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お気楽極楽なSS発表会

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[38224] コードギアス 戦場のライル B2 BERSERK-32『新国家の胎動』
健 - 2018年07月04日 (水) 18時20分

ブリタニアが中華連邦への攻撃準備を進めながらも、皇帝不在という不測の事態により動きがとれなくなっていた頃……『黒の騎士団』では日本奪還へ向けた準備が進められていた。

中華連邦の実権を握ったクーデター派は大宦官派の勢力を鎮圧してE.U.にも呼びかけ、既に敗色濃厚となったE.U.を見限りゼロに協力する動きを見せた国家は多い。



楊 藺喂は新型KMFの調整を行っていた。彼女の恩人である黎 星刻が搭乗するKMF神虎の量産試作機朱厭。それを彼女戦用にカスタマイズしたKMFだ。

「流石に神虎がベースなだけあって、とんでもないKMFだ。乗る人間のことなど全く考えていない。」

「その化け物を乗りこなしているあんたの上司は異常よ。で、その子はどうなの?」

ラクシャータ・チャウラーの質問に藺喂は「大丈夫だ。」とと答える。

朱厭は量産試作機だから神虎より性能は劣る。だが、そのポテンシャルはクーデターの時に既に実証されている。既に何機か開発された朱厭の内一機は『紅巾党』に荷担した武官の親族に持ち出されている。

今、ここで藺喂は最前線で戦う自身の機体として使っている。鋼骸など比べものにならない高性能機だ。

KMFの名前は炎鳥(ヤンニァオ)。名前通り赤く塗られ、頭部も鳥模した形状だ。

「雷鋒様のKMFもできているのでしたね。」

「ええ、今微調整の最中。」

雷鋒の実力なら乗りこなせるだろう……藺喂はそう信頼していた。ふと、ブリタニア側の動きで彼のことが胸に引っかかった。

クーデターの時もE.U.にいたから会えなかった彼……政略結婚が破談になったことでブリタニアと真っ向から敵対することになった中華連邦。だが、藺喂はそれ以上に彼とおおっぴらに会えなくなる方が残念だった。

「って、駄目よ!」

「何が駄目なの?」

ラクシャータに質問されると、藺喂は慌てて「何でもありません!」と大きく出てラクシャータを黙らせた。



雷鋒はブリタニアとの決戦に備えてKMFの調整を行っていた。前々からオーダーしていたが、暁タイプや神虎のおかげでようやく完成を見たKMFだ。

「こいつの性能なら相手が枢木スザクやライル・フェ・ブリタニアでもやり合える。後は、俺次第か。」

羅龍(ルオ・ロン)……神虎や紅蓮と同時期に開発されたKMFで、フォルムもどちらかと言えば神虎に近い。フォルムだけでなく、性能も破格のものとなって雷鋒と星刻以外に乗りこなせるのはE.U.から合流した元ブリタニア貴族とフランスの大佐程度だろう。

「世界の趨勢に決着をつける、か。」

ゼロはそう言っていた。確かに、遠からず中華連邦もブリタニアの侵攻を受けていた。備えなければならないのは事実。

「さて……どんな戦争になるのか。」



斬利はE.U.から来訪した幕僚と会談を終え、物資及び人員の話がついた。

「では、次にお会いする時は蓬莱島で。」

「ええ。」

斬利は椅子にもたれかかった。流石に反対派との交渉や中華連邦加盟国との意見調整に随分と力を使った。星刻と藤堂のおかげで軍事面は大分楽だが、政治面では……何しろブリタニアの外交官も来て、丁重にお引き取り願うのには苦労したのだ。

