[38237] コードギアス 戦場のライル SIDE OF WARFARE『貢ぎ物の末路』 |
- 健 - 2018年07月12日 (木) 18時46分
スイス派遣のE.U.外人部隊から一転、皇族の貢ぎ物になった彼女は第五皇子ルーカス・ズ・ブリタニアに身体を弄ばれた。何度も何度も乱暴に抱かれ、既に身体が限界を超えていた。
「も、う…だめ…!」
「知らんな…ほら、もっと俺に捧げろ!」
胸を乱暴に掴まれ、既にしがみつく力も残らない。最初こそ強情に抗ったが、度重なる快楽や痛みで身を任せていた。
もう…いや……!誰か助けて!助けられないのなら、殺して!
「ひっ…く……」
「う…うぁ…」
ベッドの下や脇では既に何人もの女がルーカスに貪られて泣いていた。中には既に意識を失った者もいる。
「い…やぁぁ…!」
ルクセンブルクから連れてこられた少女はパリのホテルの最上階スイートで怯えていた。他にも何人もの少女がいる。皆、踊り子のような衣装を着せられて怯えている。これから来るのは皇族だという。
あの『洗脳皇子』だとしたら、きっと洗脳して第五皇子のように身体を弄ぶんだ。見下ろした自分の胸は同年代より大きく、友人達が羨んだこともある。だが、今はそのせいでこうなるのだ。
ドアが開く音がした。ああ……死神が来たんだ。足音が妙に遅く、来てみると銃を持った男がやって来た。
「………結局、これか。」
大きなため息をついたのはまだ二十歳にもなっていないだろう青年だ。報道でも見た…この男が第八皇子ライル・フェ・ブリタニア、あの『虐殺皇女』や『英雄皇女』、『暴君』にこそ及ばぬが悪名高いブリタニアの『洗脳皇子』だ。
「こんな事に費やせる努力があるのなら自国の防衛に使え…」
整った容姿に何人かが見とれているが、青年はE.U.の有様に心底呆れているようだ。それを他所にイレヴンの少女が衣装を脱ぎ捨てて抱きついた。
「殿下…私達のこと、誰から…でも……」
『お言葉に甘えて』とでも言うだろう。だが……
ライルは上着を脱いで少女に羽織らせた。
「期待に添えないようで悪いが、そういう扱いをするつもりはない。」
「え?」
全員が困惑した。だが…
騙されるものか。油断させるのが目的だ。
隙を着いて全員をいただこうという魂胆に決まっている!
ライルは持っていたバッグから白紙の紙を出す。
「これに氏名と出身地を書いてくれ。君達を送り返す。」
送り返す?この男は何を考えている?どうせ送り返すといっても飽きたらに決まっている。飽きる頃にはもう心も体もあの男に従順にされている。
「ひぎ…!や、ぁらぁぁ!」
「そうか…嬉しいか。おら!」
ベルギーの少女はベッドから聞こえる声を聞いても何も感じなかった。今ベッドの上ではオーストリアから連れてこられた少女が第五皇子に抱かれている。既に全員が抱かれているが、相手はまだ足りずに無理矢理抱いている。
脇では既にイレヴンの少女が一人、すすり泣いていた。先程彼女もルーカスに身体を貪られ、泣いていた。
なんで、こんなことに?
彼女も既に何度も乱暴に抱かれた。妊娠してしまう…こんな形で、しかもこんな男の……
「ふう…さて、今度はお前だ。」
「やぁ…やめて…!」
だが、相手がそれを聞くはずもなく自分の上に覆い被せて、無理矢理唇を奪う。そして、強引に繋がる。
外人部隊から売られたというイレヴンの少女とライルが何かを話していたが、それ以降ライルが本当に水の入ったグラスや紅茶を持ってきた。
「好きなのを飲んで。」
だが、誰も受け取ろうとしない。先程ライルと話していたイレヴン以外は。
「変な薬など入れていない……そんなものより私は身を守る武器を優先する。」
が、フィンランドから売られた少女はにらみ付けた。
「体裁を取り繕わないで、早く私達をいただきなさいよ!誰に相手をしてほしいの!?」
が、ライルはまたため息をついた。
「信用しないのは当たり前だが、本当にその気はない。どうしてもと言うのなら、ポーカーかチェスの相手の方が良い。」
ライル本人も自分で注いだ水を飲み干した。そして、場所を離れる。
ライルの後をつけ、部屋に備え付けられたタオルを見つける。これで………タオルを丸めて後をつける。
ライルがソファーに座っており、本を読んでいる。一歩ずつ近づいて……
「殺すのは当然だが、抵抗はさせて貰うよ?」
気付かれていた?後ろから近づいたのに!
