットフェルト屋敷での部屋をも思い出す。
制服のまま引っ繰り返るベッド。
メイドが挨拶していくが、どうせあの政治補佐の息が掛かった目付け役だろう。
まあ仕方がない。
あたしだって同じことをするだろう。
とにかく今は大人しく機会を待つしかない。
ナナリーを連れてここを脱出する時のための。
もちろんナナリーはそんな事をさせるためにあたしを騎士にしたつもりはないだろう。
あくまであたしを本国移送から救うためだ。
その意味からすればいささか良心が痛む。
しかし止むを得ない。
あたしの目的はあくまでブリタニア打倒。
そのためにはどんな手も辞さない覚悟はしてきたはず。
ともあれあたしがそうすれば、任命者としてナナリーは皇族としての面子が潰れ、今度こそ完全にブリタニアに戻れなくなる。
それこそゼロ、いやルルーシュの望んでいる事の筈。
それに元々、騎士とは主人のために行動する物とも聞く。
たとえそれが時に主人の意に反する物だったとしても。
そして私はそれこそがナナリー自身のためでもと信じている。
ただそれだけの話。
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