「ゼロは中華連邦もE.U.も一つの国家としてまとめようとしている。ブリタニアと戦うという意味ではそれがベストの選択だ。」

中華連邦とE.U.……ブリタニアと共に世界を三分する国家を掌握する事が出来る人間など、こちらではもはやゼロ以外にいない。斬利はそこが気がかりであった。

ゼロ本人は「王が動かなければ部下は着いてこない」という持論で自ら前線に出る。『ブラック・リベリオン』でも星刻達のクーデターでもそうだった。

それが人々に救世主として崇められる所以でもある。だが、万が一のことがあれば、どうなる?それが斬利の不安のたねであった。



バルディーニは星刻に挨拶に伺っていた。

「精鋭部隊を率いる貴官の協力に感謝します、バルディーニ将軍。」

「いや、精鋭など名ばかり。本物の精鋭は一握り……後は只の役立たず共だ。」

そう、『ロンスヴォー特別機甲連隊』はイタリア州の意向で『黒の騎士団』に合流するが、その旗下の兵士達は大半が例によってあの役立たず共だ。

実戦らしい実戦など全くしておらず、挙げ句の果てに今度はゼロの元で甘い汁を吸えるなどと思い込んでいる者までいる。

「飢えた民のためにと決起したそちらの兵達の方が遙かに立派だ。」

『あの連中がそんなことをするか?』、と質問されれば100%あり得ない。『スマイラス・ユーゲント』もスマイラス本人とバルクライ将軍といった主戦派と共に戦死し、残った主戦派も思うように動けずにいる。

『黒の騎士団』も藤堂のような連中を除けば素人集団……クーデター派の将兵が通常戦闘の要だろう。おそらく、ゼロは国力という目的以外にそこも考慮して中華連邦の掌握を図ったのだろう。



海棠は元同僚達に会っていた。藤堂鏡史郎だ。

「久しぶりだね、藤堂。」

「大佐も相変わらずで…」

『四聖剣』の千葉と朝比奈は相変わらず良い顔をしていない。まあ、『解放戦線』との会合で顔を合わせた時も戦死した卜部や仙波と共に嫌っていたから無理もない。

「で……組織の方はまとまりつつあんのかい?」

「ええ、一度遠のいた独立も再び近づきました。」

独立、ねえ……

「藤堂、聞いても良いかな?」

「何でしょう?」

「お前さんの言う独立ってのは、全ての民のため?それとも、お前らの支持者のため?」

その問いに朝比奈と千葉が食ってかかった。

「何を言っているのですか?」

「全ての民のために決まっています!」

「ふーん……エリア11はあの車椅子のお姫様が結構良い政策してるっていうじゃない?ニュースで見たけど無茶までやっちゃってさ。」

二度目の特区日本失敗後……ナナリー総督はある島で発生した事件でその犯人グループとの交渉のために一人でその場に残り、挙げ句車椅子から降りて『ナイトオブシックス』にアヴァロンの介入を防がせたという。

「あの総督の政策で向こうは衛星エリア目前だ……つまり、あっちに残った連中の生活もそれだけ良くなる。総督本人の主義もあって日本人にも損がない。そんな状況でせっかく、子供に良い物食べさせてあげられるようになった親の気持ちを踏みにじるってわかってる?」

「そんなもの、独立が適えばもっと良い物を食べさせてあげられます!」

「俺達はそうやっていつか適うといって何万人を付き合わせて死なせた?俺が拾ったチビッコ共だって何人も死んだんだ。それに独立が釣り合うのか?」

少なくとも海棠はそう思わない。数の問題ではないのだ………

「大佐!貴方は日本人、しかも軍人のくせに支配者に従えと仰るのですか!?」

「見解の相違…或いは価値観の違いか?お前ら、軍人は国を守り、それを取り戻すのが役目だと思っているようだが…俺は違う。軍人が守るのは市民の生活と命だ。お前らは侵略者の軍門に下ってでも自分の家族や生活選んだ人間は死ねってのか?日本人なら飢え死にかカミカゼが正しいってのか?」

それこそ……あの行政特区をブリタニア側の反対派から守るという名目で武器を持たせて貰えた可能性も皆無ではない。海棠や彼の部下達が考える軍人の本懐も果たせる。それまで黙っていた藤堂が口を開く。

「全てを否定するつもりはありません。今『帝国の侍』、『裏切り騎士団長』と呼ばれる男も家族を選びました。」

「藤堂さん!あの男は只の臆病者です!!」

「軍人のくせに、ブリタニアに従った恥さらしです!!」

すると、海棠は朝比奈と千葉を射殺さんばかりの目で睨んだ。

「……いい加減にしろよ?誇り?魂?矜恃?それ振り回して死ぬのは俺らの勝手さ。けどな………それを自分や家族の生活第一な人間に押しつけて、只野垂れ死にしたのもさも崇高で誇り高い死に方だって言うなら…今ここでお前らがそれを実践しろよ。E.U.で未だある『切腹だカミカゼだって死ぬのが大好きなイレヴン』って偏見を証明しろ。元同僚のよしみで介錯くらいしてやるぞ?」