ライルは振り返り、タオルを持った腕を掴む。そして、空いた左手で銃を撃つ構えを取る。
「仮に上手くいっても君は殺される……それに、殺されるのは君だけではない。」
「な、何を?」
「ここにいる全員が共犯者として殺される……それでも良いのなら殺しに来れば良い。」
殺される?全員?只の貢ぎ物なのに?
訳がわからず、腕の力が緩んだ。気がつくと、ライルはタオルを取り上げていた。
すると、数人の少女がライルの元に来た。全員、衣装を全て脱ぎ捨てて豊満な、または細い身体をさらけ出している。
「殿下…私達のこと、どうぞ?」
すり寄って、腕に胸を押しつけたりしてくる。が、ライルはまたため息をついた。
「だから、その気はないと言っただろう?」
しかし、スウェーデンの少女が強引にキスをした。
「殿下みたいな人なら、良いですから。」
「私も、どうぞ?」
「お好きなだけ味わってください…」
今度はフランスの少女が全てを脱ぎ捨ててキスをした。更に最初のイレヴンの少女が大きな胸をライルに掴ませ、最初にキスをしたスウェーデン人の少女も後ろから抱きついた。更にデンマークの少女が大きいというほど大きくないが形の良い胸をライルの腕に押しつける。誰もが一向に譲らず、ライルも狼狽していた。
「ほら…さっさと私達みんなあげるから!好きなだけどうぞ!」
他の少女の間に入るように自身も衣装を脱ぎ捨ててライルにキスをした。舌を絡め、全員でライルをベッドに押し倒した。このまま全員でというところでライルが押しのけた。
「いい加減にしてくれ!」
それから…ライルが全員を振り払って本気で説得をして、ライル本人はバースペースの椅子で眠り、他は備えられたベッドまたはソファーを使って眠ることにした。
浅海はチラリとライルの寝顔を見た……まだ幼さが残っている印象を与えるが、先程本気で貢ぎ物の少女達を説得した。随分と時間をかけたが、全員を下がらせた。
「私は良いのに…」
彼の人柄は僅かながら知っている。愚直とも優しすぎるともとれる。
こんな格好をさせられて、差し出されたのがライルなのが良かった。ライルなら、好きなだけ見せたいとさえ思ってしまった。
…好き、なの?ライルのことが。
先程、こんな格好のあれだけの女に迫られてもそれをはねのけて説得した。女への免疫が無いわけではないが、それほど強くないようにも見えた。
アムステルダムのゲットーから連れてこられたイレヴンの少女は目を覚ました。同時に思うように動かない身体と周囲の状況から自分が何をされたのかを思い知らされる。
日本占領まで子役として活躍していたが、ゲットーへの隔離が決まって全てが一変した。財産も失い、両親も自殺……ゲットーでかろうじて生きてきた自分はあんな格好をさせられ、最悪の男に弄ばれた。
「もう、やだよ……」
こんな人生、もう嫌だ。いっそ…このまま。
彼女は自らの舌をかみ切ろうとした…しかし。
「おっと、そうはいかないぞ。お前は俺にその身体を捧げるのだからな。」
第五皇子だ。猿ぐつわをされて舌をかめない。
死ぬこともできないなんて…!こんなの…酷すぎるわ!
あまりに残酷な仕打ちに彼女の心は壊れてしまった。それから、壊れたようにルーカスに身体を差し出すようになっていく。
それから、イタリア州が設立した避難民の居住地に移送される日にライルが見送りに来ていた。
「では、彼女達をお願いします。」
「は!」
イタリアの士官と敬礼を交わしてライルが別れるが……何人かの少女がライルを見つめていた。
「あの…私は……」
「こんなろくでもない男なんて忘れた方が良い。」
ギリシャの少女がライルにキスをして、離れようとしない。
「よせ…」
ロシアの少女はライルをにらみ付けた。彼は結局、誰も抱かなかった。そればかりか全員を正規軍に預けた。
抱いてくれれば、期限付きでも良い暮らしができたのに!!
あの男は、勝手に自分達の未来を決めて正規軍なんかに預けた。皇族の寵愛を受けるという果実を与えなかったのだ。他のイレヴンや庶民には与えているのに!
ライルはその視線に気付いた。表情を変えず、只睨まれていた。察したのだろうか?
「そろそろ行きましょう。」
兵士に促され、トレーラーに乗り込むが彼女はライルを最後まで睨み付けた。
ルーカスはイレヴンとツーフォー、イタリアの少女を抱いた。
「ルーカス…様ぁ!」
イレヴンの少女が豊かな身体を踊らせ、ツーフォーの少女は唇に吸い付く、そしてイタリアの少女の身体を抱き寄せていた。
ふん、なかなか楽しめるな……しかし、エリア24のあのダンサーの姉妹とフランス軍の女が手に入らなかったとはな。
あのフランス軍の女はライルを気に入っていた上に逃亡し、エリア24の女も手に入れる前に本国へ送られてしまった。
まあ、良い…本国ならばまだチャンスはある。
「さて…俺にもっと尽くして貰おうか。」
「はい…」
イレヴンが離れる代わりに脇から抱きつく。ルーカスはイタリアの少女に覆い被さりツーフォーが背中から抱きつく
「お好きなだけ、どうぞ?」
「もっとぉ…!」
どいつもこいつも強情に拒絶していたが、何人かは従順になった。ライルの女共もこの女達と同等、いやそれ以上の上玉ばかりだ。皇帝になった暁にはあの女共だけ貰って、ライルや他の連中は始末してしまおう。否、シルヴィオやエルシリアとセラフィナの部下達、そして復帰したという噂の『グリンダ騎士団』の筆頭騎士とあのリーグ選手も……全ての美女は、このルーカス・ズ・ブリタニアのものだ!
ライルは疲れ切っていた……あれだけの人数に迫られて説得に時間をかけた上に信用できそうな正規軍を探すのにも時間がかかった。更に、和平後の事後処理などもあり殆ど眠っていない。
「大将、ちょいと休みや。」
ヴェルドが肩を叩き、力なく「ああ。」と答える。
「夢の中くらい有紗ちゃんやあの美人達とよろしくやれよ。」
「ああ……今回はもう殴る気力もない。」
「あれ?」
いつもと違う反応に流石のヴェルドも困惑した。
「あの……冗談は別にして、ちゃんと休んでくださいよ?」
コローレも声をかけるが、思うように歩けない。それに気付いたデビーが肩を支えた。
「部屋まで送りますよ、しっかり。」
「ありがとう…」
「大将が手放したあの貢ぎ物の女の子達……兄者はどれくらいが大将のこと恨んでると思う?」
「…国を奪ったという意味でならほぼ全員だろうな。まあ、殿下が『虐殺皇女』のような人ではないという印象は与えたのでは?皇族の寵愛が受けられない意味で恨むのはまた別としても……ね。」
感謝されたくて、というわけではない。それは名誉の積極的採用などを決めた頃からそうだったという。フェリクスが釘を刺したこともあって、そのあたりはライルは問題ない。彼女達がこの後どうなるかは分からない。だが……例えライルの愛人になってもろくな結末にならないのも事実だ。
「敵国人相手だけど、嫌な時代って思ったら俺らはブリタニアの恥だろうな。」
「我らが殿下が既に恥さらしだぞ、弟よ。」
そうだった……全く、困った皇子様だ。色々と。
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