後ろにいた橋本も朝比奈と千葉を睨む。

「大佐に拾われて本当に良かった……あんた達と一緒にいたら、名誉ブリタニア人を裏切りの一言で片付ける頭の悪い奴らの仲間になっていた。」

「何!?」

朝比奈が睨み付けるが、橋本もにらみ返す。

「俺は日本を取り戻すさ…だが、それは全ての日本人のためだ。名誉ブリタニア人やブリタニア人と仲良くしたという理由で迫害するためじゃない。名誉の人達も、両方から迫害されないと信じているからだ。」

「我々は民族主義ではない!」

「でも独立最優先、他はくだらないってクチでしょ?」

セーラも冷ややかに反論する。

「はっきり言って私は日本に愛着なんてない。占領された途端に裏切り者扱いする勝手な国なんて滅びたままの方が良い。きっと、第八皇子の騎士になった子も同じ気持ちでしょうね。」

「この裏切り者が!」

海棠がこれ見よがしに大きなため息をつく。

「言ってる側からこれだ……裕太、セーラ。もうこいつらと議論すんのはやめよう。今でも俺は独立が一番だとは思うが、肝心の独立の勇士がこんな時代遅れの連中じゃ先が見える。」



クラリスは自室でため息をついた。フランスから一緒に来た連中は流石に少数派なだけあって真剣だが、他の国の連中は言うに及ばずだ。

先程も『黒の騎士団』旗艦で管制を担当している三人の女性にちょっかいを出している奴らを見た。

「ああ……ゼロに頼んであいつら消して貰えないかしら?」

「物騒なことを言うな、と言いたいがあれではな。」

もはや三極の図式など崩壊寸前なのに、あの有様。バカ親共だけでなくあいつらも始末しておくべきだったかもしれない。

「ねえ…ライルに寝返りたいって言ったら怒る?」

「普通なら怒りたいが………な。」

「もう、嫌な噂通りでもなんでも彼の部下で夜可愛がって貰いたい。」

後悔だらけの人生だ……あの時でも、少し積極的になって抱いて貰えば良かった。などと思ってしまう。邪な男ばかりが周りにいるのだから尚のことだ。もっとも、それでは逆に振られる気もした。



フィリップはため息をついた。ゼロに合流しても五月蠅いハエ共にたかられ、少し会ってみた幹部達も発想が前時代的でゼロに全てを丸投げしている傾向がある。人間的には正規軍の連中の百倍マシだが、それでもイマイチ合わない。

クラリスはそれに起因するストレスをライルへの恋煩いで誤魔化しているようにも見える。すると、右腕でその巨大な胸を押し上げる。

「ライルならこれ好きなだけあげるけど……あの玉城とかってのは絶対に嫌。正規軍と同類に見える。」

確かに……外見的にも性格的にも正規軍に一番近い。あの副司令が一番まともに見えるのがせめてもの救いだろう。

「ねえ、私のこれ欲しい?」

胸を強調してクラリスが聞いてくる。

「食いついたら逆に噛まれそうだから遠慮する。」

「嘘でも欲しいっていうのが相場でしょ?」

「その相場を裏切るのが好きでね。」



[38225]
健 - 2018年07月04日 (水) 18時24分

今回は本編での『ロンスヴォー』と中華連邦です。

リンウェイやクラリスはライルへの未練がありますが、流石日本海第一とわかっています。とはいえ、クラリスは代わり映えしないバカな奴らが多くてもう参っています。フィリップ達がいなければ寝返っていたかもしれません。

で、独立第一の藤堂達と独立より市民の命と生活を優先する海棠。同じ軍人でも相容れないでしょう。特にあの世界観では。



JINさん

今更ながら、出し過ぎて後悔しています。RANGEさんには申し訳ありませんが、多分雷鋒は顔見せレベルで終わるでしょう。

KMFも出し過ぎて、風呂敷を広げすぎました。もう後の祭りだけど。

実は、ライルの貢ぎ物も何人か名前付きでと思ったのですが……他の皇族の軍か農場でフェードアウトしてしまうのでやめました。位置的にもサラとユリアナ、リュウタに被りますし。

[38226]
JIN - 2018年07月06日 (金) 13時19分

あるいはこれから思い切り「整理」をするかですね。

無理に「殺す」まではないですが、様々な形で「退場」は可能させていく形で。


その意味も含めて「ハワイ攻防戦」を勧めたいところで。



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